続・アンネ・シャイバー女史の株式ポートフォリオ有価証券報告書の文面
信用買い残の推移「連続増配企業」音声CD下落続くトラック運賃
テクニカル分析というもの飯田GHDの在庫状況ジェイ・エス・ビーの公募増資
プロパティデータバンクの第1四半期決算

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ショートコラム(2021年7月)

■プロパティデータバンクの第1四半期決算(2021年7月30日)

昨日、不動産管理のクラウドサービス「@プロパティ」を手がけているプロパティデータバンク(4389)が第1四半期決算を発表しました。

ストック型売上であるクラウドサービスは堅調だったものの、フロー型売上であるソリューションサービスのコロナ禍における受注時期遅れの発生などにより、12.5%減収、51.3%営業減益でした。

この決算を受けて、売り注文が殺到し、本日の株価は20%を超える大幅安となっています。「いくら何でも、売られすぎではないか」と思ったのですが、チャートを見て納得しました。

日足チャートでは、75日移動平均線が下を向いており、ローソク足が75日移動平均線の下に位置しています。さらに200日移動平均線も下を向いており、ローソク足が200日移動平均線の位置しています。しかも75日移動平均線と200日移動平均線がデッドクロスしています。

このように、多くの投資家が含み損を抱えている状況で悪材料が出れば、信用の投げも加わり、株価の急落を招きやすくなります。リスク管理の観点からは、たとえ損切りとなっても、もっと早めに売っておきたかったケースです。

【プロパティデータバンク  日足チャート】

プロパティデータバンク  日足チャート

 


■ジェイ・エス・ビーの公募増資(2021年7月27日)

学生マンションを運営しているジェイ・エス・ビー(3480)が公募増資と株式売出しを発表しました。

実は2018年7月にも、公募増資と株式売出しを実施しています。2017年7月の上場時を含めれば、4年間で3回も株式市場から資金を調達している計算になります。

「なぜ、そこまで資金を必要とするのか」に関しては、有価証券報告書の【主要な経営指標の推移】に掲載されているキャッシュ・フローの状況を見れば一目瞭然です。

同社は自社物件に注力するあまり、本業の現金収入を上回る投資を行っており(営業CF<投資CF)、FCF(フリー・キャッシュフロー)がマイナスのため、何らかの形で不足するキャッシュを補う必要があるわけです。

今回は自社の株価が高値を付けていたこともあり、公募増資を選んだと思われます。しかしながら、公募増資による資金調達は高コストのお金です(株主資本コスト>銀行借入金利)。今後、株主の期待に応えられるのかどうか、事業の展開を見守りたいです。

【ジェイ・エス・ビー 週足チャート】

ジェイ・エス・ビー 週足チャート

【ジェイ・エス・ビー キャッシュ・フローの状況】

ジェイ・エス・ビー キャッシュ・フローの状況


■飯田GHDの在庫状況(2021年7月23日)

飯田グループホールディングス(3291)の決算説明会資料に戸建分譲事業の在庫状況が掲載されていました。

このグラフを見る限り、2019年12月が在庫のピークとなり、それ以降は在庫を相当に絞り込んでいます。2021年3月には、未契約在庫数がピーク時の半分近くまで減少しました。

棚卸資産の減少により有利子負債を減らし、手元の現金預金も増えて、財務は相当に改善されています。目先の売上を減らしてまでも、何らかの危機に備えているように受け取れました。

同社としては、近い将来、大きな仕込みのチャンスが来ると考えているのでしょうか。

飯田GHD 戸建分譲事業 在庫状況


■テクニカル分析というもの(2021年7月20日)

新井邦宏氏の著書『投資の王道―株式市場のテクニカル分析』より引用します。

私は、テクニカル分析というものは、相場の将来を予測するものではなく、その時点でマーケットに資産を置くべきか否かを判断するためのツールだと考えています。

バリュー投資家の端くれとして、長らく「チャートはまがいもの」と信じ込んでいた自分は、本書と出会ってから考えを改めました。

さて足元の相場は、マーケットに資産を置くべき(買いのポジションを持つべき)状況でしょうか? 4連休に入る前に結論を出しておきたいところです。

日経平均 日足チャート


■下落続くトラック運賃(2021年7月17日)

気になるニュースがありました。カーゴニュースの記事「コロナ長期化で下落続くトラック運賃」です。

会社四季報夏号の業績予想や7月1日に発表された日銀短観より、個人的に「足元の景気(=荷動き)は良い」と判断していただけに意外でした。

ひょっとすると、景気はピークアウトしているのかもしれません。そうであれば、株価の上値が重くなりつつある現状も納得できます。

奇遇にも、足元の日経平均は2万8千円を割るか割らないかの節目に差し掛かっています。来週以降の値動きに注目したいです。


■「連続増配企業」音声CD(2021年7月14日)

7月開催のバリュー投資塾「連続増配企業」音声CDが完成しました。

ご購入を希望される方はメールにて、氏名、郵便番号、住所、電話番号を記入してお申込みください。折り返し、振込口座などのご案内をいたします。

なお既にお申込み・ご入金をいただいた分に関しては、本日、最寄りの郵便局から発送済みです。

「連続増配企業」音声CD
セット
内容

CD1枚組(mp3形式の音声データ203分、pdf形式のテキスト60ページ、資料付き)

2021年7月10日に開催した大阪セミナーの音声を収録・編集しました。映像は含まれておりません。

CD代金

銀行振込 26,400円

ご着金を確認後、最寄りの郵便局より郵送いたします。郵送の他、Googleドライブ経由によるデータでの受け渡しも承ります。

概要

長きにわたって配当金を増やし続けている、連続増配企業の分析を行います。

テキスト
目次

第1部 株式投資で資産を築くために
1−1 フィデリティの驚くべき調査結果
1−2 サイバーエージェント藤田晋社長の金言
1−3 22億円の資産を築いたアンネ・シャイバー
1−4 8億円の資産を築いたロナルド・リード

第2部 連続増配企業のパフォーマンス
2−1 S&P500をぶっちぎる米国配当貴族指数
2−2 バリュー株指数を上回る野村日本株連続増配インデックス
2−3 連続増配企業のパフォーマンスは日経平均のほぼ3倍
2−4 連続増配企業の特徴は何か? 製品・サービスに違いがあるのか?

第3部 連続増配の途切れた企業とその要因
3−1 明光ネットワークジャパン(4668)
3−2 しまむら(8227)

第4部 連続増配企業の個別銘柄分析
4−1 A社(31年連続増配)
4−2 B社(21年連続増配)
4−3 C社(20年連続増配)
4−4 B社(20年連続増配)
4−5 B社(17年連続増配)


■信用買い残の推移(2021年7月7日)

近年の信用買い残は、3兆5000億円を上限、2兆円を下限とするボックス圏で推移しています(下図)。

日経平均の月足チャートと見比べれば、信用買い残の減少(=買い余力の発生)が、その後における株価上昇の原動力になっているとも受け取れそうです。

足元では再び上限に近づいてきました。過去のデータから類推する限り、この状況からの信用買い残の大幅な増加(=株価の上昇)はあまり期待できないです。

エントリーのタイミングとしては、信用買い残の整理が進むまで待ったほうが無難かもしれません。

【日経平均株価 月足10年】

日経平均株価 月足チャート10年

【信用買い残の推移(2011年〜)】

信用買い残の推移(2011年〜)


■有価証券報告書の文面(2021年7月4日)

ここ数日、7月10日開催の大阪セミナーに向けて、数社の有価証券報告書を読み比べています。そこで感じたのが第2【事業の状況】の1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】の文面に会社の個性が出ている点です。

優等生的に上手くまとまっているものの、今一つ、心に響かない会社があるかと思えば、野心にあふれてギラギラしており「我が社の株を買ってください」と訴えかけてくるような会社もありました。社長の顔を思い出し「なるほど」と妙に納得した会社もあります。

「いったいどんな人が書いているのだろうか」と想像力を働かせながら読んでも興味深いです。最近は有価証券報告書のチェックが楽しくなってきました。


■続・アンネ・シャイバー女史の株式ポートフォリオ(2021年7月1日)

昨年10月のショートコラムで紹介したアンネ・シャイバー女史の株式ポートフォリオを調べ直してみたところ、興味深い事実が浮かび上がりました。

株式ポートフォリオの上位10銘柄のうち、4銘柄が34年以上の長きにわたり、配当を増やし続けているのです。このような連続増配企業の株式ポートフォリオを持ち続ければ、自ずと資産が増えていって当たり前でしょう。

●メルク(MRK)
●ペプシコ(PEP) 49年連続増配
●ハネウェル(HON)
●ロウズ・コーポレーション(L)
●ブリストル・マイヤーズ スクイブ(BMY)
●コカ・コーラ(KO) 59年連続増配
●ファースト・エネルギー(FE)
●ロックウェル・オートメーション(ROK)
●シェブロン(CVX) 34年連続増配
●エクソンモービル(XOM) 38年連続増配

近年、日本企業も株主還元を重視するようになり、配当を増やし続ける会社が増えてきました。今後、アンネ・シャイバー女史と同様の投資手法が我が国でも取れるようになると見ています。長期投資では連続増配企業にも注目したいです。



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