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 「クック」と「ジブン」......







「子供は神様から預かったもの」 28年前、子供が出来た時に、私よりも少し早く子供を持っていた教会の友人が 「つくづくそう思うの」と話してくれた。実際に自分の子供を育てている時には無我夢中で、 自分が本当にそう思って育てているのかどうかよくわからなかった。
今、27歳と23歳になった息子と娘を見ていると、しっかりした大人の二人の中に、 小さい時の心がそのまま入っている、と感じることがある。 親として無理やり教え込んだ覚えはないのだけれど、 それぞれが本来の性格を伸ばして大人になっている、というふうに見える。
タイトルの「クック」と「ジブン」というのは、二人が初めて口にした意味のある言葉だ。
息子は歩けるようになると、とにかくどこにでも行きたがった。 家にいる時、「あれ?息子がいない」と思うと、玄関に座り込んで「クック、クック」と言っている。 「お靴をはいてお外に行きたい」という意味だ。その息子は高校を卒業したあたりから、 一人でしょっちゅう放浪の旅にでかける男になった。 人生も、心の趣くままに歩いていこうとしているように見える。
娘の最初のことばは「ジブン」。向かい合って、スプーンで離乳食を食べさせている時に、 私が持っているそのスプーンを、自分の手でがっしり掴んで「ジブン!」(自分で食べる!)と主張したのだ。 その娘は、自分が欲しいものは自分で手に入れる、という人生を着実に歩き始めている。
生まれた時に神様から頂いてきた魂を、そのまま伸ばして大人になれたのは、本当にしあわせなことだと思う。 母親の私が「この子たちは、神様から預かったもの」と思って接していたことが一つの要因だとしたら、すごく嬉しい。

2004年 真駒内教会月報「からしだね」11月号   

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