他人がやる気を失くしているときこそ投資のチャンスバリュー株の選び方
株式投資は「努力しても上達しない」のか一般投資家の投資判断
「もったいない」と思うことモチベーションの源泉弱者が生き残るために
災い転じて福となす

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ショートコラム(2009年9月)

■災い転じて福となす(2009年9月26日)

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小学校6年生のとき、通院先から母親と一緒に呼ばれました。

「あまりにも体が弱すぎます。このままでは、社会人になったとき、どこにも勤めることができないでしょう。中学校では、運動部に入り、体力をつけてください」

見かねた医師からのアドバイスにより、私は卓球部に入ります。卓球を選んだのは、一見「楽そう」だったからですが、とんでもありませんでした。

1年生は素振りとトレーニングばかり。トレーニングは、普通の人間でもきつい内容で、私にとっては地獄の日々です。30名以上もいた新入部員のうち、残ったのは10名あまりでした。私より、数段も体力的に勝る人たちが「いとも簡単に」やめていきます。

こちらは、医師の指示につき、必死でした。先輩達も「真っ先にやめそうな奴」が残ったものだから、さぞかし驚いたことでしょう。

おかげさまで、体の方は「あまりにも弱すぎる」から「人よりやや弱い」程度になりました。何よりも、粘り強くなったことが収穫です。

もし、この経験がなければ、株式投資も最初の損で投げ出していたかもしれません。そう考えれば、生まれつき体の弱かったことが幸いしているともいえます。


■弱者が生き残るために(2009年9月22日)

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この競争社会で成功するには、次のどちらかを実行すべきといわれています。

●他人の倍(あるいは3倍)努力せよ
●他人がそうしていないときに努力せよ

ただ、他人より努力して(仕事なら、朝から晩まで働いて)競争に打ち勝つには、頑強な身体を必要とします。私のような、小さい頃から体の丈夫でない人間には、それは困難を伴うのです。

残された選択肢はひとつ。他人が休んでいるときに頑張るしかありません。

明日23日は、朝5時に家を出て東京に向かいます。わざわざ、こんな日にセミナーを行うのは「弱者が生き残るために、何をすべきか考えてほしい」というメッセージの発信も兼ねているからです。


■モチベーションの源泉(2009年9月16日)

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今のような状況にて、難しいのはモチベーションの維持です。「角山は、よく続くなあ」と思われるかもしれませんが、それはモチベーションの源泉になるものがあるからです。

1997年に投資を本格化させた私は、その秋のアジア通貨危機による株価急落で大きな損失を出してしまいます。1998年には、新聞の株価欄を見ることすらできなくなりました。すっかり意気消沈してしまったのです。

不幸中の幸いは、持株を売却する気力までなくしていたことでした。1999年のITバブルにより、持株は買値を上回るまでの上昇を見せたのです。自信を取り戻した一方で、悔いが残りました。

「なぜ、逃げてしまったのか。あれほど株価の安かったときに買ったおかなかったのか」

やがて、ITバブルの崩壊により長くて苦しい下げ相場が続きます。そのとき、私を支えていたのは「なぜ、逃げてしまったのか。あれほど株価の安かったときに買ったおかなかったのか」という後悔の念でした。

「今度こそ、底値を見届けてやる」

銘柄の入れ替えを行いつつ、マーケットに踏みとどまった成果は想像を超えていました。2003年から2005年にかけて、パフォーマンスは4倍になったのです。おまけに、株本を出し、セミナーを行い、こうして独立することができました。

2007年夏以降、マーケットは再び下落に転じました。損失を出しながらも、私は相変わらず投資を続けています。きっと、2〜3年後に「なぜ、逃げてしまったのか。あれほど株価の安かったときに買ったおかなかったのか」と後悔したくないからでしょう。


■「もったいない」と思うこと(2009年9月14日)

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現在の相場位置について、簡単にまとめておきます。

●3月安値よりの「一段上げ」を終え、保合相場に移りつつある
●例年、9月から11月にかけて、株価が軟調になることが多い
●相場サイクル的には、蛇行しながらも「二段上げ」「三段上げ」へと続く
●したがって、ここから安くなったところを拾っておけば、2〜3年度にはそう悪い結果にならないはず

株式投資には「時を知る」ことも肝要です。残念なのは、この大切な時期に「まじめにファンダメンタル分析を行おう」という風潮がみられないことです。

書店の株本コーナーに並ぶ新刊の大半がFX本という状況は、どう考えても異様です。

昨年10月、今年3月のような局面はともかく、マーケットが「平常心」を取り戻せば、バリューは徐々に効いてくるものです。

今回、久しぶりにバリュー投資セミナーを企画してみたのですが、反応は今ひとつです。どうやら「見えている風景」が私と世間一般とは違うようですね(苦笑)。

内心「チャンスなのに・・・。もったいない」と思っています。たぶん、2〜3年後は「そろそろ危ない。気をつけろよ」とつぶやくことでしょう。


■一般投資家の投資判断(2009年9月11日)

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ICI(米国投資信託協会)のサイトに興味深いデータがあります。 Mutual Funds(投資信託)への資金流出入額の統計です。

 Mutual Funds(投資信託)への資金流出入額

投資信託を買うような一般投資家は、株価の安かった2003年に投資信託を解約しています。ITバブル崩壊で大損をして「もう、こりごりだ」と思ったに違いありません。

ところが、株価の大幅に上昇した2007年には、投資信託の大量購入に踏み切っています。今度は「バスに乗り遅れるな」とイケイケになったのでしょう。

このように、群集としての投資判断は、見事なほど裏目に出ています。世間一般で上手くやるには「歩調を合わせること」ですが、投資の世界では通用しないのです。


■株式投資は「努力しても上達しない」のか(2009年9月8日)

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山崎元氏の『新しい株式投資論』を読み返しました。

同意できる部分もありますし、そうでない箇所もあります。特に興味深かったのが、山崎氏の持論でした。

●株式投資は努力しても上達しない
●あえて言えば、センスを磨くしかない

それに対して、私は次のように考えています。

●方向性が間違っておれば、その努力は無駄である
●ただし、間違いに自ら「気づく」投資家は、少数派であろう
●そう考えれば、山崎氏の強引とも思える結論も全面的には否定できない
●しかしながら、センスを磨くのも「努力」ではないのか

ひょっとして、著者は行間まで読み込むことを暗に期待しているかもしれません。そうであれば、新書の割に、相当奥行きの深い本だといえます。


■バリュー株の選び方2009年9月4日)

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バリュー投資実践セミナーのテキストがかなりできてきました。

このセミナーでは、前半で投資の重要事項について簡単なおさらいを行います。そして、後半のバリュー株の選び方とケーススタディがハイライトです。

今回、考えたのは「バリュー株をどう選ぶか」です。作業を部分的に自動化して、セミナーに参加された方であれば、バリュー株の目星をつけるようになってもらいたいです。過去の統計を調べ、あれこれと模索した結果、次の3つを使うことにしました。

1.低PBRであり、財務が良く、事業の強みを持っている銘柄を選ぶ
2.グレアムが『賢明なる投資家』で述べているの「7つの銘柄選択基準」をアレンジする
3.企業価値ベース(EV/EBIT倍率)にて評価する

この3つについて、会社四季報 CD-ROMよりスクリーニングができるよう条件設定を行いました。後は、スクリーニング結果を母集団として、銘柄をピックアップしていけば、バリュー株のポートフォリオが完成します。

スクリーニング結果を見て驚いたのですが、これほど割安な銘柄が多いのは久しぶりです。バリュー株の母集団リストの作り方を知りたい方、銘柄選びのノウハウを学びたい方には、絶好の機会であると思っています。

皆さんのご参加をお待ちしております。


■他人がやる気を失くしているときこそ、投資のチャンス(2009年9月2日)

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9月のセミナーは、バリバリバリューな内容としました。というのは、そろそろバリュー投資に向いている時期ではないかと判断したからです。

昨年のような、信用収縮の嵐が吹き荒れている状況では、バリューといえども吹き飛ばされてしまいます。その結果、一時の「ショック安」からは戻しているものの、市場には割安な銘柄がゴロゴロしています。

足元の景気は悪く、株など買える雰囲気ではないでしょう。ただ、経験則からはこういった時期が一番のチャンスに思えます。

今であれば、叩き売られた優良企業のみでポートフォリオを組むことができます。あえて二流企業を選ばなくていいですし、成長株で「危ない橋」を渡る必要もありません。

適度な分散投資を行い、慎重に買い付けていけば、2〜3年後にはそう悪い結果にならないはずです。そのとき、目の色を変えてなだれ込んでくる大衆に売りつけてやりませんか?

バリュー投資実践セミナーでは、バリュー株の選び方についても取り上げます(ただし、個別銘柄の推奨は行いません)。

他人がやる気を失くしているときこそ、投資のチャンスです。みんなと一緒に頑張っても、あまり差は付かないものです。こういった好機は、私の知っている限りでは1998年、2003年についで3回目です。



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