辰年・巳年生まれの人の参考


 僕は神社仏閣めぐりが趣味なのですが、比較的大きめなお寺に行くと「干支の守り本尊」のお守りが置いてある場合があります。

 子年生まれは千手観音菩薩
 丑年・寅年生まれは虚空蔵菩薩
 卯年生まれは文殊菩薩
 辰年・巳年生まれは普賢菩薩
 午年生まれは勢至菩薩
 未年・申年生まれは大日如来
 酉年生まれは不動明王
 戌年・亥年生まれは阿弥陀如来

ってな感じですね。

 僕は巳年なので、普賢菩薩が守り本尊となるのですが、「ところで、この普賢菩薩ってどういう仏様なの?」と疑問を持ったことから、いろいろ調べてみたのです。
 ネット、本、知り合いのお坊さんなどの話・・・いろんな説明をまとめた上で、一言で表すと、「重要だが地味な仏様」って感じですかね。

 まあ、せっかくですので、僕なりに調査した結果をここに晒しておきます。


※ 注意
 ここに書かれている内容に関しては、参考にしていただくのは構いませんが、実際は「素人が情報をかき集めて晒しているだけ」であり、その正確性には責任を持てるものではありません。
 また、神仏には敬意を払うべきなのは分かっていますが、このページでは「普賢菩薩さま」などといった敬称は略します。
 あと、僕は僧侶ではないので、梵字や印相(手の組み方などで仏を表すサインみたいなもの)を教える立場にはありません。一部省略しているところもありますので御承知ください。ただし、真言については広く知られているので記します。



普賢菩薩
※ この画像は、「海洋堂 カプセルQミュージアム 日本の至宝 仏像立体図録5 邪気を祓う守護神編 普賢菩薩 金箔雅趣」(管理人所有物)を撮影したものです。・・・早い話が、いわゆるガチャで出たミニフィギュアです。


名称  普賢菩薩(ふげんぼさつ)
梵名(サンスクリット語での名称) サマンタバトラ・・・「サマンタ」=遍く(あまねく)、「バトラ」=賢い
別名  遍吉菩薩(へんきちぼさつ)、金剛手菩薩、その他
聖地  中国四川省「峨眉山」
眷属  十羅刹女(時として、十羅刹女の母親「鬼子母神」も眷属とみなされる場合もある)
梵字  アン(ネットで調べれば画像が沢山出てくるので、ここでは梵字の画像は省略する)
真言  オン・サンマヤ・サトバン(オン・サンマイヤ・サトバン、オン・サマヤ・サトバン、オン・サンマヤ・ザトバン、オン・サンマヤ・サタバンなど、宗派などによって多少の違いがあるようである)
印相  省略
縁日  毎月24日(ただし、寺院によっては14日にしているところもある。感覚的に密教系は24日、禅宗系は14日にしているのではないかと思っているが、これは僕の勝手な判断であり根拠はない)
御利益  増益・滅罪・延命長寿・

 外見上の特徴は、一般的な菩薩の特徴のほか、
・ 象に乗っている(メジャーな仏像で象に乗っている姿であらわされるのは、普賢菩薩と帝釈天くらい)。ちなみにこの象は「6本の牙を持つ白い象」であり、6本の牙はそれぞれ仏教の修行法である「六波羅蜜(布施・持戒・忍辱・精進・禅定・智慧)」を表しているとされる。牙が無かったり、2本に省略されていることもある。

・ 手は合掌している。が、剣・金剛杵・金剛鈴などの法具を持っていたり、蓮華の花を持っている場合もある。

・ 足は結跏趺坐(座禅)。ただし、立っている場合もある

・ 頭には五体の如来が表されている宝冠「五智宝冠(五仏宝冠)」を着けている。が、一見よく分からなかったり、違う宝冠を着けているように見える場合も多い。この「五智宝冠(五仏宝冠)」を着けているというのは、「普賢菩薩の存在そのものが仏の智慧を具えている」という意味らしい。





 諸菩薩の中でも、文殊菩薩とともに首位・最上位とされる。


 仏の慈悲・菩提心・理性を象徴すると言われている菩薩であり、知・智慧の文殊菩薩に対し、行・慈悲の普賢菩薩とされる。


 文殊菩薩とともに釈迦如来の脇侍(わきじ、きょうじ)を務めている。釈迦如来の右手側に配されている場合が多いが、左手側の場合もある。なお、釈迦如来の脇侍は薬王菩薩・薬上菩薩、梵天・帝釈天などが務める場合もあるので注意。


 人の死後、四七日(28日目)の導師を務める。この際は、「五官王」という地獄の裁判官的な姿に代わるという。ちなみに、五七日(35日目)の導師が有名な「閻魔王」(地蔵菩薩が姿を変えたもの)。


 密教では金剛薩た(こんごうさった。「た」は土偏に垂。)と同体とされる。金剛薩たとは、大日如来と衆生の接点となるとされる重要な地位にある存在であり、大日如来の直弟子。大日如来が密教第一祖、金剛薩たが第二祖。


 一切平等建立如来と同体とされる。


 阿弥陀如来の子供であり、文殊菩薩が兄、普賢菩薩が弟という伝説がある。また、菩薩になる前は女性だったという説もある。


 菩薩は大きく分けて2種類あり、一つは如来(悟りを得た存在)を目指して修行中の存在。もう一つは既に如来になれる域に達しながらも、衆生を救うために如来の補助・実働部隊としての菩薩でありつづける存在。普賢菩薩は後者とされている。


 前述の「以前は女性だった」説や眷属が女性であることに加え、「法華経」で女人往生を説いていることから、女性からの信仰を集めている。


 釈迦三尊の一角として祀られることが多いが、単独で祀られることもある。浅間山麓には普賢菩薩を本尊とする寺院がいくつかあり、お坊さんの話によると「浅間山は普賢菩薩の山なんです」とのことだった。


 本地垂迹説(神仏習合思想の一つで、神様と仏様は本来一つのものが形を変えて現れたもの、という説)によれば、諏訪大明神(建御名方神・タケミナカタノカミ)が普賢菩薩とされている。


 似たような名前の「普賢王如来」とは別の存在らしい。


 発展形というか、パワーアップバージョンに「普賢延命菩薩(単に延命菩薩とも)」がある。この普賢延命菩薩は、密教での大法「普賢延命法」の本尊となる。普賢菩薩の「延命長寿」の御利益を特にクローズアップした存在。真言宗系では、20の腕を持つ。天台宗系では、2つの腕。いずれもやはり白い象に乗っているが、白い象が3体や4体になっていたり、1体だけど頭が3つあるケルベロス的な白い象になっていたり、象もパワーアップしていることが多い。




 ・・・と、まあ、こんなところですかね。
 このページの内容は、僕の備忘録的な面もありますので、こっそり内容が付け加えられたり、変更されている可能性があります。

 こうやって調べてみると、結構面白かったです。ふと、「大学の卒業論文の題材にしても面白かったかも知れないなぁ。」なんて思ったりもして。

 最後に、あるお坊さんが本か何かで言っていたことを紹介します。
 「守り本尊は生涯にわたってその人を守ってくれるが、こちらが守り本尊を大事にすればするほど守り本尊の力が強くなる。逆に、ないがしろにしていると守り本尊は力が弱いままである。一番縁がある仏様なのだから、まずは守り本尊を大事にしなさい。」