【廃墟マニヤ File028】
M尾鉱山(岩手県)
(その9)
まあ、クルマまで戻れば飲み物はいくらでもあるのですが、一旦丘を下りてまた戻ってくるのが面倒なので、ノドの渇きは我慢して次の棟へ進むことにします。
「ぬ」号棟(たぶん)1階廊下。初期に建てられたアパートと構造が違っていて、後ろ側に廊下がついています。日当たりや冬の北風を考えると、こちらのほうが1階の居住性は高そうです。
部屋の写真はみな同じような感じになってしまうので(間取りは違っていましたが)屋上へ。こちらの棟は雪の重みによるものか、柵がひしゃげています。
しかも、歩くと足下がブカブカしている上、軽い空洞感もあって、ちょっと落ち着かない感じです。
軽くビビりながら端に寄って、下を眺めてみました。「ち」号棟の向こうにそびえる2本の煙突は、暖房用ボイラーのものですね。
あたりを見回していると、草原の中に人工的な白いものがあるのを発見。公園の遊具の跡のようなので、下りて見に行ってみることにしました。
上から見たらあれだけはっきりしていたので、簡単にたどり着けると思ったら、背丈以上のヤブのためグルグルさまようばかりでなかなか見つかりません! 写真を見返し、建物との位置関係を確認して、ようやくヤブの中に発見することができました。
すべり台的な遊具かと思っていたら、ご覧のとおり浴槽と仕切りの壁でした。後で調べたところ、こちらも共同浴場だった模様です。
再び建物の方へ戻って、「る」号棟の裏側に。
先ほどの屋上の壊れた柵の先端は、こんなことになっていたのでした。
……どう見ても鉄筋までイッてますよね?
いつの日かはわかりませんが、人による解体の魔の手から逃れたとしても、堅牢そうに見えるこのアパート群が地上から姿を消すときがやってくるのでしょう。
(続く)
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