【廃墟マニヤ File050】

O滝ランド(静岡県)

(その1)

不動明王像

ここは1980年代の末頃、一部の雑誌などで紹介され、知る人ぞ知る珍スポットだったのですが、その後「ビッグコミック・スピリッツ」誌の企画頁で取りあげられ、一気に全国レベルの知名度となりました。このスピリッツの記事を見て訪れた人はずいぶん多かったはずで、実際、私が訪問したときも普通のカップルと園内で出会い、物好きが結構いるなあ〜と感心したものです。写真を撮った人もずいぶんいたと思われるのに、なぜか最盛期(?)の姿が見られるサイトがほとんどないので(見つけられないだけかもしれませんが)、今回当サイトで紹介してみることにしました。

一応、ご存じない方のために、当時集めた記事などからこの「大Tランド」の概略を説明しておきましょう。

どこまでが真実なのか不明ですが、1970年頃、東京の森下産業という開発業者(地元の有力者という話も聞きました)が「温泉が出る」という占いを信じて、温泉と信仰のリゾートタウンをこの伊豆の山中に作ろうと計画。成田山に金を払って分家(?)をしてもらい、山の中腹に寺を建て、ホテルの建設と同時に温泉を掘り始めました。しかし、いくら掘っても温泉は出ず、しかも寺にハリボテ式の大仏を造ったところ、開眼前に「成田山は大仏信仰じゃない」という指摘があって、あわてて不動明王に変更。さらに恐竜などを配したプールを造りましたが、地下水を使用したため水温が低すぎて営業できず、その上、流しそうめん屋も水質検査で引っかかり閉店。一応この「O滝ランド」自体は営業していた時期もあったようですが、やはり交通の便の悪さなどもあり、ごく短い期間で閉鎖。森下産業もオイルショックで倒産してしまったそうです。

その後、右翼系宗教団体に施設を占有されたりしつつ、何社かがその権利を手に入れるも次々倒産。そして大日本和合宗という団体にその権利は移りますが、森下産業の関連会社がその所有権を主張し裁判に。これらのゴタゴタの間に敷地内に残っていた施設は次々に壊され、往時の姿を残しているのはホテルとプールのみとなってしまいました。

その後、どういう意図か不明な謎の廃車が並べられたキャンプ場となり、管理人が常駐というか住んでいるようです。さらに「大滝洋ランセンター」という看板も出されていましたが、こちらもいまひとつ正体が不明です。

ちなみに「O滝」は「おおたる」と読みますが、園内には「おおたき」との表記もあり営業時どちらで呼ばれていたのかは不明です。


満足度:★★★★★

 


NEXT(O滝ランド入口)

12345678

この頁最初へ

廃墟マニヤMENUへ