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前回の株安時に考えたこと未体験ゾーン2つのアプローチ6冊目の進行状況宴の後
相場は記憶のゲームである続・2つのアプローチ戦後最悪の年にどう対応すべきか

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ショートコラム(2008年10月)

■戦後最悪の年にどう対応すべきか(2008年10月26日)

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戦後、1949年に東証が再開されて以来、株価が20%を超えて値下がりした年は次のとおりです(TOPIXベース、2008年は10月24日まで)。

下落率 理由
1973 -23.7% オイルショック
1990 -39.8% 資産バブル崩壊
1992 -23.7% 同上
1997 -20.1% アジア通貨危機
2000 -25.5% ITバブル崩壊
2008 -45.4% 世界的金融危機

今後、株価がどうなるかはわかりませんけど、このままでは「戦後最悪の年」となるかもしれません。そんな中で、どう対応すればいいのか、3つほどあげてみました。

●今からどうすべきか前向きに考える(過去を悔やむのは時間の無駄)
●自分に欠けていたものは何だったのか、自問自答する
●またとない実践練習の場として、あらゆることを観察する

ひとつめは、これからどうすべきか前向きに考えることです。「1万円割れから買い下がるべきではなかった」と悔やんでも時間の無駄です。資産を大きく減らしてしまった方も「早い段階で失敗して良かった」と受け取ってください。

ふたつめは、自分に足らなかった視点のチェックです。「決算書は読めるが、ビジネスモデルの分析が甘かった」「個別銘柄ばかりに目がいき、マクロ経済の動きを見ていなかった」「景気循環株をバイ・アンド・ホールドしてしまった」など、反省すべき点はあるはずです。

そういう私も「金融立国である欧州に米国の金融危機が飛び火すれば大変なことになる」という認識は持っていたものの、あそこまでの株価とユーロの下げを見込んでいませんでした。「甘い」という他にありません。

みっつめは、市場が与えてくれた「最高の実践演習」ととらえることです。初心者の方には過酷かもしれませんが、長期投資を行う以上、いずれはこのような局面に遭遇するものです。何度も言っていることですが、下げ相場への対応は経験しないかぎり、できるようにはなりません。マーケットで何か起こるのかよく見ておくことです。

なお、ここまで下げると、私だって「床下浸水」程度の被害は受けています。ただ、こうしてコラムの更新ができるのも「信用取引は行わない」「株式比率は控えめにする」という原則を守ってきたからです。

実は、2003〜2005年の上げ相場では歯がゆい思いをしました。安全運転ゆえ、初心者にビュンビュンと追い抜かれたのです。「もっと株式比率をあげることができれば・・・」「信用でレバレッジをかけることができれば・・・」そう考えたこともあります。しかしながら、そういう投資では、2006年以降に大損を被っていたでしょう。下げ相場で退場させられないためには、着実に歩みを進めるしかないのです。

一般的なサラリーマンが投資で資産を形成するには、長い時間(少なくとも10年以上)かかります。そうであれば最低2回の下げ相場を乗り切る必要があります。今回の下げ相場は特大級につき、ここを乗り越えることができれば、おそらく投資家として一生通用するでしょう。そんなスキルを身につけることができるのであれば、高い授業料を払っても割に合うともいえます。

ただし、無茶だけはしないでください。世の中はお金がすべてではありませんから、預貯金でつつましく生活するという選択肢もあるのです。

(下記に、週間のチャートを貼り付けておきます。後生、資料的価値が出るかもしれませんので)

NYダウ(5日間)

恐怖指数(5日間)

日経225(5日間)


■続・2つのアプローチ(2008年10月25日)

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前回の続きです。

今は、ボトムアップアプローチで個別銘柄を分析すれば、割安な株がゴロゴロしている状況です。ところが、トップダウンアプローチでマクロ経済を見渡せば「とても株なんて買えない」と判断されてもおかしくありません。

また、セクター・ローテーションのセオリーからは、景気循環株に手を出してはいけない時期ですが、個別に売られすぎであれば投資チャンスともいえます。

要は、2つのアプローチを天秤にかけて「売るのか、買うのか、様子を見るのか」判断することになります。ここでリスキーなのは、片方の視点(とりわけトップダウンアプローチ)が抜け落ちてしまうことです。

特に、日本のお家芸である資本財や耐久消費財の売上は、景気動向に左右されやすいこともあり、マクロ経済の分析を欠かすことができないです。

最近、投資は総合力であると実感します。「自分はバリュー投資家だから、割安銘柄の発掘ができればいいのだ」というボトムアップアプローチにこだわってしまうと、景気後退期に大きな損失を被る可能性があります。

さて、ここからは宣伝なのですが、11月の個別銘柄研究会ではトップダウンアプローチについて取り上げます。まだ残席がありますので、よろしければご参加くださいませ。


■相場は記憶のゲームである(2008年10月21日)

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有望株の選び方』のエピローグに、以下の記述がありました。

「相場は記憶のゲームである。そのためには絶対的な年季が必要になる。最低でも相場の変動を二山経験しなければならない」

まったくその通りだと思います。私が何とか持ちこたえているのも、過去の経験が生きているからです。2006年の日本新興市場崩壊では、不動産流動化銘柄の値動きがITバブル崩壊時のIT銘柄とそっくりでした。今年に入ってからのファンダメンタルに関係なく売られるマーケットは、1997年秋のアジア通貨危機時のビデオテープを見ているようでした。

さらに『有望株の選び方』では、次のように続きます。

「これを二山経験するとなると合計で10年くらいの時間がかかることになります。しかも二山経験したからといってそれはゴールではありません。ようやくスタートラインに立つことができるだけです」

私自身「投資家は10年のキャリアがあって一人前である」と考えています。数年の経験では「運が良かっただけなのか、実力が伴っているのか」判断がつきかねるからです。

というわけで、皆さんも10年選手を目指して頑張ってください。10年間「生き残る」ことができれば、おそらく一生大丈夫です。


■宴の後(2008年10月18日)

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「こんなに濡れ手に粟で儲かるのは、自分達の生きている間にはないかもしれないね」 今から3年前、なじみの投資家さんとそんな話をしたものです。

投資銀行も投資家も儲かった宴の後は、 やはり、こうなってしまうのでしょうか?

ひょっとすると、ここまでのひどい下げも、もうないかもしれません(いや、そう願いたいものです)。記録として、今週のNYダウと恐怖指数のチャートを貼り付けておきます。

NYダウ(5日間)

恐怖指数(5日間)


■6冊目の進行状況(2008年10月14日)

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6冊目「資産運用の強化書(課題)」の進行状況についてお知らせしておきます。

先週に初稿が出て、ただいま校正中です。急げば11月も可能ですが、雑な作業を避けたいこともあり、日程に余裕を持たせた12月出版にしてもらいました。

書籍タイトルについては「資産運用の教科書」という本が先に出版されてしまったため、変更することになりそうです。「国際分散投資の強化書」あたりを考えています。

もう少しで、念願のアセット・アロケーションの本が完成します。ラストスパートを頑張りたいです。


■2つのアプローチ(2008年10月11日)

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銘柄の選び方には、2つのアプローチがあります。トップダウンアプローチとボトムアップアプローチです。

トップダウンアプローチは、景気・金利などマクロ経済の分析から入ります。そして、有望なセクターを選び、その中から個別銘柄を抽出します。セクター選びが重要であり、個別銘柄は多少アバウトでもかまいません。

ボトムダウンアプローチは、個別銘柄の分析から入ります。スクリーニングなどで銘柄を絞り込み、定量分析・定性分析により、最も魅力的な銘柄を探し出します。個別銘柄選びがすべてであり、マクロ経済の動向はほとんど考慮されないです。

バリュー投資では、ボトムアップアプローチを多用しますが、トップダウンアプローチの視点も持っておいた方がいいでしょう。

下のグラフは、トヨタの株価とS&Pケース・シラー住宅価格指数の推移です。住宅価格指数が前年比マイナスに転じたところでトヨタの株価も天井を打ちました。これは、米国人が自動車の購入にホームエクイティローンを使っていることも関係しています。住宅価格の下落により、新たなローンを組むことができなくなれば、誰も新車など買いません。

トヨタの株価は割安に感じられますが、投資に当たってはそういったマクロ経済の状況も考慮しておく必要があるのです。

トヨタ株価と住宅価格指数の推移

次回の個別銘柄研究会では、グローバルな視点でのトップダウンアプローチをご紹介したいと思います(そのため、内容を少し変更しました)。トップダウンアプローチにつき、銘柄分析の詳しい知識は不要です。

参加を希望される方はメールにて、氏名(漢字とカナ)、郵便番号、住所、電話番号、カナ振込人名(ご本人と異なる場合)を記入して申込みください。折り返し、振込口座などのご案内をいたします。

個別銘柄研究会 【第2回 グローバル銘柄】
日時

東京 2008年11月3日(祝)13:15〜16:45

大阪 2008年11月8日(土)13:15〜16:45

セミナー終了後に希望される方のみ「お茶会」を行います(小1時間程度)

場所 東京・大井町 きゅりあん

大阪・天満橋 エル・おおさか

(教室番号は申込みされた方に連絡します)

人数 東京30名様、大阪20名様(申込多数の場合は先着順となります)
参加料

銀行振込 レポート購読者:12,600円 一般:15,750円

当日現金 18,000円

3日前までのキャンセルは返金します(それ以後のキャンセルは音声CDの発送に替えさせていただきます)

対象者

グローバルな視点でのトップダウンアプローチを身に着けたい方(詳しい知識は不要です)。

概要

はじめに

第1部:2つのアプローチ
1−1.自動車メーカーで考えてみる
1−2.トップダウンとポトムアップ
1−3.私の売買例

第2部:世界経済の現状
2−1.米国
2−2.欧州
2−3.新興国
2−4.日本

第3部:マクロ経済指標
3−1.マクロ経済と株価
3−2.世界株式市場の連動性
3−3.金利
3−4.雇用統計
3−5.製造業景況指数

第4部:マクロ経済とセクター
4−1.資源セクター
4−2.資本財セクター
4−3.消費循環セクター
4−4.消費安定セクター
4−5.成長株
4−6.セクター・ローテーション

第5部:相場局面に応じた対応
5−1.底値圏と上げ相場
5−2.天井圏と下げ相場
5−3.避けるべき銘柄群
5−4.カクテル・パーティー理論


■未体験ゾーン(2008年10月10日)

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今週の米国市場は、尋常でない下げ方をしています。恐怖指数(VIX)が50を超えたことは今までありませんでした。

私たちは、未体験ゾーンに突入したともいえます。ここで「こんなに下げるのはおかしい」と金切り声をあげても仕方ありません。とにかく、この事実を冷静に受け止め、進展を見守りたいと思います。

NYダウ(5日間)

恐怖指数(5日間)


■前回の株安時に考えたこと(2008年10月8日)

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確か、2002年の12月だったと思います。株価の下落により、ついに持株の評価益がマイナスとなりました。

当時は暗い話題ばかりでした。「みずほとUFJは潰れる」といわれていたので、東京三菱に口座を作りました。預金封鎖の噂が流れ、本当のそのことを心配していました。投資についても、色々と考えたものです。

●投資をはじめて以来、7年間続けてきた努力はいったいなんだったのか
●この国では、投資家は報われないのか

でも、私には、株式投資以外に資産を形成する方法が見つかりませんでした。

●朝から晩まで一生懸命に働いても、それは資本家に利益を提供するだけ
●せっせと銀行預金に励んでも、それは資本家に低コストの資金を提供するだけ

つまり、この世の中では「資本家サイドに回らなければ」金銭的な豊かを得られないのです(もちろん、お金が人生のすべてではありませんけど)。

結論は、投資をはじめたときと同じでした。「決して平坦でない道を進むしかない」というものです。それは、未だに変わることはありません。


■まず、生き残ることを優先する(2008年10月7日)

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NYダウが1万ドルを割り、ちょっと酷いことになってきました。

今のマーケットでは「まず、生き残ること」を優先すべきです。第一、せっかく頑張ってきたのに、こんなところで退場させられるのはもったいないと思いませんか?

株式市場では、比較的簡単に利益をあげられる時期とそうでない時期が交互に訪れます。ゆえに、難しい相場で無理をする必要はないのです。

混乱が続いている世界経済もそのうち元に戻るはずです。やがて、株価が安く、金利も安く、企業収益は回復に向かうという「2003年状態」が再現されるでしょう。そうなれば、投資家は流れに乗るだけで儲けることができます。

景気後退期に株価があがったという話は聞いたことがありません。短期のリバウンド狙いも、ここまでボラティリティ(株価の変動)が高いと難しそうですね。「嵐の夜には外に出ない」ほうが賢明です。


■誰もが一度は通る道(2008年10月3日)

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今週の下げはきつかったですね。ちょうど11年前、1997年の秋を思い出します。

当時の私は、株式投資をはじめて3年目でした。1995〜1996年のパフォーマンスがよかったこともあり「株なんて簡単じゃないか」と内心思っていたものです。調子に乗り、投資額を増やしたとたん「アジア通貨危機」という試練が起こりました。

まさか、都市銀行である拓銀や大手の山一證券が潰れるなんて思っていませんでした。受けたショックは相当なものです。多くの含み損を抱え、目の前が真っ黒になりそうでした。

今回の出来事は、投資をはじめた以上、誰しもが一度は通る道です。全てを売り払って逃げるのも自由ですが、下げ相場への対応方法は経験してみないと身につきません。経験値を高めることにより「次はこうやってみよう」という知恵がつくものです。

今後も投資を続けたいのであれば、ポジションを軽くしてでも、このマーケットに最後まで付き合ってみることです。得られるものは決して少なくない、そう思います。


■音声CD発売&半額キャンペーン(2008年10月2日)

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第1回 個別銘柄研究会の音声CDを発売します。

希望される方はメールにて、氏名(漢字とカナ)、郵便番号、住所、電話番号、カナ振込人名(ご本人と異なる場合)を記入して申込みください。折り返し、振込口座などのご案内をいたします。

【第1回 個別銘柄研究会CD】
内容

2008年9月27日に開催した第1回「個別銘柄研究会」を収録したものです。テーマは「内需関連の業績好調株」です。

販売価格

15,750円

サンプル

テキスト(抜粋)

さらに、10月限定として、一部セミナーCDの半額キャンペーンを行います。

(11月13日追記:キャンペーン終了につき、該当部分の記述をカットしました。また、別の企画を考えます)



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