個人旅行をしようと思ったら、はじめに旅行のイメージを描きましょう。このページでは、計画のしかたとその注意点について書いてみます。
「せっかくのイタリア。あれもしたい、これも見たい。」と、私はかなり欲張りな考えを持っています。
そのためには、限られた時間で最大限楽しめるような計画を立てなければなりません。数少ない経験ではありますが、個人旅行は準備次第で、より充実したものになると実感しています。
だから私は時間をかけ、結構細かいところまで調べています。でも決して「何時に××に行く」という、ガチガチのスケジュールを組むためではありません。あくまで行きたい所を選び、効率良く回る方法を見つけるためです。
現地でガイドブックを見ながら行き先を決めるのも1つの方法かもしれません。でもこのやり方には正直言って賛成できない…。行き当たりばったりに選んだ日程で、本当に自分の行きたい所を回りきれるのか、ちょっと疑問です。
ともあれ、計画の立て方は人それぞれです。こんなやりかたもあるんだ〜という感じでお読み下さい。
「どんな街なんだろう」「どこのレストランに入ろう」と考えながら、ガイドブックをめくるのは楽しいものです。
でも実際に日程を組むのは面倒くさいし、時間がかかります。でもこれがオリジナルの旅行を作る出発点なのです。
わがままなスケジュールを組めるのは個人旅行ならではです。希望を具体化するにはどうすればいいのか、ガイドブックを読み、インターネットをフル活用し…。試行錯誤と多少の根気が必要です。一見煩わしいと思える、この時間こそ個人旅行の醍醐味だと思います。「自分だけの旅」の全体像が見えてくると期待感が高まり、何だかわくわくします。
こうして完成した旅行計画には、あなたのしたい事がたくさん詰まっているはずです。
イタリアに出発し、「自分だけの旅」を実践する時。それは今までの苦労が報われる瞬間でもあります。実際、訪れた場所が想像以上にすばらしかった時には何とも言えない満足感があります。期待外れの場合でも自分が選んだスケジュールです。こんなはずじゃなかったのになぁ〜と苦笑したりして、案外印象に残るものです。こんな角度から旅行を満喫できるのは、”計画した人の特典”です。
失敗は次回のステップに。この旅のノウハウをいかした、もっと自分らしい旅行が計画できるはずです。
個人旅行者は、どんな手順で計画をすすめているのでしょうか。参考までに私の計画の立て方をまとめてみました。
1 情報収集 |
個人旅行は主催旅行と手配旅行に分かれています。イタリアへの個人旅行には、たくさんのタイプが揃っています。(詳しくは「イタリア旅行には様々なパターンがあります」をご覧下さい。)
旅行会社のパンフレットを見たり、雑誌(AB-ROADなど)やインターネットを使って、どんな旅行があるのかリサーチします。
旅行検索のお役立ちサイトはコチラ
2 どんな旅にするか考える |
■旅行の時期、期間
仕事を持っている人であれば、休める期間が限られると思うので、旅行の時期と期間は割とすんなり決まると思います。ただし、土・日曜日の出発と到着は航空運賃が5,000円プラスという航空会社が多いのが現状です。平日に出発できると、お得かもしれません。
また、混雑する時期には、出発が1日変わるだけで旅行代金が数万円も上下することさえあります。
■ 行き先
行き先については3つのパターンが考えられます。
A 1カ所の街に泊まり、その街だけを観光
B 〃 そこを拠点に日帰り旅行をする
C 2つ以上の街に滞在。宿泊と移動を繰り返す
行き先を決める時点では、できるだけたくさんの街を回りたくなるものです。でも短時間の滞在では、せっかく訪れた街の印象が薄くなってしまいがちです。また目的地をたくさん選べば、移動の時間もそれだけ増えるということです。Cのように2つ以上の街に行く方は連泊がおすすめです。
イタリアでは、「ショーペロ(スト)」や列車の遅延があります。また、語学力に自信のない方は、コミュニケーションの心配もしなくてはなりません。だから移動に限らず、余裕を持った日程を組むのがいいと思います。極端な話、何都市も訪れたいのなら、ツアー旅行の方が効率良く回ることができるのでは。
■2都市以上に行く場合は、移動の交通手段を決める
列車、長距離バス(プルマン)、レンタカー、船、飛行機など適切な交通手段を検討します。
私は利用したことがありませんが、日本語の話せる観光ガイド付き・都市間バスもあるようです。
JAL Euro Express
列車で移動する場合はインターネットで時刻表を調べることができます。
イタリアの列車・時刻表の調べ方はコチラ
■目的
ツアー旅行ではスケジュールから、食事、ホテルまで決められていることが多いですよね。言い方は悪いかもしれませんが、参加者は与えられたものの中で、それなりに楽しむことができます。
これに対して個人旅行はフリー。お膳立てされた旅ではないのですから、目的が決まっていなければ、旅行自体がぼんやりしたものになってしまいます。「ここにも行きたかったのに…」と後悔しないためにも計画を立てる必要があります。
■予算
美術館や遺跡を見たい、おいしいイタリアンを食べたい、ショッピングを楽しみたいなど、イタリアを訪れる人の興味は実に様々です。
旅行の費用で大部分を占めるのは、飛行機の運賃とホテルの宿泊代金、そして食費です。買い物をする方はこれも計算に入れる必要があります。予算については自分がどんな旅行をしたいかによって、大きく変わってきます。そのためにも旅行の目的を明確にしましょう。
お金の使い方にも一工夫 |
限られた予算の中でイタリア旅行を楽しむためには、メリハリをつけて、お金を使ってみてはいかがでしょうか。(つまり、財布の紐を締めたり、緩めたりするということ。) いろいろなイタリアを知ることができて楽しいですよ。 ■食事のメリハリ 食事では、豪華なイタリアンに舌鼓を打つ日もあれば、ピッツェリアなどで簡単に済ます日も設ける〜ということです。ヘビーで量の多いイタリアンばかりを食べ続けていると、旅行の後半には胃腸が疲れてしまいます。(経験談) たまには、市場やスーパーの食材をテイクアウトしてホテルの自室で食べるのはいかがですか? 経済的、そして時間を節約できるだけでなく、地元の人たちの食生活を垣間見るチャンスです。果物を食べて旅行中のビタミン不足を補ったり、その地方特産のワインを思う存分堪能するのもGOOD。私の場合は、ホテルというシチュエーションに安心して、つい飲み過ぎてしまいましたが。 ■買い物について ショッピングでは、グッチ、プラダ、フェンディ、カルティエなどブランド品が目白押し。でもブランド品にしか目がいかないのはチョッと寂しいものです。というのも、日本では見かけないメーカーの洋服、バック、雑貨などにも素敵な商品がたくさんあるからです。自分の足で見つけたメイド・イン・イタリアっていうのは結構ステキかもしれません。 ■スーパー活用術 食料品を買うなら空港の売店より地元のスーパーの方がダンゼンおすすめ。手頃な品が豊富に揃っており、しかも安く手に入ります。お総菜コーナーで夜食を仕入れたり、ヨーグルトやジュースなどを買ってみるという手もあります。 女性ならコスメのお土産を探すのも面白いかもしれません。フィレンツェでは「ダブ」、それから「ニベア」のイタリア版というのが棚に並んでいました。 何でも揃っているスーパーは、旅行者だって大いに活用したいものです。 私の旅行記 フィレンツェのスーパーの話はコチラ メストレの 〃 はコチラ |
3 ガイドブックを購入 |
計画のしかたから観光情報、トラブルの対処法まで網羅しているガイドブックは、個人旅行者にとって非常に重要なアイテムです。具体的な計画を立てるときに必要なので、行き先が決まったら購入します。イタリア旅行のガイドブックはよく見かけるものだけでも10種類以上あります。自分に合ったものを見つけることが肝心です。
「イタリアに関する本」は別の項目で、ご紹介しています。
ガイドブックの選び方、おすすめのガイドブックはコチラ
おすすめの旅行記はコチラ
4 具体的な日程を決める |
■1日の日程の組みかた
1.絶対に行きたいと思う観光地など、1日の行動の中心になる所を選ぶ
そこに何時頃に行くか、許容範囲を含めて決めておきます。
(註:旅行中、ここだけは行きそびれることがないように行動します。)
2.1とは別に訪れたい場所、買い物に行きたい店などをピックアップ
分刻みにスケジュールを組んでも大抵は思った通りに進まないものです。それに「何カ所回る」という点にこだわると、どこも中途半端になってしまいます。絶対に行きたい所以外は、「気に入った場所をじっくり見る」という感じで、ちょうどいいと思います。
(註:旅行中、時間が足りなったら、見学する場所を1カ所削ってしまう方が、すべて中途半端よりマシです。)
3.効率よく回るルートを考える
1と2で考えた行動をつなぐ方法を検討します。
私の旅行では徒歩が基本です。観光地を見ること、プラス、その途中の散策に重点を置いています。だから次の目的地に向かいながら、買い物や街歩きを楽しむような経路を見つけるようにしています。
なお、ルートについては旅行の直前まで、じっくりと練り直します。
■ホテル選び
自分の行動範囲が決まったら、次に宿泊するホテルを決めます。移動時間の節約、利便性などの観点から、ホテル選択を後にした方が何かと好都合です。
ホテル選びのコツ、ホテル選びに役立つサイトはコチラ
■食事
1日の大まかな日程を決めたら食事をする店の目星をつけます。個人旅行の場合、ついマイペースになってしまうので、何処で食事の時間を迎えるかは予想しにくいものです。
数日間滞在する街では、「何日目の昼食は××で」と具体的に計画するより、「地域ごとに入りたいレストランを考えておく」ほうがいいかもしれません。
例えば、フィレンツェの場合、「ドゥオモ付近でお昼ごはんを食べるなら××」、「サンタクローチェの近くの△△△は昼・夜も営業しているトラットリア」というリストを作っておきます。お腹がすいた時、自分たちが何処にいるかによって、食事をする場所を決めるのが合理的だと思います。
(註:その場合は定休日のチェックをお忘れなく。)
■旅のパーツを検討
列車のキップ、美術館の予約、チケット(サッカー観戦、オペラ観戦など)の手配、空港〜ホテル間の送迎など、自分の旅行に必要なパーツを考えます。
旅行会社によって取り扱いの範囲が異なるので、一通りチェックしてみましょう。
美術館の予約はコチラ
旅行検索のお役立ちサイトはコチラ
■全体的なスケジュールの組み方
・ワンパターンにならない工夫
名所・旧跡巡りが続くと食傷気味になるので、ショッピングなどで変化をつけます。
・あまりスケジュールを詰め込みすぎず、日程の緩い日も作ってみる。
具体的な日程を決めるときの注意点 |
■日曜日と月曜日の過ごし方 日曜日には教会でミサが行われます。ですから教会は午前中休み、もしくは内部の公開時間の短い場合があります。教会によって異なるので事前にチェックが必要です。また、最近は開いている店も多いようですが、イタリアでは日曜・定休日というお店が存在します。旅行中にショッピングを楽しもうという方は、そのことを念頭に置いて下さい。 また、美術館の閉館日は月曜日が多いようです。ですから、この2日間をどのように過ごすかと考えて日程を組んだ方がいいと思います。 ■休館日、祝日をチェック 訪れたい街には、「必ずココには行きたい」という教会とか、美術館、建物、催しがあるはずです。そこに必ず行けるような日程を組みます。つまり、休館日などを忘れずにチェックするということです。それからキリスト教独特の祝日にも注意が必要です。 計画の時点で把握しておかないと取り返しがつかないことがあります。私の初イタリア(1992年)ではクリスマス休暇にぶつかってしまいました。美術館・教会は閉館のところがあり、見学できないという悲しい事態になりました。 |
おしまいに
あらかじめ、行きたい場所を何カ所か選んでおき、ルートを考えておくと本当に便利です。私は本やインターネットの旅行記を読んで情報を集めました。イタリア旅行には数十万円もの費用がかかるのですから、できれば自分の希望をたくさん盛り込みたいものです。
とは言え、パーフェクトな計画なんてできないのが当たり前です。要は自分のできる範囲でコツコツ調べる姿勢が大切です。
「自分の見たいイタリアが何処かに転がっていないか、探し出そう。そのためには準備が必要」〜そう考えると、個人旅行の計画が楽しくなってくるのではないでしょうか。