銘柄分析レポートのまとめ方、バリュー投資家のモニッシュ・パブライ、
特殊状況投資家のジョエル・グリーンブラット、企業価値評価、証券分析【1934年版】、
私たちのあまり秘密ではない武器
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ショートコラム(2024年2月)
■私たちのあまり秘密ではない武器(2024年2月27日) |
バークシャー・ハサウェイ(BERKSHIRE HATHAWAY INC.)のウェブサイトにバフェットからの手紙(Warren Buffett's Letters to Berkshire Shareholders)2023年版がアップされています。 その中で「私たちのあまり秘密ではない武器(Our Not-So-Secret Weapon)」というエッセイが心に刺さりました。要約すると次の通りです。 ●滅多に起きるものではないが、市場は予測不可能な暴落に見舞われる可能性がある。 いつになるかは分かりませんけど、実際にパニック的な急落が起こった後で、このエッセイがあちらこちらのメディアにて取り上げられるような気がしています。 |
■証券分析【1934年版】(2024年2月21日) |
久しぶりに『証券分析【1934年版】』を本棚から引っ張り出し、再読してみました。今回、改めて琴線に触れたのは「第50章、価格と価値の矛盾」に書かれていた次の文言です。 それ自体相対的に重要度が低いと思える変化に株式市場が過剰反応する理由は、投機家心理という観点から容易に説明がつく。 彼らは何よりもまず「価格変動」を望んでおり、強気な口実を与えらえさえすれば、いつでもそれに加担したい気持ちがあるのだ。 最近、私自身が株式市場に対して抱いていた疑念がこの文言で氷解しました。 本書の出版から90年経った今も、根本的なところでは何も変わっていないということでしょうか。たまには古典をじっくり読み返してみるのもいいものです。 |
■企業価値評価(2024年2月19日) |
『一流投資家が人生で一番大切にしていること』によれば、ジョエル・グリーンブラットは投資先企業に合わせて、4つの標準的な価値評価手法を組み合わせています。どれも精密な手法ではなく、それぞれに限界があるからです。 (1)DCF(割引キャッシュフロー)法 今どき、清算価値を使用するのが倒産等の特殊状況を手がけるグリーンブラットらしいと感じました。なおPMVに関しては、米国MBA講座のテキストである『バリュー投資入門』が詳しいです。 |
■特殊状況投資家のジョエル・グリーンブラット(2024年2月14日) |
ジョエル・グリーンブラットは、1985年から1994年までの10年間に年50%というありえないリターンを達成したレジェンドとして、知る人ぞ知る投資家です。 一般的な機関投資家が参入しづらい特殊状況への投資を得意にしているものの、ベースとなってるのはバリュー投資です。 3冊の著書があり、代表作『グリーンブラット投資法』、初心者向けに書いた『株デビューする前に知っておくべき「魔法の公式」』は翻訳されています。 またインタビューの受け手として、トレーダーを主な読者対象としている『続マーケットの魔術師』第7章、長期投資家向けに書かれている『一流投資家が人生で一番大切にしていること』第5章にも登場します。 読み比べてみるのも一興ですけど、とりあえず一冊だけ読みたいのあれば、個人的には『一流投資家が人生で一番大切にしていること』をおすすめします。 |
■バリュー投資家のモニッシュ・パブライ(2024年2月8日) |
S&P500指数が159%のリターンに甘んじた2000年から2018年までの間に、1204%という驚異的な数字をたたき出した人物をご存じでしょうか。 バリュー投資家のモニッシュ・パブライです。我が国ではほとんど知られていない存在ながら、傑出した投資家として、米国ではその名をとどろかせています。 著書『ダンドーのバリュー投資』も翻訳版が出版されています。しかし本書には難解な部分があり、何度か読み返してみたものの、モヤモヤ感が残っていました。 それを一気に解消してくれたのが、近年まれな投資の名著『一流投資家が人生で一番大切にしていること』です。ベテランの金融ジャーナリストによる、パブライ流バリュー投資の解説が明解でした。ちなみに彼は、トップバッターとして第1章「ウォーレン・バフェットの模倣者」に登場します。 とにかくパブライに関しては『一流投資家が人生で一番大切にしていること』と『ダンドーのバリュー投資』を併せて読むことで、いっそう理解が深まります。今後も交互に読んでいきたいです。 |
■銘柄分析レポートのまとめ方(2024年2月3日) |
月刊レポートの主力コンテンツである銘柄分析レポートは、個人的な資料作成も兼ねており、私自身が行なった銘柄分析をまとめたものです。毎月テーマを決めて、テーマに沿った2社を取り上げるのが基本的なパターンです。 手順は下記の通り。なるべくシンプルな分かりやすい記述を心がけています。 作成に要する時間は1つの会社につき、定量分析1日、定性分析2日です。定量分析はルーチンワークの要素が強く、機械的にエクセルの表を埋めていけば完成します。その一方で、定性分析は決まりきった手順がなく、会社毎の手作業となるため、手間暇がかかります。 なお銘柄分析レポートは、体験購読でもご覧いただけます。ご興味をお持ちであれば、この機会にお申込みを検討くださいませ(今月号は特に面白いと自負しております)。 【1枚目】 まず会社概要を記します。会社四季報の【特色】や有価証券報告書の【事業の内容】をそのままコピーせず、なるべく自分の言葉で表すようにしています。 続いて業績です。エクセルで作成した過去10年間の業績推移と会社発表の業績予想の一覧表を掲載し、簡単な説明を添えます。 その次は任意です。セグメント情報を公開している会社は、過去2〜3年の推移を掲載します。それ以外のケースとして、小売業なら地域別店舗数、受注産業であれば受注残の推移を掲載します。簡単な説明付きです。 【2枚目】 まずキャッシュフローです。エクセルで作成した過去5年間のグラフを掲載します。設備投資は投資CFをそのまま用いず、真水部分のみを再計算しています。FCFは営業CFから設備投資を差し引いたものです。 次にバランスシートです。エクセルで作成した貸借対照表を掲載します。科目は適度にグループピングしています。一例をあげれば、流動資産は現金預金、売上債権、棚卸資産、その他の4つです。 【3枚目】 銘柄分析レポートのハイライトです。事業環境、ビジネスモデル、競争優位性、経営戦略、中期経営計画など、その会社を分析する上で、鍵となる定性面を中心にまとめています。最も労力をかけている部分です。 【4枚目】 まず経営者についてまとめます。人物像を含め、なるべく多くの情報を集めるようにしています。 次に株価推移です。PERなどシンプルな指標と株価チャートを掲載しています。 そして指標とチャートから考察される、なるべく客観的なコメントを付けています(銘柄推奨を行うレポートではありません)。 |
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