2006年の抱負問題企業への投資違和感動きとき、動かないとき成長株投資の難しさ
株式投資で大切なこと夢の続きセミナーテキストを修正しました

パーシャル・オーナー


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ショートコラム(2006年1月)

■セミナーテキストを修正しました(2006年1月30日)

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「超分析」バリュー投資セミナーに多くの申込みをいただいたので、大阪分を追加開催(すでにキャンセル待ちとなりました)、東京名古屋でも開催することになりました。

1月21日(土)に大阪で初回分を行ったのですが、主催者側より銘柄数を増やしてほしいとの要望もあり、5銘柄の分析を中心に行いました。進め方としては「超特価バリュー株「福袋銘柄」で儲ける週末投資術」「<株価4倍「割安成長株」で儲ける収益バリュー投資術」に書いたことをベースに、新しい考え方を取り入れたのですが、アンケートのご意見は様々でした。

おおまかには「講師の話を直接聞いて、考え方が良く理解できた」派と「本に書いてあることの繰り返しでは不満」派に分かれます。いつも、本の内容をどこまで説明するか悩むのですが、セミナーには新しいものを求めていらっしゃる方が多いのも事実です。

そこで、テキストを半分ほど書き直しました。今までは、便宜上「超特価バリュー株「福袋銘柄」で儲ける週末投資術」では資産バリュー「株価4倍「割安成長株」で儲ける収益バリュー投資術」では収益バリューと分けて説明してきましたが、本来は違うのです。

企業価値 = 事業価値(収益バリュー)+ 資産価値(資産バリュー)

が投資銀行やM&Aの現場で使われているやり方です。理論株価はそれぞれの価値をあわせたものになります。投資関係の書籍では、このことにふれているものは少なく「なぜか日本人が知らなかった新しい株の本」がはじめてです。欧米の翻訳本では「バリュー投資入門」にも書いてあるのですが、この本は難しいので理解されている方は少ないと思います。

実は、この手法を3冊目の本に書こうと思っていたのですが、「超分析」バリュー投資セミナーでやってみます。セミナーの予習をされたい方は「なぜか日本人が知らなかった新しい株の本」と「バリュー投資入門」を読まれておくといいでしょう。


■夢の続き(2006年1月27日)

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ドラマでも現実の世界でも、もう少しで夢が実現できるところまで辿り着きながら、不慮の事故などで主人公が亡くなってしまうストーリーがあります。とても悲しい物語です。

しかしながら、考え方によっては、主人公は幸せだったのかもしれません。最後まで夢の実現に向けて充実した人生を送ることができたでしょうから。

人それぞれ「実現できたらどんなに素晴らしいだろう」という夢を持っていると思います。ところが「本当に実現してしまったら、どうなるか」わかりますか?

私の夢は「いつか、バリュー投資の本を書いてみたい」でした。そして、その夢は実現してしまったのです。だから、今はちょっと困っています。「旅行にでも行ったらどうですか」とたまに言われます。しかし、夢の実現に向けて、一冊目の本を書いていたときの「充実感」にかなうものはありません。「旅行なんて、つまらない」そう思ってしまいます。

今は、自分で時間の使い方を決めることができます。お金の心配も、そんなにしなくてすみそうです。うらやましいと思われるでしょうが、夢が実現したあとには、心にぽっかり穴が空いたような、ちょっとしたむなしさが残ります。

金融資産に関しては、1億円という目標があります。また、1億円を目標にされている方も多いはずです。でも、1億円という数字にどれほどの意味があるのでしょうか。1億円貯めるだけの人生で楽しいのでしょうか。たぶん、嬉しいのはエクセル上で1億円を超えたその日だけでしょう。

そんな私は、夢の続きを探しています。ビジネス(お金儲け)よりも、人に喜ばれることができればいいなと思っています。


■株式投資で大切なこと(2006年1月24日)

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株式投資で大切なことは、一つだけです。「マーケットの下落時にも自分の投資を継続できるか否か」です。今は渦中ですから、よくわかると思いますけど、これが意外と難しいです。

ブログを巡回していると、値持ちのいい株を売却して大幅に下がっている銘柄を拾いにいったり、ヘッジ売りで対応している投資家さんを見かけます。うまく立ち回れない私には、うやらましく思えますが、結果はどうなんでしょう。

実は、何もせずに耐えているのが一番辛いです。株価の下落を眺めているだけですから。動いていれば「手を打っている」ような気がしますし。

そういう私にも2003年にはオリックスやSFCGを安値で手放しています。あのときも大変でした。でも、株式投資から逃げ出さなかったからこそ、今の私があります。

不思議なことに、悪材料は続けて出るものです。まだ、ゴタゴタするかもしれません。

しかしながら、経験則から言えるのは「苦しいマーケットを抜け出した後の、果実は予想以上に大きい」ということです。

長い目で見れば、不良債権問題が片づきつつあり、土地も動きだし、問題企業の再生にもメドがつきました。私が投資をはじめた10年前とは、環境が根本的に違うのです。それなのに、マーケットでは、もはや米国市場では見ることができないPBR1倍割れ銘柄がゴロゴロしています。ここで投げるなんてもったいないと思いませんか。


■成長株投資の難しさ(2006年1月21日)

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年明けから、不動産流動化銘柄の値動きに振り回されています。ポジション調整もあり、部分的に売却して資産バリュー株にシフトしたのですが、大部分をホールドしているからです。最近は「指標面では割安でない流動化銘柄をなぜ持っているですか」という質問をよく受けます。実は、そこに成長株投資の難しさがあります。

コード 銘柄 2005/11/30 2006/1/20
2337 アセット・マネジャーズ
578,000
790,000
8868 アーバンコーポレイション
8,000
10,370
8902 パシフィックマネジメント
240,000
400,000

例として3銘柄あげてみました。年初からかなり下げている印象がありますが、昨年11月末との比較ではかなり上昇しています。マーケットはこの時期から過熱気味でしたので、割高感から売却してしまうと12月の大幅上昇を逃したことになります。

ダヴィンチ・アドバイザーズ

株価4倍「割安成長株」で儲ける収益バリュー投資術」にも書きましたが、私自身、成長株投資にはほろ苦い思い出があります。上記はダヴィンチ・アドバイザーズのチャートです。私はこの銘柄を2003年4月に21,500円で購入しています。PERは10倍程度でした。その後、2004年4月に株価が急騰したので割高と判断して107,500円で売却しています。1年間で4.4倍の上昇に、当時は鼻高々でした。

すると、その後はどうでしょう。ダヴィンチの成長とともに株価は上昇して、一時的に100万円を超えます。持っていれば50倍の上昇でした。近視眼的になっていた私は、売却時はうまく売り抜けたように思えても、結果的に成長株を安値で手放していたのです。

フィリップ・フッシャーが「フィッシャーの『超』成長株投資」で「ほんとうに大切なことは、ときが経つほど大きな価値を生み出してくれる株は決して売らない、ということなのです」と力説しているのもうなずける話です。

そういうこともあり、成長性が見込める銘柄は、一時的に割高に見えても、好業績が続く限りは持ち続けたいと思っています。リスク管理の観点から、ポートフォリオの10%を超えてしまった場合のみ、部分的に外しています。

後は、株価が乱高下したときに自信を持って対応できるか、許容できるバリュエーションの上限をどうするか、成長の鈍化に対する見切りをどこでつけるか、といったところがポイントになります。また、翼の折れたエンジェルになるかもしれないというリスクを考慮しておく必要があります。

いずれにせよ、成長株投資は株式投資の中でもハイリスク・ハイリターンになります。「成長株投資は難しい」それが実感です。ポートフォリオ全体で、他のバリュー株(資産バリュー株)とのバランスを取ることが肝要なのでしょう。


■動くとき、動かないとき(2006年1月18日)

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今日は(まだ前場ですが)、パニック的な下げですね。昨年は調整らしい調整がなかっただけに久しぶりのような気がします。

以前、セミナーで「暴落が起こったらどうするのですか」と聞かれたことがあります。「何もせず、下げるのを見ているだけでしょう」と答えました。今日もその通りで、下がるのを見ているだけで辛いですが、特にすることはありません。経験則では、この局面で動くのは、難しいのです。

買い増ししたい銘柄もありますが、騒ぎがおさまるまで待つのが無難でしょうか。

尚、私が信用取引をやらないのは、想定外の事態での資金ショートが「致命傷」になるからです。現物株投資では、何も慌てる必要はありません。


■違和感(2006年1月13日)

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行動ファイナンスの教科書である「最新 行動ファイナンス入門」には、こう書いてあります。

「チャットルームや電子掲示板は娯楽目的の利用に限るべきである。これらは、自信過剰や慣れといった心理的バイアスを増幅し、人工的な「社会的コンセンサス」を形成する温床である」

私は、昔からインターネット上の掲示板や個人サイトを巡回を楽しみにしてきました。最近は、ブログの普及により、参加者が増えたのは喜ばしい限りです。ただ、最近はあまり楽しくないのです。なぜだろうか、そう思っていました。

答えは稲虎さんが出してくれました。雑音が大きくなりすぎたことが、違和感の原因だったのです。気持ちはわからないわけではありません。投資をはじめて間もないのに、買った株がことごとく上昇して、集中投資や信用取引によるレバレッジでリターンが高ければ、冷静でいるのが無理というものです。

自分のブログを読み直して、傲慢になっていないか、リスクに対して寛容になっていないか、投資をはじめたころの初心を忘れていないか、チェックしてみませんか?

今でも違和感なく見ることができるのは、平常心を忘れていない、一部の投資家のブログです。そうです。1997年の平成金融恐慌、2000年のITバブル崩壊、2003年春の日経平均8千円割れといった試練を、傷だらけで乗り越えてきた人達です。


■問題企業への投資(2006年1月9日)

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株式投資では、優良企業ばかり選んでいると、なかなか利益をあげられないものです。業績が良く、経営者が優秀であることが知れ渡ると、マーケットでの評価も高くなります。

では、逆はどうなのでしょうか。過去に問題を起こした企業、社名を聞いただけで顔をしかめてしまう企業、「この銘柄だけは買いたくない」と思わせる企業・・・。

実は、昨年(2005年)密かにウォッチしていた銘柄群があります。この3銘柄を1年間保有していれば、私のリターン(98.1%)より高かったことになります。

コード 銘柄 1/4始値 12/30終値 リターン
2262 雪印乳業
313
512
63.6%
7211 三菱自動車
118
245
107.6%
8308 りそなホールディングス
206,000
475,000
130.6%
3社平均
100.6%

しかしながら、アイデアだけで、実現には至りませんでした。自分でも「この銘柄だけは買いたくない」とか「オフ会でも、この銘柄のことは黙っておかなければいけない」とか思ってしまったからです。

マネーマスターズ列伝には「金儲けを目的にした“収集”にまつわる“逆説(パラドックス)”は、株式に限らず、美術品でも不動産でも、あるいはその他何でも同じことだが、ディーラーや画商が売り込みにやっきになっているものの中には買い得品が決してないということである」とあります。

マーケットに「いらない株はありませんか」と聞いてみるのも、一つの方法なのかもしれませんね。


■2006年の抱負(2006年1月1日)

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新年おめでとうございます。2006年の抱負を述べます。

1.個人事業を軌道に乗せる
2.外出の機会を多くつくる
3.投資では「なるべく損をしない」よう心掛ける
4.月に一度は贅沢をする

今年は、個人事業を軌道に乗せることを第一目標とします。実質2年目に当たりますので、基盤を強化したいです。収入はサラリーマン時代の2倍を目指しています。申告も青色になりますので、しっかり対応していきたいですね。

また、私の仕事は自宅でできてしまうので、外出の機会を作りたいです。1人で出掛けても面白くないので、人間関係作りを意識したいです。個人事業主や起業家のネットワークにも参加できればいいなと思っています。

投資については、誰もが利益を上げることができた、昨年は例外中の例外だと認識しています。今年は本当の実力が試される年になるような気がします。多くは期待せず、なるべく損をしないで乗り切りたいものです。

おカネの使い方も工夫したいです。今を楽しむため、月に一度は贅沢をしていみたいです。使わないで持っていても仕方がない面もありますからね。

道半ばですが、「経済的自由」に手が届くところまでもう少しです。着実に進んでいきたいと思っています。

本年もよろしくお願いいたします。



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