2021年の過ごし方17日の東京セミナーを中止します
なぜ、決算書を分析するのか?23日の大阪セミナーを中止します
「割安銘柄」音声CDまっとうなバリュー株投資の本同じ穴の狢
プレジデント誌の株投資完全ガイドルックスルー利益とルックスルー純資産
三菱地所の資本政策純資産とキャッシュフロー個人投資家の反乱

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ショートコラム(2021年1月)

■個人投資家の反乱(2021年1月31日)

ヘッジファンドの空売りに対抗して、SNS上で団結した個人投資家が買い向かい、株価の急騰している米国市場のゲームストップ株(GME)を朝日新聞が1面で取り上げています。

記事には「ウォール街 個人投資家の反乱」という刺激的なタイトルが付けられました。感想としては「どっちもどっちだな。まあ、好きにどうぞ」といったところです。

お互いに投機をしているわけですから、戦いに敗れた場合、片方は首が飛び、もう片方は命の次に大切なお金を失うだけです。それを覚悟の上でやるのでれば、別に構わないと思いました。

ただ「最後には大損の可能性」のサブタイトルで始まる、3面に掲載されていた結びの文章には概ね同意します。

今回の投機騒動で、むしろ相場全体の「バブル懸念」が改めて意識された。国際通貨基金(IMF)は27日の報告書で、市場に金融緩和継続を見込んだ「慢心」があり、急激な調整リスクがあると警告する。

ゲームストップ株の急騰が、金融緩和に乗じたバブルによって引き起こされたことは明らかです。このところ、ずっと無視されてきたIMFの警告ですけど、今度ばかりは当たるのでしょうか。

ゲームストップ 株価チャート


■純資産とキャッシュフロー(2021年1月29日)

ネットを巡回中、ある不動産投資家の純資産とキャシュフローに対する意見が目に留まりました。

株も不動産も、純資産の増加が一番重要。キャッシュフローは純資産が積み上がりそうなのか、あるいは黒字倒産の恐れがないかを見るための指標。

キャッシュフローを重視している私にとっては、まさに目から鱗でした。たしかにフリー・キャッシュフローがどれほど潤沢でも、それを現金預金としてバランスシートに積み上げたままでは、有効活用されない(利益を生まない)資産が増えてしまい、全体の資産効率が悪化するだけです。

キャッシュフロー分析に対するアプローチを、少し変えてみようかなと思っています。


■三菱地所の資本政策(2021年1月27日)

三菱地所(8802)のIR説明資料に掲載されている「不動産市況を踏まえた柔軟な資本政策」が興味深いです。

同社はここ数年、物件や投資有価証券を売却して利益を増やし、株主還元を強化してきました。つまり売り時市況と判断していることになります。

今後、買い時市況が到来すれば、成長投資を優先するため利益は低迷し、配当も現状維持にとどめるはずです。長期投資家にとっては、そういった局面が狙い目です。

ちなみに2001年3月期以降、同社が配当を増やしたのは2006年3月期から2008年3月期にかけてと、2015年3月期から2020年3月期にかけてです。たしかに2006年3月期から2008年3月期までは、不動産も株も高値を付けていました。

逆に配当を増やさなかったのは2001年3月期から2005年3月期にかけてと、2010年3月期から2014年3月期にかけてです。この時期は不動産も株も安く、絶好の投資チャンスでした。

さすがというか、的確に市況をとらえています。投資家としては、三菱地所の動向を押さえておくべきでしょう。

不動産市況を踏まえた柔軟な資本政策


■ルックスルー利益とルックスルー純資産(2021年1月26日)

貯金40万円が株式投資で4億円』に興味深い記述がありました。それはルックスルー利益を投資家の年収と見なす考え方です。

●ルックスルー利益 = EPS × 保有株数

上場企業の配当性向は概ね30%程度です。ルックスルー利益が1千万円あれば、300万円の配当を受け取れる計算になり、配当で生活できそうです。

さらに著者のかぶ1000さんは、ルックスルー純資産という指標を提案されています。ルックスルー純資産を用いることにより、自分の投じた元本がどの程度まで増えているのか確認できます。

●ルックスルー純資産 = 実質BPS × 保有株数

この2つを用いてポートフォリオを管理すると、株価の変動を必要以上に気にかける必要がなくなります。毎年のようにルックスルー利益とルックスルー純資産が増えていればOKだからです。

同じバリュー投資家として、ぜひとも取り入れたい手法です。今後、ルックスルー利益とルックスルー純資産どのように活用すべきか、自分なりに検討したいと思います。


■プレジデント誌の株投資完全ガイド(2021年1月22日)

近所の書店で、ひときわ目立つ赤い表紙の雑誌がありました。『プレジデント2月12日号 株投資完全ガイド』です。

この手の雑誌が株の特集を組めば、相場は天井を打つとも言われています。ある意味、それは仕方のないことでしょう。なぜなら、いちばん売れそうなタイミングを見計らい、株の特集が組まれるからです。

出版社は慈善事業を行っているわけではありません。そういった事情をよく理解した上で、参考にするのは構わないと思います。

プレジデント2月12日号


■同じ穴の狢(2021年1月19日)

かぶ1000さんの著書『貯金40万円が株式投資で4億円』は資産バリュー株投資のやり方を中心に書かれています。

一方、私が得意としているのは収益バリュー株投資です。もっとも、どちらもバリュー投資であるため、共感でき、私自身も実践している項目が4つありました。

●PERを「株式益利回り」として評価している
●株主資本の成長を重視する
●成熟産業、斜陽産業でバリュー株を見つける
●地方の優良企業からバリュー株を探す

この4つは、バリュー投資家にとっては常識に近いかもしれませんけど、他の投資書籍にはあまり書かれていないと思います。

やはり、同じ穴の狢ということでしょうか。別に悪事を働いているわけではありませんが(苦笑)。


■まっとうなバリュー株投資の本(2021年1月16日)

本日、ジュンク堂書店奈良店まで出向いてきました。かぶ1000さんの著書『貯金40万円が株式投資で4億円』をチェックするためです。

なぜ、アマゾンで注文しなかったかと言えば、書籍のタイトルが気になったからです。「ひょっとして、株式ライターに初心者が喜びそうな文面を書かせて、かぶ1000さんの名前を借りただけの本ではないか」と勘ぐったのです。

しかし書店で本書を手に取った10秒後に、そんな懸念は吹き飛び、足早にレジに向かっていました。中身はまっとうなバリュー株投資の本だったからです。次回セミナーのテキストに使いたいと思ったほどでした。

もう15年前の話ですけど、かぶ1000さんには銘柄研究会で何度かお目にかかったことがあります。一緒にお酒も飲みました。当時から個人投資家の中では抜きん出た存在で、未だ印象に残っています。

本書を読み終えて、足元のようなグロース株全盛の相場においても、自分のポリシーを曲げず、バリュー株投資を続けていることに改めて感銘を受けました。このショートコラムをご覧になっている方には、ぜひ読んでいただきたい良書です。


■「割安銘柄」音声CD(2021年1月15日)

やむなく開催を中止した1月のバリュー投資塾「割安銘柄」の代替として、音声CDを作成しました。この一週間ほど音声CDの収録・編集作業に没頭し、やっと出来上がりました。

二極化相場が進む中で、今後の狙い目となりえる割安銘柄の探し方・調べ方について、手順を追ってお話ししています。バリュー投資塾としてはど真ん中の内容です。

今回は音声CDのみの提供となるため、テキストを当初の70ページ程度から104ページに増やし、資料も充実させました。その一方で、解説が冗長にならないように、要点を絞ってお話ししました。より聞きやすくなったのではないかと自負しています。

ご購入を希望される方はメールにて、氏名、郵便番号、住所、電話番号を記入してお申込みください。折り返し、振込口座などのご案内をいたします。

なお既にお申込み・ご入金をいただいた分に関しては、本日、最寄りの郵便局から発送済みです。

「割安銘柄」音声CD
セット
内容

CD1枚組(mp3形式の音声データ173分、pdf形式のテキスト104ページ、資料54ページ付き)、2021年1月11日から14日にかけて自宅で収録・編集

バリュー投資塾の音声を収録しています。映像は含まれておりません。今月のバリュー投資塾開催を中止したため、受講者のいない状況にて講義を録音しました。

CD代金

銀行振込 26,400円

ご着金を確認後、最寄りの郵便局より郵送いたします。

内容

二極化相場が進む中で、割安銘柄の探し方・調べ方にスポットを当ててお話しします。

テキスト
目次

【前半】割安銘柄の探し方

1.定量的スクリーニングで探す
1−1・スクリーニングで使用する指標
1−2.低PER&低PBR&高配当利回り
1−3.低EV/EBIT倍率&高ROIC

2.プロの買っている銘柄を参考にする
2−1.株式投信の月報・運用報告書
2−2.大量保有報告書
2−3.株主によるスクリーニング

3.第3部 四季報通読のチェックポイント
3−1.現金を稼げる会社か
3−2.時価総額300億円未満の超小型株か
3−3.経営者が自社株を保有しているか
3−4.バリュー投資家が大株主か
3−5.EV/EBIT倍率で割安か

【後半】割安銘柄の調べ方

4.定量分析
4−1.業績推移
4−2.キャッシュフロー
4−3.バランスシート

5.定性分析
5−1.定性分析の必要性
5−2.小さな強み
5−3.業界内の立ち位置

6.ケーススタディ
6−1.A社(建設業)
6−2.B社(情報・通信業)
6−3.C社(卸売業)


■23日の大阪セミナーを中止します(2021年1月7日)

年明けからの新型コロナ感染拡大を鑑み、1月23日(土)に開催を予定していたバリュー投資塾(大阪セミナー)「割安銘柄」を中止します。

なお代替として音声CDを発売しますので、こちらをご検討くださいませ。セミナーテキストはほぼ出来上がっており、週末より自宅にて録音・編集作業を行う予定です。

早ければ、来週中に作業が終わりそうです。音声CD発送の準備が整いしだい、このショートコラムにアップします。


■なぜ、決算書を分析するのか?(2021年1月6日)

1月17日の東京セミナーは中止となってしまいましたが、音声CDの発売に向けて、セミナーテキストのブラッシュアップを進めているところです。

今回のセミナーでは「なぜ、決算書を分析するのか?」という目的を明確にしています。目的が決まれば、自ずとやるべきことも見えてくるからです。

決算書のどこをどう見ればいいか分からない方、決算書を見ても今ひとつピンとこない方がいらっしゃれば参考にしていただきたいです。

セミナーテキストから抜粋したポイントは下記のとおり。音声CDではそれぞれ3社のケーススタディを交えて解説します。

なおメルマガの角山智のバリュー投資レターを取られている方は、昨年12月28日に発行した167号「なぜ、決算書を分析するのか」にも書きました。こちらも合わせてご覧ください。

なぜ、業績推移をチェックするのか?

なぜ、キャッシュフローを分析するのか?

なぜ、バランスシートを分析するのか?


■17日の東京セミナーを中止します(2021年1月4日)

年明けから、立て続けにお申し込みをいただいておきながら、まさに断腸の思いです。

年末年始の首都圏における新型コロナ感染拡大を鑑み、1月17日(日)に開催を予定していたバリュー投資塾(東京セミナー)「割安銘柄」を中止します。

なお代替として音声CDを発売しますので、こちらもご検討くださいませ。発送の準備が出来しだい、このショートコラムにアップする予定です。


■2021年の過ごし方(2021年1月2日)

昨年、改めて思い知らさせたのは、相場の短期的な先行きを予測するのは困難ということでした。今年に関しても、株高が続くかもしれませんし、ある日突然、バブルが崩壊するかもしれません。

そんな中、私にできるのは、来たるべき投資チャンスに備えて、銘柄分析をコツコツ続けることです。実のところ、この作業を続けるのは、苦痛を伴います。

例えてみれば、試合に出場できる見込みのないスポーツ選手が、毎日のようにハードなトレーニングを続けるようなものだからです。

「そんなことは、株式市場が下がってからやればいいじゃないか」という意見もあるでしょう。しかし常日頃から準備を整えておかないと、いざという時、とっさに行動できません。

いつまでも上がり続ける株式市場を尻目に、黙々とルーチンワークをこなせるかどうかで、自分の将来が変わると信じて今年1年を過ごしたいです。



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