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 印象のチェックから。単純インレーは、マージンが鮮明に出ていることを確認できれ
ばOKです。問題は、複雑インレーの隣接歯に存在するアンダーカットです。ここの印
象が切れていないか、インレーの歯頚部マージンが鮮明に採れているか確認しましょう。
特に、寒天がアンダーに入って「切れて」いたら、即、再印象してもらいましょう。
模型になってからではどうにもならないし、もし、寒天が切れていたら、まず適合し
ません。変形度合いは、調整で解決できるレベルではないです。(無理にセットする
かも・・でも患者の身になると・・)
模型では切れた部分が、チョットした石膏のバリみたいで削除してしまえば何の問題
もないように見れますし、技工作業上はインレーは製作できますが、決して口腔内で
は入りませんよね。
で、印象チェックOKだったら石膏注ぎです、これはコアーの時と基本的には同じです
のでそちらを読んでね。
石膏は歯冠部の長さの2倍位のところまで流せばいいでしょう、たくさん盛っても百
害あって一利なしですよね(石膏の重さで変形の可能性あります)、ラボでは可撤式
模型製作のダウエルピン立てるために、かなりトリーマーでカットしますからね。
(印象内面にマーカーで石膏注ぎラインを描いておけばいいですよ)
そうそう、石膏注ぎで注意事項がもう1つ、バイブレーター上で石膏泥を注ぎなが
ら、もし気泡が沸き上がってくる場合、印象材がその気泡の発生する個所で貫通して
いる可能性大です。その場合、バイブレーターを止めてスパチュラ(この時、スパ
チュラが印象内面に当たらないように細心の注意ですよ)で押し込むように石膏泥を
扱いましょう。いくらバイブかけても意味ありません、最悪の事態では、マージン部
に巨大な気泡の空洞ができて、マージンがなくなってしまいますよ(特に「インレー
の印象」は歯冠部がトレーの金属部に当たって穴が開くのです)もうこうなった模型
は再印象しかないのですよね、皆さん石膏注ぎを甘くみてはいけませんよ、なんども
繰り返しますが、技工作業本模型は歯科技工士の「命」なんですからね・・・・
硬化したら、印象から模型を丁寧にはずしましょう。(マージン部へは、まだ、手や
器具で触ってもいけません、)模型の取り扱いは最大限注意深くしましょう、表面硬
化処理前なのでね。
そして、模型の精査です、さっき言った隣接歯のコンタクトの下のアンダーになって
いる、ジンジバルエンブラジャー部のバリですよ。石膏バリ状態があったら「切れて
いる」と思って間違いないです、トラブル起きるので、指示書にその旨書いたメモを
添付しておきましょう。(もちろん、クラウンブリッジでも同じですよね)

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 今回は単純インレーのケースで書き込んでいきます。まず模型の精査です、マージン
部が唾液等で流れて不明確になっている個所はないか、
気泡ができていないかチェックしましょう。また形成にアンダーがないか、軟化象牙
質削除で、異常に複雑な形成個所(ワックスアップができないほど)はないか等みま
しょう。
問題個所(あまりに問題が大きい場合は再印象してもらいましょう、特に単インレー
は調整でセットできるということはないのですからね)で何とか対応できる場合はし
ましょう、たとえばアンダーカットの場合は、ブロックパウダーを水で練ってリリー
フします。本当に小さい気泡だったら気泡もね。
で、マージン部のマーキングです、必ず色鉛筆を使いましょう(色は何でもいいで
す、赤がいいでしょう)普通の黒芯は絶対やめてね、マージンにダメージ与えます。
赤鉛筆でマージン部に幅があるとイメージしてその内側にマーキングするよう少し鉛
筆を立て気味にしましょうね(外側に描いてしまうと、模型上では金属が足りないよ
うに見えてしまいます。ここポイント。
==ここで問題でーす、なぜ、色えんぴつの木の部分は丸い棒状になっているので
しょう。普通の黒芯は6角形なのにね。
さて、ここまできたらもうこちらのもんです、瞬間接着剤で表面硬化処理してしまえばね。
あとはワックスで歯冠の1部を修復し、金属に置き換えればいいのですよね。分離剤
を塗って、エアーで余分を取り、多少過熱気味のワックスを渦洞に流しこんでいけば
いいんです。、だだし、ワックスは加熱すると膨張し、室温に戻ると収縮するという
避けて通れない宿命を持っています、そう
ようはこのワックスコントロールがうまい技工士は、歯科技工世界では、できる技工
士と、できない技工士の差として現れます。
で、流しこんでチョット表面が曇ってきたら、即、指で押さえ込みます、そう、室温
になるまで続けること、ここポイント。これでワックス収縮を押さえ込みに成功でーす。
あとは、残存歯質に移行的にカービングしていけばOKです。、そうそう、なるたけ
エバンスは切れないのを使ってね、なんといっても相手は石膏でできたマージンとい
う繊細な個所なんでね、何でも切れる器具がいいというわけではありません、適材適
所です。

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 確実にワックスが室温になったら、指をはずします。そして確認(これはカービン後
に抜けないと話にならないので必ずやる)のため、加熱した金属スプール線を立てて
抜いてみる。
この作業でやや抜けにくいとか、抜けないくてスプールが外れるとか、の場合はとに
かくどうにか抜いてみて、アンダーカット部を探す(ワックス面が少し削れて白く
なっているのでわかりますので、スプールを持って削除する)((やっぱりこの時は
金属スプールはほんとにいいね)
もちろん、模型調整の段階でアンダーがあったらリリーフしてあるので、たいがいは
抜けますね。「抜ける」を確認したら、今度はその内面を観察してマージン部や渦洞
内面の石膏にピッチングがないかよく確認する。もし模型が壊れれいたら、丁寧にそ
のピッチングした石膏を瞬間接着材で、マイクロを使って元に戻す。(このとき、直
接流さず、短針の先に接着材を少しつけ作業しましょう)
2〜3回抜き差しして、完全に抜けて変形してないことを確認しましょう。
そして、スプール線を加熱して外す。そしてそのはずした部分にワックスを流し、再
度指で圧接する。これで安心してカービングできます。
あとは、マージンに細心の注意はらいながら、歯冠修復をしていけばOK。
くれぐれも、石膏マージンをワックスといっしょにカービングしないでね、残存歯質
と移行するように、グルーブをなぞって形成してください。
対合歯模型でよく交合もみてね。
インレーのワックスアップでの最大の注意点は「マージンを痛めないこと」、そのた
めには、必ず、硬化処理をすること、なるべく柔らかいワックスで切れないエバンス
を使うこと、これは、クラウンとかとまったく違う注意点ですよ。
あとは、複雑インレーの場合、コンタクトにワックスを追加するでしょう、どうして
も、加熱したワックスを使うには、必ず、ワックスパターンのワックスより融点の低
いワックスを使用しましょう、これ鉄則。
技工士はワックスの手品師でなくてはならないと思っています、ので、私は「ワック
スパレット」(これ私の造語)で高融点から、際低融点まで何種類かのワックスを並
べて、そう、絵を描くときに多色のパレットのようにいろんな、ワックスを駆逐しな
がらそのシーンに最適のワックスを選択しながら最速、最高のインレーのワックス
アップを完了し、埋没します。
そう、そう、最近は電気インスツルメント使うので、「ワックスタワー」これも私の
造語かなー?
チョット、テクニック進化しているかな。

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 単純インレーに限っては圧接法でOKですし、そのほうが理にかなっていますよね。
しかし、複雑インレーは決して圧接法ではいけません。なぜか、それはねぇーー、
(なんか、漫才のようになってきました) 外圧が、渦洞の開放部(ようは隣接部)
にかかり変形をおこします。ですから、クラウンでも復インレーでも圧をかけるのは
止めましょう。圧接法のワックスアップは単インレーかコアーのポスト部分のみ(圧
が変形要因にならない場合のみですよ)だけです。
ワックスアップは「外圧」は絶対厳禁ですよ、なんといっても柔らかい材料ですか
ら、まあ、だから加工しやすいのですよ。ここが木彫とか、彫金とかと決定的に違う
ところです。扱いが高度なんですよ。
複雑インレーは、クラウンと同じでワックスが硬化し(室温になってから)、「収縮
が終わった」のを確認したら、いよいよカービングです。
最初にある程度大まかにワックスアップやカービングをしておき(ここで最終カービ
ングまではしません)マージン部を再度加熱し、マージン部に起きている、ワックス
の収縮を補完します。そして、マージン部はカービングしてマージン封鎖を完璧にし
ましょう。
これで復インレーのワックスアップは終わりです。「抜けるか」の確認のために金属
スプールを立てて、抜いてみます、「スムーズに抜けること」、「正確に変形なく抜
けること」、を丁寧に確認しましょう、ここ本当に大切な工程ですよね。
確認用のスプールを加熱し抜いて、いよいよ、カービングです。
すでに、ある程度カービングしてあるので、あとは、変形しないよう最短時間で完成
まで持っていきましょう、なんといっても、もう、1回確認のため着脱していますか
ら、時間や手間をかけると変形します、超、急いでスプーリングまでいきましょう。
(インレーのワックスアップが終了して1晩おくなんてとんでもないことですよ、ど
うしてもの場合は埋没までやって置きましょう、その方が100倍患者に優しいですよ)
そうそう、マージン部のカービングはなるべく、意識的にバニッシュする感じで(あ
くまでも、感じですよ、気合をいれ過ぎて模型のマージンを破損したら、もう技工士
失格です)すると、辺縁封鎖がより完成度上がります。
とにかく、復インレーはプレパレーションが複雑なので1度着脱しないといけませ
ん、でも反面、1度抜いてあるので変形しやすいので作業は手早くしましょう。ここ
ポイント。
私見、インレー製作では、患者のその歯は、単インレーと復インレーで大きな「保存
時間の差」が有ると思うのです、単インレーは患者自身でもある程度管理できます
が、隣接欠損の修復である複雑インレーは、なかなか管理が難しいと思うのです、歯
間部の隣接ジンジバルマージンが存在するため、最低でも毎回、歯間ブラシ、や、フ
ロスの使用が絶対必要です。
そういう、プラッシング管理ができにくいのでかなり精度のよいインレーを製作しな
くてはならないと思います。ですから、単純インレーが1,000円の技工料とした
ら、複雑インレーはその10倍の10,000円の技工料としての精度を上げて(マ
イクロ技工)いくのが常識だと私的には思うんですがねー。まあ、私はもちろんPG
A21のインレーしか口腔内には入っていませんからね。
もう30年以上そのまま入っていますから。うんー実証。

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 埋没テクニック。単インレーと複インレーでは、またMODでは当然のことですが、金属収縮の補償は微妙に違ってきます。まず、単インレーは、絶対にパターンより大きくならないこと、これ鉄則。臨床的には、単インレーでは補償は小さくて必ずスムースにセットできることが絶対条件です、金属補償が大きくなって、仮に模型上で、きつくても何とか無理に入れた場合は模型削れている可能性ありますよね、これ最大の技工ミスです(これやる人は技工士やめた方が患者のためです)無理に適合させず再製しましょう。口腔内では微妙に入らず(調整不可能)不適合になる可能性大です。スムースにセットしたい場合、埋没材を変えるのは大変なので、リングライナーで調節しましょう、ライナー薄いの使うとかライナーなしでいくか、指示書やDrの考え方に対応してください。単純インレーは余剰セメントの排出が困難ですので、セメントスペーサーとしての膨張のセーブは臨床的には必要なのですよ。
複インレーもケースによってはライナーいらない場合も多いですよ。(特に、金属収縮小さいPGA等の金合金)
でもアンレー、Crの場合は膨張多きいほうが臨床的なので必ずライナーしましょうね。問題はMODや4/5Crです。MOとかODとかなら、膨張はある程度押さえたいし、MODなら全体の適合からいうと、Crと同じにしたいところですから・・・微妙に頬、舌側のマージンの適合があ・・ま・・い・・
まあ。経験のある臨床技工士に聞きましょう。
そうそう。スプール線の樹立位置ですが、決して、咬合面に垂直には立てない、45度位の角度をとる(とにかく、埋没で気泡を咬合面入れないためのは角度がほしいのですよ。まあホーマーに対しての樹立方向との兼ね合いもありますがね、それと、埋没操作時のリングの角度にもよるね。)
角度をつけると問題なのは、変形なく模型からインレーパターンを引き抜きにくいのです、まあ、そのために前もって引き抜き確認してあるので心配は要りませんがね。
とにもかくにも、できる技工士はここに最大の注意を払うのです。
パターンが抵抗なく、変形なく、模型からスムースに抜ければ、もうこっちのもんでしょ。
あとは、ワックスより硬いものが当たらない注意さえ守って、埋没泥に埋めこめばいいんです。
もう1つ、実は、金属補償はその金属合金によって、収縮率違うのでその辺のデーターも
加味した上で、埋没材の硬化膨張、加熱膨張、リングライナーの種類、過熱プログラム等を経験則で本当は理解して欲しいですね。(混水比はあまり影響されない感じだね、よく計量している成書読むけど、毎日の作業で30年もやってると「感」で十分でしょう、そういう匙加減を、本当は若い技工士に伝承していたいものです。)
ここで1言。技工技術は、根拠に基づいた体験の積み重ねがどうしても必要です、旧来の徒弟制度がいいわけではありませんが、将来的には、4年生大学化の教育制度の中に取り入れて欲しいと思っているのは私1人ではないと思うんですがね。
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 キャスティングは、コアー編を読んでください。さてインレーの研磨ですが、理想的
には、研磨はしないのが理想?です。
なんか変だと思っている技工士はたくさんいるかもね、でもよく考えてください、
ワックスアップはマージンいっぱいに形成しましたよね。ということは、もう、研磨
の余地が無いことなんですよねー。
研磨作業の理屈は皆さんよく理解しているとおもうのです、ようは、荒い面から、滑
らかな面に持っていくプロセスを言うのですよね。その状態は研磨器具、及び研磨剤
を使って、金属面を減らしていかないと作業できないことなんです。そう、マージン
が足らなくなる危険性が大きいのです。
だから理想的には、研磨はなるべく簡単に時間をかけないで、サーとしましょう。
では、その技工作業です。まず、カッテングジスクでスプールのカットです、私は径
の大きいホイール類やジスク類はシェイクハンドですよ、このほうが安定して作業が
できます(難点は径の小さいバーやポイントには向いていないので、これらはペンハ
ンドですがね)
パターンぎりぎりまでカットしましょう、くれぐれもジスクが大きいのでマージンに
細心の注意を払ってしましょう。2〜3方向から入れるといいでしょう。次ぎはヒー
トレスストーンでこれも、なるたけギリギリまで削除しましょう。(ホイールが大き
い時はシェイクハンドで、小さくななったらペンハンドと使いわけましょう。この辺
が臨床の経験者の職人感なんですよね。) 
次ぎはカーボランダムでスプール線の樹立前の状態に持って行きましょう、そう、1
3番そして31番がいいでしょう、当然ハードですよ。なぜ、カッテングジスクや
ヒートレスストーンやハードカーボランダム等コバルトの加工材料を使うかという
と、そう効率を上げるためです、でも問題ありますよね、さっきも言ったように研磨
の原則は「荒い面から〜滑らかな面」と言う話なので、最初から荒い研磨道具類の使
用は、相反するのです、きめの細かいポイント類で丁寧に時間をかけるか、荒い器具
で効率を上げるか、迷うのです、30年以上やっててもね。でも保険の場合は技工料
に制約あるのでその範囲内でビジネスとして、最小投資(時間)で最大効果(研磨面
グッド)を求めないと、自己犠牲の長時間労働では、未来技工はありえませんよね。
自由市場経済の大原則は「投資対効果」なのですから、この辺理解してないラボ経営
者には、この業界から退場してもらいたいですよね、被害にあうのは、まっとな若い
技工士なんですから・・・
すいません、また横道になってしまいました・・
で、スプールの最後の処理はフィシャーバーの699でグルーブを再現して終わりです。
次回はいよいよ、模型に合わせる作業です。
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 窩洞に合わせるメタル面のチェックです。マイクロで観察しましょう、気泡はないか、
バリはないか、埋没材の破折でその部分がメタルになっていないか(こういうの結構
ありますよね、特に前歯Crなんかの内面の隅角部にはね)、面荒れはないか、等みます。
もし気泡など過剰の部分があったらカーボランダムの31番やフィシャバーの699、
ラウンドバー各種の径の小さめので、丁寧に過剰気味に削除してね、必ず過剰気味ですよ、
遠慮は禁物です、削除が少なくても入ってしまうことありますが、模型に入っても、
歯牙の窩洞には入りませんよ。
これで、もう必ず入ります、と、言いたいところですが、そうは問屋が卸さないですよ、
最大の問題はプレパレーションの窩洞壁面の全体のパラレルが適切か(技工的に
は、テーパー6°位が作業しやすいですがね)、が1番の問題です。
勿論、すり鉢状態なら何の問題もなく入りますが、、はづれやすい・・・・
かといってアマルガムの形成のようにアンダーになっていたらワックスは、何とか抜
けてもメタルなってから入らない・・・・(こんなケースはワックス抜くとき抵抗大きいので
わかります、ワックスで調整してしまってもいいでしょう、しかし、抜いてワックスをいじるのは
禁じ手なので、おおいに問題はありますがね。これやると、微妙にインレーが窩洞内で、
ピッチングする可能性大です)
で、丁寧に挿入しましょう、もし入りが悪い場合、パラレルの問題だったら
怪しい面を削除しましょう。
それでもだめ場合最終手段としてフィットチェカーを使い当たる個所を探す。
でも、けっして無理には押しまない。(早めに再製を判断する、模型にダメージを与
えない) これ鉄則。
づーづーづー、(こんな音しません、感覚音ですよ)と、入っていくのがベストです。
そう完全に無理なく入っていけばもうこっちのもんですね。やった!!と胸を下ろすの
ですよね、技工士は。 
次ぎは、コンタクトの調整です、コンタクトに関しては、また、Crの書き込みの時に詳しく言い
ますので今回は、まあ、「コンタクトポイント」ではなく、「コンタクトエリア」でしょう、
だけ理解しておいてください。
で、対合歯模型で咬合関係をチェックして、(これも必ずしましょう、インレーだからって、対合歯模型もなし、バイトワックスもなし、での技工作業は技工は気楽ですが、後の調整を患者の立場で考えると・・・・)
まあ、インレーの場合機能咬頭にかかっていなければ対合関係では、側方運動時に
咬頭干渉さえしなければいいでしょう。
いよいよ、最終研磨です。
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 隣接面研磨は、コンタクトを調整しながら、研磨を進めてください。、頬、舌側も軽く、
シリコンポイント、あるいはペーパーコーンで研磨してください。あくまでも軽くですよ、
しかもマージンにポイント類が当たらないようにね。(ここが1番肝心です)
次ぎは、咬合面です。咬合調整した個所を、径の小さいシリコンポイントで研磨し、
ペーパーコーンの先で、インレーの中心からマージンに向かって軽くかけてくださ
い。これで、研磨の99%は終わりです。そうほとんど終わっています、ということ
は、自動研磨機は絶対使用禁止です。研磨のほとんどは終わっているので、意味がな
い・・・むしろ、ナイフエッジになっているマージンを、丸める危険性をはらんでい
るので、インレーの研磨で自動研磨機を使うのは、技工士としては失格でしょうね。
(まあ、マージンにダメージ与えないシステムならいいのですがね)
基本は、技工士の手による、マージンを保護しながらしか、インレー研磨はできないのです。
よく、ピカピカで、テカテカのインレーでマージンが丸くなり、足りなくなっている
のみますが、患者にとっては最悪で、二次カリエスの原因を技工士が作り出している
可能性ありますよね・・・・・
で、最終研磨の艶だしです。これも基本は軽くサーとです、時間かけて一生懸命やる
意味がない・・・むしろインレー研磨の本質に逆行します。ロビンソンブラシのソフトの11です。
(クラウン研磨に使ったあとの、だいぶ短くなったのがベストです)に研磨剤
(私はダイエーのマルチブルーです)を付けながら、インレーのセントラルフォッサ
からマージンに向かいグルーブに沿って回転させましょう。この逆は絶対禁物です。
間違っても、径の大きいブラシは使ってはいけませんよ。たとえば、やっている技工士は
いないとおもいますが、レーズで1行ブラシの短くなったを使うなんてインレー研磨の常識を
覆す、「インレー技工ワールド」の反逆者ですよね。即刻退場願いましょう。
そうそう、この艶だし研磨は研磨用プライヤー(インレー用、クラウン用があります)
で保持してますが、クラウン用を使っています。これないと熱くて能率落ちますよ
ね。このインレー保持に窩洞壁が重要になります、プライヤー使用してる人
は、富士山のような形成のインレーには、研磨保持に苦労してますよ。なんといても
飛ばす危険大でしょ。もう、研磨ボックス使用してない場合は、大事な労働時間がインレー
もぶっ飛びますが、探す時間と再製する時間も、ダブルでぶっ飛びます・・・むう・・・・
形成なんとかしてよね、と いたくなりますよね。
そうそう、この艶出し研磨はグローブを使っています。またCrの書き込みの時詳しく
いいますよ。これつかわないと手真っ黒になってしまいますから・・・
なんか、研磨剤、体に悪そうだしね。

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 インレーの研磨が終わったら、超音波洗浄して(マジックリンでもいいでしょう、安いしね)
研磨材を落としましょうね。乾燥し、模型に戻して最終チェックをしましょう。指先
でマージン移行部を触診でみて、スムースな感覚なら、ピッタリか、短くなってるか、で
すよね、むう、天と地の差だーー
まあ、研磨時の、メタルの跳ね返り部分は感知できますよね。本当の適合はマイクロでしょう
が、数があるとね・・・・よく観察するのはやはり、マージンの研磨のしすぎで足りなくなって
段差になっていたら、再製も検討しましょうね。口腔内では見えない適合も模型では
かなりの精度でチェックできますから。(ルーペも、マイクロも今のラボなら常設しているしね)
よくみて終わりにしましょう。ようは、最初に言ったように、中研磨で99%終わっ
ていますから、インレーの艶出し研磨に時間をかけない、サ、サアーとです。これがインレー研磨
の極意「シンプル、イズ、ベスト」です。
折角、主隆線、副隆線、辺縁隆線、カスプ・フォッサと、グルーブを理解して
カービングをしたのだからね。
インレーはカリエスの早期発見の、最初の処置で、このインレーの金属の選択と、プレパレーション
と、インレー製作の良否で、その1本の歯の30年先を決定づけるかもしれない、歯科医療の最も
大事な処置だと私は個人的には思っているんですがね・・・・・
安易なCR充填や、アマルガム充填は、技工士に言わせたら、問題山済みのように感じています。
(咬合面形態の正確なカービングの習得なしに、CRはできないのではないでしょうか?)
現実、保険技工の技術価格の低さに、技工士は閉口しているんですよね、もっとまともな評価
をしないと、いつまでたっても、歯科医療の社会評価が、あがらないじゃないかと1歯科医療専門職
として危惧しています。せめて技工評価を2倍にしないと・・・と思っています。
これで、インレーは終わりです、次回からいよいよ、技工の真髄、クラウンの製作です。