2022年の過ごし方、1月のバリュー投資塾、小型株バイアス、
お酒やめようかな、収益源を失うエヌリンクス、株価のプレミアムとディスカウント、
「ティリングハスト流バリュー投資」音声CD、資産はあるが健康でない人生、
バブルの行方、ティリングハスト氏のインタビュー記事
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ショートコラム(2022年1月)
■ティリングハスト氏のインタビュー記事(2022年1月30日) |
『日経マネー 2022年3月号』にジョエル・ティリングハスト氏のインタビュー記事が掲載されています。記事の中で特に印象に残ったのは、投資先に選定に関して「経営陣が優秀」という言葉が真っ先にきている点でした。 現にティリングハスト氏が長期保有している日本株には、商品やサービスの差別化が難しく、参入障壁も高くない凡庸なビジネスながら、優秀な経営陣が地道な努力を積み重ねて頭一つ抜け出し、業容を拡大してきた会社が少なくありません。 この手のビジネスは一律に低く見られがちで、株価も総じて割安だったため、やり手のストックピッカーにとっては腕の見せ所だったのでしょう。バリュー投資の達人を見習い、そういった会社をひとつでも多く見つけたいものです。 |
■バブルの行方(2022年1月27日) |
皆さんは1999年から2000年にかけて起こった、ITバブルの顛末をご存知でしょうか。簡単にまとめると次のとおりです。 (1)1998年8月、ロシアのデフォルトにより、巨大ヘッジファンドLTCMが破たん (2)損失額があまりに巨額だったため「米国の銀行システムが持たない」「資本主義が崩壊する」と言われ、金融市場はパニックに (3)FRBは債権者を集めて救済措置をまとめ、金融緩和に踏み切り、危機を回避 (4)ところが金融緩和により市場にあふれた資金は、1990年代を通じて上昇を続けていた株式市場に流れ、火に油を注ぐ結果に。これがITバブル (5)金融引き締めに転じたFRBは利上げを続け、やがてバブルは崩壊 今回の株高もITバブルとの共通点が多いです。 (1)2020年3月、新型コロナウイルス感染症が世界的拡大 (2)「大恐慌以来最悪の景気後退が起こる」と言われ、金融市場はパニックに (3)FRBはさらなる金融緩和を行い、事態を収拾 (4)しかし金融緩和により市場にあふれた資金は、2009年から上昇を続けていた株式市場に流れ、火に油を注ぐ結果に。このバブルには、まだ名前がついていない (5)FRBは金融引き締めをアナウンス。まだ利上げが行われていないにもかかわらず、株式市場は軟調に マーケットの歴史を振り返れば、バブルとその崩壊を繰り返しています。さて今回はどうなるでしょうか。 |
■資産はあるが健康でない人生(2022年1月23日) |
株式への長期投資を通じた「複利のマジック」の恩恵を十分に受けるためには、投資家自身が健康を維持して長生きする必要があります。かくいう私も「できるだけ健康寿命を伸ばしたい」と思っている一人です。 世間で知られているバリュー投資家は、たいてい長生きです。ベンジャミン・グレアムの弟子であり、109歳まで生きたアービング・カーンは『価値の探求者たち』にて「資産はあるが健康でない人生」に疑問を投げかけています。彼のアドバイスは次のとおりです。 酒とたばこはいけない。栄養のあるものを食べなさい。 先日、特定健診の結果が出て、医師からいくつか注意を受けました。改めて食生活を振り返ってみると、アルコールと砂糖の取り過ぎに気を付けていたものの、塩分に関してはノーマークでした。 そこでどの食品にいくら塩分が含まれているか調べてみたところ、相当量の塩分を摂取していました。さらに添加物が体に良くないこと、腸内環境を整えるには食物繊維や発酵食品が良いことなど、芋づる式に知識が増えてきました。 無知と言うのは恐ろしいです。例えてみれば、今までの私は販売手数料3%、信託報酬2%のコストがかかり、そのうえ割高な人気銘柄ばかりを組み入れた株式投信を買い込んで「良い投資だ」と勘違いしていたようなものです。 早速、食生活の見直しに着手しました。現時点においてリストアップしたものは次のとおりです。 【絶対的に避けるもの】 【積極的に食べるもの】 あくまで私見ながら、次の投資チャンスが訪れるまで、もう少し時間がかかると見ています。食生活の改善を進めつつ、そのときに備えたいです。 |
■「ティリングハスト流バリュー投資」音声CD(2022年1月19日) |
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1月15日に開催したバリュー投資塾「ティリングハスト流バリュー投資」音声CDが完成しました。 今回のセミナーでは、個別銘柄分析を通じてジョエル・ティリングハスト氏の投資に対する考え方を理解でき、私自身にとっても大いにプラスとなるセミナーでした。本当にこのテーマを選んで良かったです。 また参加された方からも「実りの多いセミナーだった」というご意見をいただきました。きっと皆さんにも「CDを聞いて良かった」と思っていただけるのではないかと自負しております。 ご購入を希望される方はメールにて、氏名、郵便番号、住所、電話番号を記入してお申込みください。折り返し、振込口座などのご案内をいたします。 なお既にお申込み・ご入金をいただいた分に関しては、明日中に最寄りの郵便局から発送予定です。
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■株価のプレミアムとディスカウント(2022年1月18日) |
株価のプレミアムとディスカウントに理由に関して、太田忠氏の著書『とっておき中小型株投資のすすめ』に興味深い記述があります。いくつか紹介しましょう。 ●テクノロジーや最先端産業の会社に進んで高いお金を払う「理解難プレミアム」 ●誰もが簡単に理解できる会社を評価せず、低く見る「わかりやすさディスカウント」 バリュー投資家としては「理解難プレミアム」により買われている割高な会社を避け、「わかりやすさディスカウント」により割安なまま放置されている会社を狙うのがセオリーです。 そのためには「参入障壁が低く、競争も厳しい」と勝手に決め付けず、地道な調査を継続することが肝要でしょうか。この手の会社の中にも、巧みな経営がなされ、業績を伸ばしているところがゼロではありません。 |
■収益源を失うエヌリンクス(2022年1月14日) |
NHKが訪問営業の業者委託を来年秋で全廃する方針を打ち出しました。この影響を多大に受けるのが、NHKの営業代行を主力事業としてきたエヌリンクス(6578)です。 同社はNHKに売上高の65%以上を依存しており、他のメディア事業やゲーム開発事業を手がけているものの、十分な収益を生んでいるとは言い難いです。 このままでは、唯一の収益源を失ってしまう羽目になりかねません。改めて、特定顧客に対する依存度が高い企業のリスクを思い知らされました。 【エヌリンクス 2022年1月12日の一部報道について】 【エヌリンクス 有価証券報告書 事業等のリスク】 |
■お酒やめようかな(2022年1月10日) |
お酒に関しては、以前より控えるようになりました。しかし完全にやめたわけではありません。 すると人間は弱いもので「良い肴が入ったから」とか言い、芋焼酎の4合瓶を買ってきて、連日のように飲んだりします。 量こそ減っているものの、何だか中途半端だなと感じていた矢先『「そろそろ、お酒やめようかな」と思ったときに読む本』に出会いました。著者はアルコール依存症の専門医です。 本書を読んで、やっと踏ん切りがつきました。「そろそろ、お酒やめようかな」と。 |
■小型株バイアス(2022年1月7日) |
割安で魅力的に見える銘柄を丹念に拾っていると、ポートフォリオが小型株ばかりになります。いわゆる小型株バイアス(小型株への偏重)です。 『ホントは教えたくない資産運用のカラクリ4 新バフェット流で資産形成』で、この小型株バイアスについて、的確な指摘がされています。 信用収縮の時期を迎えると中小型株は厳しくなります。というのもそれらは、高利回り債券と同じようにクレジット(信用)リスクへの感応度が高いからです。 ここで自分の小型株バイアスに気づかないと、あたかも銘柄選択が間違っていたかのように思えてしまいます。自信を持って買った素晴らしい銘柄が、どこまでも下がってしまうからです。 しかしこれは単に、小型株が大型株に対して大きく下げただけかもしれません。その収益をもたらしたリスクの存在に気づかないまま今まで儲け、それを失っただけの話です。 長らくの間、金融緩和を続けていた米国FRBがテーパリング(量的緩和縮小)を表明した昨年11月あたりから、我が国の小型株が変調をきたしています。 今年3月には、米国で利上げが開始されるとの見方もあります。 中央銀行の金融引き締めにより、マーケットが信用収縮に転じるのあれば、小型株にとって厳しい状況が続きそうです。 |
■1月のバリュー投資塾(2022年1月4日) |
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1月のバリュー投資塾は「ティリングハスト流バリュー投資」としました。今回のテーマも以前からやってみたかった内容です。 コスモス薬品など株価が10倍以上になる日本株をいくつも発掘し、個人投資家にとって長期投資のお手本になる米フィデリティの天才ファンドマネジャー、ジョエル・ティリングハスト氏の投資についてまとめてみました。 ご参加を希望される方はメールにて、氏名と電話番号(列車が遅れた際など、非常時の連絡に使用します)を記入してお申込みくださいませ。折り返し、振込口座などのご案内をいたします。 ご注意:ケーススタディを盛り込んでいますが、銘柄推奨を行うセミナーではありません。
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■2022年の過ごし方(2022年1月2日) |
今年に関しても、昨年同様に我慢を強いられる年になりそうです。しびれを切らし、先に動いたほうが負けの気がします。 新型コロナが収束に向かわない限り、東京セミナーの再開は難しいですし、趣味の旅行も当面は自重せざるを得ないでしょう。 世界の株価が米国株に連動している以上、米国市場のバブルが崩壊しなければ、本腰を入れた長期投資もできません。 そういったタイミングを事前に予測するのは困難を伴います。倹約した生活を続けて、ひたすら時節を待ちたいです。 |
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by 角山智