旅行記は、私たちをまだ見ぬイタリア、時には懐かしいイタリアに誘ってくれます。旅行記の中には、おいしいレストランや、ちょっとしたお土産を見つけられる店など穴場情報もあります。
また、一つの街を深く掘り下げた紀行本ではガイドブックより詳しいものも出版されており、個人旅行をする人には大助かりのアイテムだと思います。
例えば教会を見学するとしても、ただボ〜ッと眺めているのは退屈なものです。(これがガイドのいない個人旅行のツラさです。) 外観の豪華さに漠然とすごいなと感じるだけで、祭壇に飾っている絵の意味もわからない。
本を片手に「ここは1世紀以上の歳月をかけて作られた教会で、祭壇画にはこんなエピソードがあるんだ」と見た方がずっと印象に残ります。興味を持って見学すれば旅の満足度も確実にアップします。
おすすめの旅行記
私が旅行中、ガイドブックと一緒に使っていたものは
「暮らすように旅するイタリア」、「ヴェネツィア案内」、「フィレンツェ美術散歩」です。
これらの本は、ガイドブックに載っていない建物の説明や図解があるのでとても参考になりました。1冊丸ごとでは荷物になるので、興味を持ったページをコピーして行きました。
計画のしかたから現地の情報まで詳細に載っている旅行記は、「フィレンツェ 旅の雑学ノート」です。街歩きのプラン、トラットリアなどの「食べ歩き40軒」、コラムなど読み応え充分です。
それから「ヴェネツィア 水の都の街歩き」は写真をたくさん載せているので街の雰囲気が良くわかります。ヴェネツィアにはじめて行かれる方におすすめしたい本です。
ローマで街歩きを楽しみたい方には、「ROMA ローマの休日 ひとり歩き」はいかがでしょうか。
4大都市に行くなら
★★★
暮らすように旅するイタリア
羽石宏美著
(メディアファクトリー) |
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ローマ・フィレンツェ・ヴェネツィア・ミラノのレストランやお店を紹介する本で、一軒ずつ丁寧に書かれています。個人旅行者向けのプチホテルの情報もあります。私は実際に手打ちパスタの店、ワインショップなどで買い物してきました。4大都市に行かれる方で食に興味をお持ちの方にはイチオシ!
雑誌・クレアのイタリア特集で羽石さんがおすすめするイタリアのお土産が紹介されました。 |
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ヴェネツィア
★★★
ヴェネツィア案内 とんぼの本
渡部雄吉ほか著
新潮社 |
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発刊は古いのですが、散策のモデルコースを載せているので繰り返し読んでいます。ラグーナの島々については私が読んだ中で一番詳しく載っていました。ブラーノ島に行きたいと思ったのはこの本を読んだのがきっかけです。
ただ、この本では「○○教会は〜」と一発で探すことができません。地域の名前が書いた目次があるだけで、教会の名前などの索引がないからです。情報量については申し分ないのですが。
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★★
ヴェネツィア 水の都の街歩き
栗原紀子著
東京書籍 |
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ガイドブックとは一味違った街案内。水上バスの乗り方など、旅行者に役立つ情報がたくさん載っています。市場のカラフルな食材、夜のトラットリアなど、筆者のご主人が撮った写真も美しい!
街の雰囲気がわかりやすく描かれているので、ヴェネツィアに興味を持ったら、最初に読んで欲しい本です。
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フィレンツェ
★★★
フィレンツェ 旅の雑学ノート
メディチ家の舞台裏をのぞく
山口俊明
(ダイヤモンド社) |
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予習編、実践編、準備編の3部構成。「DOCGワインのラベルについている雄鶏のマークの由来」など興味をそそられる題材ばかりなので、文章中心でも飽きずに読むことができます。
予習編では歴史、トスカーナ料理、ワインがテーマ。実践編では街歩きのポイントを詳しく解説。準備編ではフィレンツェへのアクセスとホテルの選び方。とにかく見逃せない情報が目白押し、フィレンツェに行かれる方には超おすすめです! |
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★★
フィレンツェ美術散歩 とんぼの本
宮下孝晴・佐藤幸三ほか
(新潮社) |
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教会・美術館の絵画や彫刻などがたくさん載っています。内容の多さでは「望遠郷」シリーズと双璧だと思います。教会などの内部の見取り図が載っているので、お目当ての絵が何処にあるのか一目瞭然です。 |
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ROMA ローマの休日
ひとり歩き
佐藤幸三
(平凡社) |
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バスや地下鉄を使って、街歩き。最寄りの停留所にある観光施設を紹介していきます。ローマに行くなら、おすすめ度◎です。
「映画・ローマの休日のロケ地を巡る」と銘打った本の中では秀逸だと思いました。ロケ地を特定するだけでなく、カメラアングルなどのディテールまで追求しています。 |
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この他のイタリア旅行記については、「本(2)イタリア紀行」で取り上げています。