タイトルイメージ
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 シェードテイキングから。技工士自身が、患者さんと対面して歯の色を決定できなけば、ここで言う
「患者が、どこに差し歯を入れたか判らない」MBは無理です。そう、1万本(硬レも入れたら2万本
以上かなー)のシェードを採っての感想です、これが真実です。

 よく専門書にシェードのこと、有名な技工士載せていますが、さてさてどこまで本当に燐在歯と区別が
つかないMBを日常的に納品しているか、チョット?ね。

 今回は、上顎中切歯、1番、1本のケースで話を進めましょう。これがシェードの難易度の最高レベル
です、1番1本が「再生」したようなMBを製作するためのシェードテイキングですよ。(これが1発の
シェードテイクでクリアーできたらセラミストとしての技工士卒業ですよね)

 その前に、シェードガイドは何を使用してますか?多くのチェヤーサイドでは、VITAのでしょう。で、
ラボはというと陶材はかってにお好みのを使用してませんか?もうこの段階で根本的に間違っています
よね。ビタシェードなら、ビタ陶材を使用しないと話になりませんよ。

 そう、色を作るとは、またその見本で決めるとは、同じメーカーでなくてはいけませんね。これ普通の
業界で色を出す場合当然でしょう。(車の補修用塗料を見ればわかますよね、おなじホワイトでも各社
によって違います、他社の修正用塗料は使えませんよね、当然)

 なんで、歯科のMBはバラバラで通るのでしょうか?技工の七不思議ですね。本当にシェード色を
手に入れたいなら同じメーカーしか使えないはずでしょう。で、当然、メーカーの同じ陶材で作った
シェードガイドを使わないと完全なる色見本を再現できない訳ですよね、子供でもわかります。

 私は松風のウェンテージハローの陶材で、勿論専用シェードガイドです。こうすれば当然条件(盛る量が
確保できれば)が満たされれば、同じ色が出ます、本当ですよ。A2B(陶材)ならA2(シェード)です。
でも、こんな単色の歯の色めったに遭遇しませんよ、臨床上は、もっと複雑怪奇な色具合です。

 本格的で、微妙な色を出したいなら、この陶材とシェードガイドがセットで開発しているメーカーしか
信用できませんし、医院もラボもこの組み合わせを徹底しないと患者満足度アップにつながりませんよね。

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 患者さんのシェードを採る歯面の位置決めです。まず、シェードを採る歯面に、直角(ほぼ90度)に
光源がなるよう頭の位置を変えるよう誘導します。これとても大切です、特に臼歯部にいくほど。
(そう、向いてもらいたい方の肩を軽く叩きましょう)また、仰臥位にしますが、あまりヘッドレストを
下げすぎないようにしましょう。

 そうそう、その前に必ず、マスクとグローブ忘れず装着しましょうね。それと、患者さんの名前を呼んで、
本人であることを確認しましょう、名前はカルテか、指示書で見ましょう。

 さて、いよいよ、シェードテイキングです。まず、ガイドを当てないで、瞬間的にガイドとなる歯の全体的
な色の傾向を感じましょう。瞬間ですよ、まあ2〜3秒でいいでしょう。(A系統・B系統・C系統・D系統とね)
そして系統を決めたら3色位出して並べ、まずボデー色の選択と決定です。

 シェードガイドを置くベストポジションですが、採る歯面(今回は反対側の1番です)の同じ方向に並べて
見ます。よく専門書に切端を向かい合わせで見ている人いますが、ボデー色が切端色を挟むので距離が
出てしまい、とても採れたものではないですよ、これは絶対に止めましょう)

 理想的には、補綴部位の形成面にガイドとなる歯(この場合反対側の1番)と平列にシェードガイドを
置きましょう。そしてなるたけ接近させ、歯冠方向も合わせて(ここ大切)から採るのがあたり前
なんですよね。

 そう、本来のシェードガイドは、シェードガイド人工歯の後ろのハンドル部分が支台歯形成上に置ける
よう、凹み状にハンドルがなってないければいけないと思っているんですよ、長年たくさんシェード採って、
すべて自分で焼いての結論です。誰も気が付かないのかなー・・・ううん残念!!

 ここの位置でも、今のガイドの形態では、遠近的に2〜3mmのズレが出てしまいますので
ベストポジションにはならないので、その距離感も織り込んで採りましょう。

 で、次は歯頚部色を選びましょう。次いで、マメロンの形態、切端の透明度のレベルと量と位置を記録
しましょうね。固有歯の細かい模写は文字では表せないのでゴメンなさい・・・

 初心者は、基本的な、ジンジバルカラー、ボデーカラー、インサイザルカラ−、の3ヶ所を記録すれば
OKです。そう、マイシェードガイドでしましょうね、これ鉄則ですよ。ほんもののセラミストを目指すならね。
(まあ、私もなかなかねー)

(例)・ボデーカラー      A2:A3;C1を7:2:1
   ・ジンジバルカラー   A3だが明るいオレンジがかっている
   ・インサイザルカラー  トランスルーセントの度合いと量と質感
                 マメロン形態の模写
   ・キャララクターカラー 着色(表層か、深部か)

 シェードテイキングの所要時間2〜3分です。時間かけるといいこと何もないです、むしろ悪い結果に
なりますよね。

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 印象のチェックです。マージン部の確認はクラウン編を読んでください。補足は、支台歯の切端部
(ここが案外見づらい)のチェックですが、ここが引っ張られている(模型になると鋭角になってる)
場合あります。見ての判断は支台歯の切端部が深い溝状態になっています、これは勿論、再印象です。

 MBは、形成された支台歯の印象精度が1番なので、ここのチェックは、何があっても絶対に妥協は
やめましょう、でないと患者さんに申しわけないですよね。審美性以前の、適合の問題が絡んで
きますから・・・

 さて、印象が完璧に採れたら精度の高い模型を作りましょう、そう、そのためにもここの石膏注ぎは
無資格者にはさせないように。できたら技工士がベストですが、いない場合はDrがしましょう。
(外注ラボが近い場合はシリコン印象なら「模型製作料」払って、外圧がかからないようにして、
技工士に手渡しましょう)

 法律的には歯科技工作業は、歯科医師と歯科技工士しか、携わってはいけません。それ以外の人は
無資格者あり、作業はできません、法律違反ですから。

 で、肝心要は、切端部に気泡を巻き込まないことに尽きます。細心の注意をはらって作業しましょう。
気泡入れたら、すべてが「水泡に帰す」ですよね、言い当てていますね。

 ここで、あまりにも教科書的に混水比を守ろうと、印象内面を乾燥(強いエアーは最悪ですよ、
絶対禁止です。)させると、ますます気泡を巻き込む確立高くなってします。ここでの「技あり」。
そう混水比が多少甘くなっても水分があったほうが確実に気泡を回避できます。

 水分が多量の場合は、エアーコントロールできるエアーガンで優しく弱く水分を少し除去しましょう。
かならず、優しくですよ。しつこいようですが・・・

 乾燥させて、気泡を巻き込むか、絶対に気泡を入れないか、どっちを選択しますか、です。日常の
臨床で、精度の高いMBを手に入れたかったら、技工士なら気泡のないのを選びますよ。
だって、気泡で欠損した部分は技工士解りませんから・・・

 石膏泥は固めで充分練るのですが、あまり固いと気泡入りやすい(脱泡もしづらい)緩めは気泡入り
にくい(脱泡もしやすい)ので、いいですが模型が充分な硬度をだせないのです。この兼ね合いが微妙で
難しいのです。まあ、スパチュラに石膏泥を盛ってひっくり返して落ちない程度の緩やかさが臨床的で
ベターですかね。

 理想は、教科書的に、固めに練って真空かけて脱砲して、印象内面は乾燥させてですがね。・・・・
これ、かなり難易度高いですよ。

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 石膏は流すラインを決定してあるので、そこまでにしましょう、沢山盛っても百害あって一利なしです。
そして外圧のかからないようにホールドして硬化を待ちましょう。1時間過ぎれば外していいでしょう。

 支台歯とパラレルに印象から模型を外しましょう、前歯の支台歯は細く長いので、最大限の注意を
払ってしましょう。ここで、支台歯の石膏を破折したら技工の精度はいっぺんに落ちます。(マイクロで
チップ石膏を接着できますが・・・支台歯には技工士は「手」をかけない原則を思い出しましょう、
Drにやってもらいましょう、再印象も視野にね)

 可徹式模型製作のためトリマーして、ダウエルピンを稙立しましょう。で、2次石膏模型は必ず
硬石膏にしましょう。そう、MBはコンデンス時に模型に対して軽打法をとるので模型が欠けないこと
が絶対条件です。また、支台歯のエプロン部は、必ず唇側、口蓋側同じ長さにしましょう、そうすれば
位置ズレが起きにくいです。

 逆を言うと、口蓋側が長くなって(結構ある)安定悪いと位置ズレ起こして、その結果として、
コンタクト調整に時間がかかるというチェアーサイドにとって、また患者さんにとっていい迷惑ですよ。
ここポイント。

 チェアーサイドで、どうも、うちの外注ラボはコンタクトが強かったり弱かったりばらつきがあるなー、
と思ったら、印象の問題もありますが、模型製作にも、問題あると思ってこの辺をラボと検討して
みてはいかがですか。

 案外自費技工であるにもかかわらず、2次模型は硬石膏(普通石膏は論外です)でも、唇、口蓋側を
同じ長さに合わしてない模型あるかもしれません。(特に上顎は口蓋側を削除しないと、マージンから
の距離を同じにできません、模型料払ってもやってもらう価値あると思っているんですよ。)

 自費であるMBは、隣接歯のコンタクト部であっても、本来正確に再現されいるわけですから、
微調整で終らないといけません。まあ、印象が悪く、結果、適合悪い場合もコンタクトに状態として
現れますけど・・・ね
この場合は甘くなりますよね、ピッシッと入ってないのですから・・・当然ですよ。
これは、模型製作の問題ではないです。

 ですので、コンタクト調整は、印象精度と模型製作との、2つの作業レベルの成果が如実に
表れやすいのですよ。特にラボは、預かった模型をバラバラにするのですから、その辺よく理解して
作業しましょうね。

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 支台歯の修正と調整をしたら、ワックスアップです。スペーサーも必ずしましょうね。分離剤の
塗布は、模型に戻した状態で対合歯も、臨在歯にもしましょう。支台歯を模型から外してから、
支台歯の分離剤は弱いエアーで充分に飛ばしましょう。

 まず、最初のワックスアップは、カービングワックスより柔らかいタイプにしましょう(アンダーに
対応できます)ディッピング、あるいは、ワックスペン(電気)で「一定の温度」で薄いキャップ状態
に2〜3回で(本当はデッピングように1回法がベスト)しましょう。この方法は、従来の
ブンゼンバーナー加熱法に比べた優位点は、ワックスをオーバーヒート(収縮が大きくなるし、
分離効果も落ちる)させないので、とてもいいです。

 ワックスは、支台歯のマージンを越えてトリミングの下までしましょう。(トリミングのアンダーカット
でワックス収縮を押さえるため、また、マージン部のワックスが反り返るのを防ぐため)

 次は、カービングワックスのワックスアップです。、ブンゼンバーナーの加熱の方が盛りやすい
ので(加熱したワックスを「口エアー」で急速冷却しやすいので、時間の短縮でかなり優位)、
電気ペンと加熱インスツルメントの併用ということになります。

 少し厚めのキャップ状態に盛りましょう。模型に戻した時に燐在歯に当たらない程度ですよ
(盛り過ぎで、模型に戻したら、臨接歯に当たると、外圧がかかり変形の原因になる)。で、
メタルバッキングのワックスアップです。デザインは指示通りにしましょう。フルベイクタイプ
でもいいし、スタンダードタイプ(この場合は舌側面形成もね)でもいいでしょう。対合歯との兼ね合い
でデザインしましょう。(ここ大切)

 注意点は、メタルの立ちあがり部分は、最終形態修正では足せない(削除は簡単)ので、その辺が
心配な場合は正確な歯冠修復のワックスアップをしてから、カットバックしましょう。
 あるいは、チョットオーバーカンツアーにしておけば、安心ですよね。また、唇側、舌側面は0,3mm
以上にして(メタルになってから、場合によっては唇側面は0.1mm位まで落とせると色出しやすい)
なめられない程度の厚さにしておきましょう。

 教科書的には、唇側面セラミックは、均一な量にしなくてはいけないので歯冠修復を確実に再現
したうえで、均一な深さのグルーブを彫ってカットバックしていくのですが・・・
 臨床的には、充分なセラミックの量を確保できない(特に、生活歯)ケースが多々あるので、
めいっぱい、メタルを薄くしたいのですよ、シェードテイキングした色を出すためにはね。また、
ベテランになると、盛る量は解るのでその辺も加味して技工をおこないいます。

 あと、Brの場合は、セラミックを焼き付ける面に、内部応力が集中しないよう(クラックの原因)
緩やかなカーブ面(隣接部での審美性を増すため立体性との兼ね合いが・・・)にカービング
していきましょう。
 まあ、ポンティックと、連結部のデザインが、理にかなっていればいいでしょう。

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 スプーリングです。2ミリのワックススプールを折って接合し、3〜4ミリの楕円形にしましょう。
パターンの接合部側は、先端部を指先で潰して超長楕円形にし、そして45度の角度をつけ、
パターンの唇側先端部に付けましょう、以降的にね。

 ここでの、パターン側の「鋳こむ形」が大切ですよ、臨床的にはね。まず、角度をつけることで、
溶解した金属の湯流れが、ダイレクトに埋没材に当たるのを避け、ホットスポットや面荒れを
回避しましょう。また、4ミリのスプールをパターンとの接合部で「超長楕円形」に絞り込むことで、
スプール自体を湯溜まりとしましょう。

 鋳こみ口(パターン側の話しです)は、セラミストによってかなり違いがありますが、まあ、私は、
単冠の場合はこのようにしています。(Brの場合は、また違います)で、ホーマーに付け
(ここ電気ペンは便利ですよ)強力なクリナーして、細筆使って、埋没で終ります。

 埋没時、先端部には絶対気泡をいれないように細心の注意を払いましょう、大きい気泡は、
今までのワックス作業が「水泡に帰す」うぬ・・・・・・ショック!!

 小さい気泡ならマイクロがあるのでなんとかなりますがね。これないと発見できずに、無理に
模型にいれると、あ!!、ダイ模型の先端が崩れて・・・模型上では、「上手く入ったような状態」
になる、これが1番問題ですよね。前装冠でもね。
ぬう、Drにも解らない・・・これを無理にセットしたら、そう、患者さんが1番の迷惑だー。

 そうそう、リバーシブルノブも忘れないでね。ここのワックスもパターンより融点の低いのにしましょう、
高いと加熱でマージン引っ張られてしまう可能性大です。パラフィンか、ユウテイリティーで充分です。

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 メタルの調整です。ここの作業は、ワックスパターンが完全にメタルパターンに変ったことを確認する
ことですから、技工の技というより、材料や機材の選択がキーポイントでしょう。

 技は、埋没テクニックか、鋳造テクニック(ここもキャストマシーンの最新型をもってすれば技は要ら
ないでしょう)なので、問題ないでしょう。問題があったら、メーカーに聞けばテクニカルアドバイザーが
いるので解決しますよ。

 適合はマイクロ下でしましょう。まず気泡、バリ、メタルマージンのオーバーラップ等、削除し、そして、
丁寧にそーとダイ模型にフィットさせればいいんです、メタル削除が上手くいけば、そのまま入ります
よね。(とくにMBのメタルは入り易い)

 ここで入らないからって、無理やり入れてもだめですよ、内面の調整でなんとか入りそうな感じ(ここ
大事)なら、フィットチェッカーを使って、当たりをみて削合してそれで収まればいいでしょう。

 調整しても、スーット入らない場合は、ダイ模型にダメージ与えない前に「再製」する
早めの勇気ある決断をしましょうね。うじうじいじってもいい結果になりませんよ。そのためにも、技工
は早め、早めに「手を付ける」のが、賢明でしょう、徹夜という危険も減るしね。

 技工の先送りは最悪ですよね。特注生産なのに、自分で納品日を決められない限りね。残業
減らしたり、止めるには、納品日は製作側で決める営業しましょう。欧米では普通なんですよ
(ユニオン強いからね)
歯科技工所は、技術開発や研究、あるいは創作活動しているわけではないですから・・・

 そう、そう。シェードと同じ色出すためには、セラミックを充分に盛るスペースが必須なのです。もし
無い場合は、唇側面メタルをめいっぱい薄くしましょう。(失活歯なら削除の許可をDrにもらい、
マーキングしておくのも手です)生活歯ならヒートレスでバリバりと、0,1mmまで落としましょうね。
この1番1本はなんといっても最優先は反対側1番と同じ歯を作ることですからね。もちろん、適合は
言うまでもありません。


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 メタルの調整が終って確実な適合や、唇側面の陶材スぺースが確保できらOKです。超音波洗浄して、
ディキャシングして、ボンディングエージェント(お奨めはCKBです、ランニングコストいいし、結構黄色く
なるしね)をしましょう。

 で、いよいよ、オペークです。ここからが自然な歯を作る技工の入り口(やっぱり口か)です。
シェードA2の場合は、ボデーはそのままA2オペークでいいでしょう、そして歯頸部寄りはA3を加えます、
切端部寄りはC2を加えてほぼ3色にします、これは、もちろん基本的な色出しです。

 技工士がシェードテイクした場合は、その色具合の匙加減はメモなり、デッサンなり、デジカメの画像
なりを参考にするのことが当然ですよね。

 オペークの「色出し」はベースですから、経験しか手に入らないので、「エラーアンドトライ」の積み重ね
しか、患者さんの反対側の1番の合わせることは出来ないのです。

 もちろん、指示書にA2しか指定色が書いてない場合は、ラボでシェードガイドに合わせる技工は
できます。そう、工場で陶歯の型に陶材を詰める従業員と同じレベルですがね。
ひょっとしたらそこの人のほうがいい色出してるかもしれません、品質管理厳しいですから・・・

 オペークパレットに、3色作って盛っていきましょう。でも、レジンや絵画の絵の具のようには
いきませんよ、焼成前の陶材ですから・・
これが決定的にレジンと、セラミックの違いです、レジンはすでに、色出てますから・・

 ですので、本当に反対側1番とベストマッチングする色を出したかったら、患者さんとの対面シェード
テイクがどうしても必要なのです。
この臨床経験なしに希望(患者さんのですよ)の色は出せないです、この段階では臨床経験で培った
「感」(これを技と言ってもいいでしょう、ボデーもインザイザルもですよね)解決の方法はないのです。

 デジカメ/ソフトで、患者さんと対面しないで隣接歯にマッチした色、出るという研究しているよう
ですが・・いずれそうなるのでしょうか?楽しみです。
でも、国家資格の医療専門職の技工士は患者さんのそばで、技工はしたいし、あるいは、ラボにも、
患者さんに寄ってもらいたいしね・・・

10/1
 オペークの目的は、メタル色の遮断と、出したい色のベースです。この2つの条件がクリアーできれば
できるだけ薄いほうが、ボデー陶材を多く盛れ、深みのある色が出るので、いいに決まっています。
なので、薄くしましょう。

 初心者は、2回法は理にかなっていますが、だだし、焼成回数が多くなるデメリット(トラブル発生率
上がる)もあるので、ベテランは1回です(単冠や、3本Br位まではいける)。あと、温度もボデー焼成
より低めにしましょう。高いと、ボンディングはいい感じですが、気泡が・・ね。

 1回法は、時間の節約にもなるし、リスクも避られるのですよ。1回やって薄くてメタル色が出て
しまった場合もう1回盛ればいいんです。薄い個所でも場合によってはそのグレーがかった色を活用
できる場合もありますが・・かなり危険ですが・・・上手くいけばとても効果的です、
C系統のシェードの場合使えるかなー)

 オペークパウダーを専用液で練った場合はホットブローを使うと便利です。(コンデンスしてフロー
させながらお好みの個所で止められる)
ペーストタイプは問題ないでしょう(ランニングコストかかりますが・・)

 陶材は、とにかく焼成回数は少ないほど、また陶材を盛るスペース充分なほどシェードガイドと同じ色
出ます、当たり前ですよね、シェードガイドは多分1〜2回位しか焼成してないでしょうし、だいいち
オペークないですから・・・

 もし、教科書どうり焼成したなら、オペーク2回、歯頸部1回、ボデー/インサイザル2回、グレーズ
1回、計6回ですよね、やっぱりシェードと同じにはならないと思うのは私だけですかねー。(後ロー
入れたら7回です)

 で、単冠は、オペーク1回、ボディー1回、グレーズ1回で終わらせたいですね。(ただし、歯頸部色を
この位置にどうしても置きたい場合はここで1回 焼成します。次回書いていきます)

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 シェードテイクして、歯頸部色を出したい場合は、ここで1回焼成しましょう。(中心部への収縮の引きも
防げるしね)位置と量を適正に盛りましょう。で、コンデンスは軽くでいいでしょう。

 歯頸部の色出しにこだわるのは、カツラの「生えぎわ」が自然感を出すキーポイントのように、歯も、
歯肉から歯牙への移行部、そう、歯頸部の色が自然感を出すのに最も大切です。生え際が上手く色が
合っていれば(反対側の1番と)かなりいいですよ。ですので、ここのシェードテイクが絶対に必要です。
患者さんが1番わかるかなー。だってセットしたMBをよーく鏡で見ますよね。

 もっと、距離をおいて見てください、といっても、ジーとそのMBを見つめます。穴が開くほどみられると、
ほんと、歯頸部色のスケッチしてよかったと思うのです。でも上手く合わせるの大変ですが・・(ほんと、
きわは何でも難しいですね、だから、「きわめる」というのかなー?!)

 で、いよいよボデー・インサイザルを盛っていきます(ここは1回焼成です)歯頸部焼成終ったMBを、
模型に戻して(そうそう、あまり隣接まで歯頸部陶材を盛らないこと模型に入らなくなってしまい、そこを
削合する羽目になってしまいます)

 で、盛る「適量」を、平らなパレット面に出し、混合する色の分が10%なら10等分にして1山を変れば
9:1のシェードを出せます。同じ量を1っ山を変えるのですよ、足してはいけませんね、当然ですが。

 さて、2〜3種類の色の陶材を練っていくのですが、このとき必要以上の攪拌は禁物です、軽く混ぜる
だけで充分です。むしろその方が気泡を巻き込まない、エバンスやパレットを磨耗させない等で、あまり
混ぜないほうが自然感がでると思っています。(そう、セラミストの感です)

 そして、軽くパレット自体をコンデンスして、1回テッシュで気泡を潰すのもいいと思います。で、
インサイザル色、トランスルーレント色、キャラクター色等、必要な陶材を練っておきましょう。そう、
1回焼成ですので。

 で、扱いやすい、陶材泥にして盛っていきます、エバンスなり、筆なりでいいでしょう。私は、太め筆で、
まず全歯冠修復形態に盛っていきます。その後、充分なコンデンスをし(ここでのコンデンスは充分に
しましょうね)、で、カットバックします。

10/25
 形態は反対側に合わせて盛っていきましょう。(この段階では収縮考えないでいいでしょう)
さて、切端色を盛るためのカットバックと量です、ここはシェードを採ってスケッチしてあればその量で
いいでしょう。マメロンは患者固有ですので、どういう形態とは言えません。当然ながら・・・・

 で、標準的な、シェードガイド色なら、専門書や教科書を参考にすればいいでしょう。本来、臨床では
基準なんてないです、みんなケースバイケースです。

 唇側面を反対側の1番と揃えると、陶材を盛るスペースが少なくてオペーク色が出そうな場合、安易に
カットバックすると(焼成前はオペークの位置解りません)最悪です、焼成後に「ナンジャコリャー」、と、ね、
天然歯には無い色なのですら・・・

 で、最低でも0,7〜1ミリ位欲しいところですので、唇側面を前面に少し出すか、あるいはボデーで
何とかオペーク色を消すかです(ですので、まず楔状に切り込む意味あるのです)

 で、方法として、カットバックをオペークまで切り込んでオペークの位置を確認し、把握しましょう、
その後、ボデー陶材でマメロンを思っている形状に盛っていきましょう。(ボデーで終ります、その上に
透明や、切端色を乗せるの無理です)

 しつこいようですが、オペーク色の上に必ずボデー陶材が乗るようにしましょう。絶対にオペークが
出ないようにしましょうね。どんなに形態や配列が良くても、オペークが出ると、とても生きている感じの
歯は作れませんよね。(なんせ、MBのオペークは光の透過性0ですから)

 プロビィジョナルのほうが良かったなんて患者さんに言われますよ(言わないか・・思うだけかなー・・・・)
まあ、充分盛る量がある場合は問題ないでしょう。スケッチどうりにすればいいんですから。

 そうそう、白濁等のキャラクターは表層なら、ステインテクニックでいいですが、深層の場合は当然、
オペークから下地として色付けていくか(これ、かなり勇気いります、濃い目に出た場合修正難しいです)
又は、カットバックしてそこにお好みに調合した色をサンドイッチしていけばいいんです。

 この辺は、実際臨床重ねないと、なんとも言えません。そう、患者固有ですから・・・
ただし、患者さんが入れなくていいといたら、決していれないでね。だって使うのは患者さん本人ですから・・
 ですので、必ず、キャラクターを入れる場合はスケッチしてもいいですが、患者さんの要望を聞いてから
にしましょう。特に切端部のブラウンや、ヘアーライン様のブラウンなどはね。

12/1
 マメロン形状の切端部に1層のインサイザルを盛っていきます。次に全体的に透明色をラップする
ように歯頸部付近まで築造していきましょう。

 唇側面や切端の長さは、陶材収縮分をよく頭に入れて、反対側を見つつまたメタルの移行部は幾分
オーバーラップさせておきましょう。
 そして、コンデンスです。形態が崩れないよう、軽打法でいいでしょう。

 で、速やかに模型から、外しましょう。乾燥が進んで、隣接の陶材がアンダーなって乾燥してしまうと、
折角の築造が剥がれてパーになってしまいますから・・・(水分の補給や、アンダーの削除でもいいです、
とにかく崩さないことが1番です)

 で、メタルをカンシで保持して隣接部を盛っていきましょう。ボデーでカットバックしたマメロン形態を
延長させます、そして最後に透明でラップしながらコンタクトを回復(当然収縮を考慮します)して
いきます。これで、コンデンスで終りです。築造作業は10分位で充分でしょう。

 とにかく盛り始めたらスムースに作業しましょう。調合とイメージができていれば、陶材のビルドアップは
単冠なら何も問題ないですよね。まあ、早いほど結果はいいかーなー。ドライ・ウェットは繰り返さない
のが原則ですから。

 そうそう、最後にマージンのメタル部に陶材が回っていないかよく見ましょうね。それと、最後の
ブラッシングが効果的ですよ。
 これで、焼成です。充分乾燥させて、お好みのプログラムで どーぞ。 
  
’06
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 焼成が終ったら、形態修正です。まず、支台歯に戻す前にマージン部削合をマイクロを使って丁寧に
行いましょう。

 とくに、メタル内面に回って焼き付いている(焼成前にもよく取っておきますが)陶材を注意深く探して
削除しましょうね。ここを肉眼でやると、模型に入っても口腔内の支台歯には入りませんよね、まあ
入ったように見えても必ず浮いています。なので手間でも、ここは必ずマイクロ技工で作業しましょうね。

 マイクロ下技工も慣れですよ、上手く作業個所に焦点が合ってポイント類の 操作がスムースなら、
なんの問題もなくサクサクいけます。

 ここでのマイクロ作業ののポイントは、自由自在な可動性のあるZライトのアーム式(自作)がベスト
です。ワンタッチですから。あとは、焦点距離が短いので、肘のレストと作業個所のホールドが1発で
決定できればなんの問題もないでしょう。まあ、「なれ」ですよ。

 で、内面のチェックが終ったら、次は、焼き付け面のオバーラップしているマージン付近の陶材を
カンツアーを考慮しつつ移行的に削除しましょう。
 マイクロ下で本当に丁寧にメタルと陶材の攻めぎ合いです。決してメタルが唇面に出ないように
ぎりぎりまで陶材を削合しましょう。
 過不足なく修正でたら、模型から外した支台歯に、MBが確実に適合しているかを確認して
おきましょう。これでマイクロ技工は終りです。

 ここからは、全体の歯列に調和した形態修正です。模型に支台歯を戻し、コンタクトの調整を
行っていきます。ポイントではなくエリアでね。近遠心が決まって模型にMBが正確に戻ったら、
いよいよ技工士の腕の見せ所の形態修正です。

 そう、反対側の1番にそっくりにすればいいんです。だだし、模型の反対側歯は石膏ですよね、
目で見た感覚では、決して合わせられません、そうです、方やセラミックで、方や石膏ですから
当然ですよね。

 では、どうします?視覚の感で合わせますか?それは物性が違うので正確にはサイズを合わせ
られないですよね。当然ですよね・・・
 ですので、必ず計測しましょう。計測には、コンパスを両方とも針にして使いましょう。

 特に、唇側面の幅は、唇側面の近遠心隅角部までの距離で決まります。そう、隣接歯のコンタクト
に向かう「唇側面隅角部の位置」をコンパスで計測して合わせましょう。(石膏模型の唇側面隅角に
ラインを入れておくと、とても楽にできますよ。)
 そうそう、計測はなるべくマージン部から切端部まで何ヶ所も細かくしてください。

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 唇側面の形状は反対側を模写すればいいんです。それ以外言うことはないです。
但し、基本原則は理解しておきましょう。まず、3面(マージン部面・ボデー部面・インサイザル部面)
にします。あとは、切端部から見た時、歯頸部に向かってボデー部が遠心に捻じれていますよね。
言いかたを変えれば、唇側面の近心隅角隆線が遠心隅角より発達しているということです。

 そう、この捻じれがとて自然感をかもち出します。この捻じれの形態を再現できないと、いかにも
人工の歯という感じになってしまいます。ここが、前歯唇側面の形態修正のポイントです。

 ツルーバイトのバイオブレンド陶歯がとても口腔内に入るとナチュラルに見えて「入れ歯」に見えない
のは、この性状形態がはっきり出ていて大きいからです。
ですので自費の義歯の前歯はバイオブレンド陶歯しか使いません。

 日本の保険の硬レ人工歯はこの辺の再現がいまいち弱いですから自然感がでないのではないかと、
かってに思っているんですがねー。どうでしょう?

 理解できない技工士は1度、BB前歯陶歯を買ってよく観察しましょう。なんと言っても、もう40年以上
まえから世界中でいまだに支持させている形態なのですからねー。驚きですし、納得しています。
まあ、当然のこととして、50年や100年で歯の形態はかわらないですよね。

 で、インサイザルエンブレジャーは必ず、口蓋側から削合しましょう。見るのは唇側面からですよね、
硬レで書いておきましたが・・この辺の形態も舌側からの連続性を充分加味しましょうね。

 歯の形態は、便宜上、面の名称で分けてありますが、実際は、すべての面や隅角は「連続性の上に
成り立っている」んですよね。当たり前ですが。すべての自然の造形美は、この根本原則に沿って
いるんですよ。

 そうそう、切端の長さはグレーズで溶解するので、少し長目で終りましょうね。

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 形態修正が終ったら、グレーズ前の表面処理です、隣接歯の表面性状をよく観察し、ビスケット気味か、
オーバーグレーズ気味か判断しましょう。(加齢によって、オーバーグレーズ気味の傾向があるでしょう
・・・)

 方法は2通りです、「最終形態修正面の仕上がりで」グレーズを加減するか、「焼成」で加減するかです。

 1つは、「最終形態修正面の仕上がり」の場合は、カーボランダムまでか、ペーパーコーンまでか、
シリコンポイントまでか、もっと研磨を進めるかです。ここでの処理で気を付ける事は安易にやると、
細かい表状が消えてしまう可能性あるのです。中高齢者はこの方がいい感じでしょうか。

 2つ目は、ポーセレンファーネスのプログミングで「グレーズ焼成温度」を決めるか、「係留時間」で
決めるか等、お好みで焼成グレージングしてください。とにかく、隣接歯と同じような質感が出れば、
どんなプロセスでもOKでしょう。

 これで、後は、よく超音波洗浄して乾燥しましょう。もう手で触ってはいけませんよ。

 で、いよいよ最終です、セラミストの腕の見せ所、ステインテクニックですよ。シェードガイドで採った
メモと記憶を、総動員してステインテクニックを網羅して隣接歯にピッタリ合うようにしていきましょう。

 自分の歯が再生したようになることを信じてステインパレットに多色ステインを調合し、細めの専用筆で
丁寧にイメージどうりに描いていきましょうね。

 ステインが終ったら、足りないコンタクトにノンカラーの陶材を盛って焼成ピンに置き、軽くコンデンス
(ピンにMBが安定して収まるようにね)します。あとは焼き上がりを待つのみです。うーん・・うまく色
出ているかなー、ここは瀬戸物の窯出しとイメージは同じでしょうか。

 シェードガイドと合わせながら、イメージどうりのでできているかがセラミストとしての1番の楽しみ
ですよね。

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 グレーズの焼成が終ったら、再度シェードガイドと合わせて見ましょう。思うどうりに仕上がって
いますか。「思ったとうりピッタリだー」といけばいいのですが・・・・

 でも、最終目的はここまでではないですよね。医療専門職と言うならね。それが患者さんの口腔内で、
隣接歯とマッチしてくれ患者さんが鏡で見て「歯が戻って嬉しい」と言ってくれれば技工士冥利につきます
よね。

 たとえ人工の歯であっても、本当に患者さんが納得する医療を提供するのは、技工士自身が患者さん
との直接的コミュニケーションがないとね・・

 1枚の指示書に単色A2のみのシェードガイドでは絶対に無理です。技工士や歯科医師はみんな
解っています。でも現実はなかなか・・ね。
 まあ、歯科医師がシェードテイクに価格を付ければ解決する話しですがね。

 この中切歯1本が本当に上手くいったら、もう技工士止めてもいいでしょう。卒業おめでとう!で、
かといって他に転職できないので技工でやっていくわけですが・・・まあ、もう1段ステップアップして、
本当に患者さんの求める元の状態以上の人工歯作りに挑戦しましょうね。

 でも、MBでは所詮メタルを使ってるので、限界があります。究極的には、本当に自分の歯が生え
変わったと「本人も細菌も」錯覚しえる、ノンメタルのオールセラミックでいきたいですよね。

 そのためには、なんと言っても、技工士の腕もありますが、その前に、必須前提条件がありますよね。
そう、オールセラミックの成功のキーポイントは、支台歯形成と、印象採得と、模型制作です。ここに、
精度が担保された材料と「正確な手技」がないと、もう1段上の審美補綴には進めませんよね。

 そう、技工士によるチェーサイドへの提言、あるいは、指導ができないと、達成は難しいです。
現状はかなり厳しいですが前向きにいきましょうね。

 できる環境にある技工士は、ぜひ、オールセラミックに移行していってください。必ず、そういう時代の
補綴になると思いますよ。(なぜかって、そう、30年前にすでに、MBと並んでオールセラミック
「vitadur」があったんです)

 これで、MBは終りにします。お疲れさまでした。

’07
11/10

 追加で画像を張っておきます。

・焼きたてMBのBrです。
 

・私が書いたシェードテイキングメモです。
 

・患者さんに合って要望を聞いて、デジカメ撮影です。
 

 まあ、QDTの写真にはほど遠いですが一介の中年、いや初老か・・技工士の現在の技です。
患者さんに気に入って貰えるといいなーと思いつつ頑張っています。
 自然な感じで、まるで生え変わったと思ってくれて、また、以前よりよくなったと思って
(そんなことはないですよね、自分の歯が1番に決まってます)くれるといいんですが。

 普通に会話していて相手の人が差し歯と気が付かないような歯を作りたいと思って日々
陶材盛っていますがねー・・・
 これが百人百様で・・・
 奥が深く、終わりはないかー。

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