フィレンツェ最終日。今日はドゥオモのクーポラとカッシーネ公園を見たあと、ヴェネツィアに移動します。
まずはドゥオモのクーポラに登ります。早朝のドゥオモの周りは閑散としており、昼間のにぎわいが嘘のように静まりかえっていました。真下に立って見上げると、荘厳な雰囲気と高さに圧倒されました。人が少ないからこそ、そう感じるのかもしれません。早朝のドゥオモはおすすめです。
ドゥオモ正面のモザイクと装飾
ドゥオモのクーポラ
ドゥオモは「花の大聖堂」とも呼ばれ、総大理石づくりのフィレンツェを代表する建物です。
クーポラの頂上(地上106メートル)から見下ろすフィレンツェの街並みはとても素晴らしく、日中は大勢の人が登っていきます。
頂上を目指すには、狭くて急な階段を400段以上登るのですが、この階段、一段一段の幅が狭く、奥行きも足が乗り切らない程窮屈です。
階段は二重になっているクーポラの屋根の間に作られているので、天井も低く、相当圧迫感があります。踊り場でなければ、すれ違うのも困難です。
私が行ったのは朝イチだったので、ほとんど人がおらず、スイスイ登ることができました。雨上がりで 蒸し暑い階段を登ること約15分で頂上に到着しました。頂上は一周できるのですが、床が外側に少し傾斜しているうえに、雨で濡れた大理石は滑りやすく、少し怖かった…!
映画『冷静と情熱のあいだ』のクライマックスに登場し、日本では以前にも増して有名になったクーポラ。きっと現在は登る人が更に増えていることでしょう。
ドゥオモのクーポラ内側のフレスコ画。
いや〜ね
私たちがクーポラの頂上を目指して階段を登って行くと、イタリア人のご夫婦が途中で休んでいました。お2人とも ご年輩、加えて太めのだったので既にバテ気味でした。ご主人は登りはじめたことを後悔しているらしく、奥様に文句を言っているようでした。お2人は、私たちに道を譲って下さいました。
先に頂上に着いて景色を眺めていると、出口付近から派手に手を叩く音が聞こえて、先程の奥様が登場しました。もうすぐ魔の階段が終わることに気付いて、拍手をしながら最後の数段を登ってきたらしいのです。少し後ろに、疲れ果ててヘロヘロのご主人の姿。
奥様は、誰彼構わず手振りを交えて「年だし、太っているから大変だったわ」と言っているようでした。ひとしきり話し終わると、今度は風景写真を撮りはじめました。
一方のご主人は、階段が余程しんどかったのか、ベンチに腰掛けてずっと休憩していました。私と主人が互いに写真を撮りあっていることに気が付くと、ご主人は「シャッターを押しましょうか?」とご親切に声を掛けて下さり、私たちはツーショットを写してもらいました。
しばらくしてから、一回りしてきた奥様と合流なさったので、こちらもお返しに「写真撮りましょうか?」と申し出てみました。その時の2人のリアクションは対称的なものでした。ご主人は、まんざらでもなさそうだったのに、奥様は「いや〜ね。この人と? わっはっは!」と 即座に拒否。それを見たご主人の複雑な表情が、私は今でも忘れられません。
ドゥオモの頂上より
サン・ロレンツィオ教会(中央)と中央市場(青い屋根)
フィレンツェのスーパー
フィレンツェにはデパートがなく、小規模な店や専門店が多いようです。お土産を探すにはコインやリナシェンテという洋服や雑貨を扱う大型店が便利です。(ただし、食料品は扱っていませんでした。)
どちらの店もショッピング街にあり、イタリアらしいカラフルなキッチン用品など楽しい雑貨が揃っています。
サンタンブロージョの市場に行く途中には、郵便局の斜め向かいにスタンダ(STANDA)というスーパーがあり、食料品や日用品を手に入れることができます。2リットルのミネラルウオーターの6本パック(重そうだ!)、ブラシの幅が3センチ以上ある歯ブラシなど、日本ではあまり見かけないものを売っています。私はイチゴの生ジュースを買ってみましたが、不思議な味がしました。
並んでいる商品は家庭用なのでおしゃれなパッケージという訳ではありません。でもトマトソースや乾燥パスタなどは種類が豊富です。空港の土産店よりずっと安いので、私はスーパーを見つけると立ち寄ることにしています。
レジの様子は日本とは随分異なり、手動のベルトコンベヤーになっているレジの台にお客が自分で商品を乗せます。店の人は椅子に座ったまま、非常にゆっくりと対応するので、テキパキとしたレジ打ちに慣れている日本人が見ると、この遅さには軽いカルチャーショックを受けてしまいます。スーパー袋は有料。必要な場合はレジを打つ前に申し出なければなりません。
左から洗礼堂、ドゥオモ、ジオットの鐘楼