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11月


 はじめに。

 このページにお入りいただきありがとうございます。
HPの性格上、最初に言い訳をしておかないといけない思ったからです。

 一般の人には理解できない言葉があります。要するに歯科専門用語です。
たとえば、前歯4本が、歯周病で抜くことになり、抜いたあとが治癒するまで
仮の入れ歯を入れる。こんなケースの時、抜いた後すぐに前歯を回復させる
為の処置です.
 「2〜2(ニからニと言う)がエキストになるので、模型上で2〜2を歯冠部で
削除してください。0,9ミリのレスト無しコバルトワイヤークラスプでお願いします
できたら、遠心からにしてください。
 鉤先にアンダーカットがなかったり、クラスプの立ち上がり部にクリアランス
がなかったら、近心からでもいいです。人工歯はレジン歯です。
シェードテーキングはビタのA2でした、モールドは模型を参考にしてください。
 1床4歯のレジン床のパーシャルデンチャーを製作してください。重合は加熱
でも常温でも O K です。」

 と、まあ、こういう具合になるのです。もちろん、歯科関係者は完璧に理解
しているはずです。ほとんど一般の人には理解でないと思いますが、宜しく
お願いします

11月
 ーーー作業模型の石膏ーーー

{このコーナーは、あくまでも私見であり、間違いや、問題発言や提言もある
かもしれません。大目に見てやってください。ほとんど技工士しか読まないで
しょうから、改めて宜しくお願い申しあげます。}

 補綴物製作のため日常的に扱っている石膏を、多くの歯科従事者は、その
組成を充分理解して取り扱っていると思っているが・・・・本当だろうか。・・・
技工士にとって、特に作業模型に使う石膏模型は、技工の命である。

 この扱いによって、うまい技工士と下手な技工士がはっきり分かれる。
できる技工士はここをよく把握している。

 石膏は膨張する物質である。また、破切もするし、擦れば削れもする。0.08
〜0.5パーセント位硬化膨張し、変形する。よって「印象内面に、石膏を練って
流す」ここの作業を完全に理解していないと話にならない。
(硬石膏の0,2や超硬石膏の0.08は知っているけど0.5なんて知らないという
人は技工士考え直したほうがいい!!)チョット言い過ぎゴメンナサイ・・・

 院内の経験、あるいは、石膏注ぎの体験が原則である。このあたりを軽く
みると、いつまでたっても優秀な技工士になれないのだ。

 おっと!、その前に印象のチェックの話を先にするのだった。・・・
次回、印象の読み方を、書き込みたい。

 (詳細テニックは会員登録を!!!)
(BBSでのQ/Aは、技工士会浜松支部会員に限らせてもらいます。
{賛助会員制度あり})

1/ 9
 それでは今回から、週間技工の技ありを書き込みます。宜しくお願いします

 まず、メタルコアー製作のためのポストの印象のチェックから。
ほとんどが連合印象と思いますので、寒天と、アルジネートがポスト周辺で、
接着しているか,確認します、良くわからない場合は、水分を除去して
マイクロで見る、あるいは、軽く、ポストの先端を動かしみて、剥がれた個所
を見つける。

 もし接着いてない部位が歯質個所だったら、再印象です。
ポスト本体の補強にモールが使用していたら、モールと寒天とが気泡無く
密着しているか良く見る、また補強が何も無く寒天だけだったら、石膏の重さ
で変形する確立高いので口腔内での適合が悪くなる。
預かった、メタルコアー製作のための模型では、判断できないので、再製や、
適合悪いケースが多い場合その模型問題より印象にあるので、チャアー
サイドの印象の仕方の確認(補強しているか)を取ることが賢明です。

 モールはポストから出ている歯冠部は小さく曲げて保持する。
大きく曲げるとその先端がトレイに当たってポストの印象が変形する可能性大
この辺も、技工士も理解しておいたほうがいいです。

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 印象の内面の確認が終ったら今度は石膏注ぎですが、その前に印象の
消毒をしなくては・・
 消毒・・・滅菌・・・・不活性化・・・
そう、歯科技工士は、国家資格の医療専門職なのに学校のカリキュラムに
無い・・・・
 教育改革の遅れはこんなチーム医療の基本的なことがクリアーして
いないのだ。
 まあ、嘆いていても感染するのは、技工士が自身だし、勉強してない無知
のなせることなので、自己防衛的には歯科医師や、歯科衛生士に聞いて
病理学、細菌学等を自己研鑽するしかないのです。

 まず、洗浄、消毒、滅菌等の意味の違いを把握しておくことが、感染性の
病原体で汚染されている模型とか、印象、バイト等、預かったとき必須です。
肝炎感染の対策ができていれば多くの感染を防御できると思っているので、
次亜塩素酸ナトリウム(商品名:ピューラックス)1パーセント溶液に10分間
浸透させる(もちろんハンドルまで)時間厳守。
 10〜15分が口腔内から出して石膏注ぎまでの時間は許容範囲内でしょう。
これ以上の時間はアルジネート印象材は変形するかなー、口腔内から外した
時から変形が始まると言われているから、1分でも早く模型にしたもの勝ち
みたいなものでしょう。
 消毒液10分、流水下5分でまあ、これで水切りしてOKでしょう。
次回はいよいい石膏注ぎです。

 そう、この消毒液の弱点は金属の腐食(金属トレー)ということ、だから時間
と濃度は厳守してくださいね。

 確認、印象〜模型作製するという歯科補綴学的に最重要な作業を 国家
資格の無い人にさせることはないとおもいますが、素人さんがもこのページを
読むこともあるので。
 次亜塩素酸ナトリウムは、酸と混ざると猛毒の塩素ガスになり命取りになる。
技工士は技工室、技工所で日常的に塩酸、フッ酸を扱っているのでよく理解し
ていると思うので問題はない。

 次回はいよいい石膏注ぎです

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 石膏練和の基本から。

 水と粉を「練る」ことは、ようは、気泡をたくさん巻き込むこと(まあ、ケーキの
生クリームのホイッピングを考えればわかりますね)
その気泡を入れずに練ることは、「無理」という理屈は理解できますね、
それで矯正的にバキュームを引いて気泡を取り除かないと正確な石膏模型は
できないことなのです。相反すること(混ぜること、と気泡を取ること)をやらな
くてはならないとても難易度の高い作業です。
 しかし、臨床的にはバキュームを引かない場合も多々あると思いますので、
その「技あり」です。
 まず、石膏のフローをよく考えてください、超硬、硬、普通によって混水比
(メーカーの指示に従ってください)はかなり違うのです。
 当然、物性(硬度や、膨張)にも影響します。硬化時間も違うし、とても大き
な違いがあり、よく各種類の物性を理解して作業を始めてください。
 攪拌もよく攪拌して均等になるように、そう印象材を練るくらいの努力は
してほしいです。
 よく練ったら、石膏泥の入ったラバーボウルをバイブレーターにかけて大き
い気泡を表面に浮かせます。そして、潰します、表面の気泡が混ざった石膏を、
まず対合歯の印象から注ぎます。そして下部の気泡の少ない石膏泥を作業
模型のための印象に注ぎます。
 この順序を正確に行えばかなりの確立で、気泡を回避できた技工作業用
本模型を製作できます。くれぐれも順序を間違えないで欲しいですね。

 次回、石膏泥を印象内面に「なだれのように流す」の説明をします。
なかなか、前に進まなのですが、大切な作業なので、以後も、何回も書き込
んで行きますので宜しくお願いします。なんといっても石膏模型は「技工士の
命」なのですから!

2/18
 石膏注ぎのチョットその前に!なんか「ブロードキャスターのお父さんの
ためのワイドショー講座」みたいになってきましたが・・・
 石膏を扱うに当たってその粉塵の対策をしてから作業に入って欲しいもの
です。まず理想的には攪拌場所に換気用のフードを付ける、又は、バキュー
ムを引く等がベストですが、現実にはそこまでの環境整備はできていないと
思いますので。消毒と一緒で水際作戦でいきましょう、マスク(口際作戦)の
着用は厳守です、石膏粉末吸っても百害あって一利なしです、大量に、
あるいは長い期間吸ったりすると塵肺という取り返しのつかない疾病になる
可能性大です。かならず、診療用のではなく、国家検定に合格した防塵マスク
(商品名:3M8905)をしましょう。(クリストバライトの扱いはもっと厳しくして
欲しいです、訳はまた書き込みます)

 できたら、ゴーグルや、グローブもお薦めです。技工作業のリスクファクター
はたくさんあり、そのつど書き込んでいきますが、基本はリスクはできるだけ
最小限にして、回避できることはすべて「際」で対応する、ということです。
技工リスクマネージメントの勉強(学校ではしてないかなー)をお互いして
いきましょう。
 1回しかない人生です、多くの時間を「技工人生劇場」化している現状では
ありますが、知恵と工夫で、今の技工士の短命を、少しでも長くしていく方策
を考えていきたいものです。
 技工士会の会員は広報誌に物故会員と年齢が載っているので、その短命
に驚き、把握していますが、非会員には具合的なそんな情報も入ってこない
と思うので、たまには、日技の広報誌に目を通してみてはいかがですか。

3/ 7
 石膏泥を印象内面の端から土砂崩れのように丁寧に流していきます。必ず
1方通行で いきましょう、逆流は厳禁ですよ、混水比が変わり変形の可能性
ありです。
 反対側まで完全に流し出しましょう。アルジネート印象材の場合どうしても
水分があるので石膏泥の先端部分は混水比が高くなっていますので、先端
石膏泥を流し出す、そう、完全に流し出す。ここが大事です。
 バイブレーターを当てるのは必ずトレーに当ててください、トレーからオーバ
ーフローしている印象材には当てないでね、変形します、この個所はトレーの
補強がないので外圧は絶対いけません。
 技工作業上、必要ない個所はよく切れるナイフ、鋏等で削除しておいたほう
が作業しやすいですが、しかし、切れない道具で印象に「手」を入れることは
タブーですので、切れる道具がない場合や、安易な「手」の作業をしてしまう
癖のある人は止めてください、そのまま作業したほうが賢明です。
 口腔内から取り出した印象に「手」を加えることはかなりのリスクを覚悟しな
くてはなりません、よくこの辺理解していない技工士はいないとおもいますが・・
 繰り返しますが、とにかく印象は外圧変形が最大の敵ですので、石膏泥の
重さ以外は何も引かないない、何もたさないのが鉄則です。(手を入れたいな
ら模型になってからにしましょう)「触らぬ神に祟りなし」ですよね。
(この辺の話はパーシャルデンチャーの印象注ぎの時もっと詳しく書き込み
ます。)
 ポスト印象注ぎの最も避けなければならない最大事はポストの先端付近に
気泡を介在してしまうことでしょう。
 模型になってからマイクロでもリリーフは容易ではありません、勿論ワックス
アップもできません、その個所が当然アンダーカットになりワックスが切れて
しまいます。
 で、それを避けるため石膏注ぎの時に、その個所に細心、細心の注意を
はらわなくてはなりません。ここがもっとも技工士の腕の見せ所でしょう。
ここさえ抑えればあとは、ポストの印象注ぎは簡単なものですよ。

3/17
 石膏硬化時間は30分以上おきましょう、印象から外すのは1時間以内が
いいでしょう。
アルジネート印象材の場合、何時間もおくと、印象が外しづらくなる場合もあります。
私見ではありますが、この現象は多分印象材の水分が減って石膏からの吸水現象のよ
うな気がします、あるいは逆に石膏からの吸水現象かもしれません。お互い、親水性
の材料性質のせいなんですかねー。
石膏メーカーと印象材メーカーの材料学的相性も多分にあるとおもいますが・・・
平均的には1時間位で外すのがいいではないでしょうか、まあ硬度的にはもっと時間
が欲しいところですが外す方向性さえ把握していれ破切は避けられるはづです。
ポストの印象に注いだ石膏模型を外すのは「渦洞形成にパラレルに外す」が原則で
す、よく印象内のポストの樹立方向を見て覚えておいて印象から丁寧に石膏模型を外
しましょう。
場合によっては印象の外面に外す方向の↑を書いておきましょう(下顎前歯のプレパ
レーションの印象の時、もう少し詳しく書き込みます)
硬度も欲しいし、楽に分離もしたいし、矛盾しますがこの辺が材料を選ぶ勘所でしょう。
「硬化時間」と「石膏模型外しを理論的」に行へば、あとは、外したポスト石膏模型
のチェックです。マージンと、残存歯質と、気泡の介在、を見ます。
気泡については凸(は印象材のもの)凹(は石膏のもの)なので模型処置はテクニッ
ク的にだいぶ違います。勿論気泡が無いのがベストです。
この工程が完璧に作業されていれば、結果的に、スムースにメタルコアーが残存歯質
に適合しますので証明されます。(技工作業は精度よく丁寧に製作されているという
前提ですがね)

これで完璧です。
次回からは、ワックスアップです、そう、その前に模型の調整と処置を書き込む予定です。
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ポスト模型をよく観察してください、すべてのは臨床技工作業はこの模型精査が最も
肝心かなめです、できる技工士はこの工程をよく把握しています。
まず、気泡の確認と処置です。
前回にも書き込みましたが「印象材」に入っていて印象面に介在していると模型で凸
状態に現れます。
この個所は、必ず移行的に削除しますが、控えめのするのが賢明です、Drのコアー
・ポストの形成を正確に再現できませんのでアンダーが取り除けばそれで充分です、
くれぐれも削除は少なめにしてください。
ポストの内面に凸があった場合は診療用の手用リーマー(太目のもので、長さは細い
先をカットします)でマイクロを使って引き抜きながら徐々に気泡の石膏だけ削除し
てください、間違ってもその個所以外にリーマーが当たらないように細心の注意を
払ってください。削りすぎは不適合の原因のなります。
次に「石膏泥」に入っている気泡が印象面に介在していると凹み状態に現れます。
模型の凹み個所の処置ですが、ブロックパウダー(なかったら「色違い」の硬石膏で
もOK)を水で練ってポストのサイズより細めのエバンスを使ってこの場合はやはり
移行的に修復しますが、できるだけアンダーにならない範囲で凸の場合と反対で、多
めに修復してください、回復が少なく凹んでいると実際の形成面よりメタルが大きく
なってやはり不適合の原因になる可能性大です。
必ず、手を入れた個所は凸凹の両方にマーキングしましょう(私の場合は赤色の2種
類の太さのマジックです)繰り返しますが技工士が形成面に「手」を入れたら、必ず
にマーキングしましょう、これ鉄則です。
このマーク無いと、セットがいまいち時のチェックの最初にどこが不適合が見つける
の口腔内では手間がかかってしまいます、またスムーズに適合すれば患者さんにとっ
て最も優しい技工物ということになります。
マージンを切れるナイフで明確にしてマージンを印記しましょう(必ず、色エンピツ
を使いましょう、理由はわかっているとおもいますが・・)
そして、最後は表面処理です。
瞬間接着剤がお薦めですそれも単価の安いフローの良いものを選びましょう。
お薦めは100円ショップの「ツリロン・プロ仕様」がいい感じで表面処理できま
す、この処置をしておけばマジックのマーキングや赤鉛筆のマークが消えることなく
模型に残ります。
これが終れはあとは、かなりスピーディーな技工作業(ワックスアップ・メタル調
整)ができます。
まあ、こんな模型調整しなくても、口腔内とプラスマイナス0の完璧な模型が手渡さ
れれば日本の国家資格のある技工士にはなんの問題もなくセットされるレベルになっ
てきてります(安い技工料のものは信用できませんけどね)
次回いよいよワックスアップです。
4/ 2 分離剤を塗布したら、軽くエアーを吹きかけ、ポストの内面に溜まっている分離剤を
取ります。ポストの内面はワックスアップと言うわけのはいかないので、流し込む
か、押し込むしかありませんね。
今回は前歯のポストの長いケースを取り上げて、「押し込む」技工操作を書き込みま
す。前もって
パラフィンワックスを超二等辺三角形にカット(微妙に形変えて、たくさん暇の時
作っておきます)しておきます、持つ側は3〜5ミリ位で、長さは2〜3cmで押し
込む先端は、そのポストの形態に近い先端にします、まあ、すべて先端を尖らせてお
けば、先からカットしていい感じのにできます、そしてポストの形態に似通ったもの
を10個位準備しておきます。
で、いよいよ、加熱、押し込みです、1秒以内の操作なので、息を止め、風を止め、
ブンゼンバーナーの火炎もまっすぐになった瞬間にパラフィンワックスのニ等辺三角
形の先端を、先端から持っている指の方に向かって加熱します。が、これ瞬間(0,
5秒)なのですよね。でも炎までは、そーともっていきましょう。
で、三角ワックスの芯はそのワックスの硬度を維持し、回りは軟化させた瞬間にポス
トの内面に押込む!!(0,5秒)
おっと、書き込んでいるだけでも、瞬間技なので疲れるね。
押し込んだら1息置いてすぐ、抜く、そして上手く押し込んでいるようなら2〜3回
出し入れする(これしないと、アンダーがあったら抜けなくなるのでもう最悪です
よ。でもこの「すぐ抜く」「何回か抜きさす」で対応できます、ここポイント。)
先端まで届いていなかったら何度でもやり直す。長さの確認には手用リーマーで測っ
てみると確実です。
(パラフィンなのでランニングコストとても安いので気に入るまでトライしてね。)
そう、模型とバーナーの炎の位置関係が大切です。
近いほどいいけど、あまり近いと熱い・・
瞬間技は文章にするの大変だー、でもこういう技工って、「時短技工の勧め」になる
からシリーズものにしてもいいかなー・・
受注生産の極みである、歯科技工はこういうことってほんとに大事でしょう・・・・
・教科書には無いしね。
この方法は愛歯技工専門学校で習得したものです。
そういえば、愛歯の無縫冠調整器も優れものだったね、当時は。
4/12
ポストのワックスパターンが抜けること、そしてきれいに先端まで押し込んであるこ
とを確認したらこんどはヘッド部分のワックスアップです。
根面だけで歯冠部歯質がほとんど無い場合は、これはもう、支台歯と同じ「プレパ
レーション(支台歯形成)」を再現しなくてはなりません。
ということは、フェーシングクラウン(HR・MB等)のことを完璧に把握してない
とワックスアップはできませんね。
審美性からいって、前装のスペースは最低何ミリとか、対合歯とのクリアランスは何
ミリとか、下顎運動の前方運動、側方運動時のクリアランスは何ミリとか、メタルコ
アーの切端は歯冠の何ミリで透明感のある審美性が回復できるかとか。等、臨在歯の
ファセットを読みながら進めてくださいね。
基本は、その形態が最終補綴物に対して維持力があることが最優先で、尚且つ、審美
性、機能性を、十二分に加味して製作されているのがベストです。
完成度の高い、メタルコアーなら、Drの手間いらずで、チェアータイムを減らすこ
とができ、患者さんにとって本当にうれしい話でしょう。
本道に戻って
まづ、根面のポスト部にステッキワックス(メーカーによってかなり使いかってや品
質が違うので、また書き込んでいきます)補強のため流します、できたら少しポスト
の方向にもステッキが回っていると、より補強になります(いよいよカービングをし
なくてはいけないので手の圧力がかかるのでこの作業必須です)
で、コアーの形態にワックスアップしていきます、できるだけカービングしないで済
むように盛っていきましょう。
ワックスが硬化したら、というより軟化から硬化へとワックスの硬度変化を利用しつ
つ、対合歯を噛ませながら、ワックスペン(最近導入しました、電気インスルメント
です)で、先に書いた条件を加味しながらワックスアップ・カービング同時に並行し
て形態をととのえてください。
たくさんの条件を満たしてメタルコアーのワックスアップをしなければなりません。
この技工作業は最も、論理的な基礎学力と技工技術が必要なので技工士や技工所のレ
ベルわかりますよね。
また、このようなメタルコアーに高い評価をするDrは当然、高いレベルということ
になると思います。
裏を返せば、低い評価はレベルも低いというわけです。

4/21
スプーリングです。臨床的に保険コアーは1〜2本では埋没はしません、リング
のサイズいっぱいに立てるはずです。
そうしないと採算合わないですから・・・・・
5〜10本位でハリネズミ状態になります。(.インレーはブロッコリー状態になります)
リングの中心部にはできるだけコアーの小さいもの、外側には大きいものを立てま
す。訳はわかりますよね、キャストマシーンにセット中にリングの温度は中心部は保
持できますが、外側は低くなってしまいますから。
大きいワックスパターンは、多少リングの温度が下がってもなめにくいし、
低いほうが鋳巣や面荒れを起こしにくい。小さいパターンは多少高温のほうがなめ
られにくいし、小さいと鋳巣もができにくい。(インレーも共通です)
パターンの大きさと形態で、立てる位置を合理的に作業すれば、1個のリングに
多数埋没しても成功します。(前歯コアーだったら小リングに5本位、中リングは1
0本位いけるでしょう。1〜2ミリでもパターンが離れていれば問題ないでしょう)
キャストミスの原因はいろいろありますが、ワックスパターンのスプーリングの位置
と方向が大きな意味を持っています。
おっと本道に。どうも話が先にいってしまいます。
まず、スプール線について。手芸用のストレート針金で充分でしょう。
ケースによって使いわけますが、0,9〜1,5位でいいでしょう、もっと安くとい
われれば、ホームセンターで束になった針金です、難点は曲がっているのでストレート
にしてから、お好みのサイズにカットして使用しましょう。
(太さと、長さを暇の時アットランダムにたくさんカットして置きましょう)
で、スプール線をピンセットで保持し、バーナーで加熱し、ワックスバスにつけま
す。「加熱状態、ワックス乗っている状態」で、ワックスコアーの切端「唇側面」に立て
ます(舌側には立てない、なぜか、そう、すでに対合歯とクリアランスを決定してあ
るからです、ここポイント)
4/28
クルーシブルフォーマへの植立の順序です。
おっと、その前にすべてのパターンを手(ここが変形の1番の原因になりやすい作業
なので、そーと)で抜いてワッテかティシュの上において見ましょう、そうしてサ
イズや形態を選んで立てる順序を決定します。
ワックスは義歯用人工歯を止めてある板のユーティリティーワックスで充分でしょう。
「ただ」ですから(ほんとタダはいいですよ、技工もリサイクル精神でね)義歯製作し
てない場合は義歯製作ラボからもらってきましょう。
(何でも有効利用すべきです、でも最近、安い人工歯は両面テープだったりするので、
それは使えませんが・・)
特に金属のスプールは柔らかいほう立てやすく、多数立てるのに有利です。
金属スプールを持つ鉗子はしっかりスプール線を保持したいのでピンセットは止めま
しょう。
鉗子はなるたけヘッドが細く、長く、尚且つスプール線保持部はすべり止めがあって
幅も欲しいので、外科手術用のものから選びましょう。
丁寧に細心の注意を払って、多数のスプールを立てるにはそれなりの器具が必要です。
フォーマーとスプールの移行部は金属の湯流れを理解してワックスペンで丁寧に仕上
げて下さい、雑にすると埋没材が欠けて鋳巣の原因になったりします(またクラウン
のあたりでも書き込みます)
リングのサイズを合わせながら位置と方向と間隔を合理的に把握した上で目いっぱい
立てましょう。
日本の保険技工には余裕や、無駄は許せないようにシステムが出来上がっていて、こ
んなところにも現在の技工士の置かれている医療専門職とは思えない、歯科医療の弱
点というか、汚点というものが見え隠れすると感じるのには私1人ではないと思うん
ですがね・・・
再製や、失敗を起こすととたんに長時間労働になったり、モチベーションが無くなっ
たりで、若い人材に嫌われつつある現状を何とかしなと・・・
本当はとてもやりがいがあり、社会貢献度も高い仕事なんですから。私は技工大好き
ですよ。なんたって趣味が彫金なんですから、イイだか、ワルイだか、ね。
どうも、話が横道に入って申し訳ない。
5/ 7
ワックスパターンクリーナーの使用です。コアーパターンに噴霧して、軽くエアーで
飛ばします。クリーナーはワックス表面の油性分が完全に除去できて埋没泥の表面張
力が起きないのを選びましょう。
埋没泥を弾くようなものは避けましょうね、効果の薄いものは気泡の原因になります。
よく咬合面や内面の隅角部に気泡が入る場合、クリーナー(強力クリーナーと、小筆使用)
と操作を変えてみるのもいいですよ。
で、リングをフォーマーにセットします。リングライナーは使いません。コアーの場
合、セメントスペーサー模型上では無理なのでリングライナーを使わないという訳で
す。(臼歯2根コアの場合はチョット考えるなー)
大きい膨張は適合がきつくなって、セメントでセットすると多少浮いてしまう可能性
あります。(ライナーの節約にもなるしね)勿論「きつく」と指示があればライナー
使いましょう。
まず、手練和して(これも案外大切で、よく攪拌したほうがいい結果が出ますが、時
間の問題もある)真空攪拌器にセットして、30秒(もっと早く硬化したい場合は長め1分位)
でも埋没作業は、たいがい1回の攪拌で大小リング合わせて3〜5個(1〜2個の埋
没では・・・採算が・・)するので、真空攪拌は30秒でしています。
攪拌終ったら「速やか」に「ポストと根面の移行部」(コアーの場合、ここ気泡入り
やすい、)に細い筆に埋没泥を付け、リングをバイブレーターに当てながら流します
金属の探針みたいなものは絶対に使用禁止です、なぜならメタルとワックスでは震動
している状態で接触すればどっちにダメージ与えるか素人でも解りますよね。
気泡が入り易い部位は必ず、筆で細かく流す、ここポイントです。間を入れず、カップを
バイブレーターに軽く当てての埋没泥をリングの隅から、細く、早く(なんせリング
の数多いですからね)低部から、すーと埋没泥を上昇させます。(今度はリングはバ
イブレーターに当てない、訳はわかりますよね)
筆でワックス表面に流すと、クリーナーが利いているかよくわかりますよ。
これで埋没終わりです。硬化したら、リングの上面を平らにして金属分類のサインを
掘りで、ファーネスに入れてお好みの焼成プログラムをオンすればあとは、700度
(この辺で金属スプール抜きましょう)で係留終れはブザーでリング焼却終わりです。
次回キャスティングです。
5/14
キャスティングの所要時間は0,2秒と言われています。コアーならもっと短時間で
しょう。ようは、ほんの一瞬の出来事なんです、坩堝で金属溶解し、リングのワック
スパターンの空洞に遠心力なり、圧迫力なり、吸引力なりで、一瞬に流しこめばいい
と言う話ですよね。難しく考えることは無いのです、キャスティング自体は。(昔は
圧迫蓋に濡れアスベストを詰め、リングのホーマーのくぼみで金属溶解して圧迫蓋を
被せ、その水蒸気爆発で鋳造していましたよね、なんか、すごい日本歯科技工昔話です)
最大のトラブル(舐められる、鋳巣、面荒れ)の発生はリングのキャスト温度設定
と、金属をオーバーヒートさせない火炎のコントロールと、鋳込む力と、湯流れ方向
なんです、あと、金属溶解のときの酸化化防止(まあ、チタンやコバルト以外はこれ
も考えなくてもいい)でしょうでしょう。
今回のコアーは、12%金銀パラのキャストなので、リングは600度以下でしま
しょう、リング温度高いといいこと何にもありませんよ、ただし、下げすぎるとなめ
られる確率高ですが・・ でもリング温度低いほど面がきれいで巣が入りにくい・・
この兼ね合いがね・・上手い技工士は、リング温度500度でトライしていますよ
(でもHRはチョット危ない・・・・とね)
私は、保険用パラ合金は、リングをファーネス内で、700度から600度に下げて
鋳造器にセットし、金属回りはじめたらなるべく早くキャストします。
ベテラン技工士は毎日の作業なので、簡単のことですよね。
原則は、金属の溶解は還元炎を使いうこと。硼砂はあまり使わないこと。リング温度
は低いほどいいということ。キャストタイミングを適正に行うこと。(金属の熔融点
を確認し、必ずリングのキャスト温度を変えましょう、特に銀合金の中には室温まで
下げるのありますよね)
そう、そう、臼歯コアーで銀合金の場合、溶解してから、ブローパイプの火炎を止め
て5〜10秒(けっこう、長い)置いてからのほうがとてもいい状態でキャストできますよ。
キャスト終ったら放冷し、掘り出して、酸化膜を除去しましょう。(パラクリーナー
高いと思ってたり、切れている場合、10パーセント以下の希塩酸でOKです、安く
つきますよ。また、加熱式超音波洗浄器使うと早いです)
はっきりしていることは、保険の範囲内技工はキャストマシーンは何でもいいです。
この条件がクリアーしていればですよね。
なんといっても「0,2秒の世界」なんですから。
ワックスパターンをメタルに置換する作業は歯科技工の基本です。
本当のキャストのテーマは包括的キャストシステムなんですよね。金属補償とバリの
問題です。埋没材選択と、加熱スケジュールと、リング及びライナーの選択で決まり
ますから。ここが一番難しいんですよ。いい「適合」を求めているわけですから。

5/22
酸化膜を除去したら、細部に付着している埋没材を取るため乾燥させます(エアーで
埋没材を吹き飛ばして乾燥までするのは止めましょうね)軽く加熱すれば乾燥できま
す。勿論、掘り出し後、流水下でよく埋没材除去しておいての話です。
加熱によって埋没材が付着したままで乾燥できるのでサンドプラストにかけられま
す。そうすれば、危険な埋没材の室内への飛散を防げます。
室内では、決してエアーで埋没材除去は行ってはいけません。もちろん、サンドブラ
スターの吸引はバキュームに接続が条件です。バキュームのスイッチをオンにしてか
ら、サンドブラスター内で埋没材を完全除去しましょう(クリストバライトは発ガン
性物質含んでいますからね、技工士の死亡原因にガンで亡くなられる人多いですから
「データーは日技の会員だけで、非会員は死因データーもありません、ぬう、残念
!」メーカーは教えてくれませんよね)(日技の代議委員会で問題提議されました)
そう、そう、必ず防塵マスクして下さいね、ひつこく言いますが・・・特にキャス
ティングの金属溶解の時、必ず装着を義務化しないといけません。キャストマシーン
の上部に換気扇も必ず備え付けておきましょう。
エアーを扱っているということもありますが、粉塵防御というよりも、もっと細かい
溶解時に発生するガス(溶解ヒューム)の防御なので本当はガスマスクが効果的なの
ですが・・そこまでやってません、国家検定合格品の防塵マスク止まりです・・・
またまた、話が戻ってしまい。申し訳ない、次回はいよいよ適合です。
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スプール線をジスクでカットします。当然カッティングジスク(厚めのもの、割れに
くいし、廉価ですしね)を使いましょう。レジンジスクは止めましょう。
パターンに沿ってカットします。そしてヒートレスストーン、カーボランダム(こ
れ、ハードを使うと早いです)と作業進めます。
内面のチェックをマイクロでしましょう。気泡やバリ等を削除します、フィシャー
バーの699かハードの31です。マイクロ作業ですので、細いバー類にしましょうね。
で、いよいよ適合です。セラミックリボンをしていない場合ストーンーと入っていき
ます。リボン使用の場合いい感じで入っていきます。途中で止まった時はまず、メタ
ルコアーの先端を軽く落してみましょう、コアーの場合リングの開放部方向が当然膨
張が大きいので長くなっていることありますから、ここが最初のチェックです。もし
かなり入らない場合は、しょうがないのでアンダーになっていそうな個所を削除しま
しょう、それでも入らないと時は最終手段で、フィットチェッカー(ここまでやると
時間が・・・)を塗って当たり個所を探しましょう。それでも入らなかったら、再製
したほが早いです。くれぐれもも無理やり適合させないで下さい、これ鉄則です。ま
してや、マイクロ使用前にアヅキャストの段階での適合は無謀というしか言いようが
ありません。
たとえ入ったとしても、模型削れている可能性あります、無理な適合にも同じこと言
えます、石膏は削れるが歯質は削れない。これ原則です。
そうそう。
歯質が多く残っていて、研磨面があまり無いコアーの場合、ピンセットでの把持が難
しいので、5ミリ程長くスプールを残してカットしてください。この場合パターンと
スプールとの移行部はレジンジスクの薄いので0,3〜0,2ミリ位残して細くして
おけば、とてもチェアーサイドに優しいコアーですよ。試適やセットが行いやすく、
尚且つ、プレパレーションの際のスプールカットはほとんど、アット言うまで終わります。
研磨面は指示に従って仕上げてください。
以上でコアーは終わりです。
ワックスからメタルに正確に置換することは技工の基本ですので、チョット長文に
なってしまいましたが、あしからず。
次回から、インレー、クラウン、ブリッジ、前装クラウン、メタルボンド、パーシャ
ルデンチャー、フルデンチャー、義歯修理、クラスプに合わせるクラウン等・・・書
き込んでいこうと思っていますが、どこまで続けるか、わかりませんが、できる範囲
でやっていこう思案中。
中年技工士として、若い未来ある新米技工士に少しでも参考になってくれたらうれし
いですが・・・ね。
できたら、メール(トップページの下)もらえると励みになりますので、批判なり、
反論なり、してください。
返信はできませんが、本文中で改正なり訂正はしていきたいと思っています。
私の 技工理念は、「気配り技工の進め」ですので、すべての書き込みは患者と、歯
科医師に喜ばれる技工を目指しています。
日本の歯科保険技工と自費技工を混在させている現状では、日本の歯科技工はこの辺
でいいのかと勝手に思っています。
咬合面におけるABCオクルーザルコンタクトや、マイクロ30倍のパッシブフィッ
トを求めるには、WEB上で限界があり、お金を払って成書で勉強してください。