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ここからは画像を中心に行こうと思っています。まず、上顎模型からです。
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上顎粘膜面模型をコンディレーターにすでにマウントしたものです。
シンメトリーになっていますよね。口蓋正中縫線、ハミュラーノッチ、ボーダーラインがね。
でも、歯槽提は左右バラバラでもいいんです。そう、抜歯になった病歴や処置時期は
部位によって違う訳ですから、当然ですよ・・・ね。
でも、こんな完璧な印象は1発印象では、無理でしよう。どんなにいい印象材とか、
コンパウンドによる筋形成とか、名医の技とか
でも、かなり難しいです。これは動的機能咬座印象ですから・・・
そう、治療用義歯から模型を起こし、そのまま治療義歯を外さず、平面板でマウントした
ものです。
このにように模型を、咬合器の上顎フレームに左右同じ位置にマウントするのが理想ですし、
総義歯作りの基本です。1度自分のマウントした模型をよくみてましょう。そう、シンメトリーの
目でね。
ここから、総義歯作りは始まります。まずここをよーく理解して、粘膜面模型を診る目を
養ってください。
そうでないと、歯科医師も歯科技工士も患者さんに具合のいい総入れ歯は提供できません。
メタルプレートや、生体シリコンや、ブレードティースにお金をかけても・・・
砂上の楼閣ですよね。
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こちらが下顎模型です。すでにコンディレーターにマウントしてあります。治療用義歯を外した
直後の模型です。
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そうそう、フェイスボーでのトランスファーにしても、ゴシックアーチトレーサーでの
咬合器調整に
してもあまりにも初歩的で基本です、技は無いですから治療用義歯製作時に行ってください。
無歯顎患者は顎位が定まらなかったり、顎関節が正常で無い場合が多いのでやはり、「人体の
咬合器」そう、「生体顎関節」を正常の状態に修正しながら、患者自身に決定してもらうのが
最良でしょう。(治療義歯の意義と効用に入ってしまいチョット横道にそれました)
で、下顎もシンメトリー(左右対称性)は大丈夫です。咬合器とのバランスもいいでしょう。
このような 模型を手に入れるための「動的機能咬座印象」は治療用義歯からしか製作できません。
患者さん固有の理想的な無歯顎模型を手に入れるには、程度の差はありますが2〜3ヶ月かかり
ます。(患者さん自身がティッシュをデンチャースペー スに移動してくれる訳ですから歯科医師は
誘導してあげればいいです、但し基本的ボーダーモールドは把握してないと、誘導できません)
特に下顎は舌があるし顎提の吸収も激しい場合があるため、吸着の問題が上顎より大きいので
バッカルサポートをもう少し広げるとか、顎舌骨筋線部のこの部位をもう 少し伸ばすとか短くする
とか、舌下腺部はどこまで伸ばすかとか、レトロモラーパット をもう少しカバーして行きましょうとか、
前庭溝の位置は等、必ず患者さんの反応を聞きとりながら納得の上で「患者さん参加」のティシュ
コンディショナー処置により調整し て行くわけです。補強には即重レジンで裏打ちしていきます、
ではなく表打ちですよね。(勿論、必要なら技工士も立会いますし、 義歯の加工もいろいろします)
痛みを避けるためのリリーフと、吸着と、安定(これは咬合問題ですので 後で話します)を
試行錯誤しながら、患者さんの要求を満たしながら最もいい状態にもってい くわけです。
ですので、最初に作る治療用総義歯は、基本的で、教科書的な「総義歯用の印象」と「咬合採得」と
「総義歯製作」がとても大切なのは言うまでもありません。
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8/28 |
久々の更新なのでいっきに完成義歯の画像です。プロセスは追って技工の合間の時間を探して
更新して書き込んでいきます。
デジカメでたくさん撮ってありますが撮影がうまくないのでその辺は大目に見てください、お願い
します。
で、前歯はバイオブレンド陶歯、(形態は22E・色は104)臼歯はコンヂュロホーム陶歯(形態は
34・色はM2)です。
配列はリンガライズドオクルージョンです。重合はイボカップシステムです。
なんか、みんな使用材料外国製ですよね・・・
審美の前歯は米国製、咬合理論の臼歯はスイス製、粘膜面適合精度のレジン床はリヒュテンシュ
タイン製・・どうして?、日本製が無い・・・
でも、製作者は日本人の中年歯科技工士です。
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9/11 |
石膏模型に戻ります。治療義歯を外した直後の画像です。こうなるとバーチィカルディメンションは
解らなくなるので必ず、治療義歯を模型から外す前にインサイザルピンの数字を模型に記録して
おきましょうね。(そのために1ミリ間隔でメモリー刻んである訳ですから・・・)
価格の安い咬合器では刻んでない場合あるので、この治療義歯から模型を起こしバーチィカルも
決定する場合は避けましょう。
で、口蓋側、いや、咽頭側からのチェックもとても大切です、ここを注意して意識を持って観察する
目を養うといい入れ歯作りが見えてきます。
みなさんやってますか、咽頭側からの覗き。そしてシンメトリーの確認。
具合のいい入れ歯作りの基本です。
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9/25 |
チョットここで、明日セットのシングルフルデンチャーの出来立て画像を貼ります。
シングルデンチャーの配列は対合歯の条件でケースバイケースですが基本はあります。教科書
には載ってませんが、臨床ではよくあるシングルデンチャーなので、患者さんの声を聞いて配列力
を付けていってください。
原則は、対咬歯とのセントリックポイント(最低でも両側8点は欲しいとこです)を探しつつ、
なおかつ配列歯列を乱さないこと。
また、下顎運動時、早期接触で咬頭干渉しないよう咬合調整を丁寧に必ずやることですよ。
できればバイラテラルバランスドオクルージョンでいきたいとこですが・・
シングルは難しい・・
で、このケースは咬合面メタルです。前歯は松風のエンヂュラアンテリオ(硬質レジン歯)、臼歯は
GCのリブデントFB20(レジン歯)、咬合面メタルは石福のPGAー55(白金加金)、
アクリリックレジン床はイボカップ重合システム。
撮影ヘタで申し訳ないです・・
技工士選挙も終わって、遠くなった政界ですが、安部総理が突然辞任で、福田総理にバトン
タッチ、内閣改造と政界は目まぐるしいですが、技工最前線の現場は今日の画像のように、
日々の積み重ねで、結果を出して世間の評価を得るのも、もう1つの選択肢でとても大切です。
会長の発信していた正論のすべての源流はここでしょう。
画像をクリックすると拡大します。
ここで1番見てもらいたいのは、粘膜面からの画像で、舌側の額舌骨筋腺部のボーダー が
S字状になっているとこです。解剖学的にテッシュで追ってくと必然的に なるんですよね。
まあ、ここは吸着の肝と同時に当たりでもあるのですがね・・加減が患者固有なんで
よく患者さんの反応を観察しましょう。
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10/1 |
さてさて、治療義歯から起こした上下石膏模型に戻ります。人工歯配列のための
ワックスベースを作ります。
まず模型に分離材を塗布しますが、分離効果弱そうな場合は模型を水中に暫く浸して後、
分離材を塗布するとより確実です。
で、パラフィンワックスはあまり高温にならないようにしましょう。収縮して変形しやすい素材
なので雑に扱ったり考えなく扱うとローリングやピッチングをおこしてしまいます。なんせ
ワックスの量多いですからね。(パラフィンワックスに「収縮変形するなよ」と、言い含めつつ、
押さえこみつつ、コントロールしましょう)
上顎は圧接ですが下顎は圧接が難しいのでワックス流します。(まあ、多少浮いたとしても、
最終的には模型に焼く付けてから最終咬合調整するんで対策はあるのですがね・・・)
でも、精度の高いワックスベースを目指しましょう。ロー提は、咬合平面板を基準に
人工歯の配列スペースを引いて作ります。(必要以上にワックス盛るのは百害あって
一利なしです。)
で、ワックス温度が室温になってから模型から外れるのを確認して、ボーダーを綺麗に
仕上げてください。(1度外したら、均等な圧下でロー提状態で1晩置くのも手かなー)
そしていよいよ配列ですよ。
そうそう、アンダーカットがある場合はユーティリティーワックスでリリーフしておいてください、
そうすることでスムースにワックスベースを模型から外ずことができます。
でその後ユーティリティーワックスを除去してください。
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