針灸院日記 2012 本文へジャンプ

○今年の最初へ


12.29 今年もありがとうございました。

先ほど年内全ての診療が終わりました。針灸院の新築・移転で、何かとバタバタした昨年末に比べて、落ち着いた最終日となりました。私を含めたスタッフ全体が新しい治療院に慣れ、また治療への実力も付いてきた一年でした。混雑時の対応など課題もありますが、6台のベッドをかなり使いこなせるようになり、以前のように新規の患者さんを何ヶ月もお待たせする状況は解消されました。

私個人としては、3月に行った東京での三旗塾の講演と、『網膜色素変性への鍼治療』の電子書籍を無事公開できたことで、今年の課題をやり終えたという思いです。来年については特別な目標はありませんが、眼科領域への専門性を更に高めるべく勉強を続けていくことや、全国での提携治療院を拡大させていくこと、パソコン→タブレット・スマホという流れの中でホームページの見直しなど、地味ですが必要なレベルアップを図りたいと考えています。

今年も多くの皆様に見ていただき、また来院いただきありがとうございました。
来年が皆様にとって良い年になりますよう、願っております。

12.27 大掃除

今年は29日(土)が最終の診療日ということで、最後の休診日の今日、針灸院の大掃除をしました。30日ではスタッフの皆さんも辛いですからね。さすがに5人+道大(息子)での掃除は速く、例年なら5時まで掛かる掃除が3時で終了。昨年は手が付けられなかった部分まで綺麗にできました。手伝っていただいたスタッフの皆さんに感謝します。

12.24 『網膜色素変性への鍼治療』 Web公開版・電子書籍を公開しました

この統計症例報告の公開は、今年の大きな目標の一つでした。電子書籍にするために全く新しいソフトでの製作を試みたり、これまで以上に規模の大きな報告となったために、半年近くも費やしてしまいました。昨年末から今年中に完成させることを明言していましたので、やっと肩の荷が下りた感じがします。

●統計症例報告 『網膜色素変性への鍼治療』 Web公開版・電子書籍

ダウンロードはもちろん、リンクや紹介も自由です。どんどん広めていただけたら、様々な立場の方の目に留まり、網膜色素変性や鍼治療に興味を持っていただける可能性が高くなります。ただし何の利害関係も無く、当院での治療からの事実と統計から、全く自由に書いていますので、場合によっては反感を持たれる場合もあるかもしれません。

私は眼科医ではなく、最先端の検査機器を自在に使える立場ではないため、全てが完璧な報告ではありませんが、批判ばかりではなく私以上に網膜色素変性に対して、正面から取り組んで結果を示していただけたのなら、この病気で苦しむ患者さんの役に立つことができると思います。鍼灸学会などでの発表ではなく、誰にでも読むことができる電子書籍として公開したのは、少しでも多くの方に関心を持っていただけたらという思いからです。よろしくお願いいたします。

この半年間は眼科学の勉強なども休止状態でしたので、明日から頑張って取り返していきたいと思います。眼科を含めて医学は新しい内容がどんどん出てきますからね。それから次の統計症例報告は未定とします。症例数をはじめ報告の規模が大きくなっているので、製作に取り掛かりだすと全力で取り組んでも何ヶ月も掛かってしまうからです。しかしソフトの使い方もマスターしましたので、いつかは黄斑変性症や緑内障を今回以上の規模で作成するつもりです。それからホームページの内容の充実や、院内限定で見ていただける眼科検査結果(HP非公開)の資料作りなども力を入れていきたいですね。

12.16 Copen 10年

私の愛車、ダイハツCopenが今月で10才になりました。今年8月末で生産が完了してしまいましたが、10年間も現行モデルだったことは、オーナーとしては嬉しい限りです。12ヶ月点検時にディーラーで試しに査定していただいたところ、10年落ちにも関わらず60万円近くの金額でした。私は気に入った良いものを、長く大切に使いたいという考えですが、今の時代は過剰品質と言われてしまいがちです。様々な分野で品質の高い製品や、価値のあるサービスが減っているような気がして残念です。常に結果を求められている鍼灸治療も同じところがあるかもしれません。

12.8 愛媛県に提携治療院ができました

念願の四国・愛媛県で、初めて提携治療院をお願いすることができました。これまで四国には提携治療院がなく、眼科領域の患者さんは大阪、広島など本州まで通院されていました。愛媛県で連携治療ができるようになることで、ようやく全国21都道府県となります。今後も時間は掛かっても、治療水準の高い鍼灸治療院を探して、全国の眼科領域の患者さんにご紹介できればと思います。

●越智東洋はり院 愛媛県松山市東石井5丁目12-41
http://ww8.tiki.ne.jp/~ochit/

私と同時期の1996年頃に、天津・上海に留学されていますので、どこかでお会いしていたかもしれません。治療法は私と同じく、中医学を基本とした内容です。

提携治療院の条件は@眼科領域の安全な鍼治療が行え、当院からのカルテの写しや測定・評価などを理解していただけること。Aご紹介した患者さんについて、当院の測定や眼科での検査で、良好な結果が出ていること。B高額(当院の2倍を超える)な治療費や、物品(漢方薬を除く)の販売を行う治療院ではないこと。以上を全て満たした治療院になります。今回の愛媛県の他にも、提携をお願いする手前の治療院さんが幾つかありますので、まだお近くに提携治療院が無い患者さんは、当院への初診の際に、お問い合わせいただきたいと思います。

12.5 統計症例報告『網膜色素変性症への鍼治療』の進歩状況(ラスト)

ようやく全ての内容が完成し、後は校正や表紙など細部の調整を残すのみになりました。来週から千秋針灸院内では、最終の候補版を公開に先駆けて読んでいただけるようになります。患者さんからの指摘やご意見を反映させていただき、12月24日にホームページ上で公開予定です。表紙・目次を含めて47ページのPDFファイルです。ゴールが見えてきました。

11.28 Koboがやって来ました

先日の撮影講習の当選に続いて、楽天市場で買い物をしたところ、突然メールが来て、話題(良くも悪くも)の電子書籍端末Koboを無料でプレゼントしていただけるとのこと。今月はいろいろと当たる月のようです。実は作成中の統計症例報告を電子書籍形式(.epub)に対応させるかどうかを検討中でしたので、端末の購入を丁度検討していたところでした。

結果としては、統計症例報告の電子書籍形式(.epub)化は断念することになりました。白黒のみの表示では、写真やカラーの入ったグラフなどは見辛く、またPDFではレイアウトが保てても、epubではページレイアウトが保てないことが分かりました。書籍の導入方法も端末毎にルールが異なるため、ただ作成しただけでは読めないようです。電子書籍形式(.epub)化は断念しますが、PDF形式ではパソコンなどの大画面向けと、タブレットなどの少し小さな画面向けの2パターンで出していきたいと思います。電子書籍はまだ黎明期ということなのでしょう。今後に期待します。

Koboは白黒のみの液晶ですので、文庫本や漫画などには向きそうですね。カラーではない代わりに目の疲れは少ないと感じました。上手く活用したいところです。

11.15 イタリアンレストランで撮影会

先日なんとなくSONYの主催している、デジタル一眼レフの撮影会に応募したところ、なぜか当選してしまいました。場所は名古屋市栄のイタリアンカフェ・ACミランです。料理をいかに美味しそうに撮影するかがテーマで、SONYストア名古屋のカメラ担当の方に、カメラの使い方の講習を受けた後、撮影実習になりました。

私はフィルム時代からミノルタの一眼レフを愛用して20年以上。特別にカメラが趣味ではないので、オートのカメラ任せで撮影し続けてきました。しかし講習を受けて、現在愛用しているSONYの一眼レフに、知らない機能がたくさんあることが分かりました。少し工夫すると、今までの自分では撮れなかったような写真が撮影できるようになりますね。

今回教えていただいた撮影の技術は、近々公開予定の統計症例報告に載せる写真や、ホームページなどの画像の撮影にも役立てることができそうです。正直なところ、あまり気が進まなかったのですが、出かけて良かったです。唯一軽食としていただいたエビの入った豪華なイタリア風ハンバーガー(?)を食べられなかったのが残念でした。(私はエビが・・・食わず嫌いなのです。昔沼エビを飼っていたからという説があります。)

11.10 統計症例報告『網膜色素変性症への鍼治療』の進歩状況(4)

今回の報告では、鍼治療開始から3ヶ月・12ヶ月・60ヶ月の視力や視野の状態を、統計として表す内容なのですが、ようやく3ヶ月・12ヶ月時点での結果が出揃ってきました。特に視野では、治療開始当初の半径を100とした場合での120以上(有効)になった症例は、3ヵ月後に半数以上、12ヵ月後には75%以上にも上りました。160以上(著効)の症例も12ヵ月後には25%を数え、4人に1人は初診時に比較して、60%を超える大きな視野の改善が得られています。意外にも3ヶ月時点より、12ヶ月時点の方が良好だったことは、私も驚く結果でした。

日本では初めての統計報告になる今回の内容は、3・12ヶ月については共に100眼を超える十分な症例数を基にしていますので、適切な鍼治療は網膜色素変性の進行を確実に抑え、視機能をある程度まで改善させ得る治療であることを、今後は公言させていただきます。眼科で行われる医療の他は、どうしても認めない方もあるようですが、その場合には今回の報告を超える検査の精度と症例数で、科学的に指摘していただきたいと思います。

また眼科医や鍼灸師で研究に関わっている先生には、関心がありましたら是非とも追試していただきたいと思いますので、必要がありましたら様々な形で協力できたらと思います。IPSによる再生医療も遠くなくスタートしますが、将来再生医療が完全な形になるまでの繋ぎの治療として、鍼治療が患者さんに役立つことができることを心から願っています。

12月中の公開を目指していますので、もう少しお待ち下さい。国際図書番号を取得しての電子書籍化には、取得に時間がかかりそうなので、公開後に考えることにしました。ISBNの有無に関わらず、無料で公開する電子書籍に仕上げる予定ですので、青空文庫のように広く皆様に読んでいただけたらと思います。

11.4 秋休み

これまで祝日は休診としてきましたが、今年から原則祝日は診療日として、その代わりに年末年始、GW、お盆休みを長めに休診とさせていただき、加えて数日の秋休みを設定しました。子どもも学校はありますし、恒例のイトウメディカルさんでの売り出しなどとも重なるため、家族で1日だけの日帰りで、南知多ビーチランドへ出かけてきました。

今思うと不思議なのですが、実は日本福祉大学の学生時代に、南知多ビーチランドから数百メートルという近所に下宿していたにも関わらず、一度も行ったことの無い場所でした。あまり広くはありませんが、水族館などの施設やイルカショーなどもあり、手の届きそうな距離で動物たちを観察することができます。イルカをはじめ、水生哺乳類の賢さには驚かせられました。この時期は人が少ないので穴場かもしれませんね。

10.27 アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎は皮膚科領域ではありますが、ステロイドの外用薬を長期間使用し続けることにより、30代までの患者さんで、ステロイド緑内障や白内障といった、若い方には通常起こりえない目の病気が、多くの方で発症している実態が当院では分かってきました。日本皮膚科学会をはじめ一般に皮膚科では、ステロイドの使用を強く推奨していますが、千秋針灸院では眼科学の見地から、ステロイドの漫然とした使用に反対の立場をとっています。

またアトピー性皮膚炎は、針治療が効果的な疾患です。当院ではステロイド緑内障などの眼科領域の治療法から、アトピー性皮膚炎への治療を改良し、最近では多くの場合に、最初から週に1回程度の治療で、早期にステロイド依存から離脱し、数ヶ月から半年程度で医薬品に頼らず、軽い痒み程度までに改善する患者さんが続いています。アトピー性皮膚炎は眼科領域ではありませんが、眼科疾患に関わる関連疾患として、今後も力を入れていきますのでご期待下さい。

リンク・・・アトピー性皮膚炎

10.20 統計症例報告『網膜色素変性症への鍼治療』の進歩状況(3)

本文の作成と共に、レイアウトの調整に手間取っています。なかなか素人では書籍としての体裁を整えるのは難しいですね。とは言いながらも、既にA4サイズで20ページ付近まで進んでいます。進歩状況は50%程度というところです。最終的には30ページを超えるレポートになる予定です。統計を分析していくと、私も知らなかった事実が次々と分かってきて、正直なところ驚きの連続です。当院の患者さんには、少しずつお話していますが、公開すると初めて見る読者の方は、少なからず衝撃を受けられるかもしれません。

なんとか年内の公開を目標に、毎晩日付が変わる頃まで頑張っていますが、間に合うかどうかは微妙です。年末年始の休暇に持ち込まないよう、仕上げていきたいと思います。

10.8 ちょうど一年前は、

以前の治療院での、最後の診療日でした。大きな区切りであると同時に、脱力感が凄かったことは今でも覚えています。今日で1年、なんとか頑張って来れました。設備面の使い勝手は格段に向上し、これまで以上に多くの患者さんを診せていただけるようになりました。また私も含めたスタッフも1年分成長して、助け合いながら千秋針灸院は大きくなりました。これからも眼科領域の専門治療院として、必要とされる皆様に支えられながら歩んでいきますので、よろしくお願いいたします。

一昨年に統計症例報告として「緑内障への鍼治療」を出しましたが、気がつけば2年以上も緑内障のページを更新していませんでした。報告以降、緑内障で来院される患者さんが増えており、かなり多くの新しい内容が分ってきましたので、内容を大幅に更新しました。特に正常眼圧緑内障では、低血圧症(最高血圧で概ね100以下)の患者さんが多いことが判り、従来の眼圧に対してだけでなく、血圧を含めた循環改善を目的に、針治療や適切な指導を行うよう、当院での治療や指導は大きく深化しています。

一般的な眼科での治療で、順調に落ち着かない場合には、当院では眼科領域を専門としながらも、針治療による別の角度からのアプローチを試みることができます。点眼薬程度ならともかく、手術まで進むとやり直しは出来ませんので、早めにご相談下さい。

緑内障のページを更新しました。

9.28 スタッフの募集を終了しました

今年夏頃から募集してきた、鍼灸学校の学生さん(女性1名)の募集は、打ち切りとさせていただきます。この間、午前診では新しいスタッフが決まり、また現行スタッフの力量も十分付いてきましたので、当面針灸院の運営は大丈夫という判断です。興味を持っていただいた皆様、ありがとうございました。

9.21 統計症例報告『網膜色素変性症への鍼治療』の進歩状況(2)

今回の報告は、流行の電子ブックとして作成してみようと思い立ったのですが、問題は中身以上に、作成ソフトの使い方のマスターだったりします。使用するAdobeのInDesignというソフトは、本格的なプロ向けのソフトで機能が多い分、慣れるまで苦労しています。1ヶ月悪戦苦闘して、やっと少しずつ使えるようになってきました。

今回の報告が電子ブック形式で完成できれば、パソコンやスマートフォン、タブレット、電子ブックリーダーの全てで閲覧可能になります。また国際的な書籍番号である、ISBN(国際標準図書番号)を取得することもできるようで、取得できれば著作権対策や、いくつかある電子書籍ストアにも置いていただける可能性があります。もちろん無料で誰でも閲覧可能な書籍に仕上げる予定です。

肝心の本文の方は、入れたい内容が多すぎますので、まずは本文をみんな書き終えてから、全体の構成バランスを考えて、取捨選択していくつもりです。特に針治療を5年以上続けていただいた患者の皆様の長期報告は、これまで国内には同様の報告は無いため、大変貴重な内容になります。少なくとも今後5年間は色褪せない報告となるよう、丁寧に作成するよう心がけています。

9.14 200.000アクセス達成

区切りの20万アクセス達成です。専門的な眼科領域の針治療は、医療としても、鍼灸の中でも、かなりニッチな分野と思いますが、とても多くの患者さんに必要とされている分野です。眼科領域を唯一の専門として6年、これからも深みに嵌って、より高い到達点を目指して進んでいきます。今後ともよろしくお願いいたします。

9.11 WOC-i PRO(ワック)を導入しました。

意外にも多くの眼科で用いられているワックという器械があります。雲霧法という原理で、近くを見続けることで起こる毛様体筋の過緊張を緩和させて、近視の進行にブレーキをかけるというものです。当院でも視野の状態や、変視(中心暗点・歪み)の確認に使用する、鈴木式アイチェックチャートを製造しているWOC(ワック)社から、WOC-i というコンパクトな器械が7月末に発売になりましたが、業務用で上級機のWOC-i PROという製品を、2台導入しました。

当院でも患者さんに聞いてみたところ、子どもさんやお孫さんが眼科へワックを受けに通っているという話が何人もありました。主に眼科では近視の進行にブレーキをかけることが目的ですが、当院では加えて、子どもさんでは特に調節の影響を軽減して、正しい視力測定値を得ることや、成人では針治療と併せて眼精疲労の治療に使用することになります。既に試用を開始していますが、視力の若干の改善や目の疲労感の軽減が得られています。

この手の器械には、よく分らないものも少なくないのですが、眼科学の理論に沿っていることや、既に多くの眼科で「ワック」の名称により導入済みという点で、効果を理解すれば確かな製品です。比較的コンパクトで場所を取らないといった点も、導入に至った理由です。針治療と共に上手く活用できたら良いですね。

また、小児眼科領域のページ当院での測定・評価法のページを更新しました。

9.5 ようやく新しいスタッフが決まりました。& 近況報告。

様々な形でスタッフの募集をかけてきて、半年以上もほとんど音沙汰無く、困っていたのですが、急に午前のスタッフが決まりました。問い合わせの電話があって、その日の内に面接をして、その場で決定です。前日までは全く予想できない展開となり、こんなこともあるのですね。竹畑先生、10月1日より、よろしくお願いいたします。

午前の鍼灸免許を持った有資格者の募集は終了しますが、引き続き午後の診療を手伝っていただける鍼灸学校の学生さん(1・2年生に限る)の募集は続きます。午後の診療の最後まで手伝っていただける方であれば、有資格者の方でも構いません。マッサージや整体などではなく、鍼灸専門で経験や実力を付けていくチャンスです。応募をお待ちしています。

それから近く、眼科領域の新しい器械が入ってきます。雲霧法という効果の理論から、眼の調節機能の過緊張を緩和させ、眼の状態を本来の適切な状態に矯正することで、眼精疲労や、それに伴う頭痛・肩こりなどを軽減する効果が期待できます。また近視の進行を抑制したり、原理的には老眼へもブレーキがかかる可能性を秘めています。眼科での視力測定の際にも雲霧法を行った後の方が、本来の安定した視力が出るとされますので、眼の疲れを取りながら、正しく測定ができることには意味があり、更に当院の針治療との併用した際の効果は、未知の領域ですので、とても楽しみです。

8.30 統計症例報告『網膜色素変性症への鍼治療』の進歩状況

年内に完成を目指している統計症例報告、『網膜色素変性症への鍼治療』ですが、ようやく全ての患者さんから報告の基礎となるデータ集めが完了しました。当院で診せていただいた、網膜色素変性症の患者さん140名分のカルテから、数値を集めるために1ヵ月半を要しました。個人で取り組むには膨大なデータです。これから徐々に平均値や傾向を出していくのですが、果たして年内に間に合うかどうか、全く想像が付きません。

今回は特に長期間、鍼治療を続けた場合の視力や視野の経過を、個人差があることを理解しながらも平均的な傾向を掴み、どうすれば視力低下や視野狭窄などの進行に、正しくブレーキをかかるのかを数値から見つけていきます。鍼治療による、統計的な網膜色素変性症への報告は、当院が4年前に行った報告が日本で初めてなのですが、今回は症例数や内容量は数倍となり、前回を完全に上回ります。科学的な統計として、正しく報告ができるよう、医療統計も勉強中です。

私の報告が刺激となって、多くの日本の眼科医や鍼灸師に追試していただけるような、インパクトのある内容を目指すのですが、学会などの関係者だけの中に収めてしまうのではなく、自由に誰でも全てを閲覧でき、考えていただけるよう、ホームページ等で公開します。私の報告が結果的として、網膜色素変性症に苦しむ患者さんの、希望の礎になればと心から思います。

8.24 アルバイトをしてたただける方を募集中です。

今年の春先から順に、ホームページやMixi、一部の鍼灸科を持つ学校に募集をかけてきましたが、さっぱり応募自体がありません。学生や卒業生も増えているはずなのですが、どこで仕事をされているのでしょうか、不思議でなりません。知名度の不足と田舎という点がネックなのでしょうね。ここまで苦戦するとは思いもよらないことでした。こぼしていても仕方有りませんので、再度募集させていただきます。

これまでは基本的に、鍼灸の免許取得者(国家資格)を募集してきましたが、井坂先生が来年には免許取得見込みとなりますので、今回は鍼灸専門学校などの学生(女性)で、1・2年生の方に限っての募集となります。卒業後は優先して採用する候補になりますので、マッサージや整体等ではなく、純粋に鍼灸専門で腕を磨いて自立を目指す、絶好の機会になるはずです。愛知県内では、実費治療の鍼灸専門院の募集は、ほとんどありません。もちろん免許取得者の募集も、引き続き行っています。どちらか1名です。

リンク・・・スタッフ募集のお知らせ

治療院が大きくなっていることもあり、勤務条件もかなり改善していますので、一度覗いてみて下さい。学生で時給850円以上・・・ボソッ。   連絡をお待ちしています。

8.19 中韓ロの領土問題

患者さんや友人、個人的または当院に関係している様々な立場の方がありますので、あまり深い部分まで書きたくは無いのですが、最近起こっている日本近海の領土問題は、2年余りとはいえ中国に住み、海外を経験した者として、あまりにも日本政府の外交は不適切で、明確な方向性を欠いていると感じています。曖昧な立場に終始して問題を積み上げた自民党政権から、外交にも不慣れな民主党政権に変わり、弱い部分に付け込まれた格好でしょう。

竹島への韓国大統領の上陸から、それに続く天皇への謝罪発言等、外交や政治の分野で、韓国は執拗に反日攻勢をかけています。しかし基本的に国内向けのパフォーマンスの意味合いが強く、日韓の現状に対して実力行使をする構えではありません。ただし今回の出来事を期に、韓国との関係は再構築すべきです。国際司法裁判所への提訴をはじめ、全ての分野で「配慮」し曖昧にしてきた日本の立場を明確にすることが必要です。このことは同じくロシアの大統領が上陸した北方領土に対しても、同じことが言えます。近代の歴史を学べば分ることですが、北方4島だけでなく、本来は千島諸島全体が日本領です。

周辺国との領土問題の中で、中国だけは韓国やロシアとは別問題です。尖閣諸島は現在のところは日本が実効支配していますが、中国は軍事力を背景とした武力衝突を厭わず、実力行使の可能性があります。日本は次々と手を繰り出してくる中国から、尖閣諸島の実効支配を守りながら、いかに武力衝突を避けるかという難しい道を、正しく永久に選択し続ける必要があります。武力衝突を厭わない相手に対しては、万一武力衝突が起こった際には、とてつもなく失うものが大きいという状況を様々な形で作り、手を出せないという形が一番です。自衛隊の配備なども含めて、本腰を入れて対応すべきは、中国一本に絞るべきでしょう。韓国やロシアは現在、新たに日本の領土を奪う姿勢は示していないからです。

短い間でしたが、私も中国留学で勉強以外にも、いろいろな事を学びました。海外の人との交流は強くぶつかり合うことで、関係ができていきます。言うべきことは、明確に伝えなくてはなりません。日本にいると様々な配慮や心遣いがあり、ある意味とても楽なのですが、海外では通用しません。必要なことは強く主張し、相手の主張に対しては、どこまでが譲れるのかを明確に示し、行動に移すことが、日本人や日本の外交に求められている姿勢と思います。今後も一層、海外との結びつきは強くなりますので、日本人も海外との関係を学ぶ良い機会かもしれません。私もたかが数年の経験では、偉そうなことは言えませんが。 

8.7 パピーウォーカー

パピーウォーカーをご存知でしょうか。私は恥ずかしながら、初めて聞く言葉でした。パピーウォーカーとは、将来の盲導犬候補の仔犬を、生後2ヶ月から1歳程度までの間、家庭内で養育するボランティアです。この本からは一頭の盲導犬の育成には、かなりの時間と労力が必要となり、多くの方が関わっているのですが、その一部を少しだけ知ることができます。

パピーウォーカーを引き受けることになる主人公の少年や家族と、事故で視力を失ったユーザーが、仔犬のアロハを通して結びつき、成長していく物語です。また訓練された盲導犬が身に付けている賢い不服従、つまり危険を察知した際にユーザーを守るため、敢えて指示に従わないという特性には、私は驚きを感じずにはいられませんでした。数時間で一気に読めてしまい、爽やかな清涼感が残る夏休みにお勧めの一冊です。

ハロー グッバィ アイラブユー 燦葉出版社 定価1.000円+税
 パメラ・バウワー・ミュラー 著 / 大幸昌子 訳

インターネット上の各ストアで購入できる他、名古屋では、ちくさ正文館ターミナル店。また中部盲導犬協会から購入された場合には、一部が寄付されるとのこと。当院の待合にも置いていますので、興味のある方は手に取ってみて下さい。

私は視機能が回復する可能性のある患者さんに、最良の結果を出していくことを仕事とする立場ですが、残念ながら回復の難しい症例に出会うこともあります。私たちの情報の8割は視覚から得られており、視覚障害を持つ患者さんの期待も高いことから、これまで以上に結果を得るための治療を目指す必要を感じながら、この本を読み終えました。

7.29 どうなる一宮市・・・と書いてみる

夕方から家族で、恒例の一宮七夕祭りに出かけたのですが、アーケード街に入ると、子どもが「変な人達がいる」と指をさします。その方向には、様々なコスプレ衣装を身に着けた一団がありました。それもかなりの人数です。時代劇風の方もいて、結構似合っている人もありました。私は数年ぶりに来たので、「一宮の七夕も変わったものだ」と思ったものです。本町通りにはコスプレ衣装の専門店も近日オープンだとか。服飾メーカーが本格的に仕立てたら、かなり立派な衣装ができるのかもしれません。愛好者の方には楽しみなお店になりそうです。

後から知ったのですが、一宮市は古くから線維の町として栄えた歴史があるのですが、近年は輸入品の増加などにより低迷しているため、商工会議所などが町を挙げてコスプレに取り組むという、前代未聞の試みを始めているそうです。町興しといえば、子どもを何度も連れて行った、ゲゲゲの鬼太郎(水木しげる先生)の鳥取県境港市を思い出します。一宮の駅前も同じようなイメージ??とすれば、かなり微妙な想像が膨らんでしまいます。何年か先の一宮が楽しみなような、怖いような・・・。

7.25 新規患者さんの土曜日の予約について

ご迷惑をおかけしますが、新規患者さんの土曜日の予約については、予約枠が一杯となったため、8月末まで休止させていただきます。平日は多くの場合に受付可能です。よろしくお願いいたします。

昨年から新しい建物になり、6床へと増床しましたが、曜日や時間帯によっては、かなり混雑してきました。なんとか新規患者さんの受け入れ休止は避けたかったのですが、土曜日に限り一時休止となります。平日は比較的予約に空きがあることも多いので、よろしければ土曜日以外での予約をお願いいたします。

7.15 新しくレーザープリンタ複合機と、空気清浄機が仲間入り

これまで使ってきたエプソンのインクジェット複合機(PX-601F)が、インク詰まりで故障したようなので、初めてインク詰まりの無いカラーレーザー複合機を購入してみました。機種はOKI(沖電気)のMC562dnという5年保障が標準で付くモデルです。レーザープリンタは一度故障すると、高い修理費がかかりそうなので選びました。沖電気は一般に馴染みはありませんが、業務用途では実績のあるメーカーという話です。起動に少し時間が掛かるのが欠点ですが、印刷物の質感はインクジェットプリンタとは別次元です。価格は8.4万円と安くはありませんが、一昔前を思えばカラーレーザー複合機も安くなったものですね。

あまりにパンフレットっぽい質感で印刷できるので、AdobeのInDesignを使って、先日の「IBD(炎症性腸疾患)への栄養療法のご紹介」という、パンフレットを作ってしまいました。コート紙も注文しましたので、遠くなく患者さんへの配布物が続々と完成しそうです。10年以上診療してきましたが、今までパンフが一枚も無かったのは不思議なくらいです。AdobeのInDesignは印刷物だけでなく、電子書籍なども作成できるため、今年中に報告予定の網膜色素変性の統計症例報告を、無償の電子書籍として、多くの方に見ていただけるよう作成していくのが目標です。

空気清浄機の方は、ブルーエア製の650Eの2台を使用していましたが、更にお灸の臭いを抑えるべく購入を検討していたところ、ダイキンのACEF12L-Gという業務用製品を見つけました。カラーも淡いグリーンで、院内にピッタリです。さすがに大型の空気清浄機が3台となり、気になっていたお灸の臭いもかなり減ってきました。定価31.5万円が9.5万円とかなり安く(?)買うことができ、今回の2つの買い物は出費も満足度も大きかったです。

7.11 緑内障の持病を持つ低血圧の方は、点眼薬にも注意しましょう

最近、当院で聞き取りを始めているのですが、緑内障に用いられている一部の点眼薬は、低血圧症(収縮期・最高血圧で概ね100mmHg未満)の患者さんが用いた場合に、更に低血圧となる他、網膜などの眼球内への血流低下により、慢性的に視力低下などが起こっていることが分りました。また緑内障そのものは、低血圧により進行リスクが高まることも分っており、元々血圧が低い方に、血圧降下の作用を持つ点眼薬を処方することは、例え眼圧が下がったとしても問題があります。また鍼治療を行うと、こうした原因による視力低下等は、早期に改善する傾向が分っています。

平均血圧(平均末梢眼動脈圧)と眼圧の差を眼灌流圧といいますが、眼内への血流の駆動力を表しており、眼灌流圧が低いほど緑内障の有病率や進行確率も高くなることが知られています。また眼灌流圧は眼底への血流量にも関わることから、緑内障だけでなく加齢黄斑変性や色素変性、糖尿病網膜症、その他の網膜病変などにも関係してくることは、容易に想像が付きます。中高年の方で血圧降下剤を服用されている患者さんは、過剰な血圧下降に注意しないと、眼疾患を患い易くなる危険が考えられます。実際近年、眼科疾患が増加しているのは、高血圧と診断されて、薬を過剰に服用されているからかもしれません。

当院に来院されている患者さんの中には、長期間の点眼薬の使用が原因と考えられる血圧低下を起こしている方もあり、矯正視力で0.5以下などの強い視力低下を生じている症例が、複数の患者さんで見られました。また低血圧傾向の患者さんでは、十分に眼圧を低下させても、視野欠損が進行し易い傾向もあります。薬剤名を挙げると、チモプトール、ミケランなどのβ遮断薬の長期使用が、血圧低下に対して最も問題が大きいと考えられますが、合剤であるコソプト、ザラカム、デュオトラバなども同様の副作用を持ちます。血圧が高めの患者さんに対しては一石二鳥となる場合もありますが、低血圧傾向の患者さんでは視機能の低下ばかりか、逆に緑内障の進行を促す可能性があることも、知っておいた方がよさそうです。

低血圧が緑内障の進行リスクであることは、これまでの研究から眼科医学の常識なのですが、血圧については基本的に内科の分野であり、眼科では眼圧さえ注意していれば良いと、解釈されている医師が多いのかもしれません。当院で聞き取りをしたところ、眼科で血圧を調べたり、聞かれた経験のある患者さんは、大学病院も含めて誰もありませんでした。専門性が高くなったことによるミスマッチングなのでしょうね。私は眼科医ではありませんが、鍼灸師という別の立場から、眼科領域への高い専門性と、全身を診る東洋医学を基に、今後もこうした問題を指摘していきたいと思います。

なお、赤ワインやチーズは、低血圧の改善に効果があるようです。試してみて下さい。

7.2 当院での新しいクローン病治療

一昨年から自分自身で服用を開始し、今年から納得いただけた患者さんにのみ開始してきた針灸と栄養療法との併用治療が、ようやく実用化に向けて結果を出し始めました。20年以上の病歴に加え、腸管の癒着や狭窄が強く、十分に食事が摂れないため体重減や強い腹痛を繰り返してきた、やや重症の患者さんに対して、針灸と栄養療法との併用治療を試みたところ、二ヶ月間で3キロの体重増に加え、腹痛などの症状が緩和する良好な結果が得られました。また別の患者さんに対しても、やや良好な感触を得ています。

これまでは腸管に強い狭窄がある場合には、正直なところ針灸や漢方薬では難しい症例も少なくなかったのですが、栄養療法を併用することで、初めて重症度の高いクローン病の患者さんに対するアプローチに成功したといえます。もちろん必ずしも栄養療法を行わなくても、当院の治療を受けられ治癒(完全寛解)されている患者さんは既に10名以上で、半年程度治療を続けられた方の全体の2〜3割、初期や軽度の患者さんでは概ね半数の方は治癒しています。しかし病歴が長く開腹の手術歴がある方や、狭窄の強い比較的重症の患者さんに対しては、十分な結果を得ることは容易ではありませんでした。

当院では正常な免疫力を高める方法として、針灸単独の治療に加えて、漢方薬との併用、更には栄養療法との併用にクローン治療の道筋を見つけつつあります。特に栄養療法は従来の医学からのアプローチとは異なりますので、栄養療法の専門家で本気に取り組まれる方は、どこかにいないでしょうか。本来が腸管での炎症による吸収障害であるクローン病は、適切な栄養が十分に摂取でき、消化・吸収することができれば、多くの場合に解決してしまいます。リスクのあるレミケードやヒュミラのような免疫抑制の治療が、いつまでも主流であり続けないよう、私も臨床家として、できるだけの努力を続けていきたいと思います。

クローン病の針灸治療を更新しました。

6.26 抗VEGF硝子体内注射(アバスチン)の危険性が報告されています。

2011年に、海外で行われた加齢黄斑変性症に対するベバシズマブ(アバスチン)の臨床試験で、副作用により、全身合併症として一年以内の死亡率2.6%、内訳は動脈血栓1.2%、非致死性心筋梗塞0.5%、非致死性脳梗塞0.7%などを生じていたことが、報告されました。

海外での報告の上、平均年齢が80歳の高齢者に対して、複数回の投与が行われた結果ですが、死亡率2.6%は無視できない内容であり、また先日書いた頻回投与による緑内障の発症リスクも考えると、漫然と硝子体内注射を繰り返さないことが、重大な合併症から身を守ることに繋がります。アバスチンは手術時の前処置としての出血予防など、眼科医療の様々な場面で役立つ薬ですが、効果的な薬ほど、大きな合併症を併せ持つことを思い知らされます。

私は眼科領域の鍼治療を専門としていますが、患者さんが治療方法を選択する中で、例え鍼治療を選択されなかったとしても、今回のような報告があることは知っておくべき内容と思います。合併症のリスクを知った上で、必要な場合に最小限の抗VEGF硝子体内注射を受けられ、もし効果が不十分な場合でも、決して漫然と続けないことが大切です。なお保険適用薬になっているルセンティスも、脳梗塞など同様の副作用が報告されています。

当院に来院している多くの患者さんにも関わる内容ですので、緊急にアップしました。

関連リンク・・・加齢黄斑変性のページ

6.23 糖尿病・網膜症の追記

先日アップした糖尿病・網膜症のページで、光凝固についての内容を掲載しましたが、網膜症で問題となる、網膜浮腫に対しての薬物治療についての内容が漏れていましたので、書き加えました。網膜浮腫は実際の見え方として、視界の歪みや視力低下に関わり、網膜症の患者さんのQOV(クオリティ・オブ・ビジョン)を大きく左右するものです。適切な針治療は多くの場合に視力を改善し、網膜浮腫を軽減したり、軽度な場合には浮腫が消失することも臨床では度々みかけます。薬物治療で充分な結果が得られ難い場合には、適切な鍼治療も検討に値する選択肢です。

リンク...糖尿病・網膜症のページを更新しました。

6.17 今後の方向性

昨年秋より新しい治療院に移転してから、ベッド数が増えたことで1日あたりの予約枠の増加もあり、以前にも増して忙しくなってきました。元々クローン病の持病が有り、体力の不安もあることから、このところ自分自身の進んでいる方向を、見直さなくてはと思うようになりました。結論から書くと、今後は眼科領域の針灸臨床に集中して取り組むという話です。

鍼灸師には、いろいろな形で活躍されている方があります。大学などで研究者となる方、開業されながら学校の講師をされる方、介護など他の分野と並立して仕事をされる方、スポーツに関連した仕事や海外で活躍されている方、業界団体に深く関わる方、医療機関内で末期医療や心療内科など特殊な分野で勤務される方、開業して地域で活躍される方など、実に色々な先生があります。

こうした活躍の方向は、いつも自分の意思に加えて、偶然もあったり、恩師や他の先生方との縁、家族や患者さんなど必要とされるところから、ある意味自然に方向性が付いてくるものと思います。そして誰でも時間は限られていますので、自分の活躍の場を選んでもいます。私も開業しながら、他にも様々な繋がりから若干ですが、業界団体での仕事やボランティア等にも関わってきました。それほどの労力ではないのですが、本業が忙しくなるにつれて、手一杯になってたきたのも事実です。

私の場合は、いつの間にか眼科領域に深く関わり、眼科難病への針治療が必要とされていることを感じるようになり、この分野へ時間や労力を集中して取り組むことになりました。医療としての眼科領域への針治療が一般的ではない中では、まずは臨床で結果を出していくことが、何よりも現在の眼科医療とは別の選択肢として、針治療を知っていただくきっかけになると思うからです。それ以前に、私のところに来院された難病を持つ患者さんに、「できる限りの結果を出していきたい」というのが先にあります。

私も10年以上この仕事をしてきて、様々な関わりや縁もあり、いろいろと迷いもありましたが、若干参加させていただいていた業団関係の仕事などは全て辞め、今まで以上に眼科領域の臨床に集中することにし、気持ちの整理もつきました。これが正しい選択かどうかは、後になってみないと分りませんが、その時々で悩みながら選んでいくのでしょうね。7月以降は今年の統計症例報告を予定している、『網膜色素変性への鍼治療』に取り掛かっていきます。これまでにない100名以上の規模になることから、報告の基礎となるデータの整理が大変そうです。

5.30 網膜静脈閉塞症のページを作成しました。

網膜静脈閉塞症は、網膜虚血と黄斑浮腫という特徴を持ち、眼科での治療方法も糖尿病性網膜症と共通する部分がある疾患です。当院では来院される患者さんが比較的多い疾患であり、視力や黄斑浮腫の改善など、針治療が効果を挙げることも多い状況です。眼科での治療では、長期的な視機能の維持が難しい症例も少なくないため、適切な針治療も選択肢の一つとしてご紹介します。

●網膜静脈閉塞症のページ

5.20 困った問い合わせが多くなっています。

最近の傾向ですが、「初診を当院で受けずに提携治療院へ直接通院したが、治療結果がよくない、よく分からない」という問い合わせが多くなっています。場合によっては、提携治療院でもない、当院とは無関係な治療院で結果が出ない等の問い合わせさえあります。

申し訳ありませんが一度も当院に来院されておらず、針治療開始前の状態を測定などで把握していない場合、詳細な状況が分らないため、電話などをいただいても対応できかねますことを、ご理解下さい。最近こうした問い合わせが多いのですが、一度も診せて頂いたことの無い様々な状況の患者さんへ、個別に適切な助言ができる専門家はいませんので、必要がありましたら遠方でも来院をお願いいたします。

また当院からお伝えできる一般的な臨床上の情報は、更新が遅れているとはいえ、できる限りホームページ上に記載していますので、参考にしていただけたらと思います。

5.12 新規患者さんの受け付け再開

4月からの新しいスタッフ体制での仕事が、ようやく落ち着いてきましたので、新規患者さんの受付を再開できる運びになりました。お待ちいただいていた患者さんには、ご迷惑をおかけしましたことをお詫びいたします。とはいえ、予約枠に多くの空きがあるわけではありませんので、遠くなく再度休止させていただく場合もあります。現在では夕方からの診療枠には、やや余裕がある状況です。私の治療を必要としている方に少しでも役立てられるよう、今後も努力を重ねていきますので、よろしくお願いいたします。

また加齢黄斑変性のページを更新しました。ルセンティス等の抗VEGF硝子体内注射を繰り返すことで、視神経乳頭に緑内障性の変化が起こる可能性が分ってきましたので、注意を促す内容を追加しています。こういった問題のある内容は大抵の場合、後から解ってきますので困ったものです。報告の出た後、昨冬頃から漫然と使い続ける症例は減っているようですが、まだ使い続けているケースも散見します。副作用で緑内障を発症したら、薬で眼圧を下げればいいなどと医師に説明された方もありますが、副作用は全て患者さん持ちです。私は眼科領域の鍼灸治療の専門家として、今後も確かな情報を、隠さずお話できたらと思います。

加齢黄斑変性のページを更新しました。

5.6 針灸院のパソコンを更新

ここ4年程、針灸院のメインPCとして使ってきた据置型のワークステーションを更新しました。以前の治療院は設置スペースが限られ、廃熱に問題があったため、大型のボディで且つパーツの信頼性が高いワークステーションを使用せざるを得ない状況でした。設置の問題がクリアされている今回は、比較的廉価な省スペースのデスクトップPCとしてみました。

これまでどおりのHP(ヒューレットパッカード)製で、Windows7pro64bit、CPUはi5-2400、120GBのSSD、16GBのメモリと、メモリ以外は控えめな性能です。8200SFという企業向けの機種で、5年の訪問修理保障が付いたモデルを選びました。控えめな性能でも起動時から爆速でビックリ!! 4年の進歩は凄いですね。今回からこのパソコンでホームページを更新するため、メモリを大量に使うPhotoshopなど、アドビ関連のソフトに対応しての16GBです。5年の保障期間一杯まで使えることが目標。

やはり連休があると、リフレッシュできますね。日帰りで子どもと出かけたり、なかなか時間がなくてできなかったことも、少しだけできました。また明日から頑張ります。

5.1  糖尿病・網膜症を更新

このところ、ホームページ更新用のノートパソコンの調子が悪く、更新が滞っていました。

3年以上ぶりに糖尿病・網膜症のページを更新しました。網膜症では比較的早い段階から予防的に網膜光凝固(レーザー)を行なうことが多いのですが、予防的な網膜光凝固を行なうと、多くの場合に残存している視機能の低下を招く結果となります。当院の状況からは適切な針治療を行っている場合に、糖尿病自体が良好にコントロールされ、視力をはじめとした視機能が比較的良好に残存しているケースでは、網膜光凝固は必ずしも必要ではないという結論を得ています。

現在の眼科医療の常識とは真逆の説明となりますが、当院での豊富な実績と最新の眼科医学を理解した上での話です。特に若年者の網膜症は回復し易い傾向が分かっていますので、眼科で網膜光凝固(レーザー)を勧められた場合には、針治療も選択肢に入れるべきでしょう。

リンク...糖尿病・網膜症のページを更新しました。

また各分野の専門書が多くなり、参考文献等も増加してきていますので、参考文献・蔵書一覧というページに載せていくことにしました。徐々に更新が進みますが、各疾患のページがシンプルになり、手間もかからないので良いです。難しい専門書も多いですが、興味のある方は読んでみて下さい。

リンク...参考文献・蔵書一覧のページを追加しました。

4.29 恒例の針灸用具の買出し

なんと今回は鍼灸の消耗品だけで40万円。アウトバックの荷台一杯になった5万本以上の鍼は、大人一人で持ち上げるのが困難な重さでした。これで半年分ですので、将来全てディスポ針になったら年間20万本くらいは必要な計算です。針灸院の倉庫に詰め込みましたが、かなりのスペースが入りますね。他にも鍼管やシャーレなど必要な備品も増強して、6台のベッドがフル回転できる設備が整いました。後は新しいスタッフが来てくれたら・・・。

4.19 リンク追加

リンク先に、先日見学していただいた、東京・杉並区の鎌田鍼灸院を追加しました。

4.12 現在の状況とこれから

4月から当面の間、患者さんの治療を担当できるのが私だけになったため、新規の患者さんには受け入れ休止など、ご迷惑をかけていますが、一日あたりの予約数を控えめにして診療を続けています。それでも一日30人以上来院される日も少なくありませんので、なんとか持ちこたえている状況です。

今回を機に、個人的にいろいろと試していることがあります。例えば毎日夜10時半過ぎだった夕食は、診療後にカロリーメイト(ブロック=400kcal)を食べるだけにして、これまでより1時間以上は早く、かつ少食としてみました。肥満傾向と健康状態の改善に繋がると良いのですが、結果はお楽しみ。またメールやホームページの更新作業などは自宅では行なわず、専門書やカルテの揃っている針灸院内で行なうことにしました。メールは休日には見ないことになりますが、自宅には一切仕事を持ち込まないことで、気持ちの切り替えになるならと思います。

設備が必要十分に整った新しい針灸院での治療も半年が経ち、ようやく落ち着いてきました。多くの皆様の健康に役立てられる針灸という仕事を、少しでも長く続けていけるために、自分に何が必要かということを考える時期が来たようです。できることからはじめようと思います。

4.4 190.000アクセス達成

4.1 新年度

先月のお知らせのとうり、新規の患者さんには大変ご迷惑をおかけしますが、5月中旬頃までの間、新規患者さんの受付を休止させていただきます。なお既に予約をいただいている方や、現在通院中の患者さんへの影響はありません。また新規の患者さんでも、予約の日時をかなり限定させていただければ、受け入れが可能な場合もあります。通常どうりの受付が可能な時期は、5月14日(月)以降の見込みですので、ご了承下さい。

3.31 節目

年度末は進学や就職、転勤など、患者さんや私たちの周りでも、毎年様々な変化があります。当院でも6年近くに渡り、スタッフとして支えていただいた伊藤先生が退職されました。この6年は千秋針灸院にとって、単に眼科が得意な治療院というレベルから、眼科領域の専門治療院へと発展できた、とても大きな6年でした。伊藤先生ありがとうございました。今後のご活躍を願っています。新たに清水先生が国家資格を取得され、治療者としてこれまで以上に支えていただくことになりました。よろしくお願いいたします。

伊藤先生の「あたーちゃんのブログ」は、関連リンクのページに移動しました。

また今日は4年ぶりに福井で提携治療院としてお願いしている、あけぼの治療院の片岡先生・坂本先生が見学に来られました。片岡先生の経絡治療という流派は、私の治療の基礎になっている中医学とは診立てや治療方法が大きく異なるのですが、治療結果を出すという目標は同じです。今回は私とスタッフ2名への治療をしていただけ、私の治療法の進化にも繋がる新たな発見がありました。大変勉強になり、感謝いたします。

3.27 ご縁

先日の三旗塾の講演に参加されていた、東京で開業されている鎌田先生が見学に来られました。いろいろな機会がある度、様々な先生方との縁を感じますね。今後の提携治療院としての展開や、別の形でも助けていただかなくてはならない場合もありますので、今後ともよろしくお願いいたします。

3.25 休診日の体調不良

先日の講演から1週間、このところ休診日は終日体調不良で、起き上がることができないでいます。1年半以上前にいただいたお話の宿題が、ようやく終わった気分で、体が緩んでしまったのでしょうか。針灸院の方は4月からの、新規患者さんの受付一時休止を前に、込み合っている状況ですので、体調を整えて頑張らなくてはなりませんね。

いろいろと講演や紙面に掲載していただく機会がありましたので、プロフィールに院外での活動をまとめてみました。千秋針灸院も13年目に入りますが、長い間にはいろいろなことがありますね。

プロフィールを更新しました。

3.18 三旗塾・第10回中医オープン講座

午後1時半から、東京・目黒にあるホテルプリンセスガーデンで、1時間半の間、講演・実技を行わせていただきました。


場所は明治の元勲である三条実美公の旧邸跡地という話で、風格を感じる建物です。


講義は昨年、名古屋大学で行った内容をリニューアルしたもので、緊張はしましたが昨年よりは余裕を持ってお話しすることができました。人前で話すのは苦手ですが、慣れはありますね。実技は初めてでしたので、手の動きが少しぎこちなかったです。


参加者は80名以上、皆様の凄い熱意を感じました。ぶっつけ本番の実技後に多数の質問をいただき、講演終了後もいろいろなお話をさせていただきました。

講演後は三旗塾の10周年記念パーティーにも参加させていただきました。塾長の金子先生をはじめ、スタッフの皆様や出席された先生方からも声を掛けていただき、無事講演が終了したことも手伝って、とても楽しい時間を過ごさせていただきました。

三旗塾は設立から丸10年を迎え、全国の様々な地域へ広がっているそうです。金子先生の中医学への情熱とリーダーシップ、学ぼうとする会員の皆様の熱意が、アットホームな雰囲気を持ちながらも、中医学としての水準の高い研究会を形成していることを感じました。

今回は三旗塾の関係者の皆様に、眼科領域への針治療の報告させていただく機会と共に、様々なご縁をいただき感謝いたします。今後も機会がありましたら、様々な形で関わらせていただけたらと思います。

リンク...漢方研究の三旗塾

3.11 震災から1年

昨年の今日、誰も予想できなかった大地震と津波、更には原発事故と、大きな困難が続き、現在も復旧が続いています。私の住んでいる愛知県は、大きな揺れを感じた程度でしたが、今後予想される東海地震のことを考えさせられる出来事でした。それでも未来に向けて歩んでいかなければいけませんね。

3月末で学生時代から6年近く、千秋針灸院を支えていただいた伊藤先生が退職されます。
長い間ありがとうございました。4月以降はスタッフが増えて、新しいメンバーで運営していくことになりますが、4月当初は不慣れな部分もありますので、4月2日より5月中旬頃までの間、新規の患者さんの受け入れを休止させていただくことになります。ご迷惑をおかけしますが、新規患者さんの初診は3月末までにお願いいたします。また、現在通院中の患者さんへの影響はありません。

最近、眼科領域の新しい測定器具が届いたり、近視の進行に関わる重要事項が分かってきたりして、毎日が発見の連続だったりします。特に「強度近視に進行させない」は、眼科領域に取り組んでいる私の重要なテーマです。完全に眼科医学に基づいた理論から説明できる話ですが、近視に関わる常識を変えることで、強度の近視にまで進んでしまう方を減らせると思います。落ち着いたらホームページにも掲載していくつもりですが、鍼で近視の治療などという話ではありませんので、できれば屈折矯正の専門医の先生に意見を伺いたいところです。

網膜色素変性の患者さんに処方されることが多くなってきたレスキュラ点眼薬ですが、当院の患者さんで明らかな視力低下・視野狭窄、視界が暗く感じる等の副作用が生じているケースがありました。当院での視力・視野の継続した測定や、患者さんからの聞き取りから分かってきたことです。アダプチノールと同様に比較的安全な薬とされていますが、点眼の開始後から異常を感じる場合には、副作用の場合があります。緑内障用の点眼薬には、視力低下等の副作用を持つ薬は少なくありませんので、ご注意下さい。

副作用情報のお知らせが必要と考えて、網膜色素変性のページを更新しました。

3.5 長野県での連携治療スタートのお知らせ、他

長野県での連携治療がスタートします。全国の患者さんからの要望で始まった連携治療は6年目を迎え、全国20都道府県で提携治療院による、眼科領域での治療を行うことができるようになりました。これまで長野県の患者さんの多くは、東京付近まで通院されていましたので、とても助かると思います。

リンク...眼科領域の連携治療

今年は新しいスタッフを2名募集していましたが、1名は決定しました。後もう一名、午前の診療スタッフを引き続き募集しています。

また、これまで新規の患者さんの受付を休止していましたが、再開することができるようになりました。ただし再三ご迷惑をおかけしますが、4月より再度休止させていただく予定でいます。診療を希望される患者さんは、3月中に初診を受けていただくよう、お願いいたします。

3.1 三旗塾での講演が近づいてきました

3月18日(日)に東京・目黒で行われる三旗塾(代表・金子朝彦先生)の中医オープン講座、午後の部で、「眼科領域の針治療」の講演を行う予定です。現在、スライドと内容が完成し、後は細部の調整だけになりました。講演は昨年、名古屋大学で経験していますので、余り心配していませんが、今回は始めての実技もあり、こちらの方が緊張しそうです。特別なことは何も無いので、いつもどうりの針治療を行う予定です。

リンク...三旗塾・第10回 中医オープン講座

2.20 鍼灸院探しの手引き

千秋針灸院の受付では、「近くで良い治療院はありませんか」という問い合わせが、とても多くなっています。鍼灸院を探すときの一般的な考え方とともに、眼科領域をはじめ、様々な難病へ対応できる治療院の探し方を、かなりはっきりと書いてみました。

ちょっと(かなり)お節介かなと思いましたが、最近はインターネット上で検索上位の治療院へ、「何度通っても良くならない」、「毎日のように通わされ、高額の治療費がかかる」等、トラブルが増え始めているようです。実際に治療をはじめてみないと分からない場合や、どうしても鍼灸治療で難しい病気や症状はありますが、比較的安価で良質な治療を続けている治療院も少なからずありますので、探している方の参考になればと思います。


リンク...針灸院探しの手引き

2.9 スタッフ募集のお知らせ(追加)

現在、引き続き午前の診療を手伝っていただけるスタッフ(治療者として採用)を募集していますが、加えて午前の診療時間での診療補助スタッフ(有資格者・女性)も募集します。診療補助スタッフについては、勤務時間や曜日の応談可となります。今年の鍼灸師国家資格の取得見込みの方も対象です。詳しくはスタッフ募集のお知らせより。

1.29
 新規患者さんの受付をお待ちいただいています。

千秋針灸院が移転してから3ヶ月半が経ちました。ベッドはこれまでの3床から6床へと倍増し、一日に受け入れ可能な患者さんの数は大きく増えましたが、想定していた以上に来院される患者さんが増えているため、スタッフの手も足りず、治療が必要な患者さんの予約枠の確保が難しくなってしまいました。

現在通院中の患者さんへの予約枠を確保する必要のため、新規の患者さんには大変ご迷惑をおかけしますが、当面は受付を休止させていただきます。受け入れ可能な時期は、当面3月5日(月)以降として、予約はお取りできます。今後も患者さんへの治療の質を保ち、最善の結果を目指していきますので、ご理解下さい。

1.26 スタッフ募集のお知らせ

千秋針灸院では、午前の診療を手伝っていただける女性スタッフを募集しています。今年の鍼灸師国家資格の取得見込みの方も対象です。詳しくはスタッフ募集のお知らせより。

1.24 水泳技術の進歩は凄い

今年から道大のプール通いの送迎をしていますが、スイミングスクールの待合に掲示してある子ども達の記録を見て、その速さに驚いてしまいました。私は中学の時は水泳部で、自由形なら校内で一番、一宮市内全体程度なら入賞できる位のタイムではありました。しかし、今は同じ位のタイムは小学校高学年なら、普通に出せてしまうようです。軽くショックを受けましたが、これが30年間の進歩なのでしょうね。たぶん指導している先生方の若い頃よりも、教えている子どもの方が良い記録を出しているでしょう。びっくりしました。

実は私も30年以上前に、同じ岩倉の名鉄スイミングスクールに通っていました。階段や間取りもほとんど変わらず、懐かしい気持ちになりました。同じスクールで子どもが泳いでいるのも何かの縁ですね。私自身は水泳によって、頑張ればある程度できるという自信と共に、圧倒的に速い人と泳ぎ、負けることで「才能の違い」を理解できたことが財産です。私はクローン病というハンデがあっても、自分の能力や適性を見つめて、どうすれば自分を生かせるかを考えることができました。道大も頑張ることを通して、大切なものを掴んでくれることを願っています。

1.19 
昨年夏のノコギリクワガタが☆に

昨年8月に道大と捕まえて、飼っていたノコギリクワガタの最後のペアが、死んでしまいました。通常、活動し始めたノコギリクワガタは越冬はできず、大抵は10月頃までに死んでしまいますので、年を越しての長寿には驚いています。高蛋白タイプのゼリーが良かったのかもしれません。とても沢山の幼虫が大きくなってきていますので、この夏の羽化が期待できます。長生きしてくれたクワガタには「よく頑張ったね」と言ってあげたいです。


1.9 
眼科領域の外傷、手術後の後遺障害について

昨年から少しずつ作成していた、眼科領域の外傷・手術後の後遺障害への針治療について、のページを追加しました。眼科領域の外傷や手術後の後遺障害については、意外にも多くの問い合わせがあるのですが、特に外傷では障害の大きさが症例毎に全く異なること。手術後の後遺障害についても様々なものがあり、個々の症例で症状や程度が大きく異なることから、一概に針治療が効果を上げられるとは言えません。治療を行ってみないと分からない部分も多いのですが、敢えて傾向をまとめてみました。

患者さんの状況だけでなく、当院や提携治療院においても、治療方法や治療者の違いもありますので、必ずしも記載したとおりの回復になる訳ではありませんが、そうしたあたりを理解していただいた上で針治療を検討され、少しでも目の回復に役立てていただけたら幸いです。現在も様々な症例に取り組んでいますので、新たな傾向が分かり次第更新します。

関連リンク...
外傷による視機能障害、手術後の後遺障害

1.2-4
 高砂の実家に行きました
今年も嫁さんの実家の高砂(兵庫県)に行ってきました。今年はじっくりと体を休めて充電してきました。また栄養学と眼科手術の専門書を読破できましたので、充実した時間を過ごせました。私自身は鍼灸師ですので、手術とは直接関わることはありませんが、現在の手術法が多くの試行錯誤(つまり失敗や反省)の上に成り立ったものかがよく分かりました。

全てが理解できた訳ではありませんが、手術を行う執刀医の考え方や、日本の技術は世界的にも優れたレベルであることは理解できましたし、一方で手術を受ける患者の立場からの注意点も知ることができました。私は立場上、手術の実際を知ることに限界はありますが、眼科領域を専門とする以上は、明らかに患者さんの不利益に繋がるような手術を勧められたりする場合には、他の専門医を受診していただけるように、また必要な手術であれば迷って遅れることの無いよう、正しい知識で説明する必要を感じます。眼科検査や画像診断、薬、手術も正しく知ることで、はじめて患者さんの必要とする助言ができます。

実家の皆様には、ゆっくりとした休暇をいただき、ありがとうございました。

1.1 謹賀新年
昨年は東日本大震災や、続けて起きた原発事故をはじめ、大変な困難が続いた一年でした。私としても新しい針灸院の完成や座談会、講演など、進歩はありましたが、何かと落ち着かない一年でした。今年はマイペースで落ち着いて、自分の道を歩んで生きたいと思います。

まず今年3月に、昨年の震災のため中止となった三旗塾の講演があります。今年も声を掛けていただいた以上は、昨年から一年分は進化した内容でお話ししたいと思います。眼科領域という一つの専門分野を高めていくことを通して、鍼灸が医学の様々な分野で、もっと私たちの健康に役立てられることを、まずは治療を行う鍼灸師の皆様に知っていただけたらと願っています。年明けから全力で準備を行う予定です。

その後は昨年末にも書いたように、4年ぶりの網膜色素変性症の統計症例報告に、じっくりと取り組む予定です。まだ具体的な内容は決まっていませんが、読み物のように必要とする誰もが易しく読める書き方で、眼科学に基づき網膜色素変性を正しく説明しながら、針治療の統計報告を交えた内容にしていけたらと考えています。網膜色素変性を持つ患者さんが病気の現実を正しく知り、「これから何に注意し、何をすべきか」、「針治療に何ができ、何ができないのか」について、おそらく眼科医さんでは書けない内容を、当院の多くの患者さんと一緒に作っていきたいと思います。年内完成が目標です。

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