光通信の従業員データ、60歳が考える30年後の未来、イー・ギャランティ、
光通信の企業価値、究極のインサイダー売り、チャールズ・エリス卿のアドバイス、
平日10時の近鉄奈良駅、7億円貯めた方法、配当が良い株式への投資
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ショートコラム(2024年6月)
■配当が良い株式への投資(2024年6月30日) |
かつて当方のセミナーを受講された方から、配当が良い株式への投資に関する資料が郵送されてきました。連絡先の記載がなかったため、ここでお礼を述べさせていただきます。ありがとうございます。 あくまでひとつの見方として、下記の条件を満たす銘柄であれば、足元のような株式市場全体が割安とはいえない局面でも、少し持ってみるのはありかなと思っています。 ●配当利回り3%以上 なお送られてきた資料の中でいちばん興味深かったのは、長期株式投資さんの著書『オートモードで月に23.5万円が入ってくる「超配当」株投資 日経平均リターンを3.86%上回った“割安買い”の極意』についての記事です。 高配当の大型株をコアとしたポートフォリオが組まれており、私自身、存じ上げているのは小型割安株を中心に投資されている方ばかりなので、新鮮に感じました。 |
■7億円貯めた方法(2024年6月26日) |
旧知の投資家さんが新刊を出されました。『年収300万円、掃除夫だった僕が7億円貯めた方法』です。 投資対象は株だけで、しかもロングオンリー(買い持ちのみ)だっと記憶しています。この人の凄いところは、長年に渡って試行錯誤を繰り返し、幾多の失敗を乗り越え、成果に結び付けたことです。 本書には、その中から一般的な個人投資家にも実践できるノウハウが書かれています。自分に向いてそうなものがあれば、さっそく取り入れてみてはいかがでしょうか。 |
■平日10時の近鉄奈良駅(2024年6月25日) |
昨日、所用で奈良市内まで出向きました。近鉄奈良駅に着いたのは朝の10時頃でした。 インバウンドが盛況なのか、改札を出たコンコースに居合わせている人の半数は外国人です。とりわけ欧米系の白い肌が目につきました。 コロナ前は、アジア系が我が物顔で奈良の街を闊歩しており、欧米系は少数派で遠慮がちでした。今やすっかり逆転しています。 そういったところからも「やっぱり中国の景気は良くないのかな」と感じた次第です。 |
■チャールズ・エリス卿のアドバイス(2024年6月19日) |
ロングセラーとなっている『敗者のゲーム』より引用します。 株式市場では、しばしば非合理的な投資行動により極端な価格形成が行われ、その歪んだ結果がインデックスに反映されてしまうことも、少なからず起こるものだ。 たとえば、ITブームに沸いた2000年において、S&P500を見ると、いくつかの大型ネット株の高騰によりそのウェートが過大になってしまった。 当然のことながら大型IT株の暴落とともに、S&Pインデックスも暴落、それを正確に反映していたインデックス・ファンドも暴落する結果となった。 今日の米国株式市場は、まさに2000年の再来ともいえます。下表の通り「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」の月報でも、上位7銘柄がS&P500の3割近くを占めているからです。 著者のチャールズ・エリス卿は、このような状況下にて、3つの選択肢を示しています。 (1)嵐が過ぎ去るのを辛抱強く待つ そのうえで、2番目が最も適当だろうと記しました。我が国の個人投資家からすれば、2番目の選択肢には「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」が該当します。しかしオルカンも、米国株の比率が全体の6割を超えていることには注意が必要です。 個人的には「新NISAの非課税枠は生涯使えるわけだし、別に急がなくてもいいじゃないか」と思ってしまいます。のんびりしすぎでしょうか。 【eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) 組入上位10銘柄】 |
■究極のインサイダー売り(2024年6月17日) |
たった上場2年足らずで10倍株になった銘柄を、高値にて、しかも大量に売った敏腕投資家をご存じでしょうか。 2018年にM&A総研HD(9552)を創業した佐上峻作社長です。同社株が上場来高値の7,500円を付けた翌日の3月14日にピンポイントで発行済株式数の9.5%を売却しています。 佐上社長は立場上、業界や自社の動向について相当に熟知しているはず。究極のインサイダー売りとも言えそうです。 【M&A総研HD 当社代表取締役社長による当社株式の売却に関するお知らせ】 【M&A総研HD 日足チャート】 |
■光通信の企業価値(2024年6月11日) |
光通信(9435)の決算説明資料に独自計算した企業価値が掲載されています。 ●企業価値2.5兆円 = 事業価値1.8兆円 + 純現金資産0.7兆円 これは一般的な計算式とはやや異なっているようです。そこで私なりの試算を行いました。 【事業価値】 ●事業価値1兆円 = 営業利益1,000億円 × 10 一般論として、営業利益の10倍を事業価値とするケースが多いようです。近年、同社は営業外に多額の投資収益を計上しており、それが純利益を押し上げています。通常は事業価値に営業外損益を含みません。 【純現金資産】 ●純現金資産0.5兆円 = 会社側の独自計算した純現金資産0.7兆円 × 0.7 純現金資産(ネットキャッシュ)に関しては、円安の株高局面につき、上場投資有価証券や債券の評価を引き下げ、全体的に70%で計算しました。 【企業価値】 ●企業価値1.5兆円=事業価値1兆円+純現金資産0.5兆円 会社側の独自計算より1兆円少なくなりました。現時点における同社の時価総額は1.2兆円程度につき、2割引きとなり、割安ながらも微妙なところでしょうか。 バリュー投資の原理原則にのっとり、十分な安全域を確保して、企業価値の2/3以下で投資を行うのであれば、時価総額が1兆円を切るまで待つ必要がありそうです。 ちなみに企業価値の計算方法については『なぜか日本人が知らなかった新しい株の本』が参考になります。2005年の出版ながら、初心者向けでこれ以上に分かりやすい類書は、未だに表れていません。 |
■イー・ギャランティ(2024年6月9日) |
イー・ギャランティ(8771)が売られています。6月7日に年初来安値を付けており、株価1,285円、時価総額613億円です。 チャート上でも、ついに120月(10年)移動平均線を割り込んでしまいました。その分、割高感も薄れています。 ●PER:17.8倍、PBR2.76倍、配当利回り2.88% もともと投資家の評価が高い優良企業だけに、PERが20倍を割り込み、配当利回りも3%に近づいている足元のバリュエーションは投資妙味があるとも受け取れます。 【イー・ギャランティ 月足チャート】 この銘柄は2023年11月の銘柄分析レポートで取り上げました。ビジネスモデルに関する記述を抜粋します(下記)。 自社でリスクを引き受けないビジネスモデルが功を奏して、ITバブル崩壊局面を切り抜け、国内最大手としてプラットフォーマー的なポジションを確立しました。 【イー・ギャランティ ビジネスモデル】
ただレポートを作成した時点の株価水準は、イー・ギャランティといえども、個人的な肌感覚として、まだ割安と言い切れませんでした。そこで「逆張りの長期投資では、ウォッチを開始すべき時期に来ている」という記述にとどめています。 【イー・ギャランティ 2023年10月末の株価】 そこからさらに下げた足元では、一歩踏み込み「逆張りの長期投資では、打診買いを検討すべき時期が近づいている」と表現できるかもしれません。 ひとつだけ注意したいのは、マーケットの多数派であるトレーダーに避けられるような局面で買いを入れた場合、株価が直ぐに下げ止まらず、当面の間は含み損を抱えてしまう可能性を否定できないことでしょうか。 見返りも大きい逆張りの長期投資ですけど、その一方で覚悟が必要です。 |
■60歳が考える30年後の未来(2024年6月7日) |
リタイヤも視野に入りつつある、60歳の個人事業主が30年後の未来を考えてみました。 金融資産を現金のまま持っていると、その価値はほぼ確実に減っていきます。2%のインフレで30年後には半減します。 インフレから身を守るためには、株を買うしかありません。しかし株式市場はときおり暴落を演じ、そこからの回復に時間がかかるという特性を備えています。たった1年で半値になり、再び元本を回復するまで10年近く待たされることさえありえます。 リスクを軽減するためには、ドルコスト平均法が有効です。いきなり全力で株を買うのではなく、30年かけてコツコツと株に変えていけば、一時的に株価が値下がりしても「追加で安く買えるから」と自分に言い聞かせられます。 ところがこの場合、実質的には半分しか投資していないことになります。まだ株に変えていない現金は、依然としてインフレの脅威にさらされているのです。 そうであれば、いきなり半分で株を買い、残り半分は現金(債券)のまま持っていて、リバランスを行ったほうがいいかもしれません。 いずれにせよ、現金で持っていてもジリジリと焼かれていきますし、株はだいたい10年に一度の割合で痛い目にあいます。その間で何とかうまくやる方法を模索するしかなさそうです。 とまあ『JUST KEEP BUYING』を読みながら、30年後も生きているつもりでこんなことを思案しています。 |
■光通信の従業員データ(2024年6月4日) |
光通信(9435)の統合報告書に興味深いデータが掲載されていました。従業員数、1人当たり売上高、1人当たり営業利益の推移です。 同社は10年間で営業利益をほぼ3倍に増やしました。その要因が付加価値の向上であることを、このデータは明確に示しています。というのも従業員は、ピーク時の半分以下に減少しているからです。 光通信といえば、数多くの若手営業マンが気合と根性で走り回っているイメージをお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。しかし今では、すっかり別の会社になっているのかもしれません。
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