面食い、ケン・フィッシャーのPSR株分析、ヤバいチャート、
7月のバリュー投資塾、富の移動、微妙なチャート、そこまでやる、
「安定成長株」音声CD、DAIBOUCHOUさん、投資家としての適性、
会計利益とキャッシュフロー、破天荒な経営者たち
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ショートコラム(2018年7月)
■破天荒な経営者たち(2018年7月30日) |
私の主な投資対象は、時価総額300億円未満のマイクロキャップ(超小型株)です。通常、この手の会社には、社長以外にマネジメントのできる人材が存在しません。 ゆえに超小型株への投資は経営者に対する個人的な出資に等しく、銘柄選択にあたっては「このオヤジ(社長)に大切なお金を託せるかどうか」が決め手になります。 そんな日々を過ごしていることから、最近読んだ『破天荒な経営者たち 8人の型破りなCEOが実現した桁外れの成功』が大変参考になりました。著者の結論は明快です。 もしCEOが同業他社やマーケットの両方を大きく上回るリターンを上げていれば、その人は「優れた経営者」と言える。 まったくそのとおりですが、もう一つの主張は新鮮でした。 CEOを最も重要な仕事は資金配分。 たしかに我が国では、キャッシュを長らく眠らせたままにしたり、主力事業と比べて明らかに収益性の劣りそうな新規事業に進出する会社が少なくありません。 得てして、そういった銘柄にバリュー株が多いのですが、喜び勇んで買付けても、いわゆるバリュートラップに苦しめられるケースが大半です。本書を読んで、経営者を判断する際に、新たな視点を追加する必要性を感じました。 |
■会計利益とキャッシュフロー(2018年7月27日) |
私は個人事業主です。確定申告時には、いかにして合法的に利益を少なく計上し、税金の負担を軽減するかに苦心しています。 その一方で、上場企業が発表する会計利益に対して、市井の投資家と同じように一喜一憂している、もうひとりの自分がいます。 美人投票に参加しているならともかく、長期投資家を自任している以上はキャッシュフローを見るべきなのに・・・。我ながら、何とも滑稽です。 |
■投資家としての適性(2018年7月24日) |
『勝つ投資 負けない投資』を読み返すたび、心に刺さる片山晃さんの言葉があります。 そして、この自分に最も適したやり方とは、実は投資を始める前からすでに定まっているというのが僕の最近の持論です。投資で長期的に成功を収めるには、まずそこを理解することから始めなければなりません。 投資家として、どのような投資が向いているのかを見極めるためには、DNA(両親はどんな人か)、生まれ育った家庭環境、価値観や性格などを考慮する必要があります。あくまで一般論ですが、職人タイプは長期投資、商人タイプはポジショントレードに向いているではないでしょうか。 それと会社の人事は、各人の適性をきちんと見ているものです。今まで本人が携わってきた仕事も参考になります。私の場合も、サラリーマン時代を振り返れば、情報システム部門のSE(システム・エンジニア)はまさに天職でした。 ルーチンワークばかりの総務・経理では腐っていたでしょうし、先方の都合に振り回される営業職でも嫌気が差していたはずです(そういう意味で、自分にはできそうにない、地道な仕事をコツコツこなす総務・経理の人や、客先で笑顔を絶やさない営業マンを尊敬します)。 SEの主業務であるシステム設計にはクリエイティブな一面があり、性格的に向いていたからこそ、私立文系出身にもかかわらず、務まったのだと思います。 蛇足ながら、大学生時代に就職活動のために受けた学内の適性テストでは、向いている職業として「彫刻家と映画監督」があげられていました(苦笑)。どうやら、普通のサラリーマンに適しているタイプではなかったようです。 |
■DAIBOUCHOUさん(2018年7月21日) |
2005年の小泉相場にて、カリスマ投資家として一世を風靡したDAIBOUCHOUさん。翌2006年、ライブドアショックに端を発した新興市場崩壊の影響をもっとも受けた一人でしょう。 その波乱万丈な投資家人生をリアルに描いた新刊が『DAIBOUCHOU式 新・サイクル投資法』です。 長年にわたり投資を続けていれば、程度の差こそあれ、似たような経験を誰しもがするものです。逆境からいかにして復活したのかという経緯は、同じ投資家として胸を打たれました。 2005年の再来ともいえる2017年の強気相場ではそこそこ儲かったものの、今年に入ってから苦戦している方が読めば、何らかの気づきを得られるかもしれません。 私たちにとっては、実際には身銭を切っていない金融関係者や株式評論家のコメントより、本当に苦労した個人投資家の体験談のほうがはるかに役立ちます。大きな書店の株本コーナーで平積みされていますので、チェックしてみてください。 |
■「安定成長株」音声CD(2018年7月19日) |
7月のバリュー投資塾「安定成長株」音声CDを販売します。 今回は、堅実で右肩上がりの業容拡大が期待できる11銘柄の分析を試みました。また次の3点についてもお話ししました。 ●米国金利などマクロ経済の動向に十分留意すること 本年2月より、昨年とは一転して、難しい相場が続いています。そんな中で、今年後半の相場を乗り切るための、参考にしていただければ幸いです。 ご購入を希望される方はメールにて、氏名(漢字とカナ)、郵便番号、住所、電話番号、カナ振込人名(ご本人と異なる場合)を記入してお申込みください。折り返し、振込口座などのご案内をいたします。 なお、前もってお申込み・ご入金をいただいた分は、昨日に最寄りの郵便局から発送済です。 |
■そこまでやる(2018年7月15日) |
『マーケットの魔術師 株式編 増補版』には、トレーダーばかりでなく、何人かのバリュー投資家も登場しています。久々に読み返してみて、スティーブ・ワソトンの言葉が印象に残りました。 新参者の私が採用された理由は、他のだれよりも小型株に詳しかったからです。ブルームバーグで株をパラパラ調べながら、よく午前3時まで仕事をしていました。当時の私は、取引所に上場する時価総額3億ドル以下の銘柄について、何かしら知っていたと思います。 「この世界で生きていくためには、やっぱり、そこまでやるのか」というのが、正直な感想です。 私も今、四季報夏号通読の二巡目に入っています。「時価総額300億円未満の超小型株に関しては、何かしら知っているレベルまで読み込む意気込みでやらなければ」と意を新たにしました。 |
■微妙なチャート(2018年7月12日) |
7月のバリュー投資塾「安定成長株」のテキストが完成しました。今回は意識的に分量を抑え、パワーポイントで71ページ。その分、じっくり解説できそうです。 テキストを作成しながら感じたのは、次の2点でした。 ●割高だった株価がフェアバリューに回帰しつつあり、買える銘柄も増えてきた 「あれ、この状況、いつかにあったような・・・」 実は、2年前の今頃(2016年夏)とそっくりなのです。先のことは分からないとはいえ、やがてチャートが底打ちすれば、割安になった株価と相まって、再び投資チャンスが訪れるかもしれません。 そこで今回のセミナーも「あのとき、参加しておいて良かった」と振り返っていただける内容にできたらいいなと思っています。もちろん、慎重なスタンスは堅持するつもりですが。 なお東京会場は、後2〜3名様の空きがあります。本日中にメールをくだされば、善処いたします。 |
■富の移動(2018年7月10日) |
『金持ち父さんのキャッシュフロー・クワドラント』より引用します。 経済が大きく変化する時期には、いつも富の大きな移動がある。だから、たとえお金をあまり持っていなくても、教育に投資することが大切だ。 なぜなら、実際に変化が訪れたとき、教育があればそれに対する準備ができているからだ。変化があってからあわてたり、こわがったりしないようにしよう。 前にも言ったように、将来を予言できる人間はどこにもいない。だからこそ、あらゆる事態を想定して将来に備えておく必要がある。そのためにはいま教育を受けることが大切だ。 逆説的な言い方をすれば、私がここまでやってこれたのは、三度の大不況(アジア通貨危機、ITバブル崩壊、リーマンショック)を経験できたからです。 そういった経済の大きな変化がなければ、イケイケドンドンで万年強気の投資家が常に利益を得て、 慎重派の自分は儲け損ねてばかりだったでしょう。 血を流しながらも、三度の危機を生き残ったおかげで、富の移動してくる側に回ることができました。今、株式投資セミナーの講師をしているのは「独学で得たノウハウを、皆さんにお伝えしたい」というのも大きな理由です。 そういった日々を過ごしつつ、ワクワクした気持ちで、再び経済が大きく変化する時期を心待ちにしています。もちろん、富の移動を受け入れる立ち位置にて。 |
■7月のバリュー投資塾(2018年7月8日) |
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株は、景気次第で企業収益が大幅に変動する景気循環株、景気の影響をさほど受けない安定成長株に分けられます。 タイミングさえ合わせられれば儲かるのは景気循環株ですが、マクロ経済の予測は専門家でも困難です。 とりわけ、景気にピークアウトの兆候が見受けられる足元の状況では、楽観的な四季報予想などが「絵に描いた餅」となりえるだけに注意が必要でしょう。 そういう意味でも、投資判断をよりシンプルにできる安定成長株のほうが個人投資家に向いています。よって、7月のバリュー投資塾のテーマを「安定成長株」としました。 ご参加を希望される方はメールにて、氏名(漢字とカナ)、郵便番号、住所、電話番号、カナ振込人名(ご本人と異なる場合)を記入してお申込みください。折り返し、振込口座などのご案内をいたします。 なお、お申込み締め切りを東京会場7月11日(水)、大阪会場7月18日(水)とさせていただきます。両会場とも、まだ残席がございます。 ご注意:ケーススタディを盛り込んでいますが、銘柄推奨を行うセミナーではありません。
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■ヤバいチャート(2018年7月5日) |
個人投資家に人気があるマザーズ指数、新興国ETF、ハイイールド債ETFのチャートを上から順番に並べてみました。 いずれも信用力に劣るため、相場の雲行きが怪しくなれば、下げがきつくなります。私には、どのチャートも同じに見えて仕方ありません。ヤバいという意味で。 |
■ケン・フィッシャーのPSR株分析(2018年7月3日) |
久しぶりに興味深い株本に出会いましたので、報告しておきます。『ケン・フィッシャーのPSR株分析』です。既に絶版となっており、古本も高かったので、電子書籍を購入しました。 自分には、著者の実父であり、成長株投資家として名高いフィリップ・フィッシャーの名著『株式投資で普通でない利益を得る』より、本書のほうが得られたものが多かったです。 今後は「グリッチ」という概念やPSR(株価売上高倍率)を積極的に活用したいと思いました。初心者向けの書籍では満足できない方に、一読をおすすめします。 |
■面食い(2018年7月1日) |
片山晃さんの書かれた章ばかり読んでいた『勝つ投資 負けない投資』ですが、改めて読み返してみると小松原周さんの章にも興味深い記述がありました。 勝てない投資家は、総じて「面食い」です。 たしかにそのとおりです。たとえ見かけ倒しでも、美男美女にひかれてしまうのは、悲しいかな人間の弱点でもありますね。 |
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by 角山智