タイトルイメージ
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 まず、「ここ」を読んでから本文にいきましょう。「現状の工程分解と時間割り」中の
「歯冠形成10分」項目の条件内で製作する手順を書き込んでいきます。

 クラウンの印象のチェックです。マージンがよく採れているか、みます、防湿不足や
出血(印象材が硬化前だとマージンが流れてだめです、硬化後なら大丈夫です)があ
る場合は、ダイ模型になれば誰でも確実に判断できますがね。防湿不足や出血でマー
ジンが不明確なら、この段階で再印象を決定しましょう)また、気泡が入っている箇
所もね、とにかく、マージンが鮮明に出ていなかったら、しつこいようですが、再印
象してもらいましょう。遠慮することはないですよ、不適合の因子の第一段階はここ
ですからね。医院のため、患者さんのため(勿論、技工士の再製を避けるため)にも
当然のことですから。患者さんの体調の状態(嘔吐反射、持病等)でもう1回の再印
象は無理の場合は、クラウン製作の許容範囲と判断(これDrにしてもらってね)
し、模型になってから対策考えましょう。

もう1回印象を採るとき患者さんには、「確認のため」、あるいは、もう少し精度を
上げるための「予備の型採り」とか、の説明は忘れないでね、黙ってやると、患者さ
んに「もう・・2回も採って・・・」とチョット不信を抱かしてしまう危険性ありま
すよね。まあ、下手な印象でも患者さんには1発でいい印象採れたといっていること
もあるかも・・

で、1番目の問題は、印象材が充分硬化した後、トレーを口腔内から外すとき、ト
レーと印象材が剥がれた箇所があったら(かなり無理な外し方をしたか、アンダーが
かなりあったかでしょう、そう、あと支台歯の形成や歯牙の樹立位置とパラレルに外
してないとかね)当然、これは再印象ですよ。クラウンの印象採得は、印象材と強固
なトレーで支台歯を完全にカバー(キチンとホールドするように、浅くならないよう
に)していて変形がないことが最低の条件です(使いこんで、金属疲労で腰がなく、
へなへなのは勘弁してほしいですよね)トレーと印象材は必ず密着していること確認
しましょう、これ鉄則です。(技工士なので、口腔内印象の話しは半信半疑で読んで
ください、受け売りですから・・・Drの処置ですので、必ずDrにね)・・・・・

ここ、を見逃すと、模型になってからの判断は無理です(これ原因が分からず、口腔
内の支台歯には入りませんから・・・・)。

2番目がマージンで、3番目が外圧です(強いエアーをかけるとか、金属のエバンス
を使うとか、トレー意外の箇所を、無理にバイブレーターに当てるとか、石膏を大量
に盛るとか、とにかく、慎重に口腔内から取り出したら、印象〜石膏模型〜硬化処理
までは、そう、よく熟した生の桃を扱うように優しく優しく作業しましょう。1−ト
レーと印象材の剥離 2−マージンのチェック 3−印象に絶対に圧をかけない。こ
れくらいは精査し条件をクリアーして作業しましょう。

患者さんの大切な分身の模型とともに、技工士の命(生かすも、殺すも)なんですか
ら・・・・

とにかく、精密印象については技工士に聞くのが1番でしょう、なぜって?当然です
よ、義歯製作の技工士は、日常的にメタルプレートや、ワンピースフレームを製作し
ている現場では、耐火模型を製作するために絶対に変形のない超精密をしています。
当然アルジネートなど使っていません、シリコンか、ハイドロコロイドですよ、必要
ない余分(クラスプの鈎先以外)のアンダーカットの処理も完璧です。また、印象の
引き抜きも完璧ですよ、ここが変形の1番の要因ですからね。技工士は、よく理解し
ています。

で、印象を包括的にチェックできたら、石膏注ぎです。石膏注ぎは、コアー偏を読ん
でね。

そうそう、印象内面に印象材がちぎれかけている箇所があったら必ず、切れる道具で
除去してください、中途半端にちぎれて残っていると模型になって模型のどこかに
(支台歯付近なら最悪だ)残ると判読できません。よろしくお願い申しあげるしだい
です。外注ラボの技工士としては、ですよね。



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 模型のトリーマーをしましょう。模型を持つときは必ず、支台歯には触らないように
しましょう。これ鉄則です、それとダイの石膏部の長さはなるたけ短くしましょう、
支台歯の倍か1、5倍位がいいですがね。あまり長いと安定が悪く、位置のズレが起
きる可能性大です。これ致命的です。(前歯の場合は舌側を削除して唇側の長さに揃
えましょう、これ本当に鉄則ですよー。)

本来、口腔内では臨在歯と支台歯はセパレートされていませんから、分割模型にする
こと自体に疑問を持たないとね。そう、せっかく精密な模型を手に入れたのなら、分
割を仕方がなくするという、なんというか、患者の口腔内に優しいということ、模型
をあまりいじらないことを考えて、仕方がなくする、という気持ちで作業しましょうね。

そういう感覚で、患者の分身の模型であるという意識があれば、ダウエルピンのヘッ
ドの石膏が長くなることはないと思うのですがね。

で、ダウエルピンのホールを開け、ダウエルピンを接着剤で立てて、回転止め用のグ
ルーブを形成しましょう。分離材を塗って、二没の石膏を流して作業模型を製作します。

二没の石膏のフローが止まったのを感じて、もう1段、模型を沈めましょう、そうす
ればかなり模型は密着しますよ。とにかくよく密着してないとね、なんといっても、
ここには分離材を介在させての作業なのでね。

まあ、保険の模型製作は、コストからいったら普通石膏でしょ。単冠なら問題ないで
しょうね、Brとか、自費とか、になったら、二没材も精度を上げるため、私も考慮
しますよ、当然にね。

普通石膏の白色が気になるなら、ポスターカラーで好きな色に着色した専用水を使え
ば、普通石膏には見えないしょう。

(そう、あまり濃くすると、硬化後も手につくので薄め具合に気をつけましょう)

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 臨在歯にもダウエルピンを立てること、特には傾斜しているほうにね、または、マー
ジンが接近しているほうに立てましょう。安心をとるなら3本でいきましょうね。
ここでダウエルピンをケッチって、1本だけだと、いざ支台歯を抜こうとした時抜け
ないとか、分割ノコ刃が入らないとか、コンタクトの最大豊隆部に当たるとか・・最
悪ですよね。(こういう時に有利なんですよ、基底部からカッティングできますしね)
まあ保険だからとケチって1本だと(リサイクルダウエルピンを使えばコストはかか
りません)結果的に作業効率下がります。またコンタクト調整には必須です。
作業模型ができました。さてと、ベンチでの作業に入ります。二次石膏との移行部を
きれいしましょう、ハリネズミ形のブルーマックス(山八)でさくさくいきましょ
う。効率いいですよ、自費の模型は従来のカーバイトバーでしましょう(このほうが
面がきれいです)効率は悪いですがね。
模型の精査、カッテングです。まず、咬合面の気泡を移行的に取ってしまいましょう
(いつもたくさん咬合面に気泡に入っている模型を出す医院には、1度指で咬合面に
印象材を塗りこんでって言いましょう、あるいはシリンジを咬合面に使ってと)また
防湿もお願いしましょう。
 で、次は基底面のピン尻を確認しましょう、ピンの位置と支台歯の位置を模型上にライン
を書き込んで、分割のガイドにしましょう。
そう、そう、最初に模型を分割作業する前に、支台歯のところに水をかけましょう。
これによって、印象材(寒天)が模型にへばり付いている場合(多分、シリンジの寒
天の温度が高いせいだと思う)簡単にエアーで取れます。くれぐれもエバンス等で無
理に剥ぎ取らないこと、ダイを傷つける可能性ありますよ。とにかく、しつこいよう
ですが、触らないことです。
 それと、水をかけることで、石膏がチョット柔らかくなってノコの分割が楽だし、ノ
コ刃も、カーバイトバーも、ラウンドバーも、もちがよくなり、いいことづくめです
よ、これやらない手はないなー。
水かけ観音や、お不動さんもあることだし、きっと御利益あるんだね。
手の届くところに、水(これは、即重の粉の空いたのとか、MBのオペーク専用液の空
き容器で十分)とアンダカット修正用、ブロックパウダー(この容器は銀合金の空い
たケースの中に粉を入れといて、蓋の上で練って使いましょう)をいつでも使える状
態でスタンバイしておきましょう。
水も粉もなるたけ容器は大きくしないこと、これ技工作業上とても大切なことなんで
すよ、なんせ、ベンチの回りは座って手の届く範囲に効率をあげるためたくさんの材
料、機材が用意されていなくてはならないので、必要最小限の容器にね、この考え方
は必須でしょう。
 そう、そして手の動線を最短距離で動かす、また加速するため軽量化を図る、これ、
「技あり」。保険技工には。
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 カッテングです。いよいよ、ここからの作業は口腔内とは、「別物になってしまう」
作業であることをよく認識しましょう。医院から預かった精密模型が、支台歯模型
と、歯列模型と、臨在歯模型とに、バラバラ状態になってしまいますよね。ようは預
かった模型を、技工作業のためリスクを背負っていじくりまわすことなので、くれぐ
れも気抜かりないように慎重に、慎重にね。でも俊敏な作業をしないと・・・

(理想的には、作業模型とは別に、もう1個模型を起こしておいて、最終技工物をな
にも技工士の手を入れない模型にピッタリ戻すのが本来でしょう。専門書には載って
いますし、私も経済的に合うならそうしたいものです、残念ながら日本の保険制度で
はね・・・なおかつダンピングでは・・ね・・・・・・)(欧米諸国では、シリコン
印象をそのままラボで預かり模型に起こすケース多いので、理想に近い技工作業でき
ますよね。2個でも、3個でも模型できますから)

で、気を取り戻して、ノコ刃を入れましょう。臨在歯の最大豊隆部のコンタクト部
や、マージン部のチッピングに最大限の注意を払って最初はソーで、ソーっとですよ
(ダジャレですいません)ガイドラインに沿ってしましょう、2次石膏が普通石膏で
色がついていれば、硬さの感覚や、色の違いでカット位置は判ります、即ストップです、
余分にカット入れても何の意味も無いし時間の無駄でしょう。

カットしたら、認識用通し番号をダイ模型と、臨在歯模型と、歯列模型にマーキング
しておきましょう(これしてないと、あとでたくさんのバラバラのダイ模型を作業模型
に戻すのパズルゲームになってしまいます。遊んでいる暇ないですよ、遊ぶなら技工
終わってからにしましょう)1・2・3、でもA・B・Cでも、1発セットができれば
いいでしょう。

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 カットした、ダイ模型はまとめて、1回目の大まかなトリミングをしましょう。そ
う、ブルーマックスでね(このカーバイトバーはかなり使って刃が減ってきても、効
率は落ちるがバーが「滑る」事がないので安心してマージン付近に使えるのです。普
通のカーバイトバーは切れなくなってくると、マージン調整中には絶対起こしてはな
らない、バーの滑りがおきますよね、決して接触してはいけない、大事な個所に当
たって、おおうぬー・・・・とね、技工士にとってダイやマージンの喪失は・・もう
致命的・・)マージン部から2〜3mmを残してさくさくいきましょう。
さて、いよいよ、マージン(歯肉圧俳して印象し、形成マージン下が採れていればな
んの問題もないんですけどね)を出していきましょう。ラウンドの10番(9番まで
なら安価ですがあまり径の小さいのはマージンが鋭角になってピッチングを招きやす
い)でいいでしょう、切れる10番でマージンを鮮明にしましょう。さっきも言いま
したが、ここはケチッて切れないのをいつまでもつかうと、バーの「滑り」をおこし
ます、取り返しつきませんよ、ピッチングと違って石膏粉末になってしまい戻りませ
んから・・

 さて、問題は、流れていて不鮮明な個所です。まず、あまりのもひどい場合は移行的
に(Drの形成時、開口部からのコントラの角度とバーの種類を把握している技工士
なら可能でしょうが・・・・)マージンを作ることありますが、必ず入りません。で
すので、どうしてもやる場合、ハッキリと、マーキングしておきましょう。なおか
つ、口頭や、メモでいっときましょう、これしないと、下手な技工士のレッテル貼ら
れますよ。
で、とにかくスムースに入ることを優先するなら、不鮮明なマージンをいじらないこ
とです。ようは、手前0,5ミリでマージンの設定をしてそこをマージンとします。
これならダイをいじってないので当然「精密適合は問題」ですが、必ず入りますよね。

 模型いじって、その個所が当たって入りづらくなると、バイトが高くなる、コンタク
トが甘くなる、等セット時のトラブル多くなり、技工士のせいにするかもしれませ
ん。うぬ、残念!(臼歯部クラウンのセット時にマージン個所の適合を探針で診るに
は、〇、何ミリという判断はナイフエッジのマージン設定では精査しづらく、結果、
バイトの高過ぎや、コンタクトの甘さの状態にでてきます。当然にね。で、ここが適
合診断の目あすに(本来の適合審査はシリコン材のフィットチェッカーなんですが)
なる可能性が大きいし、把握しやすいので、この辺も技工士理解していたほうがいい
でしょう。
 
 で、基本はなんどもいいますが、「いじらないこと」「手前でとめてしまうこと」ど
うしてもの場合、ハッキリ、「マーキング」すること、これ、マージントリミングの
臨床技工の常識。
11/27  
 マージンのトリミング終わったら、支台歯の    修正&調整です。勿論、気泡も、バリも、
引っ張りも、アンダーカットも無い、 「完璧な支台歯模型」なら、何の問題もな
く、マージンのマーキングに進めますが、そうはいかないのが臨床技工の難しいと
ころですよね。ベテラン技工士は、この当たりよーく把握していて、ここに時間かけ、
精査と調整をするんです。ここでの丁寧なチェックが、クラウン製作を成功させる、最
初の、最大の技工力の見せどころです。とにかく、よくみて、よくみて、完璧にアン
ダーカットを無くしましょう、ブロックパウダー(ようは色違いの超硬石膏)でしま
しょう。どんな小さな0,何ミリのアンダーでもですよ。(何とかワックス抜ければいい
・・・メタルになったら調整すればいい・・・・と安易に考えて、手を抜くと後で痛い目に
あうこと間違いないでしょう)

 で、アンダーや、凸凹を修正して、ダイに「技工士の手」を入れたところは、さっき
も言ったようにマーキングしましょう。これ忘れないでね、修正をした時点で、個所
ごとにマーキング(後でまとめてでは、修正個所や大きさが、わからなくなってしま
う危険性大です)しないといけません。なので、いつでも「最短距離」でマジックインキ
を出せるように、胸ポケットに常時さしておきましょう。(2色で、太、細、4通りでいいでしょう)
しつこいようですが、「手」を入れたらどんなに小さくてもマーキングですよ。それと、
アンダーの処理は色違いですよ。

 これが終わったら、赤鉛筆でのマージンのマーキングで、ダイ模型の調整は終わりで
す。あとは瞬間接着剤で硬化処理(もちろん、マーキングが消えない処置の意味もかねて
いまよ)でいいでしょう。ふう、ここまでできたら、もうこっちのもんですよね。 

 ここまで、支台歯模型には意識的に、触らず作業できましたか?、そう、できた、それは素晴ら
しい、私の「想い」どうりでうれしいです。まあ、患者さんが1番うれしいかな。
(あくまでも、預かりもんのダイ模型ですから、硬化処理前は、絶対触らないということを
鉄則にしておきましょう)

 で、歯列模型に戻して、バイトと対合歯模型をビンデングし、咬合器にマウントします。
単冠なら南加大で充分でしょう。ここで大切な作業は、必ずバイト(ワックス
でも、シリコン材でも)は上,下、関係の位置を確認するため絶対必要ですよ、
うぬ、バイトがない!それはないでしょう・・いくら保険だといっても、精確な上下咬合関係の位置の
確認がきないので、チェアーサイドに注文つけて、指示書と、作業模型と
対合歯模型と、バイトは、4点でセットですよと言いましょう、ましてや、片顎印象模型では
必ず必要と、訳を説明して採ってもらいましょう。
患者さんのため、医院のため、技工士が上手くクラウン製作するためにと。
ここでも患者さんのためというトークがとても大切です。
歯科医師も歯科技工士も結局患者さんあっての存在なのですから
この部分は共同戦線はれるでしょう。
バイトがないからと、技工士が勝手にファセットがあるからって、ここら辺でいいだろう
との判断はいけません、あくまでもバイト(ワックスでも、シリコン材でも)で確認しましょう。
そのための意味のあるんですよ、バイトはね。

 そして、その確認ができたら、臨床的には、単冠の場合には、
むしろバイトは使わないほうが正確な、上下関係が再現できるはずです。

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 上下咬合関係をみて、ダイと対合歯との間にクリアランスがない場合も臨床のケース
では結構ありますよね。
 さて、1ミリ以下なら、セット時にチョット削合すると、穴あきます。なぜなら、かなりの確立で
、コンマ何ミリくらいは高くなっている場合多いですよ。クリアランスが無い場合はダイの方を
(対合歯はいじりたくないないなー、患者さんの身になったら・・)調整しないといけません。
だからといって、クリアランスの無いすべてのダイ模型を削除してはいけませんよ、
解りますよね、そう、必ず指示書には「生活歯」、「失活歯」と書いてあるはず・・・無い・・・・
そんな!!それでは、削除できません(必ず書いてもらいましょう)生活歯は神経が
生きているダイ模型なので削除を技工士はしてはいけません。もちろん失活歯のケー
スは大丈夫です。でもマーキング(消えないために硬化処理もしましょう)は必ず忘
れないでね、またその旨、メモにも書いて納品しましょう。あるいは、削合する前に
チェアーサイドに言っときましょう。模型をいじることは、なんどもいいますが技
工士は勝手にやってはいけません、特にダイ模型は。そう、預かりものですし、患者
さんの身体の1部なのですから、技工士が模型上だけでは判断ではできないのです
よ。しつこいようですが、「患者さんに優しい」技工作業を目指しましょう。

で、セメントスペーサーの2回塗布法です。特にダイの隅角部はメタルの内面の、こ
この個所に気泡やバリ、等入ると削除大変ですし、また、当たりが出たら、対応でき
ません。よってこの作業は必須です。
マージンの上2〜3ミリと咬合面の1箇所を避けて1回目を塗りましょう。
お勧めはラバーセップがいいでしょう(後で剥がせるので、ダイの修正個所が分かる
のと、元の状態にして返却できますから)
ペイントタイプは後で剥がせないことと修正個所もわからなくなってしまうので、保
険技工にはラバーセップが適材でしょう。
1回目の塗布が乾燥したら(この間は、ほかの技工していましょう)、2回目塗りで
す。隅角部のみをチョット盛る感じで線状にしていきます。さっきも言いましたが、
ここがが1番当たりが出て欲しくないとこなので、2度塗りをします。決してこの隅
角部への2度塗りは手間ではないですよ、メタルになってからでは、ここは本当に調
整できないし、できたとしも膨大な時間をかけなければならず、結果、時間をかけれない
保険クラウンでは、どうしてもしたいリリーフ箇所でしょう。そう、必須な工程です。
メタルになってからの、隅角部適合調整の煩雑を避けられる事を考えれば、どうもみても、
この隅角部2度塗りに軍配が上がるのですよ。これ、みんなやってると思うけど、
やってない!ぬう残念!保険クラウンはセットが高くなる(口腔内では上手くキッ
チッと入っていない)可能性大かなー。
また、前歯のダイ模型のときはもっとここの工程をシッカリと説明します。

12/23
 ラバーセップが乾燥したのを確認して、ワックスアップです。分離材は、なるべく分
離効果が持続するのを使いましょう。マージン部分の再ワックスアップまで効き目が
落ちないのを選びましょう。
いま、お勧めは「ムツミセップ」です。とにかく、ダイからワックスクラウンがス
ムーズに抜けないと話になりません。分離効果が悪くて、抜きにくいのは変形するの
で絶対に避けましょう。塗布(そう、臨在歯と対合歯にもね)し、エアーをかけ余分な
セップを取り、いよいよワックスアップです。
まず、対合歯との距離を見て盛る量を頭に入れましょう。ここを良く見てないと、余分
に盛り過ぎてしまうことになって、合理的ではないでしょう。時間の無駄と、
ワックスの収縮の量を増し、なにもいいことないし、むしろ悪い結果がでてしまいます。

 で、ダイを歯列模型から外して、ワックスペン(電気インスツルメント)で1層一定
の温度でワックスキャップのように盛りましょう。(もちろん、デッピングワックス
もOK、でもかなり柔らかいワックスなので扱いが・・・)この時、マージン部から
1ミリ位オーバーラップさせることでマージン部からのワックスの浮き上がりを抑え
こんでおきましょうね。ラウンドバーでマージン下をアンダーに形成してあるので効
果的です)そして歯列模型に戻し、歯冠部のワックスアップをします。そう、盛る量
は必要最小限にし、ワックスの収縮を最小限に抑えます。(大盛りは何もいいことあ
りません、いいのは牛丼だけ)。頬舌、近遠心的にある程度の形に歯冠部を盛ってい
きます。(この時、ワックスの温度コントロールは「口で吹くエアー」と、1回に盛る量と、
加熱温度がうまくいけば歯冠部から垂れることはないでしょう、ここは普通のエバン
ス「私は、アッシュ」のほうがうまくいく感じだなー)そして最後に咬合面を盛りま
す。このとき、「この時ですよ」、咬合面部のワックスが1番柔らかい状態になって
いないといけません。
なぜか、それは、そう、対合歯とかみ合わせることになるのですから(外圧がかか
る)、当然ですよね。
もちろん、P・Kトーマスのコーンテクニックでカラーワックスでのビルドアップな
らあまりこのへんは考えなくてもいいんですが・・・
保険のクラウンだと手間かけれませんから、いっぺんに盛るワックスアップと、カービ
ングなってしまうので、作業手順のワックス温度のコントロールがとても大切です
よ。ここをうまくできないといつまでたっても正確な精度の高いワックスクラウンが
できないです。
とにかく、ワックスクラウン製作で変形を起こさないことが、最大で、最低限の決ま
りでしょう。

1/10
 「あけましておめでとうございます」この書きこみも1年なんとか持ちました、昨年
同様技工の合間に(ポーセレンファーネスの隣にPCデスクがある)ぼちぼちやって
いこうと思っています、よろしくお願いします。

 さて、大まかにカービングしましょう。頬舌側を咬合面から、マージン部に向かって
カンツァーを意識して形成しつつ、咬合面の外形を決めていきます。そしていよいよ
咬合面のカービングです。両臨在歯の中央窩を結ぶガイドラインをワックス咬合面に
書きましょう。これないと、歯列のバランスが取れませんよ。必ず入れてからカー
ビングしましょう。外形と中央のガイドラインが決まれば、あとは、グルーブを彫ってい
けばいいんです。
 そう、咬合面形態は、上司や先輩に付いて何年か教わった技でいいでしょう。なに、
キチンと教わってない・・・・・そんな・・・技工の技は伝承されなくてはいけない
のですよ(これも技工士教育の遅れそのものですね、残念・・・)

 では、お勧めの話です。まづ、いくつかある有名な咬合理論に裏打ちされた、咬合面
形態の1つをクリアーしましょう、たとえばP・Kトーマスの模型を手に入れるとか。
それができないなら、安直なお勧めは、最新製品の義歯用硬質レジン歯臼歯(松
風 NC ベラシア ポステリア・GC サーパス)などは、患者さんに優しい形態してい
るし、いい形態と私は思っています(メーカーサイドでは新製品の人工歯は、社運を
賭けて最新情報を元に研究開発しその形を集約し、発売しているはず)1枚買って
(800円位)マイクロで1度見て観察してみてください。(保険クラウンのサンプルに
は最適だと思うのは私だけかなー)
 
 決して初心者は、天然歯の模倣でカービングを覚えないでくださいね、なぜ、そう、
患者1人1人の固有形態なので腕が上がりませんよ、(もちろん前歯回復のケースは
臨在歯の模倣は当然のことです)臼歯の機能優先と、前歯の審美優先とは優先順位が
違うこと頭に入れておきましょうね。

 で、大まかにカービングが終ったら、隣接面のコンタクトの下のアンダーになってい
るワックスを丁寧に形態を付け、よいよいよ、歯列模型からダイ模型を外しますが、
この時変形を起こさないように注意しましょう。さっき言ったようにコンタクトの下
はアンダーになっているので、心配なら臨在歯模型と一緒に外すと安心でしょう。
変形なく、無理なく、外せましたか、そう、こういうところが変形を起こす作業工程
ですよね。(どんな工程でも「ワックスクラウン」の扱いは外圧をかけないこと、これ鉄則)

 マージンの再ワックスアップです。ワックスペン(電気)で加熱しつつ、盛りつつ、形態付けつ
つ、マージンの辺縁封鎖を行いましょう。この時、コンタクト周囲2〜3ミリはワックス
ペン当てないで、抜いた状態の面を保持しましょう(また、歯列模型に戻すのでね)。

 冷却を確認したら移行的に外形をカンツァーを意識して仕上げましょう。(この作業
の時、咬合面に指を軽く置いて作業してください、エバンスでのカービング時、ワックス
クラウンにかかる圧を拮抗させましょう)

 外形の形態が整ったたら、咬合面を丁寧に最終カービングをしましょう。
なかなかうまく丁寧なカービングができない場合は、1度、マイクロ下(8〜10倍なら
慣れればどうと言うことないですよ)で作業してグルーブを彫ってみてはいかがですか、
新しい発見や、展開があるかもしれませんよ。

 で、咬合面も外形も丁寧に仕上がったら、歯列模型に戻しましょう.、コンタクトい
じってないのでそのまま戻りますよね、で、再度対合歯と咬合関係をチェックして見ましょう。
当たりが甘い場合は、P・Kトーマスのインスツルメントで隆線を盛りましょう(形態を見
ながらですがね)そして、セントリックストップが決まったら、下顎運動をしましょう。単冠
のケースは隣接歯のファセットに合わすか、やや弱めでOKです。ワックスですので
自動的に削合終了です。あとは、ワッテ(少し分離材の含んでいる)なり、布なりで全体を
仕上げれば、ワックスクラウンの完成です、ふう、ご苦労さんです。

 10分で終りましたか?、目の前に時計やタイマー置いてありますか?、それ見ながら保険技工
してましたか?。そう、できた、それなら、技工で糧を得ていけますよ。
時間が足たりなーい、上手くカービングできなーい、こんなの無理ー、という人、技工もう1回
考えなおしたほうがいいですよ、日本の保険クラウンで食っていくならこのぐらいクリアー
しないとね。まあほとんどのべテラン技工士は大丈夫でしょう。
けっこうおもしろいですよね。
 
 ワックスアップ10分で、そこそこの形態取れない技工士は、将来の行く道を模索した方が
いいですよ。で、次回横道にそれますが、対策を提示したいと思います。正月そうそう、

辛口、書き込みで申し訳ない。

1/16  
 「時間が足たりなーい」と言う人、時間さえかければ納得のカービングができる技術力があるの
なら技術評価(技工料)をキチンとセールスしていく。あるいは、自費の技工 をメインにする等
により、ハイクラスの技工士、技工所をめざす。

 「上手くカービングできなーい」と言う人、真面目に取り組む意思がある場合、カービングの練習を
「頭」と「手先の運動」の繰り返し(そう、技工能力を付けるには「考える技工」の「積み重ね」しか
ないのですよ)
 で、いい師匠に出会い、早く、上手く、をめざす。でも、このレベルでの技工所開設は止めましょうね
ダンピング競争に弾みをかけます。

 「こんなの無理ー」と言う人は、早めに転職しましょう。デッサンをして、リンゴとバナナとブドウの
形の差が正確に描けない人は、本当に技工に向いていません。良くない ですよ。進学の時、
技工学校への進路が間違っていたので、早めに違う仕事探しましょう。技工士としの適性に
欠けてます。アートのセンスと、物の観察力が正確で、クリエイティブな感性と造形力がないと、
将来の技工人生の苦労が目にみえてます。適性な職業を選択しましょう。

 現状のレベルの低い、今の技工学校卒業しても、かなりの技工士が転職する話聞きますが、ようは、
安易な進学をし、卒業しても技工ができないのですよ(よく転職組の人がこの業界を悪く言う話ありますが、
本当はこの業界に本人が適していないということです。現にできる技工士は足りません)

 むう、残念、教育改革を急がないと、歯科界にとってマイナスイメージを蔓延させてしまいます。
何とか、今は日本の技工士のレベルは保たれていますがね・・・さて、今後は・・・

 で、でも、でも、この業界が好きと言うは、ラボの営業、あるいは、経営者になることできますよ。
技工はあまりできなくても、賢い頭脳と営業力があり、人間関係の調整 (人事)ができ、
労働時間と売上のバランスシートが把握できれば、健全なラボ経営者 にはなりえます。

 本当は今、日本の技工業界こういう人材を探しているし、必要なんですがねー。こういう、能力があり、
得意先と上手いコミニュケーションができればどの業界でも食っていけるわけだからこの技工業界には
入ってこないかな。

 だいぶ、横道に入って申し訳ない。次回かから、技工テクニックに戻ります。

1/23  
 ワックスクラウンができたら、歯列模型から支台歯模型を外して、1度抜いてみましょう。
上手くスムースに抜けましたか、支台歯とパラレルに、垂直に抜きましょうね。間違ってもギシギシ抜かない
ように。抜けにくい場合は、ラバー(ラテックスグローブの梨状表面「すべり止め加工」がお勧めです、そう、
研磨時使用後の捨てるので充分です)で抜きます、素手の指で「力づく」ではしないこと、これ鉄則。
変形しますよ。

 で、抜いたら、ラバーセップを剥がしましょう。簡単に剥がせます。これで、最初の支台歯に戻りました、
当然、ダイの修正箇所をも見えますね。マージン部のワックスがオーバーラップしている箇所も分かりますよね。
もう一度ダイに戻して、そう、この時、なんとなくスムースに着脱できないと感じた時は、マージン下の
アンダー以外にダイ本体にアンダーが潜んでいるのでこの時点で適切な処置をしましょう。(そう、2〜3回
抜き差ししてみる・・・、 苦肉の選択ですが・・・・)
マージン部のワックスオーバーラップはカンツアーに沿って削除しましょう。

 歯列模型に戻しましょう。そして、スプーリングです。なるべく太いのがベストです、細いのは鋳巣ができ
やすいので避けましょう。お勧めはコルベンワックス(そう、義歯用の床縁を決めるやつです。キャスティング
ワックスでもいいでしょう)の2〜2,5ミリがいいですよ。

 なんども言いますが融点が低い(前にもいいましたが、ワックスを加熱追加する場合、「ワックス」の
インレーなり、クラウンなりのワックス融点より低め低めにしていきたいものです、コンタクトの追加もそうですね、
複インレーの時にも書き込んであります)
で、クルシーブルホマーの樹立位置と、埋没時気泡を巻き込まない角度を考慮して、スプーリングしましょう。
当然、機能咬頭は避けてましょうね。

で、歯列模型から、外して、コンタクト盛って(そうそう、大目に盛って柔らかいうちに歯列模型に戻し、
浮き上がり1〜0,5ミリで止める方法もありますよね、でもこの方法は軟化のタイミングがあるので、
変形しやすいので初心者は・・・)

 これで、埋没前まできたので、ワックスクラウンの完成でーす。上手く変形無く作業できましたか。
そう、ここまできて、変形無かったら、あとは、不適合とか、バリとか、変形とかなめるとか、面の荒れとかの
メタルのトラブル、埋没メーカーや金属メーカーにも問題の責任あるんじゃないですかねー?どうも消耗品
メーカーの責任もみんな、技工士のせいになってる感はいなめませんよね、この歯科界や、技工業界は!
まあ愚痴言っても仕方が無いので適切な材料選びましょう。

 で、ワックスのクラウン、ブリッジをまとめて抜いて、並べて見て、リングのサイズ合ったに数と形態を適正に
選び、目いっぱいリングに入れましょうまあ常識の範囲内ですけど・・・

 これで、ホマーに立てて、クリナーやって、終わりです。
あとは、埋没→鋳造→適合→コンタクト調整→咬合調整→研磨完成です。これで保険のクラウン終わりにします。
チョット長くて、しつこくて申し訳なかったです。

 懲りずに、連載読んでください。次回から硬質レジン前装冠を書き込んでいきましが、セラミストとしての自負が
多少あるので、保険の硬レ(身内には入れたくないなー)は得意ではないので、簡単に流そうと思っています、
審美補綴はMBのとこで詳しく書き込んでいくつもりです。


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