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ショートコラム(2006年4月)

■昨日買った4冊の本(2006年4月30日)

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昨日は、大阪市内に出向いたので、本を4冊買い込んできました。

臆病者のための株入門・・・橘玲氏の新刊です。既刊の「お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方」とは異なり、オーソドックスな内容となっています。でも、結論は著者らしいなと感じました。

収益不動産 所有の極意・・・不動産投資の本も、たまには読みます。この本が気に入ったのは、やや辛口な表現で「そんなに甘いものではない」と忠告しているところです。

投資バカ」につける薬・・・私も金融商品には詳しいつもりでしたが、考えさせられるところがありました。

バリュー投資再入門・・・ すごく共感できる本です。機関投資家にも、こんな方がおられたのですね。

大阪の書店は、2週間ぶりだったのですが、株本の新刊コーナーに積んである本が半分近く変わっていたのは驚きました。すごい勢いで新刊が出ています。

本の方は、帰りの電車の中と今日の午前中で4冊全て読み終えました。本を読むスピードは落ちていないみたいです。


■本の書き方(2006年4月27日)

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何とか3冊目の原稿を書き終えました。校正とかありますが、一段落です。

タイトルは「黄金の3ステップで儲かる はじめてのバリュー株」です。なるべく専門用語を使わず、バリュー株投資の解説書の中でいちばんやさしい内容を目指しました。発売は7月中旬になります。

最近は、個人投資家の著書が増えていますが、自分ですべて書いているのは、少数派のようです。ライターさんに助けてもらうケースが多いみたいですね。数時間の取材を受けて、後はブログなどを参考にして書いてもらい、著者が手直しをする手順です。

ただし、恐いのは、ライターさんがバリュー投資を理解していないと、とんでもない内容になることです。本は著者の名前で出版されますし、記念すべき著作が自分の考えと違うようでは、泣くに泣けません。

かといっても、毎日2時間書いても2〜3か月はかかりますから、けっこう大変です。本をたくさん出されている方はどうしているのでしょうか。

この度「「投資バカ」につける薬」を出版された山崎元さんが、ブログに出版の経緯を書かれています。今回はライターさんに書いてもらったそうですが、後書きで説明をして、ライターさんの名前も出されています。山崎さんらしい、クレバーなやり方です。

その山崎さんも、ライターさんの原稿を見て「修正は無理」と判断してボツにされたことが2回あるそうです。これは山崎さんだからできることであり、一般人では出版社に押し切られてしまうのが関の山でしょう。

とにかく、なるべく自分で書くことですね。それが無理なら、箇条書きでもいいから何か渡すこと。つなぎの言葉は、ライターさんにお任せしてもいいですから。

丸投げすると、悲劇を生みますよ。


■愚か者に課された税金(2006年4月25日)

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今書いている3冊目の本で、ハイリスク・ローリターンの代表格として「宝くじ」を取り上げることにしました。調べているうちに、興味深いデータを見つけましたので、このサイトで先行して公開します。

等級
当選金額
本数
賞金額
1等
200,000,000円
38本
7,600,000,000円
1等の前後賞
50,000,000円
76本
3,800,000,000円
1等の組違い賞
100,000円
3,762本
376,200,000円
2等
100,000,000円
114本
11,400,000,000円
3等
10,000,000円
380本
3,800,000,000円
4等
1,000,000円
380本
380,000,000円
5等
10,000円
380,000本
3,800,000,000円
6等
3,000円
3,800,000本
11,400,000,000円
7等
300円
38,000,000本
11,400,000,000円
合計
53,956,200,000円
 
発売額
114,000,000,000円
還元率
47.3%

上の表は、宝くじネットのデータより作成した「ドリームジャンボ宝くじ」の発売額と賞金額です。発売額の1,140億円に対して、賞金額は539億円 となっており、還元率は47.3%となっています。

つまり、47円の価値があるものを100円で買っていることになります。バリュー投資と全く逆の考え方です。このあたりのことは「ホントは教えたくない資産運用のカラクリ (3) 「錬金術入門」篇」にも書いてあります。

宝くじと資産の関係

もう一つ「なぜ、この人たちは金持ちになったのか」の掲載データからグラフを作ってみました。資産レベルの高い人は「妥当な収益が見込めるときには経済的リスクを負うが、ギャンブルはしない」のに対して、資産レベルの低い人は逆の傾向があります。

いずれにせよ、資産を形成したければ、宝くじ売場に並んではいけないということです。


■理論株価のカラクリ(2006年4月24日)

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私がおすすめしている「なぜか日本人が知らなかった新しい株の本」と「間違いだらけの株えらび」でトヨタ自動車の理論株価を計算したところ、倍以上の開きが出たとのメールをいただきました。

なぜ、そうなるのか説明したいと思います。

まず「なぜか日本人が知らなかった新しい株の本」のやり方で理論株価を計算します。あまり商売の邪魔はしたくありませんので、計算式の詳細は本をご覧ください(笑)。ほぼ4,000円がトヨタ自動車の理論株価です。

トヨタ理論株価1

間違いだらけの株えらび」では、DCF法(割引キャッシュフロー法)でトヨタ自動車の理論株価を計算しています。53ページをご覧ください。こちらは9,000円と倍以上の差があります。ここで気になるのは割引率です。長期金利1.5%にリスク・プレミアムを上乗せして4.5%としているのですが、低すぎるように思えるのです。

トヨタ理論株価2

KENさんの「収益バリュー投資術セミナーDVD」では、安全域を取って10%の割引率を使用されています。私は7〜8%が現実的ではないかと思っています(そのあたりは「「超分析」バリュー投資セミナーDVD」で説明しています)。割引率8%で再計算してみましょう。

トヨタ理論株価3

今度は3,900円になりました。「なぜか日本人が知らなかった新しい株の本」の理論株価に近い数字です。

このように、前提条件を少し変えただけで、理論株価がかなり変わってしまうのが、DCF法の問題点です。成長率を高く、割引率を低くすることにより、高い株価を正当化することもできます。

DCF法を使う場合は、他の方法も併用して、見通しを慎重にするよう心掛けたいものです。どんな分析方法でも安全域を重視するのがバリュー投資のやり方です。

注)あくまで計算例を示したものであり、トヨタ自動車の株価がこうあるべきという内容ではありません。


■同業他社の見つけ方(2006年4月23日)

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セミナーなどでいただく質問の一つに「同業他社をどうやって見つけるのですか」というものがあります。

銘柄研究では、業界内でのシェア・強みなども調べますので、同業他社は銘柄を調べているうちに見つかることが多いです。

意識的に見つける方法としては、
■新聞の株式欄で前後の会社を見渡して、該当しそうな銘柄を四季報で調べてみる
■インターネットの検索エンジンで調べる
■書店の就職本コーナーで業界研究の本を見る
■大きな書店で業界専門誌を見る
などがあります。

決算説明会の資料などで業界内の比較を行っている場合もあります。それでもわからない場合は、会社のIRに聞いてみるといいでしょう。


■年金基金のアセット・アロケーション(2006年4月22日)

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貧乏人のデイトレ金持ちのインベストメント」に興味深いデータが掲載されていました。

国内外の年金基金のアセット・アロケーションです。いわばプロの資産配分というべきものです。それぞれの特徴が表れていて興味深いです。

■我が国の年金資金運用基金は保守的である
■ABP(オランダ)は外国株式を組み入れていないが、それ意外は外国株の比率が高い
■外国の年金基金は不動産(REIT)にも投資している

アセット・アロケーションの参考になると思います。「貧乏人のデイトレ金持ちのインベストメント」も良書なので、合わせて読まれるといいでしょう。

尚、私の好みに近いアセット・アロケーションはカルパースのものです。

 
年金資金
運用資金
 
企業年金
の平均
 
カルパース
(米国)
 
ABP
(オランダ)
 
ブリテッシュ
・テレコム
(イギリス)
オンタリオ
州教職員
(カナダ)
国内債券
68%
21.3%
26.0%
40.0%
13.9%
4.0%
外国債券
7%
10.3%
1.1%
インフレ連動債券
4.0%
9.3%
14.0%
国内株式
12%
34.0%
40.0%
34.0%
36.9%
30.0%
外国株式
8%
18.1%
20.0%
31.6%
19.0%
転換社債
1.3%
2.0%
不動産・REIT
8.5%
10.0%
15.5%
13.0%
ヘッジファンド
0.5%
3.5%
0.7%
13.0%
PEまたはVB
4.8%
4.0%
商品先物
2.5%
3.0%
インフラ・森林
4.0%
その他
5%
15.0%

注)カルパース(カリフォルニア州公務員退職年金基金)・・・運用資産約18兆円
  ABP(オランダの公務員・教職員年金)・・・同20兆円
  PE・・・プライベート・エクイティ、VB・・・ベンチャーキャピタル


■椅子の話(2006年4月21日)

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KENさんがコラムで椅子の買い替えについて触れられています。オカムラのコンテッサがいいとか。私は自宅で仕事をしていることもあり「椅子の上」の時間が一番長いです。実は、今座っている椅子の背もたれがぐらついてまして、接着剤で補強しています(笑)。

椅子はいいのが欲しかったので、KENさんには使用レポートをお願いしたいですね。

値段はけっこうします。もちろん、経費で落としますが、これは固定資産(一括償却資産)になりそうです。


■若きファンドマネジャー(2006年4月20日)

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今、売り出し中のバリュー投資家は、30代前半の方が多いようです。年齢的には、人生で一番いい時期ですね。私もまだまだ若いつもりですが(笑)、うらやましい限りです。

ところが、書店で「株のプロは何を買っていつ売るのか?」を手にしたときは、驚きました。著者の田久保氏が24歳だったからです。「どうせ、投資経験2〜3年のトレーダーだろう」と思いきや、投資経験8年のファンダメンタリストということで、またまたびっくりしました。15歳のときから株式投資を行っていたそうです。

著書を読んでいると、理論株価の算出に理論PERという指標を使っているのがユニークでした。説明を読みますと、どうやらDCF法(割引キャッシュフロー法)の計算結果をPERに当てはめているみたいです。無成長(0%成長)の理論18倍を基準として、5%成長なら理論PER22倍といった具合です。

DCF法の説明は、KENさんの収益バリュー投資術セミナーDVDがわかりやすいですが、こちらの理論PERの方が簡単かもしれません。

田久保氏の「「儲け」を最大限にするファンダメンタル分析投資法セミナー」が6月4日(日)に東京で開催されます。どんな若者か、会ってみたいものです。


■J-REITの選び方(2006年4月18日)

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このサイトをご覧の方から、J-REITの選び方についてリクエストがありました。

実は、会員制レポートの4月分がJ-REITなので、あまり詳しくは書けないのですが、一般論ということでご了承いただきたいと思います。

ポイントは、配当利回りと母体・資産内容には相関性があることです。ざっくり分類すると、J-REITはAクラスとBクラスに分かれます。Aクラスは、母体がしっかりしており、物件のクオリティが高く、負債比率の低い優良リートです。Bクラスは、母体が新興企業で、物件に難があり、負債比率が高い二流リートです。当然、Aクラスは予想配当利回りが低くなり、Bクラスは高くなります。このことは、昨日のコラムで取り上げました「週刊ダイヤモンド」にも書いてあります。

それゆえ、予想配当利回りだけで選ぶことはリスキーで、総合的に判断することになります。かといっても、長期金利が上昇している中では、3%ちょっとの利回りでは食指が動きません。そういうこともあり、静観していました。

今回、ポートフォリオにJ-REITを組み入れたのは、たまたま、内容はAクラスなのに予想配当利回りはBクラスの銘柄があったからです。詳しい方には、何を買ったかわかってしまいそうですね(笑)。

J-REITについては、次のサイトが大変参考になります。
SPC-REIT.COM
雪風ファンドのJ-REIT研究室
REIT掲示板

2006年4月19日追記:ここでは、説明の便宜上AクラスとBクラスに分けましたが、実際にそのような区分けはありませんので、ご注意ください。


■近くの本屋にて(2006年4月17日)

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天気が良かったので、近くのショッピングセンターまで出掛けてきました。30分以上かかるのですが、健康のため歩いています。

本屋で「日本の富裕層」を見つけ、即購入しました。泉さんが推薦されていた本です。泉さんは、すごくバランス感覚の優れている方です。何をやっても成功しそうです。

富裕層の資産運用にも触れられていました。富裕層は「資産を増やすことより、資産を守ること」に重きをおいているそうです。現状では、どんな投資対象を選んでいるのでしょうか。

週刊ダイヤモンド」の内容が良かったので、久々に購入しました。私が気に入ったのは、REITアナリストの山崎成人氏が作成したJ-REITの比較一覧表(146ページ)です。「運用物件に見るメリット・デメリット」で物件のクオリティが低いファンドを指摘しています。これだけでも買う価値があります。

田舎の本屋にしては、なかなかの収穫でした。


■国際分散投資と投資信託(2006年4月16日)

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◆世界株式市場のシェア

株式投資の未来」によると世界株式市場でのシェアは次のとおりです。

地域 割合
北米
54.9%
欧州
27.8%
日本
9.1%
アジア先進国(日本除く)
3.2%
エマージング市場
4.9%

国際分散投資を行う以上は、この数字を頭に入れておく必要があります。日本を除くと、北米60%、欧州30%、アジア先進国4%、エマージング市場6%でしょうか。ちなみに、流行りのBRICs(ブリックス)はブラジル0.4%、ロシア0.2%、インド0.3%、中国0.4%です。BRICsファンドに投資している方は、世界のわずか1.3%にしか投資していないことになります。

個人投資家が国際分散投資を行う場合、この比率を守るなら、個別銘柄への投資は難しいでしょう。欧州株(BMWやネスレなど)はネット証券で買うことができませんし、エマージング市場も韓国・中国以外はほとんどダメです。投資信託を使うことになりますので、候補を取り上げてみました。ここでは、ノーロード(販売手数料なし)のインデックスファンドとETFに絞ってあります。

◆トヨタアセット・バンガード海外株式ファンド

バンガード社の4つのファンドに投資するファンド・オブ・ファンズです。マネックス証券などで販売しています。

ファンド名
比率
管理費用
USグロースファンド
32.5%
0.22%
USバリューファンド
32.5%
0.21%
ヨーロピアンファンド
30%
0.27%
エマージングファンド
5%
0.48%

パフォーマンスも良好です(設定日2003年6月27日)。

1年
2年
設定来
26.27% 41.39% 47.88%

ノーロードですが、信託報酬は年1.05%かかります。4つのファンドをまとめて販売しているだけなのに、取りすぎのような気がします。各ファンドの加重平均管理費用を入れると約1.29%のコストになります。

できれば、バンガードのファンドをそのまま販売してほしかったです。私なら、USバリューファンドとヨーロピアンファンドだけ買います。

◆中央三井外国株式インデックスファンド

E*トレード証券個人版401Kに採用されているファンドです。401Kではノーロードです。信託報酬は年0.84%と安い部類に入ります。問題は、ベンチマークであるMSCIコクサイ指数を大幅に下回るパフォーマンスです。トラッキングエラーにしては、度を超えていますね(設定日2001年2月22日)。

パフォーマンス 1年 3年 5年 設定来
ファンド
26.8%
71.6%
25.0%
21.8%
ベンチマーク
28.2%
79.7%
34.0%
29.2%
-1.4%
-8.1%
-9.0%
-7.4%

◆外国ETF

日興コーディアル証券が比較的揃っています。米国のNYダウ、S&P500のETFの他、MSCIヨーロッパ株価指数や香港H株指数のETFもあります。ただ、支店扱いとなりますので、手数料は高くなります。

通貨 名称 連動目標指数
米ドル DIAMONDS ダウ工業株30種平均
SPDRs S&P500種指数
NASDAQ-100 Trust ナスダック-100指数
ユーロ streetTRACKS MSCI Europe ETF MSCIヨーロッパ株価指数
豪ドル streetTRACKS 200 S&P/ASX200種指数
香港ドル ハンセンH株指数ETF ハンセンH株指数
TraHK 香港ハンセン指数
韓国ウォン KODEX 200 ETF KOSPI200

◆米国株インデックスファンド

バンガード社のファンドをマネックス証券で買うことができます。ノーロードですが、管理費用(エクスペンス・レシオ)以外に口座管理手数料が年0.63%かかります。

ファンド名
連動目標指数
管理費用
スモールキャップ・インデックス・ファンド MSCI US Small-Cap 1750
0.23%
ウェルズリー・インカム・ファンド
複合インデックス
0.24%
トータル・ストック・マーケット・インデックス・ファンド MSCI US Broad Market
0.19%

◆候補は?

今や、各種のインデックスファンドやETFが売り出されているのに、日本で購入できるのは少数です。しかも、手数料が重くのしかかってきます。まだまだ金融後進国です。

現状では、トヨタアセット・バンガード海外株式ファンドを使うか、米国のみで良ければ、トータル・ストック・マーケット・インデックス・ファンドに投資することになりそうです。

投資「4つの黄金則」」や「ウォール街があなたに知られたくないこと」を読んでいると、米国では、バンガード社だけでも、大型バリュー、小型バリュー、インターナショナル・バリューとバリュー・インデックス・ファンドが揃います。日本からも、低コストで本格的な国際分散投資ができる時代になってほしいものです。

2006年4月19日追記:私がバンガード社のファンドを評価している理由として、運用者が取引スキルを備えており、特に流動性の低い小型株で「正のトラッキングエラー」をひねり出していることや、税効率に配慮していることをあげておきます。インデックス・ファンドは誰でも運用できるものではありません。


■個人事業主の税金対策(2006年4月10日)

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個人事業主の税金についてまとめてみました。サラリーマンの方も参考になると思います。

◆税金(保険料含む)の種類

所得税、住民税、事業税、国民健康保険、国民年金があります。

◆◆所得税

課税所得 税率
〜330万円 10%
330万円〜900万円 20%
900万円〜1,800万円 30%
1,800万円〜 37%

個人事業主の場合、収入から経費を引いたものが所得になり、各種控除を引いたものが課税所得になります。退職金も有給休暇もありませんから、税率20%クラスでないと厳しいでしょうね。

◆◆住民税

課税所得 税率
〜200万円
5%
200万円〜700万円
10%
700万円〜
13%

後から引かれるので曲者です。税額も所得税の半分あります。

◆◆事業税

事業所得 税率
290万円〜 3%〜5%

これも曲者です。業種により税率が違います。ちなみに、文筆業は事業税がかかりません。

◆◆国民健康保険

これも一種の税金です。計算式は複雑ですが、住民税に近い額といわれています。

◆◆国民年金

月額13,580円です。

◆未だに半官半民

サラリーマンは給与天引きですが、個人事業主は自分で支払う必要があります。課税所得が所得税率20%あり、事業税5%の業種では、ほぼ半分を税金と保険料で持って行かれることになります。昔、年貢で納めていたときは「半官半民」といわれていたそうですが、未だに状況は変わっていないです。

◆主な税金対策は3つ

「自営業は経費で落とせるじゃないか」と思われるかもしれませんが、私のような文筆業は、経費もしれています。税金対策としては、家族を事業専従者にする、青色申告特別控除65万円の適応を受ける、小規模企業共済等掛金控除を受けるが考えられます。

◆◆事業専従者

同居家族を事業専従者にすると給与を経費として控除できます。白色申告では、配偶者86万円、配偶者以外50万円の上限があります。ただし、事業専従者はよそでのパートやアルバイトはできません。

◆◆青色申告特別控除65万円

青色申告にして、複式簿記に基づく「損益計算書」「貸借対照表」を提出すると65万円の青色申告特別控除の適用を受けることができます。青色であっても簡易簿記の場合は、10万円の控除です。

◆◆小規模企業共済等掛金控除

「小規模企業共済」は個人事業主の退職金制度に当たります(ただし、積立は自分で行います)。特筆すべきことは、個人版401Kが小規模企業共済等掛金控除の対象になることです。掛け金は全額控除対象で、81万6千円(月6万8千円)が上限です。

◆私の場合

私の場合、青色申告特別控除65万円と小規模企業共済等掛金控除81万6千円を検討中です。合わせて146万6千円となり、40%が税金・保険料として、60万円ほど節税できることになります。何事も大切なのは「税引き後リターン」です。尚、株式会社化については、今後の検討課題です。

◆参考資料

詳しく知りたい方は「フリーランスを代表して申告と節税について教わってきました」「フリーのための確定申告ガイド」あたりを読んでください。


■田舎暮らし(2006年4月8日)

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2月から取り掛かっていた3冊目の本の「まえがき」「あとがき」に手をつけはじめました。本文の推敲も必要なことから、すぐに脱稿とはいきませんが、だいぶ仕上がってきました。長いトンネルに入っていて、出口の光がかすかに見えてきたような感じです。

今は奈良の実家で本を書いています。田舎暮らしは快適ですが、少々退屈です。何より、大きな書店がないので不便です。昨日、やっと「藤巻健史の5年後にお金持ちになる「資産運用」入門」を店頭で手に取ることができました。最近「実践 コーポレート・ファイナンス」「明解!経営分析バイブル」の2冊が気になっているのですが、チェックすらできない状況です。

昨年7月〜10月に東京で暮らしたことは、今から振り返れば、無駄ではなかったです。多くの方にお会いすることができたのが、何よりの収穫でした。特に、優秀な方にお会いした後は「自分も負けないように頑張ろう」とモチベーションがわいてきたものです。自宅で仕事をしていると、モチベーションの維持がけっこう大変です。

本ができたら「また、東京に行ってみないなぁ」と思ったりします。もう、引越はごめんですから、何かいい方法はないものかと案じたりしています。


■続・バリュー投資の有効性(2006年4月5日)

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「2003年からの株価上昇により、日本株はバブル崩壊を乗り越え、最高値を更新しました」私がこう言ったとしましょう。

「あのときは、日経平均が3万9千円だったじゃないか」と返されそうですが、少なくともバリュー株については高値を更新しているのです。

バリュー指数とグロース指数

このグラフをご覧ください。バリュー株投資の有効性(2004年4月10日付)で取り上げたRUSSELL/NOMURA日本株インデックスの最新データです。スタイルインデックスといい、修正PBRによりバリュー指数とグロース指数を分類したものです。バリュー指数は1989年末の高値を更新しています。一方で、グロース指数は半分程度にしか戻っていません。

人生と投資のパズル」に掲載されていた、このグラフをはじめて見たとき、すごく興奮したものです。市場が効率的であれば、ここまで差はつかないはずです。

TOPIXのETFに投資を行うのも「悪くない」選択ですが、株価指数は、時価総額の高い成長株のウェイトが大きくなります。RUSSELL/NOMURA日本株インデックスのバリュー指数ETFがあれば、個別銘柄は捨ててもいいと思っているのですが。



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