針灸院日記 2017  本文へジャンプ


●今年の最初へ

12.31 今年もありがとうございました

27日が年内最後の診療日、28日はスタッフ総出で大掃除を済ませて、穏やかな年末を過ごしています。今年は3月の「眼科と東洋医学」研究会での講演が大きなイベントでしたが、日々の診療でもいろいろと考えさせられる出来事が数多くありました。縁あって当院へ足を運んでいただいた患者さんそれぞれが、どうすれば回復に繋がるかを説明できるよう努めてきましたが、伝え方や知識の不足を痛感したことも少なくありませんでした。

来年はこれまで以上に見聞や知識の幅を広げて、診療の質を高めていくことが課題です。針灸治療はもちろんですが、私自身も含めて必要以上に医療に頼ることなく、適切に生活環境全般を見直すことで、健康で活動的な日々を過ごすことができるよう目指していきたいと思います。来院していただいた全ての患者さんや支えていただいた家族、スタッフの皆様に感謝しながら、千秋針灸院は19年目を迎えます。今年一年、ありがとうございました。

12.25 スタッフ募集のお知らせ

2018年4月以降に午後の診療(週5日)を手伝っていただける、有資格者の女性スタッフ1名を募集しています。詳しくはリンク先をご覧下さい。来春の資格取得見込みの方や、午前は既に開業されている方、他院との掛け持ちの方も歓迎です。

●リンク・・・スタッフ募集のお知らせ

12.21 遠くの目標

先日、子どもの頃からお世話になっていた近所の理容店で、最後の散髪をしました。最後というのは、店主の理容師さんが81歳となり閉店して引退されるからなのですが、開店から50年になるそうです。このため私の祖父から息子まで4代に渡ってお世話になりました。業種は違っても個人経営の専門職ですので、いろいろと教えていただき感謝しています。31歳で開店されたということで、私も同じ年齢で開院して18年目になりますが、50年続けるのは大変そうですね。人生の大先輩でもある理容師さんの健康を願いつつ、遠い目標にしたいと思います。

12.12 15年次の車検

愛車というほど車好きでもないのですが、私のCopenは15年次の車検を終えました。あまり目新しい物に興味が無く、愛着のある製品を使い続ける性格がよく表れていると思います。今後も余程大きな故障などが無い限り、いつまでも乗っているような気がします。しかし軽自動車なので税金は安いのですが、13年を超えると割り増しになるのは納得いきませんね。家の固定資産税などは徐々に安くなっていくのに、自動車税などの経年割り増しは不自然に感じます。次は20年が目標かな。

11.17 眼瞼けいれん、顔面けいれん等のページを更新しました

眼瞼けいれんのページは2年半ぶりの更新でした。眼瞼けいれんの治療評価は客観的に数値化することが難しく、患者さんの自覚に頼ることが多くなりますが、比較的軽症の方や安定剤などの薬剤が関与しない場合に、治癒・軽快し易い傾向がはっきりしています。ボトックス注射が定期的に必要な方では治癒は難しくなりますが、針治療により良好な時間が増えることで、ボトックス注射の常用や回数を減らすことに繋がります。顔面けいれんについては、針灸治療を続けていくと痙攣が落ち着く時間が増えたり、痙攣自体が弱まる傾向です。脳の神経や血管の問題でもあるため根本的な解決ではありませんが、手術やボトックス注射に頼らず、長期に渡り安全に小康状態を目指せるのが鍼灸治療の長所です。

●関連リンク・・・眼瞼けいれん・顔面けいれんのページ

11.14 来年の一般口演演題抄録を送付完了

来年3月の第35回「眼科と東洋医学」研究会で、一般口演演題として報告させていただく予定の抄録をメールで送付しました。いつも共同発表者としてお願いしている菊池先生には感謝です。自分の思いつきだけで文章を作成すると、どこか言葉足らずになったり、独りよがりの内容になりがちですので、適切な校正の必要性をいつも感じます。

来月初めには査読も終わり採用の可否が決まりますが、スライド作成はその後からですので、ちょっとの間ですが気を抜くことができます。「眼科と東洋医学」研究会は初めて一般口演をさせていただいた昨年に比べ、今年の方が出席者が増えていましたので、鍼灸の眼科臨床として恥ずかしくない内容にするべく気を引き締めています。

今回の統計症例報告は、「近視性脈絡膜新生血管」がテーマです。発症直後の抗VEGF硝子体内注射(ルセンティス、アイリーア等)と鍼治療の比較などは前々回に報告しました。今回は当院で鍼治療を最低5年以上(平均約9年)、眼科での診断から平均10.8年を経過した長期経過後の状況(15眼)を報告します。鍼治療の長期経過の複数症例の報告は、もちろん日本初ですし、近視性黄斑変性後の黄斑萎縮による視力低下を、長期に渡って抑制できることも新たな発見として間違いないと思われます。鍼治療の可能性と課題も含めて、広く眼科医、薬剤師、鍼灸師の先生方に知っていただける機会になるといいですね。

11.6 ソフトバンクホークス、2年ぶりのV

シーズン後半に逆転されて3年連続のリーグ優勝、日本一を逃した昨年から、今年はシーズン94勝の強さでリーグ優勝、CSは連敗から逆転して日本シリーズへと進んだホークス。
今年のセ・リーグはカープではなく、まさかのベイスターズ。正直選手もあまり分からず、ちょっと意外な相手でした。レギュラーにヒゲを生やした選手がかなり多く、第一印象はラミレス監督とヒゲの仲間たち。

日本シリーズは福岡で連勝スタート、横浜での初戦も勝って日本一に大手をかけましたが、その後連敗した上に福岡に戻った6戦目も、9回1アウトまでは敗戦必至の状況。と思った時、ベイスターズ抑えの山崎から内川のHRで同点、以後は11回に川島のタイミングはアウトのタイムリーで勝ち越し。9回からサファテが3イニングを投げ抜いて日本一を掴みました。恐らく7戦目になれば抑えのサファテは使えず、第4戦で苦戦した左投手の濱口に抑え込まれた可能性も高いと思います。最後は工藤監督をはじめ、みんな笑顔で終われました。

日本シリーズ出場がセ・リーグ優勝チームではなく色々と言われていましたが、終わってみればとても見応えのある接戦でしたね。両チームとも力を出し尽くした素晴らしい試合だったと思います。来年春までプロ野球はお休みですが今から楽しみです。

10.17 中心性漿液性脈絡網膜症のページを更新

中心性漿液性脈絡網膜症のページも3年半ぶりの更新です。最近の眼科では軽症の場合での経過観察は変わりませんが、視力低下や変視(歪み)が大きい難治性の場合にはレーザーだけでなく黄斑変性と同じく、ルセンティスやアイリーアなどの硝子体内注射、時には光線力学療法(PDT)などを行おうとしたケースもあります。他に合併症の無い中心性漿液性脈絡網膜症は日常生活を見直すだけで治癒する場合も多く、針治療開始当初は視力0.5以下で大型の中心暗点を生じた重症例でも、数ヶ月で視力1.0以上、中心暗点は小さな瘢痕を残し消失したケースは珍しいことではありません。

中心性漿液性脈絡網膜症が長引き、日常生活を見直さないままに硝子体内注射を選択してしまうと、頻繁に注射を打つことで医原性の眼科疾患の合併症も出てくる可能性も低くありません。千秋針灸院では適切な針治療と共に、患者さん毎の日常生活での重要なポイントを説明していきます。数ある眼科疾患の中では比較的容易に軽快、治癒する疾患(合併症が無い場合)ですので、目への負担が大き過ぎる治療で問題をこじらせないよう気をつけて下さい。

●リンク・・・中心性漿液性脈絡網膜症

10.2 来年3月の一般口演演題の作成開始

来年3月の第35回「眼科と東洋医学」研究会の演題募集のお知らせをいただきましたので、一般口演演題としての報告を目指して、抄録作成に取り掛かりました。今回のテーマは、黄斑変性の中でも特に難易度の高い近視性の脈絡膜新生血管(CNV)の予後に焦点をあて、鍼治療による短期的な視力改善だけでなく、長期間の視機能維持にも大いに役立つことを眼科医の先生方へ報告するつもりです。

近視性CNVについては、発症から無治療の場合には10年以内に90%以上で矯正視力0.1以下となり、ほぼ失明状態に陥る恐ろしい病気です。現在では抗VEGF硝子体内注射(ルセンティスやアイリーアなど)による治療で、発症当初の大幅な視力低下はある程度防ぐことができますが、近視性CNVは時間の経過と共に黄斑萎縮に移行し、最終的には失明状態に進行する可能性は高いままです。最近は抗VEGF硝子体内注射を毎月など予防的に打ち続けることで黄斑萎縮を防ぐ治療も試みられていますが、例えば10年間で100回前後の注射が必要なことや、やや高い副作用や合併症、効果減弱のリスクを考慮すれば、現実的とは言えない治療でしょう。

当院の針治療については、近視性CNVでは最長の患者さんで14年間の治療実績があり、5〜10年以上継続されている患者さんも少なくありません。その中で視力が改善した方では適切に治療が継続される限り、矯正視力で0.1以下に低下した例は皆無な上、視力は改善したまま維持されています。近視性CNVで長期間針治療を続けられている患者さんの来院頻度は、2週〜6週に1回程度ですので、硝子体内注射と同頻度かやや多い程度です。適切な針治療は副作用や合併症の心配が無く、長期的には注射に比較し医療費も安く済むため、現実的な選択肢として検討に値すると思います。少し話がそれましたが、こうした事実を公式な場で眼科医の先生方に直接報告させていただく機会になります。

近視性CNVは黄斑萎縮へ移行する前から適切な針治療を行えば、必ずしも失明状態に進行する病気ではなくなりました。研究会での報告後には公開しますので、ご期待下さい

9.16 甲状腺眼症のページを更新

甲状腺眼症は3年ぶりの更新となりました。甲状腺眼症については最近3年で症例数が伸びており、特に発症から1年前後までの比較的早期の患者さんで、目の周囲の腫れや痛みなど、特有の症状が落ち着く経過が目立ちます。また眼球突出等で左右差のある場合に、突出が強い側を重点的に治療することで左右差を減らす工夫など、新しい治療法も採用しています。視力低下等を伴う甲状腺視神経症も改善することが分かってきました。発症後の早期から放射線や各種のステロイド治療を行うケースがありますが、自然経過で約半数の症例は落ち着くとする報告があります。余程の重症例を除き1年程度はリスクのある治療は行わず、無治療もしくは針治療で経過をみることをお勧めします。

ただし発症後数年以上経過した症例の眼球突出や複視、眼球運動障害では、やはり難易度が高くなりますので、状況により手術なども適切に検討する必要があります。結論として、発症後早期であれば自然治癒力による寛解を目指し、数年が経過した場合には手術も含めて検討するのが、患者さんサイドに立った甲状腺眼症治療の考え方でしょう。

●リンク・・・甲状腺眼症のページ

祝!! ソフトバンクホークス、パ・リーグ優勝。選手や関係者の皆様、お疲れ様でした。
CSから日本Sと最後まで駆け抜けましょう。今年は長くプロ野球を楽しめそうです。

9.1 網膜静脈閉塞症のページを更新

網膜静脈閉塞症のページも5年ぶりの更新になりました。この間に課題となる網膜浮腫の治療の主流は、レーザー+テノン嚢へのステロイド注射から抗VEGF硝子体内注射(ルセンティス、アイリーアなど)へと変化し、ステロイドの副作用の心配は無くなりました。しかし数ヶ月で薬効が切れる度に浮腫が再発することから、眼内注射を10回、20回と繰り返すケースが増えています。眼内注射の回数に比例して副作用も増えてくることや、注射自体の効果も低下することから、漫然と注射に頼り過ぎないことが大切なのですが、長期的に視機能を守るという視点が眼科医療から抜け落ちている様に思います。

当院の針治療では軽度の網膜浮腫であれば消失し治癒する可能性が高く、重度の場合は眼内注射に頼らなくても、一定の変視(歪み)は残るものの視力等は長期間維持できる可能性が高い実績があります。結論として軽度の浮腫であれば眼内注射は必要なく、重症の場合には一旦注射の力を借りた上で、安全な針治療に切り替える選択肢が考えられます。また眼内注射を一切行わない場合でも一方的に悪化したケースはありませんので、最初から注射を避けるという選択肢もあります。当院では患者さんの状況を各種測定で掴みながら、今後の治療の希望も伺った上でアドバイスさせていただきますので、来院時にはご相談下さい。

●リンク・・・網膜静脈閉塞症のページ

8.23 目指すところは病気を意識せずに済む、「気持ちが楽になる」治療院かも

千秋針灸院に来院される患者さんは眼科領域の疾患が多いため、視力や視野、その他にも見え方などの視機能を改善したり、長期的に維持していくことが治療目標になります。しかし実際の針灸治療は全身を診る東洋医学ですので、眼科領域という垣根を越えて全身に作用することも経験します。鍼治療を始めたら風邪を引き難くなったり、肩こりや頭痛が無くなったり、良く眠れるようになるなど、全身への様々なプラスアルファの作用があります。

私も眼科領域の治療目標の達成は第一に考えますが、その時々の患者さんの主訴や舌・脈の状況などから針灸を行う部位や強さを適宜変えることで、患者さんにとって最良の状態を目指していきます。ところがカルテには日々の微妙なさじ加減まで記載していないため、患者さんから「前回の治療後に息苦しさが無くなりました。またお願いします。」などと言われると、「はい。分かりました。」と答えながら、(前回何処に鍼をしたのだろう・・・。)と忘れてしまって困ることが多々あります。概ね患者さん毎の体の状態は把握しているので、その都度適切な治療を行うことで再現することは可能ですが、眼科領域では客観性のある測定データを重視するのに、どうも私の実際の治療は感覚的な部分が強いです。

最近思うことは、眼科領域の精度の高い治療を通して、全身の健康状態を高めていくことで、医療に頼り過ぎず永く健康に暮らせることの手助けが、私の役割なのかなと感じます。状況が切迫し悪い時は別にして、あまりストイックに副作用や合併症のある手術や投薬治療を行ったり、日常生活を制限し過ぎるのではなく、必要最小限の医療や針灸治療と、原因に直結する生活習慣を少しだけ修正することで、無理なく健康を取り戻し維持できることが大切と思います。

私自身があまりストイックな性格ではなく、例えれば沖縄みたいな緩くのんびりした(失礼!)部分が大好きなので、来院される患者さんにも病気を過剰に意識することなく治療を受けていただきたいと思いますし、そうした「気持ちが楽になる」治療院作りを目指しています。私が上海への留学を通して絶望的なクローン病の状況から立ち直り、家族の支えもあって開業後17年以上も病院へ通院せずに済んでいる(歯科を除く)のは、必要以上に病気を意識しないことにヒントがありそうです。

8.17 夏休みをのんびりと過ごしました

昨年までは子どもが小学生だったこともあり、夏休みは沖縄で過ごしていましたが、今年は久しぶりに何処へも出かけず、のんびりと家で過ごす一週間になりました。連休はGW以来でしたので、溜まっていた疲れも取ることができ、また沖縄とは違う非日常を堪能しました。しかし最後の方は少し退屈になってきて、仕事が生活のリズムを整えている事を実感。仕事のありがたさも感じることができ、何もしないのに妙に納得できる夏休みになりました。

休み明け初日の診療が終わりましたが、皆様が元気な姿(ばかりではないけれど)で来院され、夏休みの話題をあちらこちらで伺いました。何もしないを含めて、それぞれの形で充実した休暇なら、有意義な時間を過ごせたのではないかなと思います。

8.3 290,000アクセス達成

8.2 糖尿病網膜症のページを更新

糖尿病網膜症のページの更新はなんと5年ぶり。この5年間で眼科では増殖網膜症などの黄斑浮腫に対して、ステロイドから抗VFGE硝子体内注射(ルセンティスやアイリーア)へと治療が変化しています。ステロイドによる眼圧上昇のリスクは減ったものの、薬効が切れる度に悪化して注射を繰り返すケースも多く、医原性の眼底出血や緑内障の発症リスクは高まっています。

針治療は糖尿病本体が適切にコントロール(HbA1c7前後まで)されていれば、視力をはじめ網膜症を改善し、以後の眼科での汎網膜光凝固(レーザー)や各種注射等は不要になるほどの効果が見込めます。実際に長期間通院を続けられている方で悪化する方はありません。ただし糖尿病網膜症の患者さんで、毎日の飲酒や喫煙が止められない方は、あまり改善は見込めません。結果としてHbA1cも7前後までには収まらず、糖尿病本体からの進行圧力が続いてしまうためです。条件付にはなりますが適切な針治療は糖尿病網膜症から大切な目を守るために役立ちます。当院でも長期的な視機能維持を目標として、治療に取り組まれる患者さんが増えている疾患です。

●リンク・・・糖尿病網膜症

7.17 網膜色素変性のページを更新

網膜色素変性のページも3年ぶりに更新しました。この3年ほどの状況としては、期待されていたオキュセバ点眼薬の効果が不十分として認可されなかったことでしょうか。眼圧が高めの方など、対象者を絞れば効果はあると考えられるので残念な結果でした。この間当院は今年3月の「眼科と東洋医学研究会」の特別講演として、「網膜色素変性への鍼治療」を眼科医の先生方の前で報告させていただいたこと、ルティーナ(東海光学)レンズによる眼鏡が遮光眼鏡では暗くなってしまう室内などでも、網膜色素変性の患者さんに広くお勧めできることが分かったのが収穫でした。

網膜色素変性の進行要因として、夏場は体が消耗するため病気が進行し易くなります。睡眠を十分にとり体の消耗を防いで下さい。また飲酒を含めた過度の水分摂取は網膜浮腫の合併に繋がります。夏場の紫外線対策も大切です。網膜色素変性は他の眼科領域の病気よりも、一度悪化してしまうとご自身の対策だけでは回復が難しい傾向が強いです。大きく悪化する前に適切な鍼治療もご検討下さい。

●リンク・・・網膜色素変性

7.4 土曜日および午後の診療時間での新規患者さんの受付を再開します

長い間休止させていただき、ご迷惑をおかけしていた午後の診療時間での新規患者さんの受付を再開できるようになりました。また土曜日についても午前・午後診療共に受付可能な場合がありますのでお問い合わせ下さい。

7.1 若年性黄斑変性のページを更新

50歳未満の若い方に生じる若年性黄斑変性のページを更新しました。またしても4年ぶり、もう少し更新頻度を上げないといけませんね。4年も経つと眼科での治療法のトレンドも変わってきますので、更新しながら内容の古さを感じてしまいます。そういえば医学書院の『今日の診療』(医師の治療マニュアル)の最新版をパソコンにセットアップしましたが、例えば5年程前の内容とは大きく違っていて驚くことも多いです。

50歳未満の黄斑変性で来院される患者さんの内、本当にアイリーア等の硝子体内注射が必要であり、私からも推奨するケースは5人に1人位です。5人に4人の患者さんは針治療のみで十分に回復可能な方や、そもそも硝子体内注射に適した時期を逸しているケースも多く、私としては眼科学や薬理学の専門書等に記載された事実をお伝えするなどして、患者さん自身によく考えていただくようにしています。また針治療を始めると眼科の方で「状態が良くなっているので、注射は見送りましょう」と言われるケースも増えています。

黄斑変性に限らず、ほとんどの病気は幾つもの要因が重なり時間をかけて生じるものです。目に関する環境や生活習慣を適切に変えることで、黄斑変性の発症した要因を少しでも変えていくことができれば、硝子体内注射は必要ありません。本来、人の体は治るようにできているため、発症した要因を修正することで解決の方向に向かいます。針治療とは体自身が治す力を高める手助けをしますが、病気の状況を変えるには悪化した原因を突き止めて少しでも変えることが大切です。過度の飲酒や喫煙をはじめ、様々なポイントがありますので、来院された際にはしっかりとお伝えするようにしています。

●リンク・・若年性黄斑変性

6.17 緑内障の詳細なデータと解説のページを更新

4年以上振りに緑内障の詳細ページを更新しました。眼科領域も本当に変化が早く、数年もすると新薬や手術法なども変化してきます。またそれまで主流で正しいと思われていた治療が、こっそり誤りとされて用いられなくなることもあります。千秋針灸院は眼科ではありませんが、大学病院クラスに通われる難易度の高い患者さんも多く、最先端の治療や治験と常に向き合っていますので、眼科の専門領域の勉強が欠かせません。私は今後も眼科での主流となる治療に迎合するのではなく少し距離を置いて、本当に患者さんの目の健康に役立つかを見極める立場を貫いていきたいと思います。

●リンク・・・緑内障の詳細なデータと解説のページ

6.10 ルティーナ(東海光学)

昨年末のことですが患者さんへの紹介用に、ルティーナ(東海光学)のレンズで眼鏡を作成しました。一宮駅近くのメガネの賞月堂さんでお願いしたのですが、サンプルのルティーナレンズや青色レーザーポインターまでいただいて、患者さん持参の眼鏡がどの程度ブルーライトをカットしているのか、目の前で見ていただくことができるようになりました。これまで患者さんへの説明も兼ねて100本以上の眼鏡で試しましたが、やはりルティーナを超えるブルーライトカット性能は、少なくとも透明なレンズでは無理で、かなり濃い色の遮光レンズ(CCPクラス)で同程度の性能になるようです。

最近は室内の照明からテレビ、パソコンからスマホまで、全てがLEDを使用しています。LEDの光は例え健康な人には害が無くても、何かしらの目の病気を持つ方にとっては大きな負担になり得ます。実際に当院の患者さんの多くがLEDの光は眩しすぎると感じていたり、目の疲れや視力低下に気が付き、蛍光灯に戻して改善した方もあります。しかし自宅だけでなく職場や店舗、街頭、車のライトなど全てがLEDに変わってきていますので、目は自分で守る他ありません。ルティーナはほぼ透明なレンズでUVやブルーライトをほとんどカットできますので、室内や夜間でも暗くならずに使うことができます。

半年程度自分で試しての結論として、現時点では明るい昼間の屋外は遮光眼鏡を使い、室内ではルティーナレンズの眼鏡がベターと思います。眼鏡を作られた患者さんも「眩しくない」、「目が楽になった」という意見が大半です。東海光学のレンズを扱っている眼鏡店なら作成できますので、興味のある方は眼鏡店で聞いてみて下さい。

ルティーナ(東海光学)・・・ http://www.tokaiopt.jp/lens/lutina.php

6.2 加齢黄斑変性のページを更新

千秋針灸院のスタッフは中医学を基にした治療を行う必要があるため、数年前より実践的な経穴の使い方の勉強会を行ってきました。ようやく経穴は終了目前となったので、今度は眼科領域の専門知識を身に付け、各疾患の針治療と実際を理解するために、当院ホームページを基に勉強会を行うことになりました。眼科学のテキストを使うことも考えたのですが、当院ホームページの方が針治療の実際を掲載している上、私自身で書いた文章なので分かり易く説明できるという判断です。数年間更新していないページも多く、更新の必要があるので大変ですが、今回を機会に最新の情報に書き換えれたらと思います。

最近、加齢黄斑変性では特に近視性の場合に光線力学療法(PDT)を行うと、重篤な視力低下を伴う黄斑萎縮が早期から生じる結果が報告されています。近視性黄斑変性は長期的には殆どの場合に黄斑萎縮を生じて矯正視力は0.1以下になりますが、当院で針治療を続けられている方の多くは、初診時に既に黄斑萎縮による視力低下を生じていた方を除けば、10年以上経過しても視力低下は生じていません。むしろ改善しているケースもあります。適切な針治療は黄斑萎縮の進行を抑制し、視力低下を起こし難くなることが推測され、今後の統計症例報告のテーマにもなりそうです。

●リンク・・・加齢黄斑変性

6月より午後の診療を手伝っていただいている大川先生が、午前も手伝っていただけるようになりました。スタッフ不足が解消されて、午前・午後共に充実してきました。

5.16 網膜動脈閉塞のページを更新

緑内障に続いて3月の講演内容を基にして、網膜動脈閉塞のページを更新しました。何度も書いてきたように、網膜動脈閉塞は片目が血栓により突然失明する病気で、一刻も早く眼科を受診し数日以内に適切な治療を開始する必要があります。しかし発症から概ね1週間が経過すると、現在の眼科医療では治療法がありませんでした。このため眼科受診が遅れたり初期治療が上手くいかない場合は、失明や重度の視力・視野障害が残ることが止むを得ないというのが眼科医療の常識でした。

千秋針灸院では網膜動脈閉塞に正面から取り組みを続け、概ね発症から1ヶ月以内に適切な鍼治療を開始できれば、視力・視野の大幅な回復が可能であることを初めて統計的に発見し、今年3月の「眼科と東洋医学」研究会での特別講演として、眼科医の先生方に報告させていただきました。「眼科医療で1週間程の初期治療が完了したら、適切な鍼治療をご紹介いただけると、失明を宣告された患者さんは希望を繋ぐことができます」と結んだ話は、多くの先生方の賛同を得られました。眼科疾患の中で網膜動脈閉塞はそれほど頻度が高い病気ではありませんが、万一発症した場合には類似する虚血性網膜症と共に、一刻も早い鍼治療をご検討下さい。

●リンク・・・網膜動脈閉塞

5.5 レゴランド

観光的には面白みが無い名古屋に珍しくレゴランドが開業ということで、道大(息子)がレゴ好きで年間パスポートまで購入していたこともあり、同伴者半額キャンペーンに釣られて混むであろう「こどもの日」にも関わらず家族で遊びに行きました。強気すぎると評判の入場料は6.900円の半額になって3.450円。今年で道大も中学生なので、最初で最後のレゴランドになるだろうと思いながら、閑散とはしていないものの、それほど混んでいない園内をじっくり見て回ることができました。

たぶん十くらいあるアトラクションは、人気のブースで90分待ち位でしょうか。園内各地にレゴで作られたオブジェが多数あり、特にレゴで作成された日本国内各所の建造物の数々は見応えがあります。私は昔レゴで散々遊んだ記憶を思い出しながら、ゆっくり見て回り写真を撮ったりして過ごしました。いろいろ言われるレゴランドですが、子どもだけでなく昔遊んだ大人なら楽しめると思います。各アトラクションをはじめ、レゴの見せ方は未完成な部分を感じさせますが、今後の発展に期待できるのではないでしょうか。折角名古屋に誘致したのですから、数年後にはTDLやUSJに並ぶ名所の一つになって欲しいものですね。

4.26 緑内障のページを更新

先月の講演内容を基にして、緑内障のページを更新しました。いつの間にか4年以上も未更新に気が付いて驚きです。時の経つのは早いですね。更新前の内容も読み返してみると、やっぱり4年前のまま。最新の内容を見ていただけるよう、大幅に書き換えています。

先の報告から既に緑内障性視野障害に対して、鍼治療が一定の効果を上げることは確認できました。私は鍼による緑内障治療の次の課題は「視神経の減少を長期間止められるのかどうか」に尽きると思っています。最近では光干渉断層計(OCT)の進歩によって、眼科では網膜上の視神経厚を測定できるようになってきました。鍼治療によって長期間視神経の厚みが減少しない、もしくは減少し難くなることが証明できれば、視野障害の改善や維持に加えて、緑内障自体の進行を長期に渡って抑え込めることになります。

視神経厚が長期的に減らない、もしくは減り難くなるというデータは少しづつ私の手元に集まりつつありますが、やはり自前でOCT等が使えない針灸院という場所では限界があります。もしも眼科医の先生が当院の日記を見ておられたのなら、お近くの腕の立つ鍼灸師に緑内障の患者さんをお任せして、見事に結果を出して眼科学会などで報告されると、点眼薬や手術に頼った緑内障の治療法に新しく選択肢が加わると思います。特別講演でご紹介した網膜動脈閉塞も同じです。私は鍼灸師の立場なので、医師に限定された眼科学会等で発言できる機会もありませんし、研究よりも日々の診療で直接患者さんの役に立ちたい思いが強いので、論文作成等に時間を割く余裕もありませんが、今後も当院ページや短時間の症例報告などの機会には、臨床から得られた事実をお伝えできたらと思います。

●リンク・・・緑内障

4.11 当院スタッフ紹介を更新

2017年版のスタッフ紹介を更新しました。新たに2名の新戦力が加わり、人手不足が続いていた午後の診療体制も充実してきました。一部古い写真が混じっていますが、更新を渋っているだけなので、気にしないで下さいね。

●リンク・・・千秋針灸院のスタッフ紹介2017

3.31 「眼科疾患への鍼治療〜対応の難しい疾患に対して〜 網膜動脈閉塞」を公開

予想以上に反響が大きかった「網膜動脈閉塞」ですが、本当は来年報告する予定でいました。特別講演の依頼を受けたため急遽作成することになりましたが、作成途中で様々な発見や事実が判明して、眼科医の先生方に自信を持って報告できる内容になりました。自分で書くのもどうかと思いますが、今後の「網膜動脈閉塞」への眼科医療自体を変える程の衝撃の結果です。広く眼科医の先生方にも知っていただき、患者さんへ適切な鍼治療を紹介していただくことや、多くの鍼灸師の先生方に再現いただけることを願っています。 私も今後この病気で新たに失明する方が無くなるように、微力ながら取り組んでいきます。

●リンク・・・「眼科疾患への鍼治療〜対応の難しい疾患に対して〜 網膜動脈閉塞」

一般口演に加えて特別講演とのW講演になった、今回の第34回「眼科と東洋医学」研究会の一連の報告も、ひと区切りつきました。これで終わりではなく、新年度の明日から新たな一歩を踏み出していけるよう、気持ちを切り替えて歩んでいきたいと思います。皆様、よろしくお願いいたします。

3.27 久しぶり

先日(24日)に静岡市で開業されている高田先生が見学に来られました。高田先生は10年程前に、黄斑変性の患者さんとして当院で治療を受けられ、その後に鍼灸専門学校に通われ国家資格を取得し開業して3年。随分前のはずなのに、来院されていたのが最近の様に思えました。私の治療も含めて黄斑変性を理解されている先生ですので、まずはホームページの相互リンクとして結果が伴い次第、提携治療院としてお願いするつもりでいます。提携治療院での治療方法は、結果のみを重視していますが、当院と同一の治療方法の先生は安定して好結果が出る傾向にあります。また高田先生の場合には黄斑変性の実際を知っていることも強みと思います。

癒しの森 やわらぎ整体鍼灸院
●リンク・・・http://iyasitedokoro-yawaragi.com/

長らく新規患者さんの受入れを休止させていただき、ご迷惑をおかけしましたが、MT式温灸器を使用する「顔面神経麻痺」、「顔面けいれん」については、受け入れ再開になります。

統計症例報告第二弾、特別講演での「網膜動脈閉塞」は次回にUP予定です。

3.21 第34回「眼科と東洋医学」研究会の回想

10日程遅れましたが、当日を回想して書いています。前日(3.11)は午後を休診とさせていただき、大事を取って浅草にあるビジネスホテルに宿泊したのですが、早めに寝たものの寝付きが悪く、少し疲れと眠さが残っての当日を迎えました。当日は座席が足らず、立ち見の先生があったほどで満員。10時から一般口演演題が始まり、私の「鍼施術による緑内障性視野障害へのアプローチ」は6番目。10:50からの予定がやっぱり遅れて11:05頃からになりました。7分間ほぼピッタリでお話したのですが、緑内障は関心が高い分野のためか、質疑が5分近く。特別講演の前座のつもりで緑内障は、あっさり終われる見込みが予定時間をオーバーする事態に・・・。全体の終了時間は決まっているため、一般口演で遅れが出ると特別講演の時間が圧縮される(実際は大丈夫でした)と思い込んでいたため、冷や汗ものでした。

特別講演は各50分で先に薬剤師の先生から「眼科に多用される漢方」、最後が私の「眼科疾患への鍼灸治療」でしたが、薬剤師の先生は80代の方で、助手のスタッフの手を借りながら、時々小休止しながらの講演でした。そのままでは私の講演時間が30分位短くなる恐れもあり、薬剤師の先生の講演時間中は、自分の講演内容から省略可能な部分を検討するので手一杯。私の講演は12:10からの予定でしたが、結局12:40分頃からと30分遅れ。昨年の経験から10分程度の遅れは織り込み済みでしたが、30分の短縮は不可能と腹を括るしかなく、焦りまくっていました。この時間が一番しんどかったです。

そして私の講演、30分の遅れを取り戻そうという意識が働き、自然に早口になったのは反省点でしたが、最初に千秋針灸院の概要を4分程で話し終えた頃には、平常心を取り戻しました。次の「網膜色素変性」は2012年の統計症例報告・「網膜色素変性への鍼治療」を簡易に説明し、更に11年以上に渡り鍼治療を続けられた症例を視野検査の結果と共に見て頂き、鍼治療の可能性を説明すると同時に、漢方との併用をお願いする内容。続いての「網膜動脈閉塞」は、突然の失明と共に眼科では1週間ほどで予後不良を宣告されることも多い救急疾患。鍼治療では発症後1ヶ月前後まで大幅に回復可能なことを少数の統計と、症例を2例ご紹介させていただきました。最後の実技は13:05と既に予定時間を越えていましたが、会場の雰囲気がなんとなく「やりましょう」という感じになり、また当院のスタッフが手際良く準備してくれたため、勢いで・・・。「(時間オーバーだけど)実技もやっていい? いいよね!」という感じで、今思い出しても無理やり感一杯で、主催者の皆様にはご迷惑をおかけしました。

実技は緊張は無かったのですが、手先が覚束無い感じで、もう一つ日常の診療のような手捌きができずに困りました。見られながら鍼をするのは慣れていますが、昨日までの診療と講演準備で疲れ過ぎていたのが原因のようです。(帰ってから3日間酷い頭痛に悩みました) 私の体への負担が大きすぎるため、今回を最後にしようと臨んだ特別講演でしたが、講演が終わってから、驚くほど多くの質問や激励の言葉を頂き、全国各地の漢方治療を行っている眼科医の先生方と知り合うこともでき、本当に「やってよかった」と思える講演になりました。心残りは網膜色素変性をメインにしたつもりが、後の網膜動脈閉塞が眼科医療として衝撃的な内容の上、初めて目の前で鍼治療を行う実技が、多くの先生に新鮮に映ったことで、お話したかった網膜色素変性が目立たない結果になったのが、個人的には残念でした。4ヶ月ほど精一杯練り込んできましたが、満点にするのは難しいですね。

私の講演はなんとか無事に終わりましたが、今回一番嬉しかったのは帰りの電車で金本先生から「老中医」の話を聞けたことです。「老中医」というのは、中国で特に優れた臨床実績を残した中医師に対して、患者さんをはじめ多くの方が功績を認めて愛称で呼ぶもので、名人のような存在です。「老中医」と呼ばれる偉大な先生も、最初から優れた理論や才能で結果を出していた訳ではなく、上手くいかなくても諦めず様々な試行錯誤の上で時間をかけて追求した結果、いつの間にか「老中医」と呼ばれる存在になったことを話していただきました。私自身の中医学の理論的な水準は、上海への留学経験はあるものの中途半端を自覚していて、果たして眼科臨床を重ね続ける今の方向性で更に成長できるのかは、誰にも話したことのない心の棘だったのです。私などが「老中医」の域に達するのは現実的ではありませんが、「今の方向性で進んでいいんだ」と思えたのが一番の収穫でした。これからも眼科領域の臨床第一、結果重視で歩んでいきたいと思います。

今回の特別講演に尽力いただいた竹田眞先生をはじめ、「眼科と東洋医学」研究会の眼科の先生方、ご協力いただいた患者様やスタッフ、支えてくれた家族や提携治療院の先生方、応援していただいた皆様に感謝いたします。また長文にお付き合いいただき、ありがとうございました。

3.16 区切り

先日の東京での講演は、私にとっての一つの区切りなのですが、今日は子ども(道大)にとっても千秋南小学校6年間の最後、卒業式でした。針灸院の休みと重なったため出席したのですが、会場となった体育館や校舎など36年前に私が卒業した時の記憶のまま。少し違うところは子どもの数が約半数と少ないことと、昔と違って自由で親しみ易い雰囲気の卒業式でした。今回で小学校の卒業式に出席するのは最初で最後ですが、子どもが私と同じ小学校、次の中学校へと進学していくのは何とも感慨深いものがあります。

私自身も今日もう一つ、長い間お世話になった愛知県鍼灸マッサージ師会を退会させていただきました。千秋針灸院が鍼灸の保険(療養費)取り扱いを、昨年6月で完全に終了させていただいことによる退会です。長く担当していた一宮支部の理事についても引き継ぎ後に降りることになりました。支部の活動などを通して知り合いになった先生も多く、残念ではあるのですが、様々な行事への参加なども体力面や時間的にも困難になりつつあり、ここで区切りを付けることにしました。

私は近年、これまでの経緯から眼科領域への鍼治療を通して、「患者さんに寄り添いながら、医療としての鍼灸を追求する」という観点で、真っ直ぐに進んでいきたいと強く思うようになりました。もう一方で年齢は50代が手に届くところまで迫っており、持病のクローン病も無視はできないことから、これまでの仕事の整理を進めて体との折り合いを付ける必要も感じています。余談ですが東洋医学では男性は8の倍数で体が変わるとされ、48歳は肉体的な衰えが目立ち始める時期でもあります。私としては大きな可能性を持つ鍼灸を、同じ道を志す方に伝えながら、少しでも長く仕事を続けられる道を歩みたいものです。

3.15 統計症例報告「鍼施術による緑内障性視野障害へのアプローチ」を公開

先日3.12に東京の台東区区民会館で行われた、第34回「眼科と東洋医学」研究会の一般口演演題、「鍼施術による緑内障性視野障害へのアプローチ」を今回の第1弾の統計症例報告として公開しました。今回も抄録を公開したかったのですが、上手くアップできないため取りあえず断念。現在講演疲れで疲労が激しいため、日記等を含めて更新が遅れています。ご迷惑をおかけしますが、私は元気ですのでご心配なく。もう少ししたら当日の状況や特別講演も含めて更新できると思います。まずは緑内障。

リンク・・・統計症例報告「鍼施術による緑内障性視野障害へのアプローチ」

3.3 スタッフ募集の終了と新規患者さんの受け入れ制限を緩和

1年以上に渡り当院の仕事を手伝っていただくスタッフが不足し、丁寧な診療に支障が出る事を防ぐだめ、新規患者さんの受け入れを制限させていただき、ご迷惑をおかけしました。ようやく新たに2名のスタッフが加わり、診療体制が整ってきましたので、順次制限を緩和できる見込みです。

不思議なもので1年以上に渡り、スタッフ募集への応募すら全くありませんでしたが、最近10日程の間に続けて応募があり、面接の上で決定させていただきました。この春卒業の方でもありませんし、求職サイトや学校経由でもなく、当院のホームページで募集を見たという話です。適切な針灸治療を医療として役立てたいと思う方なら歓迎ですし、実際当院で全日3年程度の実務経験があれば、針灸専門治療で開業し成功する資質は備わります。何かしら縁あっての出会いですので、当院での経験を通して将来の成功を掴めるよう、私もできる限り応援しています。

2.22 仕事に励み

最近、子どもの春からの中学への通学用に自転車を購入しました。私が中学・高校の頃に自転車の面倒を見て頂いた、地元の自転車屋さんでお願いしたのですが、当時40代位だった店主のおじさんは、70代になられていました。30年以上昔のことなので当然ですが、テキパキと新車を整備して引き渡していただきました。年を重ねても素晴らしい仕事ぶりで、技術は年齢や経験を重ねるほど極まっていくことを感じました。私も分野は異なっても技術職ですので、こうありたいものと思います。

もう一つ、10年程前に数年に渡り治療を続けた方で、当時「声優になりたい」と話していた患者さんがありました。容易な事ではないと思いましたが最近、数年前から声優としてTVやゲームなどで活躍されていることを知って驚きました。ネット上でも聞ける声や台詞はプロそのものです。夢を見事に実現されたことに私も嬉しくなりました。某ドラマではありませんが、「望みを捨てぬ者だけに道は開ける」は真実ですね。陰ながら応援しています。

自分に多少なりとも関わりのあった方が、様々な世界で頑張っていることを知る度に、自分の大きな励みになります。私も適切な鍼灸治療が眼科医療の選択肢の一つになり、眼科領域の患者さんに役立てられるよう、3月の講演をやり切るつもりです。

2.15 第34回「眼科と東洋医学」研究会

来月の3月12日(日)に台東区民会館で行われる、第34回「眼科と東洋医学」研究会の抄録が少し前に届いています。昨年から眼科専門医の研究会に、薬剤師や鍼灸師が参加できるようになりましたが最初の年でもあり、従来の眼科疾患への漢方薬中心の報告に対して、鍼灸は基礎研究などの報告に留まり、眼科疾患への鍼灸治療の報告は当院の「黄斑変性への鍼施術が、視力に及ぼす影響について」1件のみでした。明治国際医療大学の鶴先生から特別講演で、「眼科疾患の鍼灸治療の可能性」として、鍼灸の研究成果や作用機序を丁寧に説明されたことで、同じ東洋医学の鍼灸に少しは関心を持っていただけたと思います。

今年は昨年の流れを引き継いで、一般口演では「緑内障性視野障害」、特別講演では「網膜色素変性」、「網膜動脈閉塞」の3疾患について、鍼治療の可能性や眼科医療機関との連携の必要性を、当院の臨床からお話しする予定です。内容も概ね完成しており、また鍼治療の実際として実技も紹介することで、眼科医の先生方に鍼治療を知っていただく機会も準備しています。更に抄録で知ったのですが、神奈川県の秋英堂さん(提携治療院)の金本先生から、AZOOR(急性帯状潜在性網膜外層症)の症例報告が行われます。今後も眼科疾患への鍼灸治療による様々な報告が続くことで、眼科医療の選択肢の一つとして少しづつ認知されといいですね。

●関連リンク・・・日本眼科学会・関連学会予定表(2017.3)

参加は医師、薬剤師、鍼灸師の国家資格取得者に限られますが、予約等は要らず会費の3.000円は当日徴収です。ホームページはありませんので、上記のリンクを参考にして下さい。私は大勢の前で話すことが本当に苦手なことや、やや長時間の講演等は準備段階を含めて体への負担が大きいこともあり、一般口演規模の演題発表を除いて、講演は今回を最後にしたいと思っています。よろしくお願いいたします。

2.1 毎年のように 

千秋針灸院は眼科領域の針治療を専門としていますので、患者さんも目の治療を目的として来院されることが多いのですが、不思議なことに毎年何名かは、お子さんを授かる患者さんがあります。眼科領域の針治療では、中医学の「肝・脾・腎」という部分に特化した治療を行うことが多いのですが、このことが患者さんによっては目だけでなく、妊娠・出産し易い条件を整えているものと思います。私は不妊治療についての知識は詳しくないので、対応はスタッフ任せですが、専門外ということで患者さんも私も、お互いに気負わないのが良いのかもしれません。眼科領域でも同じで、あまり気負い過ぎると上手くいかない時があります。少し緊張を緩めていると、いつの間にか好転していく症例は多いです。

毎年が今回のテーマなので、もう一つ。患者さんの中には毎年のように鍼灸師を目指す方があります。私は17年程この仕事をしてきましたが、鍼灸での一本立ちが簡単ではないことは分かりますので、決して安易に勧めることはしません。しかし既に鍼灸専門学校に入学していたり、進学を決めた方には、全力で道を切り開くようお話しています。患者さんは病気があるから私のところへ来ています。「自身の病気を、自分の力に」つまり、病気を実際に患い、克服した経験は、専門書でも専門医にも分からない貴重な力に成り得ます。

私の場合はクローン病が相当しますが、何故か専門は眼科領域であることは気にしないで下さい。私はクローン病を追求し過ぎると、自身の病気を悪化させると思うので、敢えて避けたのですが、ご自身の病気を本物の力にできた方には、どうしても敵わないと思っています。ともあれ、今年入学を予定している方、在学中の方、国家試験目前の方、皆さんを心から応援しています。この世界に足を踏み入れたからには、頑張るしかありませんね。

1.26 4月より再診時に文書料がかかります

今年の4月より、初診時以外で提携治療院などへ文書を発行する場合に、1.080円(税込)をいただくことになります。遠方の方などで再診時に各種測定・評価を行い、文書としてお渡し、もしくは郵送する際に必要になります。

なお初診時は初診料に含まれていることや、当院のみで治療をされている場合は、文書が要らないため必要ありません。また新規の作成でなく、必要に応じてコピーのみをお渡し・送付するような場合も不要です。文書の発行は通常、最初は3〜6ヶ月、以後は6ヶ月〜1年毎へと必要最小限にしていますので、過大な負担にはならないと思います。提携治療院などを含めて治療をしておらず、時々当院で測定・治療だけをされている方も、文書を発行しないため不要です。再診時に各種測定・評価を行った上で、書面でのお渡しや郵送が負担になっていますので、ご理解下さい。

1.18 電気の使い過ぎ

今年に入って、毎朝のように電気のブレーカーが落ちていました。原因は電気の使いすぎ。千秋針灸院の契約電力は、家庭用最大の10KA(100アンペア)なのですが、冬場の朝は8台のベッドを暖めておくために、300W×2灯の赤外線灯をフルパワーで8台使用。これだけで48アンペアにもなります。4台のエアコンも、もちろんフル稼働。そこに新たにスチーム加湿器が加わり、いったいどれだけ電力を使うのか、考えるだけで恐ろしくなります。

毎朝数回はブレーカーが落ちてましたので、ベッドを暖めている赤外線灯を300W×1灯だけにして、24アンペア分の消費電力を減らたところ、無事落ちなくなりました。いつの間にか増えている電気製品には注意が必要ですね。

ようやく「眼科と東洋医学」研究会での、特別講演用のスライドに続き、講演内容の下書きが完成しました。後は時間内に終わるよう調整したり、より分かりやすく内容を練り込む段階に入ります。3月12日の講演まで、あと2ヶ月を切っていますが、焦らずじっくりと完成度を高めて、当日聴講される眼科専門医の先生方に、網膜色素変性や網膜動脈閉塞への鍼治療を、適切にお伝えできればと思います。

1.5 あけまして、おめでとうございます

明日から診療開始です。当院に来院していただいた皆様へ、最大限の結果を残せるようスタッフ一同頑張っていきます。今年もよろしくお願いいたします。

1.4 280,000アクセス達成。

   本ページの内容は現代の眼科医学及び中医学、抗加齢医学、千秋針灸院の治療実績に基づいて書いたものです。
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