SYPシステム(エスワイピーシステム)
 

    
「SYP友の会」は、受講修了者の自己研鑽の場として発足しました。


初代の会長は発起人でもある
三菱重工 原動機事業本部の白井益弘さんです。
定期的に勉強会や交流会を開催しております。
ご興味のある方は、是非、ご参加ください。

第 1回 2004年12月15日(水)    第11回 2009年 7月23日(木)
第 2回 2005年 5月25日(水)    第12回 2009年11月20日(金)
第 3回 2005年 8月10日(水)    第13回 2010年 7月16日(金)
第 4回 2005年11月24日(木)    第14回 2010年11月 2日(火)
第 5回 2006年 9月15日(金)    第15回 2012年 1月25日(水)
第 6回 2006年12月26日(火)    第16回 2012年11月22日(木)
第 7回 2007年 5月14日(月)     第17回 2013年 5月15日(水) 
第 8回 2007年 6月22日(金)    第18回 2014年 1月15日(水)  
第 9回 2007年10月25日(木)    第19回 2014年11月21日(金)
第10回 2007年12月 6日(木)    第20回 2015年11月 5日(木)

「SYP友の会」は、研修受講済みの方に向けたページです。

※ 研修の効果が薄れてしまいますので
  現在、SYP研修を受講中の方は、受講終了後にお読み下さい。

2010年2月7日(日)以降は、下記ブログにて更新していきます。
http://ameblo.jp/syp-tomonokai/

過去の記事は、下記ブログにまとめました。
こちらの方が読みやすいと思います。
http://ameblo.jp/syp-tomonokai-repeat/




68. ブログを開設しました   ( 2010年 2月 7日 )

更新が簡単という横着な理由で、ブログを始めてみました。
ご想像通りというか、ご想像以上に更新は不定期です。
今後、「SYP友の会」は、こちらに移行させていただきます。
ちょっとした暇つぶしに読んでいただければ嬉しいです。

http://ameblo.jp/syp-tomonokai/



67. 本の紹介   ( 2009年12月13日 )

今まで長いタイトルが多かった私の著書に
初めてシンプルなタイトルがつきました。
「仕事耳を鍛える」です。
初めての新書になります。

新書はワンテーマが原則ですので
私が最も得意とする「ビジネス傾聴」に特化しました。
今回はビジネスリーダーだけでなく
性別、年齢、職種、役職に関係なく
あらゆるビジネスパーソンを対象にした一冊です。
特に上司や指導的立場にある先輩社員
そしてセールスに携わる人たちにはお勧めです。

ビジネス傾聴はカウンセラーの傾聴とは異なります。
まず、両者を明確に区別した上で、
「相手のかゆいところに手が届く高度な聴き方」である
「ビジネス傾聴」を分かりやすく解説しました。

編集作業に最も手間をかけた自信作です。
是非是非よろしくお願い致します。



66. 近況報告   ( 2009年11月 9日 )

ようやく脱稿しました。
お話をいただいてから丸2年の月日が経ってしまい
編集者様には本当にご迷惑をおかけしてしまい猛省してます。
と同時に月日の流れの早さに驚いています。
今回は初の新書になります。
新書は単行本とは異なりワンテーマなので
私が最も得意とする「傾聴」をテーマに選びました。
タイトルは、「仕事耳を鍛える」
サブタイトルは、「ビジネス傾聴入門」です。
サブタイトルには、私の希望を通していただき
出版社様および編集担当者様には本当に感謝しております。

来年の話をすると鬼に笑われますが
次作は、ここ数年、需要の多い「ストレス」や「メンタルヘルス」を
テーマにした本を出そうと思っています。

私事になりますが、今年は本厄のせいか、
この一ヶ月だけでも、いろいろありました。
まず新車をぶつけました。
家の石垣が壊れるほど派手に自爆しました。
レーシックの手術後、ずっと目の調子が悪かったのですが
つい先日「網膜剥離裂孔」と診断され、緊急手術を受けました。
その他、息子の骨折を始め、家族のケガも多い年です。

走り続けてきた自分へのご褒美も兼ねて
今年は、今までの疲れを癒すために
11月と12月は仕事をなしにして
体のオーバーホールをしようと企んでいたのですが
結局、そんなことは無理で、夢物語と化してしまいました。
仕事が順調なので良しとします。



65. 言葉の大切さ   ( 2009年 9月20日 ) 

筑摩書房様から発売される新刊(ちくま新書)は
初校ゲラ原稿も届き、いよいよ形になってきました。
配本日も12月7日(月)に決まりましたので、
12月の上旬には書店に並ぶことになりそうです。
今回は、傾聴をテーマにしていますが、
まるまる1章を使って、コミュニケーション全体を振り返りながら、
「言葉の重要性」にも焦点を当ててみました。
You are what you say.
言葉は大切です。
特に肯定的な言葉は意識して積極的に使って下さい。
 

朝日新聞 生活欄 ひととき より

「ありがとう」は言葉で  神奈川県逗子市 尾崎寛子さん 主婦 71歳
 
 数日間、2人の孫を預かりました。中2の男の子と小2の女の子です。
 お父さんが海外勤務になったので、その引っ越し準備の間でした。
孫と一緒の生活は初めてで、心がうきうきしました。
 孫たちは、何かちょっとしてあげると、必ず感謝の気持ちを表します。
目を見て「おばあちゃん、ありがとう」と言います。
 食事の時、私が「先に食べ始めていいわよ」と言っても、
みんながテーブルに着くまで待っています。
みんながそろうと「いただきます」と声をそろえて言います。
「ありがとう」「ごめんなさい」も自然に、すぐ表現できるのです。
 夫は「おーい、お茶」
入れてあげて当たり前。
私も、牛乳を買い忘れたら夫に頼み
「冷蔵庫に入れておいてね」
いつの日からか、感謝の気持ちを言わなくても、
お互いに分かっているので、それで済ませていました。
でも、言葉で聞くと心がなごむのです。大いに反省しました。
 外国へ出発する日、孫娘は、前の日に一生懸命作っていた
ウサギの折り紙を二つ「プレゼント」と言って、夫と私に差し出しました。
うれしくて、「ありがとう」と言って棚に飾りました。
 数日後、その折り紙を手にとってみると裏に小さな字で
「いままで ありがとう」と書いてありました。
 


64. 近況報告   ( 2009年 8月30日 )

本の宣伝ばかりで恐縮ですが、ようやく筑摩書房様の原稿が終わりました。
この後、修正作業に入りますが、今年の12月には書店に並ぶことになりそうです。
今年2冊目の本になりますが、しばらく年2冊を目標に書き続けたいと思っています。
具体的な詳細が決まり次第、随時、このページでご紹介させていただきます。


63. 近況報告   ( 2009年 5月17日 )

5月20日(水)に大和書房様から発売の新刊は
私の大好きな同社発行の大ベストセラー
「自分の小さな箱から脱出する方法」と似たタイトルで
「あなたを邪魔する壁が小さくなる方法」に決まりました。
大好きな本に似たタイトルをつけていただくと
何だか不思議と嬉しい気分になれます。
カバーは大ベストセラー「千円札は拾うな。」の
デザインでも有名な穴田淳子さんの作品です。
こちらも、とても気に入っています。
今回は編集者に加え編集協力者の強力なサポートのもと
何とかここまで来ることができました。
二人とも若い方だったのですが、とても頼りになる方々でした。
若い人に囲まれて仕事ができ、
こちらまで新鮮な気持ちになれました。
今回は初めて体験することが多く、ものすごく大変でしたが
過ぎてしまえば全てが楽しい思い出です。

筑摩書房様(ちくま新書)の原稿も
ようやく2/3が終わり、残り僅かになりました。
ゴールが見えてくると、さすがにホッとします。
(編集者には、ホッとしている場合ではないと怒られそうですが……)
すでに本業の方が繁忙期に入っていますが
一日でも早く脱稿できるように頑張ります。



62. 近況報告   ( 2009年 4月19日 )

大和書房様から出版していただく次回作は
まだ原稿を書き終えていない状態なのですが
アマゾンなどのネット販売では、すでに予約可能になっております。http://www.amazon.co.jp/gp/product/4479792597?ie=UTF8&tag=1352321-22&linkCode=as2&camp=247&creative=1211&creativeASIN=4479792597
詳細が決まりましたら、順次このページでご報告させていただきます。
今回はビジネス書ではなく、30代の方をターゲットにした自己啓発書になります。
是非、よろしくお願い致します。
 


61. 今年もよろしくお願い致します   ( 2009年 1月 5日 )

新年あけましておめでとうございます。

ほとんど更新のないこのページですが
今年も可能な限り更新をしていきたいと思います。

昨年は、ダイヤモンド社から「俺様社員をどうマネジメントするか」を出版しましたが、
それ以外にもビジネス誌に載せていただく機会が増えました。
プレジデント、週刊ダイヤモンド、経「Kei」、ザッツ営業、近代セールス、
TOPPOINT、月刊「人材教育」などです。
週刊ダイヤモンドとプレジデントは市販されているビジネス誌です。
しかし、ザッツ営業、近代セールス、TOPPOINT、月刊「人材教育」などは
定期購読誌や業界誌になりますので、手に取る機会は少ないかもしれませんが
読者層とテーマを絞ったとても素晴らしいビジネス誌だと思います。
もし機会がございましたら、是非、ご購読ください。
「What’s new」のページにリンク先が貼り付けてありますので
ご覧になりたい方はクリックしてみて下さい。

昨年は数ページにわたるインタビュー記事が多かったのですが
ザッツ営業のNO.10は、「ズバリ こんな悩みにお答えします」という
Q&Aのコーナーのため短い文章でしたので、ここでご紹介させていただきます。

上司や先輩からバラバラなアドバイスをもらったら…

Q:電話でアポを取っていると、上司や先輩に細かくアドバイスをもらいます。
しかし、みんな違うアドバイスをしてくるので、どう話したらいいのか分からなくなってきました。

A:世の人は、アドバイスをすることが大好きです。
特にオヤジになればなるほど、その傾向は強くなります。
ただ、オヤジ世代は物忘れが極端に早いという特徴もあわせ持っています。
かくいう私もオヤジ世代。酒の席だけでなく、
しらふのときですら言ったことを忘れてしまっている今日この頃です。
恐らく、あなたの上司や先輩も、ほとんどのケースでアドバイスの内容はおろか、
アドバイスをしたという事実まで忘れてしまっていることでしょう。
 それに、あなたが彼らのアドバイス通りに行動し、
仮に失敗してしまったとしても、彼らはあなたの失敗の責任を取ってはくれません。
 ですから、波風を立てないためにも表面上はハイハイ素直に聞いているフリをして、
自分なりに取捨選択をするのが最も良い方法だと思います。
 また、良好な人間関係を保つことは社会人生活では何よりも大切なことです。
あなたが成果をあげたあかつきは、「○○さんのアドバイスのおかげで‥‥」と
感謝の一言を付け加えれば、相手は決して悪い気はしないはずです。
 ただ一つ言えることは、あなたは確実に愛されています。
親心あってのアドバイス。干されるより、はるかに歓迎すべきことです。

今年は筑摩書房様から新書を大和書房様からは自己啓発書を出版します。
昨年以上に自己管理能力が問われる一年になりそうです。

私は1月3日に昨年の振り返りをして、今年の目標・課題・テーマの設定をしました。
皆様は、いかがお過ごしですか。



60. 近況報告   ( 2008年 6月12日 )

ダイヤモンド社様から出版していただく本は
タイトルや発売日などの詳細が決まりました。

タイトルは、「俺様社員をどうマネジメントするか」
“自分はできる”と思い込んでいる若手を育てる3つの方法
価格は¥1575(税込み)、発売日は6月27日(金)になります。
アマゾンでは、すでに予約可能の状態になっていますが
大きな書店では6月28日(土)以降、店頭に並ぶと思います。
前作と同様、超小心者の私には、新刊発売の喜びより
「売れなかったらどうしよう」という不安と恐怖でいっぱいです。
皆様、何卒、よろしくお願い致します。

今回は4月16日(水)に完成した最終原稿を
1ヶ月半以上かけて三回ほど手直しをして
6月3日(火)に、ようやく最終原稿が終了しました。
思いがけず、週刊ダイヤモンドと経「Kei」で
新刊を紹介していただけることになり、本当に感謝しております。
そのPR文やエッセーの原稿も、何とか書き終え
昨日の夜に、ようやく編集者様のOKをいただきました。
ようやく最大の未完了が完了しました。

今後は、筑摩書房様の原稿に取り組みます。
5月の下旬には、大和書房様からも執筆の依頼をいただきました。
ブログやメルマガという媒体も持たない
時代遅れの名もなきアナログコンサルタントが
このように研修や講演会や執筆の依頼を次々といただけることは
本当にありがたいことで、いくら感謝しても感謝しきれません。

6月から12月までは、超繁忙期になりますので、休みは全くありません。
毎年、この時期になると、戦地に赴く兵士のような気分になります。
6月20日(金)は、新社屋と新居の引き渡し日になります。
なかなか、まとまった時間がつくれそうにないので
少しずつ荷物の移動をしながら引っ越しをするしかなさそうです。

どっと疲れが出たせいか、6月に入った途端に帯状疱疹になってしまいました。
医師には、「そういう歳じゃないんだけどね」と言われてしまいました。
どちらかというと高齢者に多い病気だそうです。
そういえば、70代の義父が昨年、帯状疱疹で苦しんでいました。
老人なみの免疫力しかなくなってしまっている自分が哀しい今日この頃です。
さすがに前厄だけあって今年はトラブルが多いのを実感しています。
今年は、元旦早々から彫刻刀が左手を貫通するという事故にも見舞われました。
いつも以上に気をつけた方が良さそうです。

体調を崩しやすい時期だと思います。
皆様も、是非ご自愛ください。



59. 止まって観る その3   ( 2008年 5月11日 )
     
先々月の3月は大切な人が亡くなったり、最愛のペットが死んでしまったりと、
辛いことばかりが起き、ここ数ヶ月は不眠が続くなど、なかなか立ち直れず、
改めて自分は精神的に弱い人間なんだなということを知る機会になりました。
3月に亡くなった大切な人とは、私の和太鼓の師匠です。
当時、高校生だった私が最も荒れていた時期に拾ってもらい、
たくさんの愛情を注いでいただき、また厳しく育ててくださった人です。  
亡くなる数日前に、電話で話をしていたのですが、
そのときは、いつものように、とても明るく元気な声でした。
今年は久しぶりに夏祭りで会いましょうという約束までしていたのに‥‥。
45歳という若さでの突然死でした。
いまだに信じられません。
「あっ、内田君!」と、いつものように元気な声で
電話がかかってくるような気がして仕方ありません。
また、ペットの死に関しても反省と後悔ばかりが残り
喪失感が癒えるのには、まだしばらく時間がかかりそうです。
 
改めて日常の何気ない平凡なことが、一番幸せなんだなと感じています。


朝日新聞 生活欄 ひととき より

赤いチューリップ   岐阜県養老町 小林紀美代さん 主婦 74歳

今の自宅に落ち着いて50年。
手作りの庭には、折に触れて買ったり、友人から分けてもらったりした
様々な花が1年を通して咲くが、やはり春が一番美しい。
 ロウバイ、マンサク、梅に続いて桜が咲き、少し遅れてチューリップの季節になる。
大きな木に咲く花から、スミレのように足元にひっそりと咲く花まで、
いとおしんで育ててきた。
 昨年4月、桜が少し散り始めた宵、夫が75年の生涯を閉じた。
出棺の朝、長女が庭から赤いチューリップを切ってきてくれて、
ほかの花と一緒にひつぎに入れた。
 悲しむ暇もなく一人暮らしが始まり、役所や金融機関の手続きなど、
慣れない仕事に走り回った。
それまで金銭の管理はみんな夫がやってきたので、
「ねー、これどこの印鑑?」といつものように聞いてしまい、はっとした。
 一人で戸惑い苦労しても、「よく頑張ったね」と声をかけてくれる夫は、
もういないのだ。
 結婚して50年、大切な人としていつも横にいた夫。
話の中で意見が合わない時もあったが、「福寿草が咲いたよ」とか
「寒いね」とか、何げない日々の会話ができたことが本当の幸せだった、
と今しみじみと感じている。
 夫の死から1年。
赤いチューリップがまた、春の風に揺れている。



58. 近況報告     ( 2008年 4月20日 )

ようやくダイヤモンド社様の原稿が終わりました。
とは言っても、これから本格的な修正作業が始まります。
いずれにしろ、一つ目の大きな山は越えたという心境です。
思えばここまでの道のりは長く、編集者のT様には
ご迷惑ばかりおかけしてしまい、反省ばかりが残ります。
昨年の5月に出版が決まったのにもかかわらず
今年に入ってからも1行も書けていない状態でした。
毎年一冊の出版を自分へのノルマにしていたのに、
気がつけば前作から早二年の月日が経とうとしています。

それにしても、仕事のご依頼と同様に、人とのつながりには感謝するばかりです。
M社の研修担当者のお父さまがダイヤモンド社様の役員をされていたことから
編集長と編集者の方をご紹介いただき、ここまで辿り着くことができました。
そして、年末には思いがけず筑摩書房様から執筆の依頼をいただきました。
ホッとする間もなく、これからは修正作業と平行して、新作の原稿に取り組みます。
筑摩書房様からは、新書での出版になります。
もちろん、新書は初めてですので、編集担当者のK様には、
今後、いろいろとご相談させていただくことが多くなりそうです。
ダイヤモンド社様から出版の本は、予定通りにいくと6月末には店頭に並びます。
タイトルは秘密です。というか実は、まだ決まっていません。
タイトルが決まってから、「前書き」を書くことになりそうです。 
今回もサプライズインタビュー満載の内容です。
是非、買ってください。

『「依存する人」を「変化を起こす人」にどう育てるか』の増刷も決まりました。
今回は増刷に伴い20ヶ所程、内容の訂正をお願いしました。

まずはご報告まで。



57. 今年もよろしくお願い致します   ( 2008年 1月 7日 )

毎年、大晦日には必ず更新しておりましたこのページも
あまりの忙しさにかまけて更新ができずに1月7日を迎えてしまいました。

良い会社(利益のみを出しているという意味ではなく、社員を大切にし
社会貢献を果たしながら利益も出しているという意味です)になればなるほど
いわゆる根が善良で愚直に真摯に仕事に取り組んでいる人の比率が極めて高い。
昨年は、そんな事実を確認する一年にもなりました。
昨年も多くの優秀かつ善良なビジネスリーダーと時間を共有し
共に仕事ができ、多くを学ぶことができたことは至福の喜びです。

今年は新社屋と新居が完成し、春頃には、大がかりな引っ越しをする予定です。
新社屋建設に伴い、近くの古民家を買い取りました。
ここは、フロを薪で沸かすなどスローライフを楽しめる環境です。
大勢の人が宿泊できる広さがありますので、
今年は山梨でも「SYP友の会」を開催できればと思っております。

今年は新刊を2冊を出す予定です。
達成のためには仕事の調整と時間管理が最大の課題となりそうです。

また変化がございましたら、こちらのページでもご報告させていただきます。

今年もよろしくお願い致します。


古川柳に〈あまのじゃくだと塞翁が女房言ひ〉とある。
「人間万事塞翁が馬」の塞翁である。
馬が逃げてしまい、人々は同情したが、翁は嘆かなかった。
 馬は駿馬を連れて戻り、人々は祝福したが、翁は喜ばなかった。
子が落馬でけがをし、人々は哀れんだが、翁は悲しまなかった。
近隣の若者は戦争に駆り出されて死に、翁の子はけがのために生き延びた…。
 先を見通す賢人として世間で評判の夫に向けた、
「もう、ひねくれてるだけなのよ」という細君の醒めた視線がおかしい。
先見の明には縁のない身ながら、あまのじゃくを真似てみたいときもある。
 年末恒例「今年の漢字」が「偽」というのは確かに情けないが、
さまざまな偽装が露見したからこそ、その字が人目に触れた。
国をあげて積もり積もった煤を掃除した一年は、そう嘆くばかりでもあるまい。
 正直者の総量を量る機械があれば、きっと年初より目盛りは上を指しているだろう。
偽装は必ずや露見するという教訓が列島に染みとおり、
襟を正す人が増えたならば、煤にまみれた甲斐はある。
 とはいうものの、ひとのふり見て我がふり直し、
もう直し尽くしただろうと信じては裏切られてきた苦い味も忘れがたい。
〈能天気だと編集手帳が女房言ひ〉
という一句を読者から頂戴する日のこないことを切に念じている。

2007年12月19日(水) 読売新聞  編集手帳より


狩猟の場である氷を温暖化で失い、一頭の北極グマが海に流される。
泳ぎ疲れ、飢えてたどり着いた陸地で最後の力を振り絞り、
セイウチの大群に突撃する姿は胸を打つ。
1月に公開される記録映画「アース」(英独合作)だ。
 厳しい環境下で生きる動物を最新技術で追った。
モンゴルからインドへと、ヒマラヤ上空を渡るツルの群れがいる。
乱気流に逆らいながら、命がけで挑む8千メートルの壁。
砂嵐の中を何週間も歩いたアフリカゾウたちは、ようやく見つけた湿地と戯れる。
 ゴア氏の「不都合な真実」が人類への警告なら、こちらは地球賛歌だ。
この惑星はまだ生きている、いま行動を起こせば間に合うという気にさせる。
強いが押しつけない、間接話法の妙である。
 46億歳の地球が養う動植物の中のただ一種が、
ここ100年ほどの好き勝手で招いた地球破壊、温暖化。
このまま気温が上がれば、野生の北極グマは2030年までに
絶滅の恐れがあるという。死をもって急を告げる炭坑のカナリアを思う。
 地球の住み心地は、ガラス細工のような生態系の均衡の上に保たれている。
他生物を思いやることが我が身を守ることにもなるのだが、
人の世の災厄に追われて心はそこまで広がりにくい。
 ゆく年も暴力と不正に満ちていた。
「悪」への処方として品格や国柄を説くのもいいが、
残り1日ぐらい別のスケールで考えたい。
乾杯とごちそうをしばし我慢し、発想の起点を「私」から地球にかえてみる。
この上ない星に生まれた幸運と、その星の不運が見えてくる。

2007年12月31日(月) 朝日新聞  天声人語より


「漫画ドリーム07」

みんな無茶なノリで 世は醜態の嵐

赤坂の一等地の議員宿舎は何故安い?
天下る役人の受け皿施設は何故無駄にデカい?
震災被害者は未だに仮住まい

名前はどこへ消えた?記録から消え失せた
その上、増税で穴埋めするだと? 年金の魂
「100年安心」なんざぁ フザケろよ!!

守られるべき国民が 拉致されて30年
「国交正常化」などと言う 美談で事実を風化させるなよ
総理、公約通りにやらんかい!!

自衛隊は命懸けがけで戦場に橋を架ける
事務方のトップは焼肉 接待 ゴルフで賭ける
防衛産業 料亭でカッポレ

人の生命のために やるべきことはそれか?
どうして早めの対応と治療を拒んだ? 薬害の嵐
官僚・メーカー 注射したろか?
 
社長の僕ぁ知りません 社員がすべて勝手にやりました
消費期限も材料も産地もデタラメ 食品の嵐
一番安全 美味いのはダンボール?

週に十日はボケた日本 世は狂乱ホリデイ
悲しみのニュースが今 なぜジョークみたいになっちまうんだろう?

いっさいがっさい‥‥あんじょう学びや!!

                       桑田佳祐さん 2007年 年末ライブより



56. 止まって観る その2   ( 2007年11月11日 )

私にとって、本の執筆活動は「止まって観る」絶好の機会になっています。
今年の夏に新作が出る予定でしたが、仕事が忙しく全く執筆時間がとれず
編集者にお願いして来年の春頃に発売時期を延期していただきました。
年内は仕事に専念し、その代わりに1月〜3月は仕事を極力減らし
(限りなくゼロに近づけ)本の執筆に専念しようと思っていました。
ところが、この時期になり年度内の研修実施の依頼が殺到しています。
特に長いお付き合いのあるお客様からの依頼はお断りができませんので
予定表に書き込んでいくうちに、ほとんど休みがないことに気がつきました。
今年は忙しすぎて、明らかに不健全な状態が続いていますが
所詮は自営業、仕事があることを幸せと思わなくては不可ません。
感謝、感謝です。
いずれにせよ、確実に景気は良くなっているようです。
9月頃から、次々と来年度、再来年度の研修依頼まで入ってきています。
とても、ありがたいことです。


朝日新聞 生活欄 ひととき より

「いい一日」と思うこと  東京都大田区 鈴木 和枝さん 主婦 43歳

 「ああ、今日もいい一日だった」
 閉店間際のスーパーへ駆け込んだ私が、すれ違いざまに耳にした言葉である。
 はっとして見ると、幸せそうに笑みを浮かべ、彼に寄り添う若い女性の姿があった。
 一瞬足を止めて考えた。最近こんなふうに思ったことってあったかな?
 毎日朝から晩までノンストップで動き回っている私。
今だって、家でおなかをすかせて待っている2人の子どものために、
急いで買い物をすませて帰らなければならないのだ。
 一日が「やっと終わった」と思えても、「いい一日だった」と振り返る余裕などない。
彼女のように思えるのは、心にゆとりがあり、
日々、幸せを与えてくれる人々に感謝しているからなのだろう。
 それに比べて私はどうだ?
 常に何かに追い立てられ、毎日を義務のようにこなしているだけではないのか?
これじゃいけない。人生は一度きり。やはり毎日充実して過ごさなければ。
 ありがとう。あなたのおかげで自分自身を見つめ直すことができました。
これから一日のうち、ほんの少しでも「いい一日」だと思える大切な時間を作りたい。
 そう思いながら見る2人の後ろ姿は、やはり幸せそうだった。



55. 止まって観る その1   ( 2007年 8月14日 )

皆様、夏休みはいかがお過ごしですか。
私は、ようやく休みが取れ、久しぶりの更新になります。
「止まって観る」「思い出す」「見つめ直す」
これらもSYPプログラムのテーマになっています。
お盆休みは折角の機会ですから、ちょっと立ち止まって
皆様の来し方行く末を見つめ直してみてはいかがでしょうか。
私は毎年この時期になると村上春樹さんのデビュー作
「風の歌を聴け」が無性に読みたくなります。
どこか物悲しいのですが、学生時代を思い出すキッカケになるからだと思います。
そして、「24時間テレビ 愛は地球を救う」のテーマ曲を聞くと
夏の終わりを感じ、物悲しさがピークに達するのは私だけでしょうか。


朝日新聞 生活欄 ひととき より

夢かなってるじゃん  さいたま市 藤井 元子さん パート保育士 43歳

 先日実家に一人で帰った。
いつもならお盆やお正月の休みに、10歳と14歳の娘とともに帰るのだが、
今年は本当に一人。小さな一人旅である。
 保育士の仕事にやりがいを感じながらも、心身ともに疲れていたし、
それに付随して家事・育児に追われる日々がなんだか鬱々としてしまい、
久しぶりに恋しくなってしまったのが理由だ。1泊だけの短いものだったが、
両親とゆっくり話もでき、久しぶりに母特製のおすしを堪能した。
 食事の後、しばらく母と談笑していたら、「あなたの大学時代のサークルの会報誌、
邪魔だから持って行けば」と言われ、ああ、そんなものがまだあったのか、
と物置に足を踏み入れ、懐かしい古びた1冊を手にした。
 ぱらぱらとページをめくると、将来の夢と題して、仲間たちの文章がある中、
自分のものを見つけた。何を書いたのかも忘れていたので、
なんとなく読んでみてびっくりした。「子どもに囲まれた仕事をしたい。
2人の女の子の母親になっていたらいいな……」と書いてあった。
 単調で、まあそこそこ幸せだけど不満も感じていた毎日のそれは、
私の将来の夢そのものだった。何を鬱々とすることがあるのか。夢かなってるじゃん。
 帰りの新幹線、その会報誌を何度もめくりながら、生まれ変わったような気がした。



54. 春の職場を円滑に    ( 2007年 4月 1日 )

4月は新入社員の迎え入れ、異動の時期など人間関係に悩む方も多くなる時期です。

手前味噌になってしまい恐縮ですが
二年前の山梨日日新聞に掲載された私の記事を紹介します。
このページをご覧の方で山梨県内の方は少ないと思いますが
3月29日(木)NHK総合テレビ「まるごと山梨」に私が10分ほど出演し
同じような内容(上司と部下との人間関係に関するヒント)を紹介しました。

人事異動の春。各職場には新入社員も加わり、新しい顔ぶれで新年度がスタートした。
心機一転して仕事に取り組むためにも、職場環境は大事。
企業の社員研修などを行うSYPシステム講師の内田和俊さんに
コミュニケーションのヒントを聞いた。

Q:職場内で陥りやすいコミュニケーションの失敗は。
A:親子もそうですが、関係が近いほど「言わなくても分かるだろう」という気持ちから
  ズレが生じがち。その繰り返しが、あきらめや怒りなどのマイナス感情を招きます。
  「上司は人の話を聞かない」「同僚は気分屋だ」など、人は被害者になったとき
  非常に敏感に反応します。でもそんなときには、自分が同じことをしていないか
  視点を変えてみることも必要です。
  すれ違いがあると、人は自分の正当性を主張したがりますが、コミュニケーションは
  勝ち負けではありません。大切なのは相手に意図をどう伝えたかではなく、
  どう伝わったか。勝敗にこだわっている限り、関係は改善しません。

Q:コミュニケーションを円滑にするには。
A:結論を急ぐ上司に経過から説明したり、指示を待つ部下にとにかく行動を求めても
  うまくいかないように、相手のペースに合わせるペーシングが大切。
  同じ状態にあると人は本能的に安心できます。
  ペースを見極めるにはまず相手の話に共感し、よく聞くことですが、
  これが簡単なようで難しい。例えば親が子の悩みを聞いているうちに説教モードに
  入っていることも多いのでは。これでは相手は心を閉ざしてしまいます。
  ペーシングの具体的な方法は@趣味などの共通の話題を見つける
  A座っている人には座って対応するなど目線を合わせる
  B思考回路や物事へのアプローチ方法を合わせる など。
  ただし「迎合」とは違います。

Q:相手を伸ばすしかり方は。
A:感情のはけ口にしたり保身のために怒るのと、相手の成長を願ってしかるのとでは
  大きく違います。部下の失敗に対して、上司は経験やプライドが邪魔して
  上からものを言ったり価値観を押しつけがちですが、
  @相手とどういう関係を築きたいのかというビジョンを持つ
  A対等な人間として接することを常に意識していれば、カーッとなるのを防げるはずです。

Q:具体的には。
A:トラブルの原因を尋ねるにも「なぜ(why)」ではなく、「なに(what)」
  や「どんなふうに(how)」で聞いてみてください。
  「なぜできないのか」では相手を責めるようで委縮させますが、
  「何か問題があったのか」なら答えを引き出しやすい。自発的な解決を促せます。
  さらにメッセージは「あなた」ではなく、「私」を主語に伝えるといい。
  「あなたは部下に信頼されてないね」では、断定的で反発を招きかねませんが
  「私には、その(部下から信頼されていない)ように見えるが」なら
  反応に展開が期待できます。

Q:効果的な褒め方は。
A:「褒める」と「承認」は違います。前者は上から下の立場への行為ですが、
  後者は上下関係はなく、相手のありのままを認めることです。
  頑張ったが成果を出せなかった部下は、褒められなくても認めることはできる。
  認められた人は安心感や達成感を得られ、結果的にはモチベーションも上がるはずです。
  相手を変えようとするのではなく自分の考え方を変えてみると、変化が表れるはず。
  まずは行動してみてください。



53. ご迷惑をおかけしております   ( 2007年 2月 4日 )

おかげさまで、今年も1月から(早い企業は年末から)、
SYP研修に関して多くのお問い合わせとご依頼をいただいております。
新規のお客様には研修の打ち合わせや研修実施まで
相当の日数をお待ちいただくことになってしまっております。
大変、ご迷惑をおかけしておりますが、
何卒、ご理解をいただきますよう、よろしくお願い致します。

P.S. このページ更新は、今年も不定期になってしまいます。
     ごめんなさい。



52. 完了と未完了  その3    ( 2007年 1月 7日 )

親子関係、夫婦関係、社内の人間関係などなど
近ければ近いほど、私たちはどうしても意地をはってしまうことが多く
その結果、後味の悪い経験をしているのではないでしょうか。
謝ってしまった方がスッキリすること多くないですか。
素直になることも、コミュニケーションを円滑にする方法の一つだと思います。
タイミングを逃すと、なかなか出来ない「謝罪」。
今年の「テーマ」の一つに加えてみてはいかがでしょうか。


朝日新聞 生活欄 ひととき より

60年越しの「ごめん」  栃木県岩舟町 小荷田 王子さん お店番 74歳

 小学生時代のクラス会。シズちゃんに誘われて、しばらくぶりに出席しました。
 シズちゃんはとても明るい人で、よく人の世話をしてくれます。
ホテルの階段の踊り場で、昔話に花を咲かせていると、
息を切ってかけよってきたサクちゃんが、「シズちゃん、かんべんなー」。
シズちゃんは、シワだらけの顔にお化粧を真っ白にして「何を言ってるん」と驚いた顔。
 当時、同じくらいの背格好の2人はいつも同じ席か、
少し離れても、手をのばせば届くような所の席にいました。
「わっちは、いつも、おめえをいじめていたさー」とサクちゃん。
「知らねいよ。そんなこと、あったっけかなー」と首をかしげるシズちゃん。
みんなも意外でしたが、サクちゃんは何か心に思うことがあったのかもしれません。
「あの世に行ってからでは、謝れねえからよ。悪かったなー。勘弁してくれ。
ああ、ホッとしたよ。かんべんなー」
2人が手を取り合って、笑い出すと、みんな大声で笑いました。
 サクちゃんの目に何か光ものが見えました。
シズちゃんのほおのシワもぬれていました。
「これから仲良く元気で、長生きしべよ」
 夕暮れの中、それぞれ我が家に向かって、1人、また1人、消えていきました。
私は心の中で、またみんな元気であえることを祈りました。



51. 今年最後の更新です    ( 2006年12月31日 )

今年も、あと数時間になりました。
皆さんにとって、今年はどんな一年でしたか。
今年一年を完了するために「止まって観る」。
そんな自分自身のための時間を創ってみて下さい。

昨年と同様に朝日新聞の天声人語で〆にします。

 ことし最後の日をむかえた。
やれ大掃除だ、それ年賀状だ、と気ばかり焦って、ちっともはかどらない。
それでも、どうやら年は越せそうだ。ありがたい。
 江戸時代から明治にかけて、年の瀬は厳しいものだった。
つけ払いの代金をとり立てる「掛け取り」に追われる庶民の話の何と多いことか。
馬子唄で「箱根八里は馬でも越すが、越すに越されぬ」とくれば、結びは「大井川」だ。
だが、もとは「大晦日」だったという。
 そんな大みそかに大団円を迎えるのが、落語『芝浜』だ。
怠け者の魚屋が大金の入った財布を拾い、浮かれてどんちゃん騒ぎをする。
ところが一夜明けて、女房から財布なんぞ知らない、夢だよと言われてしまう。
それを真に受け、改心した魚屋は酒を断ち、仕事に励む。
そして3年目に財布の存在を明かされて……。
 痛飲して、記憶が途切れたことのある身には、
宿酔の朝に、夢だよと突き放される場面が切ない。
まさか、そんな、とほほ。不覚にも、そんな経験をお持ちの方もおられよう。
ただ、目覚めたくない夢など、そうめったに見られるものではない。
 それに比べて、ことしも悪い夢としか思えないような惨事が、世にあふれた。
親がわが子をあやめる。いじめを苦にした自殺や、飲酒運転の事故も続発した。
イラクのフセイン元大統領が処刑されたが、現地での死者は増え続けるのではないか。
 こよい、除夜の鐘が聞こえたら、耳を澄ましてみる。
忘れてしまいたい思い出と、忘れてはならぬ記憶が胸の中に降り積もるに違いない。
そして、年が改まる。      
                    2006年12月31日(日) 朝日新聞  天声人語より



50. 冬休みのお勧めスポット  ( 2006年12月31日 )

御家族と一緒に、または御家族の誰かがデイズニーシーに行くと
個人セッションの時にお聞きしたときに、私が必ずお配りしているものです。
ただ、私以外のスタッフはこれを持ち歩いておりませんので
不公平になるといけませんので、ここで紹介させていただきます。

「ミスティックリズム」というショーです。
フジテレビがスポンサーになって大々的にCM展開する
「シルク・ドゥ・ソレイユ」がベースになっています。
「キダム」「アレグリア」「サルティンバンコ」と聞けばお分かりでしょう。
火あり、水あり、ストーリー性ありの高度なサーカス軍団というイメージでしょうか。

私個人の意見ですが、これを見るためだけに
ワンデーパスポート(¥5800)を購入してもいいと思っています。
老若男女を問わず楽しめるスリリングなショーです。
パフォーマーのスキルは極めて高く、声を失うほど感動します。
ただ、ディズニーシーの外れにあるため知らない方がほとんどです。
今までご紹介させていただいた全ての方から例外なくご好評を得ています。

年頃の娘さんが友達と行くときでも
「誰と行くのかなー」の代わりに、これを紹介してみて下さい。
間違いなくお父さんの株が上がります。
そして、「何でパパが知ってたの!?」から始まり
娘さんはパパにお土産を渡しながら、帰宅後の会話が弾むはずです。

http://www.tokyodisneyresort.co.jp/tds/japanese/7port/lostriver/show_mystic.html




49. 原体験  ( 2006年12月17日 )

携帯もパソコンもTVもなかったのに、どうしてあんなに楽しかったのだろう。
                                (映画 「三丁目の夕日」より)

僕は東京の下町(墨田区の両国)で生まれました。
本所松坂町と言った方がピンと来る方もいらっしゃるかも知れません。
貧しい家でした。6畳一間のボロアパートに家族4人が住んでいました。
そのアパートをコの字型に囲むように、大きなメッキ工場があって、
多くの工員さんたちが働いていました。本当ににぎやかだったことを覚えています。
そのメッキ工場の社員用の食堂とお風呂が、アパートの前にありました。
僕の住んでいたアパートがメッキ工場の中心にあるような位置関係でしたので
僕はいつもメッキ工場の人たちの活気にさらされている状態でした。
毎日がイキイキとしていて、正に高度成長期を象徴するような光景でした。
今思うと、アパートの窓から見る外の光景は、映画のスクリーンを見ているようでした。
確かに貧しかったけれど、毎日が楽しかったです。
正月は浅草寺で初詣。夏は、隅田川の花火大会と盆踊り。
当時、盆踊りでは「21世紀音頭」が頻繁に流れていました。
夏休みには、毎日のように、道にビニール製のプールを出して遊んでいました。
11月は、鷲神社の「酉の市」。
12月は、吉良邸の「元禄市」。
この「元禄市」は、忠臣蔵でおなじみの吉良邸
(この吉良邸は、今でも両国に一部が現存しています)で
毎年、討ち入りの日に開催される一年最後のお祭りです。

一年中、町の至る所で相撲取りの鬢付け油のにおいが漂い、
夕暮れ時には夕飯のにおいと共に家族の笑い声が町中にあふれていました。
まぶたの裏や耳と鼻の奥の方には、古き良き記憶がたくさんつまっています。

数年前、仕事でタイのバンコクに行ったとき
あのときの日本と同じような光景がまだたくさん残っていました。
妙になつかしい気分になり、元気いっぱいになって帰国したことを覚えています。

SYPシステムが提供する全ての研修の上位目的を思い出して下さい。
集合研修の最終回に紹介するあの「目的」です。
私たちのビジョンの源泉は、この原体験の中にあるような気がします。
私たちの究極の目的、モチベーションの原動力は、
この原体験の中に置き忘れてきたものなのではないでしょうか。

ちなみにアパートもメッキ工場も取り壊され、今はマンションが建っています。


朝日新聞 生活欄 ひととき より

心弾む「酉の市」   東京都練馬区 山崎明日香さん 学生 18歳

 先日、地元で酉の市が開かれた。毎年行われる行事に、私は毎回、心を弾ませる。
 しかし、今年は私の受験の年。試験を数日後に控え、それどころではなかった。
それでも祖母に誘われ、とりあえず最後の神頼みということで、お参りだけは行くことにした。
 私が住んでいる町は、この数年で人口が倍近くに増えた。そのためであろうか。
今年は参拝客が長蛇の列で、昨年はいなかった警察官が数人、警備していた。
 人混みの中、祖母の手を引きながら、私は小さな頃を思い出していた。
 私がまだ祖母に手を引かれていた時、周辺には繁盛した店が数多くあった。
皆が生き生きしていて、近所づきあいも絶えず行われていた。
下町のような雰囲気が以前はあったのだ。
 しかし、最近はあんなに繁盛していた店が姿を消し始め、
周辺はビルばかりになってしまった。周りに誰が住んでいるのかもわからない。
昔は見えた富士山も今では見えなくなってしまった。
 すし詰め状態の参拝客の波に押されながら、私は夜の空を見上げた。
 この酉の市だけは変わらない。小さい頃の私の町に戻れる日だ。
そんなことを考えながら、私は祖母の手をぎゅっと握りしめた。 



48. 祝 全勝優勝!   ( 2006年12月10日 )

三菱重工業のラグビー部が、秩父宮ラグビー場で行われた最終戦で
NTT東日本に勝ち、トップイーストリーグで、見事に全勝優勝を果たしました。
今年は、監督とある一人のレギュラー選手を集合研修と
パーソナルコーチングで微力ながらサポートさせていただきました。
またOB選手やラグビー関係者の中には
私たちの研修を受講していただいた方々が大勢おられ
スタンドで感動と興奮を分かちあうことができ、喜びは格別です。
特に前述の選手は研修の担当者であり、受講者でもあり、
彼がフィールドで活躍し、チームに貢献している姿
そして目の前で優勝する姿は言葉では言い表せない感動でした。
監督の笑顔、選手の皆さんの笑顔、関係者かたがたの笑顔、とても素敵でした。
これでトップリーグは、もう目前まで迫りました。

上昇のスパイラル、上昇の運気の中に身を置くことのワクワク感はたまりません。

ラグビーは15人のプレーヤーによって構成され、
チームスポーツとして最も多い人員によってなされるものである。
つけたし的なポジションは一つもなく、
それぞれのポジションによって体格、スピード、運動反応、性格などの
適合性とその役割、責任を要求される。(三菱重工業ラグビー部のHPより)

企業などの適切な組織運営において
ラグビーほど手本や参考になるスポーツはないと思っています。

三菱重工業ラグビー部の皆さん、お疲れ様でした。
そして、優勝、おめでとうございます。
感動をいただき、ありがとうございました。



47. 6:4ルール ( ロクヨンルール )   ( 2006年12月 3日 )

繁忙期が続き、先週、先々週が今年最大の山になりました。
珍しく土日も返上でフルに働き続けました。
自営業なので仕事があるのは、とてもありがたいことなのですが
ここまで忙しい日が続くと、感情の起伏が激しくイライラしやすくなったり
些細なことでパニックを起こすなど、忙しすぎることの弊害も感じています。
ここのところ、明らかに肉体面のみならず精神面にも悪影響が出ています。
もともと体力に自信があるわけではないので
意識的に心と体のケアをしていかなければいけないと思っています。

つい先日もコーチ仲間のお医者様から
「明らかに声に疲れが感じられる」とご指摘を受けてしまいました。

12月の上旬と中旬に、もうひと山越えると、今年は楽になりそうです。
待ちに待ったお正月を迎えることができます。

本にも書きましたが、やはり緊張とリラックスのバランスを6:4にしないと
様々なところに弊害が現れてくるということを実感しています。

話は変わりますが、出張中に三毛猫が四匹の子猫を出産しました。
出産時に3匹にトラブルがあり、帰宅したときには1匹は既に冷たくなっていました。
もう一匹は深夜に動物病院にかけ込み緊急手術を受けましたが
その日の未明に死んでしまいました。
もう一匹は自宅で様子をみていたのですが、翌日の未明には死んでしまいました。
これも忙しすぎたことの代償かも知れません。
幸いにも、残された一匹は元気に育っています。

※6:4ルールの詳細は、「依存する人」を「変化を起こす人」にどう育てるか 
  217〜222ページを参照して下さい。



46. 久しぶりの更新です   ( 2006年10月12日 )

ここのところ忙しすぎて全く更新ができませんでした。
あまり気の利いたネタがありませんので、近況の報告をさせていただきます。

新規のクライアント様が増え、来年度、再来年度の予約も入り始めました。
それに伴いニーズの変化にも対応を迫られています。
今まで、コミュニケーション、リーダーシップ、チームワークを3本柱に
EAPを始めとしたメンタルヘルスに関する研修が弊社の売りでしたが、
今年度に入ってからは、プレゼンテーションや営業スキル研修も増えてきました。
また、ほとんどが半日研修(3時間)という形での実施でしたが
ここのところ、一日研修や宿泊式(2〜3泊)の研修も増えてきました。
ビジネスリーダーを対象とする研修スタイルは継続したいのですが、
それでも若手社員に対して研修を実施する機会も増えてきました。

週末は従来の和太鼓教室に加え、伝統のあるお囃子の会に所属し
自分自身のスキルアップと伝統芸能の継承にも力を注いでいます。

幸いなことに、母親が僕を丈夫に生んでくれたおかげで
細い体ではありますが、大きな病気もせず元気にやっております。

今日は久しぶりのお休みなので、ちょっとだけ、のんびりしています。
明日から、三菱マーケティング研究会で、宿泊の研修を実施します。

クライアントの皆様、読者の皆様、今後とも、よろしくお願い致します。

P.S. おかげさまをもちまして、9月20日に本の増刷が決まりました。
     同時に新作の執筆依頼もいただきました。
     ビジネスリーダーの皆様、インタビューのご協力をお願い致します。



45. 発売日が決まりました   ( 2006年 8月17日 )

いよいよ本の発売日が正式に決定しました。
今月の26日、遅い地域でも27日には書店に並びます。
すでに予約の受付が始まっています。

この本の「売り」は、第4章(最終章)にあります。
現役バリバリのビジネスリーダーやリサーチャーの
生の声を収録したインタビュー記事が含まれているからです。
本の中では了承をいただけた方のみを紹介していますが、
本当にたくさんの方々に協力していただきました。
この場をかりて、お礼申し上げます。
本当に、ありがとうございました。

第四章で紹介させていただいた4名の皆様をご紹介します。
まずは何と言っても「SYP友の会」会長の白井益弘さん。
三菱総合研究所 マーケティング戦略グループ 主席研究員の佐藤敦氏。
三菱重工業 原動機営業部 火力サービスセンターの佐野栄一センター長。
明治生命122年の歴史で初の女性支社長に就任された
現在、明治安田生命 理事・甲府支社長の西川治子氏です。
皆様には、超ご多忙なところを、職場に、出張先に、ご自宅へと
ご迷惑をかえりみず、しつこく何度も何度も押しかけてしまいました。
それでも、嫌な顔ひとつせずにお付き合いいただき、本当に感謝しております。
西川さんには、誕生日プレゼントまでいただいてしまいました。
佐藤さんには、お会いするたびに、最新の情報をいただきました。
三菱重工業の皆様には、出版祝いをしていただくことになりました。
皆様、本当に、本当に、ありがとうございます。
ようやく形になり、感慨無量です。
本当に感動しているときほど、気のきいた言葉が出てきません。
日本実業出版社 取締役の田中大次郎様には、
編集担当をしていただき、どうやって感謝の意を表現したらよいのか分かりません。
そして、僕の夢を支え続けてきてくれた妻にも、とても感謝しています。
僕の大きな目標は、メジャーな出版社から本を出すことでした。
極端な話、発売の当日に、死んじゃってもいいなと思っています。
それくらい嬉しいです。



44. 家庭教師を始めました   ( 2006年 7月 9日 )

五年近く前にある有名予備校の校長のご親戚を教えて以来
本当に久しぶりに家庭教師をすることになりました。
今回は、ある有名ラガーマンです。
今後、彼は間違いなくマスコミにも登場するような有名選手に成長するでしょう。
個人的には、我が母校、早稲田大学に入ってほしいと考えています。
僕がじいさんになったときに自慢するんです。
「こいつはオレが育てたんだ。だからオレには頭が上がらない」って。
それが僕の今後の夢の一つに加わりました。
今回、家庭教師をすることによって、初心に戻れました。
僕が20年前に家庭教師を始めたときと状況がものすごく似ているんです。
マンションのオートロックが解除され、エレベーターで部屋に向かうまでの緊張感。
その家庭のにおい。生徒の部屋の雰囲気。その他の家族の表情。
何だか20年前にタイムトリップしたかのような心境です。
初心に戻れることって素敵ですね。
とてもワクワクしています。



43. 猫の話  その3  ( 2006年 6月18日 )

ネタがないので、近況の報告をします。

5月5日に、白のペルシャが5匹の赤ちゃんを生みました。
2匹は産まれてすぐ、1匹は約一ヶ月後に死んでしまいました。
残った2匹は元気に育っています。
1匹は母親と同じで真っ白、もう1匹はヨークシャ・テリアにそっくりです。
不思議なもので、猫が2匹増えた途端にクライアントも2社増えました。
ただ、猫だけで11匹に達し、完全に猫屋敷になってきました。
オス猫の去勢手術が必要です。

仕事の方は、来年度の研修も決まり始め、本格的な繁忙期になってきました。
7月は、恒例になりつつある、東京医薬品工業協会、神奈川県経営者協会、
三菱マーケティング研究会でのSYPセミナーの開催があります。
神奈川県経営者協会でのセミナーは、
もともと神奈川県以外の企業からも参加が多かったのですが
今回は名古屋の企業から4名の申し込みをいただき、ありがたく思っております。
7月12日(水)には、山梨県能力開発協会でもセミナーを開催します。
山梨県内では、企業向けのSYPプログラム紹介セミナーは初めてになります。

先日の山梨県ラグビーフットボール協会のセミナーには
UTYテレビ「ニュースの星」の取材が入りました。
ただ、出張続きで、テレビのチェックができません。
もう放送されたのか、それとも今後、放送されるのか不明です。



42. リスニング スキル  その2  ( 2006年 3月11日 )

人間関係のあらゆる場面で傾聴は効果を発揮します。
でも、傾聴が大事だと口で言うことは簡単ですが、実行することは難しいです。
私たちは聞いている気になっていたり、聞いているつもりになっていることが多く
本当の意味での傾聴を実行することは本当に難しいことです。
自分の都合のいいように聞いていたり、自分の価値観に照らし合わせて
人の話を聞く癖がついているため、結果的には親切の押し売りをしたり、
上からの目線で相手には不必要な(場合によっては迷惑な)アドバイスをしがちです。
すぐに評価や判断をしてしまったり、比較してしまったり、
自分のパターンや癖から抜け出すことは、とても難しいことです。
コーチングでは、「質問」を使い相手の「気づき」をサポートしますが、
「質問」と「探り」を混同してしまうと、逆効果になってしまいます。
「探り」は、多くの場合、相手をコントロールする意図が含まれています。

朝日新聞 生活欄 ひととき より 

「来なかった年賀状 」   

 あの日から、もう10年近くたっている。
年賀状を用意する頃になると思い出す。彼女は元気なのだろうか。
 10月のある日、中学時代の友人に久しぶりに電話した。
「最近どう?」と聞くと、「12月に結婚する」という答え。
「相手の趣味は?」「旅行やアウトドア」(えっ?あなたはインドアじゃないの?)
「どこに住むの?」「Sっていうところ。駅から遠くてバスに乗るの」
(海に近いところでしょ。潮風が嫌いって言ってたじゃない。
都会的だったあなたが田舎に住めるの?)
心の中では、疑念の気持ちでいっぱいになっていた。
 話を続けても彼女と婚約者の共通点が見つからない。
その後で「大丈夫?」というようなことを言ったと思う。
披露宴に招かれているわけではないので、結婚後に年賀状をもらってから
お祝いを贈ればよいと思って、何となく気まずい雰囲気の中、電話を切った。
 翌年、彼女から年賀状はこなかった。
新しい名字も、どんな生活をしているかも知らない。
私は彼女を傷つけてしまったらしい。
 あの時、何も聞かずに素直に「おめでとう!お祝いは何がいい?」
と言えば良かったのだろうか。いまだに自問自答している。
そして私は今年、結婚20年を迎えた。



41. リーダーシップ   ( 2006年 3月 5日 )


 リーダーシップ能力は長い時間をかけて醸成するものです。
短期の研修で身につけられるような代物ではないと思います。
長期の視点に立ったとき小手先だけのテクニックは
ほとんど役に立たないし、場合によっては逆効果になることさえあります。
 研修なんか受けなくても、ほとんどのビジネスリーダーは
独自のリーダーシップ能力を長年の体験から身につけています。
 長期の視点に立ったとき、どんな人が一番信頼できるのでしょうか?
「誠意」、「知力」、「感情面での成熟」、「情熱」などが挙げられます。
「調子がいい」、「愛想がいい」、「何を頼んでも快く引き受けてくれる」など
短期の視点で信頼できる人とは基準が大きく異なってきます。

 先日、和太鼓教室の新年会を開催したのですが
メンバーのひとり、ある一部上場企業の人事部長さんは
一見、冷ややかで無愛想に感じますが(中身は、とてもやさしい方です)
とにかく真面目で、真剣で、謙虚で、約束をしっかり守る人です。
県庁幹部のメンバーもいらっしゃいます。
彼は、一見ちゃらんぽらんに見えますが、決してそのようなことはなく
「ふざける」ことと 「楽しむ」ことの違いを明確に把握しています。
必ず約束を守り、太鼓ではボスになる私に密に報連相をして下さいます。
二人とも「課題」や「目的」が明確で、芯がぶれていません。
当然、メンバー全員から、常に一目置かれているし愛されています。
私が心から信頼しているメンバーです。
芯、中心、根がしっかりしていることは、リーダーシップの要素であり、
そのような人たちは、最も信頼に値する人物だと思います。

朝日新聞  試写室より 

矢沢56歳。「よろしく」       情熱大陸 矢沢永吉

 川崎のライブハウスであった公演を、6日に見た。
超満員の観客とその熱気。矢沢の歌声は、
本人が言う「艶感」と「吐息感」をますます増していた。
 56歳になった矢沢永吉を番組は追う。
ロックバンド「キャロル」を解散し、ソロになってから30年。
今年は恒例の日本武道館公演を封印し、ライブハウスのツアーを決めた。
公演名は「ルーツ」。
「ライブハウスには、『おれは有名になりたいんだ』という叫びのにおいがある」
 語録がいい。
「またツアーが始まる。音楽、最高」
「自分の中の欲は敵であるし、すごく大事なもの。欲のないやつはだめよ」
 29歳のころの自分に、映像で対面する。
持論をまくしたてる若き矢沢を見てひと言。
「プロデューサーとして見ると、この人はサクセスしますよ。ブレてない」
 高みをめざす情熱。それを実現するための節制。
YAZAWAは変わっていない。 (西秀治)



40. 「 反 応 」 と 「 選 択 」  その2  ( 2006年 2月26日 )

長年の念願がかなって、先日、中島みゆきさんの「夜会」に行ってきました。

私たちが提供している研修のスタイルが特殊なため
表現の可能性を追求して「夜会」に行ってきました。
DVDは全巻持っているのですが、やはりライブは違います。
中島みゆきさんの歌声は、本当に迫力があるなと感じました。

今回の「夜会」は「人生の選択」がテーマになっていると私は思いました。
始めは惰性、感情的な反応など、ただ流される生き方を選んでいた主人公が
ある事件をきっかけに、「気づき」や「回想」を通じて、
自らの人生を選び始めるというストーリー展開でした。
特に強く印象に残った歌詞は、
生きて、 泳げ! 涙は後ろに流せ!
すべてを失っても、すべてが始まる


思えば7年前、私は離婚の時にすべてを失いました。
信頼、子供、財産などなど。
いま振り返って致命的だったのは、夢と希望まで失ったことです。
でも、そこからすべてが始まったのも事実です。
どん底まで落ちると、そこからはい上がるしかなかった。
失うものは何もなかったですから。
ただ、夢と希望を取り戻すのには、ちょっと時間がかかりました。

・ すべて自分が選んでいる。
・ その結果が「今」である。
・ ということは、この現状はすべて自分が創り出している。
・ 言い訳はできない。 他人や環境のせいにもできない。
・ ただ、これからの人生は自分の選択次第で自由にデザインできる。
そんなメッセージを、私は受け取りました。 



39. 一般セミナーが終了しました  ( 2006年 2月19日 )

本日、第8回 コミュニケーション講座が終了しました。
今回は明治安田生命様の主催ではなく
ある高校の先生が発起人になり、多くの障害を乗り越えながら
主体的に企画から参加者の募集、開催場所の確保に至るまで
全てのプロセスを実行して下さいました。
また、参加者の募集に関しては敬愛する私の友人や
過去の受講者が惜しみないサポートを提供して下さいました。
多くの方々のサポートを受けて実現できたことを、とても嬉しく思っています。
今回は従来の6回シリーズではなく、初の3回シリーズになりました。
初物づくしの研修に10名の方が参加して下さいました。
最近では公開セミナーは100名を越える大規模なものが多かったので、
久しぶりに少人数でじっくりと取り組むことができました。
参加者の皆様は意識が高く、私も多くの気づきを得ることができました。
一般セミナーは、毎回、初心に戻れます。
参加者の皆様、本当にありがとうございました。

P.S. 3月1日にフルーツパーク富士屋ホテルで開催される
     明治安田生命様主催の講演会は定員オーバーのため日程を追加します。



38. チームワーク研修 その4   ( 2006年 2月12日 )
 
「コーチ」の供給過多が顕著になった2〜3年ほど前から、
「コーチング」だけでは食っていけないなと感じていました。 
大手企業の研修担当者から、内容は「コーチング」で構わないが
「コーチング」というタイトルは外して欲しいと言われ始めたのがきっかけでした。

コーチングは社員の主体性を育成するには効果があると思いますが
経営者やビジネスリーダーは、コーチングはリーダーシップを補完するものであり
最新でも万能でもないこと、もっと効果的な研修が必要であることは分かっています。

組織はチームスポーツに似て、チームワークを醸成しないと機能しません。
個々人の戦力の合計 = チームの総合力 ではないことは
野球を代表としたチームスポーツを見れば分かります。
スタープレーヤーが集まったチームが優勝するわけではないから
見ている方も、プレイする方も面白いのだと思います。

ビジネスは、スポーツほど瞬間瞬間の的確な判断が
求められる機会は多くないと思いますが
スポーツほど選手の入れ替わりが激しくないので
長期の視点を持ってプランを組める楽しさがあると思います

京都新聞  テレビの泉  「自分らしさ」の迷走  高橋秀実
 
 これは果たしてドラマなのか?
 「西遊記」(フジテレビ系)を見ながら私は頭を抱えた。
三蔵法師が弟子たちを従えて天竺へ旅する物語のはずだが、
ストーリー展開がみえず、演出意図もさっぱりわからないのである。
 主演の香取慎吾(孫悟空)は声と動作がむやみに大仰なだけで、
みていて何やらやかましい。察するに、彼は孫悟空を演じているのではなく、
孫悟空役に挑戦するSMAPの「元気いっぱいな香取慎吾」を演じることで
精いっぱいなのではあるまいか。
 ナンバーワンよりオンリーワン。
SMAPのヒット曲の通り、役よりも「自分らしくあればいい」と
自ら言い聞かせているようなのである。
 その勢いにおあられたのか内村光良(沙悟浄)も、
自分がアクションをこなすニヒルな芸人だと確認しようとしているようだし、
伊藤淳史(猪八戒)はひたむきに「電車男」をなぞっている。
 そして深津絵里(三蔵法師)も相変わらず「等身大の女優」。
頑張っているけれど、時に泣いたり笑ったりするという自らの演技コンセプトを
ひたすら貫いている。だから馬にもまたがらず、弟子である彼らのことを
「仲間」などと言ったりするのである。
弟子というより、それぞれの個性を尊重するゆとり教育のように。
 タレントの見本市として見ればよいのかとも思ったが、
番組のクライマックスには孫悟空が人生訓のような説教を垂れる。
第一回では「心はスゲエ」という趣旨でこう叫んだ。
「信じるものを見つけたとき、大切なものを守ろうとするとき、
心はかてえ岩になる。……山よりも海よりもでっけえ岩だ!」
 信じることの大切さを訴えたいのだろうが、心が岩のままではドラマは始まらない。
「自分らしさ」を壊し合ってこそドラマは生まれるのである。



37. 京都散策    ( 2006年 2月 5日 )

 先週は名古屋と大阪で仕事を終えた後、一年半ぶりに京都に立ち寄りました。
 真っ先に足を運んだのが、三条堺町のイノダコーヒー。 
妻が「渡ちゃんが来てるかもしれない」と言うので
私もひょっとしたら渡さんがいるんじゃないかと思って立ち寄ってみましたが、
残念ながらいませんでした。吉祥寺の「いせや」をのぞいてもいないので
高田渡さんはやっぱり天国でゆったりと酒三昧の日々を送っているようです。
 次に錦市場へ向かいました。
錦市場は下町育ちの私の原体験を刺激してくれます。
記憶の奥底でほこりをかぶっている古き良き時代を思い出させてくれます。
歩いているだけで、妙に落ち着き、とても懐かしい気分になれます。
 その後、特に信仰が厚いわけではないのですが、神社仏閣を回りました。
夫婦そろって商売屋に生まれ育ったせいか縁起物には目がないので、
昔人のように験担ぎのための縁起物に触れたり、買い求めたりしました。
錦天満宮にお詣りをして、龍安寺にも行きました。
祗園の八坂神社では小雪が舞う中、舞妓さんの「節分祭」の舞の奉納を見て、
京都 ゑびす神社では、拝殿に十数年飾ってある
古びた七福神の絵を妻が交渉して譲っていただきました。
神社の方も、「これほどの縁起物はない、必ず御利益がありますよ」と
太鼓判を押してくださいました。
 大阪と京都では、これでもかというくらいに買いものをしまくりました。
帰る日には、手当たり次第に買い求めた商品で
車のトランクと後部座席は子供部屋のように散らかっていました。

京都新聞より   長谷川滋利が語る

 不動産や株に詳しく、ロッカールームで経済紙ウォールストリート・ジャーナルを読む。
イチロー外野手や野茂英雄投手とは違った意味での個性派大リーガー、
長谷川滋利投手が引退した。特別な変化球もなく、驚くような速い球もない。
それでも中継ぎで渋く輝き、大リーグ在籍は野茂に次ぐ9年。
ユニホームを脱いだ長谷川氏に聞いた。

 ― メジャーで達成できたものは。
「僕にはミッション(使命)があった。僕のように日本のプロ野球で平均か、
それよりちょっと上の投手が、メジャーでもやっていけると証明するミッションです。
(速球派の)クレメンスやジョンソンのようなすごい素質を持った投手を見たからではなく、
引退前のハーシュハイザーが緩い球で何とか抑えているのを見て、
絶対僕みたいな投手でもメジャーでやっていけるんだと思っていた。
それが証明できたと思ったから、もういいか、と。
これ以上野球で証明しなければならないことがないと感じ、
これまでなら腹を立てたようなことにも怒らなくなった。
燃えない気持ちのままで野球に取り組むことだけはしたくなかった」

 ― 引退発表直前まで複数球団の誘いがあった。まだやれる、の声は多いが。
「寂しい、と思うことはある。あと2、3年は現役で投げられる自信もある。
ここでワールドシリーズ出場に目標を置き換える人もいるでしょう。
でも、チームで何かを成し遂げるといった目標は、僕がミッションとしていたものとは別。
チームの勝利はあくまでも自分を含めたチーム全体が一生懸命に頑張って、
その結果としてついてくる。自分だけでチーム全体の運命はコントロールできない」

 ― 長続きの秘訣は。
「イチローのようにプロ中のプロ、という存在は百パーセント野球のことだけ考えるべきです。
でも僕のような選手は逆に、生活全体のバランスを取ることで長続きできた。
例えば僕の場合、ビジネスについて勉強することで気持ちに余裕が生まれて、
より野球に集中できた。バランスを取る、という生き方はこれからも変わらない。
今後しばらく、野球界への恩返しが3割、自分のビジネスが3割、
家族と充実した時間を過ごすのに4割でしょうか」



36. しばらく、不定期の更新になります    ( 2006年 1月15日 )

今年は仕事始めの日から(早い企業は年末から)、
SYP研修に関する問い合わせのメールと電話が殺到し、
その対応に嬉しい悲鳴をあげています。
各企業で来年度の研修計画が動き始めているようです。
新たにラーニングセンターを設立する企業が増えたり、
研修受講対象者の幅や人数が増えるなど、
ここからも大手企業の景気が急速に回復していることが分かります。
また、私たちは普段から車で移動をしているので、
タクシーやトラックが増えていることからも、景気の回復が実感できます。
今月は継続クライアント様へのご挨拶まわり、新規クライアント様との打ち合わせ
そして新規事業の計画と立案など、まさに「種まき」の月になっています。

今年は、ほとんど毎日が出張になり、新規事業にも時間を注ぐため
しばらく「SYP友の会」の更新は、不定期にさせていただきます。
何卒、ご理解とご了承を、お願い致します。



35. 完了と未完了  その2    ( 2006年 1月 9日 )

新年、あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願い致します。
今年初の「SYP友の会」の更新です。

未完了を完了するとは、「気がかり」をなくしていくということです。
それは、「やるべきこと」や「やらなくてはならないこと」を
一つずつ、つぶしていく作業から始まり
「妥協していたこと」や「あきらめていたこと」を思い出し
そして、それに着手することへと発展します。
更には、夢や希望を取り戻すことまで含まれていると思います。

「完了」に関して、作家の村上春樹さんは、こう表現しました。
「うまくいけばずっと先に、何年か何十年か先に、
救済された自分を発見することができるかもしれない。
そしてその時、象は平原に還り
僕はより美しい言葉で世界を語り始めるだろう」

山梨新報 極超短波 より

 日ごろ、音信のない知人たちだが年賀状だけは届き、
年に一度消息確認作業が行われる。
子どもが大学生になった、就職・結婚したというたぐいの
添え書きが多いのが例年だが、今年は「定年退職」という文字が目立った。
 早期退職制度で辞める者、残りわずかな在職期間に
思いをはせる者などさまざまだが、いずれも戦後間もない時期の、
いわゆるベビーブームのころ生を受け、経済成長もオイルショックもバブルも経験し、
いわば日本経済の光と影とともに生きてきた「団塊の世代」だ。
 この呼び名の命名者であるといわれる作家の堺屋太一氏によると、
この世代は苦手なことがあると頑張って得意にするように教育されたため、
嫌いな時間を過ごす我慢強さが身に付き、それが高度成長期の大きな力になったそうだ。
 反面、自分の好きなことや関心のあることから目をそらされた教育によって、
好きなことを忘れていき、大学を卒業する時には自分の本当に好きなことが
分からなくなった世代でもあるそうだ。
異論もあろうが「団塊」の一人としてはうなづける面もある。
 そんな「働き蜂」たちが来年から3年間で700万人も退職していくという。
いわゆる「2007年問題」だ。
もともとはIT業界における、現場を熟知したIT専門家の
大量定年退職問題が発端だが、さまざまな分野で同様な現象を
危惧する声が高まり、対策に追われている。
 伊勢神宮で20年ごとに神殿を造営し神体を移す式年遷宮祭の最大の目的は、
宮大工の技術の継承にあるともいわれる。
人数が多いだけに激しい競争を強いられながら蓄積された
「団塊」の経験、技術、知識、意欲には、まだまだ活用の分野がありそうだ。
 亭主不在を謳歌してきた家族を「在宅ストレス症候群」に陥れぬためにも、
忘れていた「好きなこと」を思い出して第2ステージを設計しようではないか、ご同輩!



34. 今年一年を振り返って    ( 2005年12月31日 )

この一年、地上の様々なところで多くの命が散らされた。
何事もないことは何でもないことではなく、
尊いことなのだと、思い知らされる暮れである。 12月30日(金)の天声人語より

トリを焼く煙がもうもうとあがり、勢いよく通りに出てゆく。
東京・吉祥寺の駅前で、井の頭公園に近い場所だ。
この春に逝った歌手、高田渡さんの行きつけだった店の止まり木で、しばし偲んだ。
1月1日生まれで、存命なら明日が57歳の誕生日だった。
その歌は、人々の心の中に流れ続けてゆくだろう。  12月31日(土)の天声人語より

高田渡さん、内田和俊、高田漣さん(渡さんの息子さん)の
スリーショット写真を横に置き、今年最後の「SYP友の会」を更新しています。
ちなみに俳優の大杉漣さんは、高田渡さんの大ファンで
芸名の「漣」は、高田渡さんの息子さんの名前から取ったそうです。

今年も忙しいながらも、
充実した一年を過ごすことができました。
特に12月は予定外の研修や講演会が入り、
あたふたした毎日を送った月でした。
今年も走り抜きました。
健康で幸せな気分のまま
大晦日を迎えられて、ホッとしています。
そして、今、完了を手にして、
安心感、達成感、充実感に包まれています。

今年は、新たな展開が生まれました。
世界規模のシンクタンクからタイアップ事業のご提案をいただき
来年からは、リサーチ、分析、コンサルティングから研修まで
一貫したプロセスにより企業文化の革新を
今まで以上に力強くサポートすることができることになりそうです。
高校や大学などの学校関係者からの研修依頼
スポーツコーチングの依頼など、来年のことを考えるとワクワクしてきます。

思えば、3年前までは、年末になると次の年の仕事を心配していました。
来年、どうしよう‥‥。( 仕事がないかも‥‥  ※ 結局は忙しかったです。念のため )
去年からは、違う意味で次の年を心配するようになりました。
来年、どうしよう‥‥。( 忙しすぎるかも‥‥ )
塾が終わってから真夜中に一般セミナーのビラ配りをしていた時期もありました。
真冬の時期は厳しかったです。( 自転車か歩きでのポスティング作業だったので )
鼻水は凍るし、犬にはほえられるし、配り終えたときには夜が明けていました。
冷え切った体を風呂で温めて、朝刊を読んでから寝る毎日でした。
でも夢と希望があったので、すべて楽しかった懐かしい思い出です。

「SYP友の会」も軌道にのり、参加してくださる方々も定着してきました。
出張先から駆けつけてきてくださる皆様、いつもありがとうございます。
一流のビジネスリーダーから現場の生の声を聞きことができるし、
ニコールキッドマン似の女医さんもいて嬉しいし、
酒も料理もおいしいし、そして何よりにぎやかで楽しいし。
毎回、とても楽しみにしています。
これは、ひとえに白井益弘会長のおかげです。
本当に、いつも、ありがとうございます。

SYPシステムの発展はクライアントの皆様のおかげです。
SYPシステムを選んでいただき、本当に、ありがとうございました。
来年はSYPシステムの更なる飛躍の年にしたいと思っています。

そして、皆さん、今年一年、お疲れ様でした。
今年も、いろいろあったと思います。
会社のため、家族のため、自分自身のために頑張ってきた皆さん
自己承認して下さい。そして、今年一年を完了しましょう。

よいお年を! 
来年もSYPシステムを、よろしくお願い致します!

Keep on Smiling !



33. サザンオールスターズの年末ライブ    ( 2005年12月26日 )

出不精の私とは反対に妻は非常に活動的です。
妻はライブが大好きで、お気に入りのアーチストの音楽や
スポーツ観戦もすべてライブで楽しまないと満足しないようです。
(私は個人的にはテレビで十分だと思っていました)
今の妻と結婚してから、数多くのライブに付き合わされました。
そして、そこから信じられないくらいのエネルギーと感動をもらいました。
私がライブ感覚を重視した研修を提供しているのも
そんな影響があるのかも知れません。
妻は殊の外サザンオールスターズの桑田佳祐さんのファンなので
ここ数年、毎年、12月になると私の予定は完全に無視されてライブに駆り出されます。
私の一番のお気に入りの曲が「私の世紀末カルテ」。
「さくら」というアルバムに収録されている曲です。
現代社会を痛烈に風刺した強烈なメッセージを含んだ歌詞です。
初めてライブで聞いたとき、鳥肌と涙が止まらなくなったことを覚えています。
もう5年前の歌詞なのに、今聞いても新鮮です。
今という時代と自分の足元を、もう一度、止まって、見つめ直す機会になりました。
私たちは本当に進歩しているのでしょうか。 
本当に幸せなのでしょうか。
先週は更新をサボったので、今回は長めの内容にしました。 
「私の世紀末カルテ」 ( 作詞:桑田佳祐   歌:サザンオールスターズ )

※ 2〜5番は、2000年12月のライブヴァージョンです。

家に帰るとテレビがなくては生きていけません
嘘でもいいから刺激がなくては死んでしまいます
こんな時代に手紙を書くのが好きになりました
他人(ひと)に己をさらけだすのが怖くてなりません
闘うことや傷つくことは拒むけど
野暮な慰めにゃ ホロホロリ

飯島愛には共感できると我が子は言いますが
内閣総理になりたい子供を近頃見かけません
世の中のために働く警官、政治家、お医者様
不本意ながらも不埒なイメージで語られ惨めです
尊敬される大人であれとは言わないが
せめて人として生きましょう

包丁一本サラシに巻いてバスを乗っ取るも
自宅の地下で吸引するのも 麻薬に手を出すも
少女監禁するのも バットで親を殺すのも
よってたかってカツアゲするのも すぐに切れるのも
社会が悪いとうそぶいたのはもう過去のこと
今は答えさえ風の中

携帯電話とパソコンがなくても生きていけません
情報ソースとツールにまみれた暮らしが文化でしょう
自然を根こそぎ破壊しながら街を造りましょう
コンビニエントで快適な日々は今さらやめらぬ
いらないゴミは垂れ流しましょう みんなして
そして知らぬフリいたしましょう

拝啓、マスコミ、メディアの皆様、お世話になってます
報道という名で叶姉妹の過去などあばいてる
かくいう私もエロネタ、醜聞、噂にゃ目がなくて
思考停止と右へならえできている始末です
がんばった人にも、たまにはマイクを向けましょうね
夢のあるネタを届けましょう

胸いっぱい時代の風を吸い込む頃がある
こんなに汚れた都会の空気を有り難がっていた
いくつになっても未熟な自分を愛しく思ってる
そんな大人が幼い我が子に道を説いている
誰かにもらった自由を疑う事はなく
知らず知らずうちホロホロリ
  
人間同士も深入りするとロクなことはない
下手に誤解や裏切りなんぞを被る筋はない
人の絆はつかず離れず希薄なほうがいい
その他大勢の群に紛れて幸福(しあわせ)掴みたい
歩みの遅い者を尻目に駆け抜けりゃ
友は泣き笑いホロホロリ

浮気をするならバレなきゃいいわと笑って妻は言う
このごろ帰りが遅くなったと気遣う振りをする
満員電車のビショ濡れ窓から我が家の屋根を見て
今夜のために昨夜(ゆうべ)と違った言い訳探してる
誰も知らない居場所が欲しいそれなのに
愛をブラ下げてホロホロリ

情に流せば弱気な態度と傍(はた)からなじられて
腹から怒鳴ると変わり者だと嗚呼避けられる
頭を下げればその場はなんとか凌げるが
見て見ぬ振りすりゃ自分がなんだか惨めになってくる
他人(ひと)の視線と自分の評価にうろたえりゃ
春は柳さえユラユラリ

母さんあなたが歌ってくれた小唄が懐かしい
この世に生まれこの世で見たのは時代(とき)の流れだけ
未来世紀も人間(ひと)の心はうつろい易いだろう
こんなアジアの片隅なんかにしがみつきながら
もう背伸びをしようなんて言わないが
せめて泣かせてよホロホロリ
夢を捨てられずホロホロリ



32. 「生協の白石さん」に学ぶコミュニケーションスキル  ( 2005年12月11日 )

ご存知の方も多いと思いますが、「生協の白石さん」とは、
東京農工大学の生協職員でいらっしゃる「白石昌則さん」のことです。
生協の入り口近くのボードの前に置いてある「ひとことカード」
( 「○○をおいて!」 「○○は、どうしてなの?」 など、なんでも結構です。
組合員さんの声で生協は変わります。あなたの声をお寄せください! )を
通じての学生とのコミュニケーションが本になっています。(講談社より出版)
白石さんは、学生からの「ひとことカード」を、まず真剣に受け止めます。
これは、コーチングの基本スタンスである「100%クライアントの味方」に該当します。
その他にも、反復、「私」メッセージ、承認、質問、コンテキストを明確にする、などの
コミュニケーションスキルをシンプルな表現を使い実践しています。
しかも、そのシンプルな表現の中に「あたたかさ」がいっぱいつまっています。
結果的に相手を完了に導くプロセスは天性の才能を感じさせます。

生協への質問・意見・要望 → Q:
生協からのお答え      → A:

Q:リュウとケンは、どっちが強いんですか?
A:リュウとケンとは、この場合誰を指すのでしょうか?
  推測の域は出ませんが、竜雷太と松平健の場合、
  全盛期ならおそらく竜雷太の方が腕力は上だと思われます。

Q:はがねの剣  100本
A:ご購入のご希望という意味で宜しいでしようか。
  申し訳ございません。100本はおろか、1本たりともお取り寄せできません。
  銃刀法違反に触れるおそれもありますので、
  ご購入は断念された方がよろしいかと思われます。
 
Q:単位がほしいです。
A:そうですか、単位、ほしいですか。
  私は、単車がほしいです。
  お互い、頑張りましょう!

Q:愛は売っていないのですか…?
A:どうやら、愛は非売品のようです。
  もし、どこかで販売していたとしたら、それは何かの罠かと思われます。
  くれぐれもご注意下さい。

Q:どーやったら鈴木さんと付き合えますか。
A:当方の職員に「鈴木さん」という人がいます。
  その鈴木さん宛という仮定でお答え致します。
  鈴木さんは若く見えて魅力的な人なのですが、
  二児の母、しかも上の子は高校生との事です。
  この障壁、一朝一夕では越えられないと思われます。
  どうにもならない事、人生には幾つかあります。
  どうぞ気を落とさずに。

Q:白石さん 好きっす。
A:光栄っす。



31. 完了と未完了  その1  ( 2005年12月 4日 )

私たちは他人と比較をして、コンプレックスや弱みや足りない点などの
未完了をエネルギー源にして行動することが多いようです。
SYP研修では、自己承認や選択理論など
完了を基にしたより健全なエネルギー源の紹介をしています。
私たちは、その時その時でベストの選択をしてきました。
もちろん今の知恵と経験をもってすれば、後悔はあるとは思いますが、
少なくとも、そのときはベストの選択と信じて選んできたものを、今、手にしています。
振り返れば、多くの達成を手にしてきた私たち。
もうすぐ年末を迎えます。
今年一年を、そして、過去の自分自身を完了してみましょう。

朝日新聞 生活欄 ひととき より

「タイムマシン 」   横浜市 井川喜久江さん 主婦 55歳

「96年3月21日(木)娘の卒業式。快晴。担任の先生は赤い着物に袴姿。
1組2番なので全卒業生の2番目に卒業証書を受け取る」と打ち込み、
卒業証書を受け取っている写真を張る――。これで終わった。
 ある日、2人の子どもが小さかったころの写真を見て感慨にふけっていた。
当の子どもたちには、いつ、どこで撮った写真か分からないのではと思った。
 そうだ、当時つけていた日記の整理もかねて、日記をワープロで打ち、
写真をはりつけておこう。子どもたちの言動のメモも入れよう。
母子手帳の成長記録も。私の思いをつづった文章も入れよう……。
どんどんと膨らんで、大仕事になった。
 作業している間、まるでタイムマシンに乗って子育て時代を旅しているようだった。
旅人としてみると、当時は見えなったものがよく見えてくる。
 あんなに小さかったんだ。子どもも一生懸命だったんだ。私もよく頑張ったね。
上の子の病院通いで下の子を預かってくれた近所のおばあちゃん、
よく話しかけてくれた駄菓子屋さん。
なんと多くの人に助けられて子育てをしてきたのだろう。
 日記はちょうど、下の子の小学校卒業で終わっていた。
その写真を張り終えたとき、無我夢中だったために実感がなかった
子育ての15年間を、しっかりと受け止められた気がした。



30. タイムマネージメント    ( 2005年11月27日 )

管理職研修では、まず1回目にタイムマネージメントの話をしています。
2回目の冒頭には、ある課長さんの小学生の娘さんの事例を紹介していますが
人間関係においては、第2領域は放っておくと第1領域に移行することなく
すべての領域から消え去ってしまうことがあります。
しかも、その未完了は完了することができなくなってしまいます。
人間関係の中でも、特に家族関係においては
その時期にしか味わうことのできない時間は、やり直しができません。
失われた時間を取り戻すことは不可能ではありませんが、難しいことです。
世のお父さん方、大切なお子様との時間を
大切なお客様との約束と同じくらいに(理想としては、それ以上に)
大切に扱ってみて下さい。
冬休みは、もうすぐそこまで迫っています。
cf 14.「もの」より「思い出」(2005年8月7日)

朝日新聞 生活欄 ひととき より

「父と娘のダンス 」   東京都足立区 矢作潤子さん 主婦 50歳

 外国映画を見ていたら、結婚式で花嫁と父親がワルツを踊るシーンがあった。
欧米では、結婚式だけでなく、普段のパーティーでも、よく父と娘が踊るそうだ。
 父娘が寄り添い踊る光景を見て、
このすてきな習慣が日本にもあったならと、うらやましく思った。
日本では、娘が父親の手に触れることすら余りないのではないだろうか。
 私も、5年前に亡くなった父とは、やはり一歩おいた関係だった。
父は学校や塾の講師だった。家ではほとんど教材作りをしていたし、
私自身、長い間、教壇から父に教わっていたため「先生」という意識が強く、
素直に肉親として接することができなかった。
一緒にいてもぎこちなく、良い生徒を演じているようなところがあった。
 父が年老いても肩をもんであげることもなく、
さらに、病気の父のおむつを、どうしても取り換えてあげることができなかった。
様々な後悔が、切なく、波のように今も押し寄せる。
 映画を見ながら、思いは30年近く前の結婚式に飛んだ。
花嫁姿の私は、父とダンスを踊りながら、
「ありがとうございました。お父さん、大好きよ」と言う。
幼いころ、寝る前にお話を聞いた時のように、父の胸にもたれながら――。
そんな場面を思い描いていたら、天国から父もほほ笑んでくれた気がした。



29. 視点を変える  その5  ( 2005年11月20日 )

「視点を変える」と言葉で言うのは簡単ですが、実行するのは難しいようです。
「慣れ」や「惰性」が私たちの正常な感覚を麻痺させてしまうことがあります。
研修ではチェックリストなどのツール、デモンストレーション、ロールプレイ
などを通じて、視点を変える機会を意図的に創り出しています。
また、フィードバックも視点を変えたり、気づきを促したりするのには効果的です。

朝日新聞  特派員メモ  サンパウロ  石田博士
 
人口1億8千万人のブラジルで年に3万人以上が銃によって死ぬ。
だが、政府が販売禁止の是非を尋ねた国民投票では3分の2が反対した。
 投票前、地元メディアは銃被害の告発キャンペーンで販売禁止を後押しした。
それを反対派は逆手に取った。「だから正当防衛権が必要だ」
犯罪への不安をあおり、結局、一気に支持を増やした。
 ふだん街で銃声が響くわけではないが、
「男に車に乗り込まれて、銀行で金をおろさせられた」
「バッグを奪われた」とはよく聞く。
多くの場合、犯人は銃を持っている
 私が住む地区でも先日、強盗事件があった。
銃でマンションの警備員を脅すと、約7時間かけて住民を1人ずつ拘束して金品を奪ったという。
「信じられない」と嘆いていたら、友人が言った。
「でも、日本では同じくらいの人が自殺しているらしいじゃないか。その方が信じられないよ」
インターネットで仲間を募っての練炭自殺は、南米でも大きく報道された。
 治安が悪くとも、この街では、見知らぬ人同士がエレベーターであいさつを交わし、
混み合う地下鉄では荷物を支え合う。
東京の方がよほどぎすぎすしていると思う。
 年間3万人。
銃で死ぬ国も自殺で死ぬ国も、どちらも何かおかしい。



28. リスニング スキル  その1  ( 2005年11月13日 )

チームワーク研修を中心に最近の研修では
5つの傾聴スキル( SYP傾聴 )を紹介することが増えました。
私たちは都合のいいように聞き、都合のいいように解釈しています。
その結果、相手の質問や要求に適切に答えていないことがあります。
人によっては、こちらが訊いてもいないことを、ダラダラとしゃべり続けます。
その代表例が正当化です。
私たちは何かを伝えるためだけでなく
何かを隠したり、ごまかしたりするときにも言葉を使います。

朝日新聞  指先からソーダ  山崎ナオコーラ ( 作家 )
 
すてきな不動産屋さん

 20代後半になって、やっと実家を出る決心をした。
いろいろな不動産屋さんに行って、たくさんの部屋の内見をした。
 しかし臆病な私は、なかなか部屋を決めることができない。
「ここの道は夜になると怖いのではないか」
「オートロックのマンションの方が良いのではないか」
そんな不安ばかりが頭に浮かび、だいたい良さそうなところを見ても、
マイナス要素を必ず発見してしまう。
 そして、1年間も部屋探しを続けた。
 私は最初に必ず「セキュリティーを一番重視してます」と言っていた。
でも紹介してもらえるのは、ちょっと違う部屋になってしまう。 
私の「セキュリティー」というものに対する観念が曖昧なせいかもしれない。
不動産屋さんは「ここはキレイですよ」「女の子に人気です」
「バストイレ別で‥‥」というようなことしか言わないのだ。
 旅行好きの私は、東南アジアの汚い安宿でも平気で泊まれる。
東京でも、そういう部屋で構わないと思っていた。
ただ、東京では夜道が怖い。
だから、重厚な門や、鍵が二つかかるドアの中で、安心したかった。
 いろいろな不動産屋さんがいるが、たいていの方が、喋りが上手だ。
ペラペラと説明してくれる。しかしそうすると、私はうまく喋れなくなってしまう。
 しかも私は20代後半で、体格はしっかりしているし、顔は可愛いわけではない。
「女のひとり暮らしは怖い」と私が言うと滑稽では?と思っていた。
「怖い」とは、相談しにくい。
 しかし見た目で判断しないでもらいたい。
極度の怖がりなのだ。やっぱり、相談したい。
 最後の不動産屋さんは、ペ・ヨンジュン風のメガネをかけた、
私より2、3歳上に見える男の人だった。
私の「ひとり暮らしは怖い」話を、じっくりと聞いてくれた。
話し上手より、聞き上手な人こそが、本当の営業上手なんだ、と私は思った。
「一般的なことではなくて、自分にとっての『怖くないポイント』があるはずですよね」
 といろいろと考えてくれた。
大家さんが隣というのは?ホテル風はどうですか?など。
 そして私は今、隣の隣が交番の、安心できる部屋に住んでいる。



27. 「 ペーシング 」  その3  ( 2005年11月 6日 )

5月22日以来のテーマになります。
共通の話題はラポールづくりの基本です。
犬を代表として、ペットを飼っている人は多いと思います。
ペットを飼うことにより共通の話題が増えることは
ペットを飼うことの効果の一つではないでしょうか。
子供が思春期に入り関係が以前より繊細になってしまった親子、
子供が成長し独立した後に再び夫婦二人きりの生活に戻った夫婦など、
コミュニケーションの難しさを感じたときには、もし許される環境にあるのなら
ペットを新しい家族の一員に迎え入れてみてはいかがでしょうか?


朝日新聞 生活欄 ひととき より

「我が家の潤滑油 」   長野県松本市 笹本佐知子さん 主婦 50歳

 我が家に真っ黒ウサギの「うーた君」がやってきたのは、1年ほど前のこと。
高校生だった娘の希望で飼い始めたのだが、
彼はその後、重要な役割を演じることになった。
くりくりした目とかわいいしぐさで、夫のハートもつかんでしまったのだ。
 思春期の娘と父とは、ギクシャクすることも多い。
「お父さんったら、あなたが生まれたとき、本当に跳び上がって喜んだのよ」
「寝ても覚めても赤ちゃんに夢中でね。
むずかると抱っこして気長に寝つかせたり、お風呂に入れてくれたり」
実際、夫のふっくらとした腕は妙に赤ちゃんにフィットし、横抱きは彼の得意技だった。
 だが、私がいくら力説しても娘は「そんなの覚えていないもん」
彼女が物心ついたころ、夫は仕事で多忙になっていた。
 ところが、ある日、夫の様子を見て笑ってしまった。
彼はウサギにやさしく話しかけ、世話をやき、抱っこすれば無意識にゆすっている。
ウサギは寝つかせる必要などないのに。
 赤ちゃんだった娘への態度そのものだ。
娘は自分が小さいころの父の姿を納得したようだ。家の中に笑いが増えた。
家族が互いに愛情をもっていても歯車がかみあわないこともある。
うーた君は潤滑油となった。
 感謝してるよ、うーた君。
彼はそしらぬ顔で、今日もいたずらを続けている。



26. 猫の話  その2  ( 2005年10月30日 )

 先々週、猫の話を書いた数時間後に三毛のペルシャが赤ちゃんを産みました。
もともとデブだったせいもあり、目立ってお腹が大きくなることもなく、
妊娠していることに全く気づきませんでした。
何の兆候もなく、いきなり産み落としたので、ただただ驚くばかりです。
しかも、たった一匹だけ。待てど暮らせど、二匹目は出てきませんでした。
 この三毛は僕が一目惚れした猫です。
彼女はペットショップの売れ残りで、
買ったときは子猫の状態ではなく、成猫に近い大きさでした。
売れ残った理由は簡単で、極端に不細工な上に、極端に性格が悪かったからです。
買う前にペットショップで妻(決裁権があるので)が抱かせてもらったときも、
妻のスーツの肩口に噛みついたまま、ずっと「ウーッ!」と低い声でうなっていました。
 これまでの三毛の行動を振り返ると、今回の出産は感慨無量です。
彼女が初めて我が家に来たときには、パニック状態に陥っていました。
気が狂ったように家中を走り回り、異常なまでの凶暴さを発揮し、
人間や他の犬猫のみならず自分自身まで爪と歯で手当たり次第に傷つけていました。
家中が、血の海になったことを覚えています。
真剣にペットショップにお返しすることを考えました。
その後、次第にパニックはなくなりましたが
他の犬や猫とコミュニケーションを
取らないことは、ずっと続きました。
三毛は生まれてすぐに母親から引き離され、
ガラスケースの中に入れられてしまい
母親の愛情というプラスのストロークを
十分に受けることができなかったせいか
我が家に来てから出産するまでの2年半の間、
人に懐くこともなく、こにくたらしさを家中に振りまき、
ただ一匹どこか隅の方に身を置き、退屈そうに、          
ふて腐れた顔つきで人間と他の犬猫を傍観しているだけでした。  
 そんなふうに、三毛は性格上、大きな問題を抱えているので
もっとも心配していたのは、彼女が育児放棄をしてしまうのではないかということでした。
育児放棄だけならまだしも、あの三毛のことだから、
最悪、ストレスで赤ちゃん猫を食べてしまうかもしれないと心配していました。
 ところが、それは杞憂でした。
母親になって三毛はずいぶんと変わりました。
虎の子の我が子を、文字通り、猫かわいがりしていて、その姿を見ていると感動します。
「あー、ちゃんと、おかあちゃんやってるな」と。
三毛は出産を機に、精神的にも落ち着き、ずいぶん穏やかになったような気がします。
他の猫たちにも優しくなっているんです。見ていて嬉しくなります。
きっと僕に対する態度も好転するだろうと期待しました。
ところが、僕にだけは、依然として厳しいです。
隙を見て僕がこっそり赤ちゃん猫を抱くと、三毛はどこからか血相を変えて飛んできて
赤ちゃん猫の首のあたりをくわえて、すぐに自分の寝床に連れ去ってしまいます。
余程、僕は嫌われているようです。
ちなみに、お父さんは黒のペルシャで、三毛の出産前後、特に別段の変化はなく、
僕の顔を見るたびに、「シーッ!」または「ハーッ!」と激しく威嚇します。
※ 掲載した写真は、2007年の元旦に撮影したものです。
 表題とは何の関係もないのですが、昨日の「天声人語」を紹介します。

朝日新聞 「天声人語」より

 最近の言葉から。人口217人と、離島を除いて日本一人口が少ない
愛知県富山村で、最後の「村民運動会」があった。「村が一丸となって来られたのは、
3世代がふれあう運動会があってこそ」と川上幸男村長。来月、隣村に編入される。
 運動会を復活させる会社もある。「昔に比べ横のつながりが弱い時代。
昔の良い点は今の職場にも採り入れたい」と、24年ぶりに昨年再開した
ホンダ鈴鹿製作所(三重県)の担当者。
 首都圏の高校生や大学生が、会話やメールで各地の方言を使っている。
「どこ行くべ?」「どこでもよかと?」は東京・渋谷駅前の女子高生。
「『それ、違うよ』とは言いにくいけど、『違うべ』なら冗談ぽい」
 「初めは怖かったけど、今はがばい(すごく)楽しい」と佐賀県の小学2年生、光富祐都君。
東与賀町の干潟よか公園にある「フリーフォール型滑り台」で、
約3メートルの高さをほぼ垂直に滑り降りた。
安全に配慮しつつ、スリルのある遊具を採り入れる遊び場が出来ている。
 解散前の国会で郵政民営化法案に反対した参院自民党の造反組が、
こぞって白旗をあげた。
「国民のための法案になっていない」などと言っていた中曽根弘文元文相だが、
賛成投票後には「自民党の中にいてやらなければならない大事な仕事がたくさんある」
 「万年Bクラス」といわれたプロ野球のロッテが、31年ぶりに日本一に輝いた。
「最後の夢が実現した。17年間のプロ生活の集大成です……悔いなくバットをおける」
と、初芝清選手、38歳。今期限りで引退する。



25. 視点を変える  その4  ( 2005年10月23日 )

いつまでも無知でいる秘訣は実にやさしい。
いつも自分の考えだけを肯定し(新しい考えは全て排除し)
自分の知識だけに満足していればよい。  エルバート・ハバード
             
私は5年前に離婚をしています。
その後、再婚しましたが、相手も再婚で子供がいます。
お互いの生き方とスタイルを尊重するため
また生活のサイクルが異なるため、一度も一緒に住んだことがありません。
お互いの両親は会ったことがありません。
世間の常識から見ると、あまりにも非常識かも知れません。
私たちは自分の考えのみを正論、常識として扱います。
私たちの「ものの見方」「パラダイム」「観念というメガネ」は、
本当に正しいのでしょうか?
曇っていませんか?曲がっていませんか?色がついていませんか?
これを書いていて、新入社員の頃を思い出しました。
大京に入社したばかりの時、副社長が出席した朝礼のスピーチで
「大京の常識は世間の非常識だ」と発言して場を凍らせたことがありました。

電話の中の子どもたち   山梨日日新聞

「心傷つける大人の考え方」  安達倭雅子さん(電話相談員)

 両親の離婚は子どもの努力ではどうにもならないだけに、電話で切々と訴える。
子どもたちを苦しめているのは離婚そのものより離婚に対する
大人の考え方ではないかと思ってしまう。
「お母さんはお父さんに離婚されたの」小学二年の女の子が言った。
― ちょっと待って。離婚はするもので、されるものじゃないのよ。
「だって、お母さんいつもそう言うよ。
だけど本当はお母さんは離婚してあげたんだって。
お母さんが心療内科の病気になって、それがお父さんの出世の妨げに
なるって言うから、お母さんは離婚してあげたのに、
お父さんは裏切って再婚して幸せになってひどい、だまされたって」
「心療内科」「出世の妨げ」「再婚」「裏切り」。
小二とは思えない語彙が使われるのを聞くと、母親がいかにひんぱんに
父親への恨みを話していたかが想像できる。
 母親の離婚に対する被害者意識が強く、
離婚後の人生を肯定的に生きようとする姿が見えないと、
子どもの心の傷は大きくなるばかりだ。
 ある高校生が言った。
「僕の両親は離婚しているし、僕は学校の成績も悪いし、背も低し、
だから、どうせ僕はだめなんです」
 小さいころから親に離婚の恨みを持ち続けていれば、
離婚と成績と身長は関連づけられてしまうのだろうか。
 ある中学生からの電話―。
「僕の両親は以前はけんかばかりしていました。
父と母はまず別居して、よく考えて、よく話し合って、それから離婚しました。
僕は今、母と暮らしていますが父ともよく会っています。
父も母も前よりずっと元気になりました」
 ここまで明るく話すと、声を落とした。
「ところが、母が離婚のことを担任の先生に届け出ました。
そしたら、先生が僕を呼んで、頑張れ、しっかり勉強して、
お前を捨てた父親を見返してやれって言ったんです。
僕はかわいそうな子なんですか。僕は捨てられた子なんですか。
なぜ父親を見返さなければならないのですか」
 離婚によって関係が再構築され前向きに生き始める『家族』もいる。
子どもの心を深く傷つけることのない言葉で接したい。



24. 猫の話  その1  ( 2005年10月16日 )

 生まれて初めて猫を飼い始めたのが3年前です。
車で近所の野良猫をひき殺してしまった罪ほろぼしに
両目がつぶれた瀕死の捨て猫を拾い、飼い始めたのがキッカケです。
実際に飼ってみると妙にかわいくて、犬派だった私は完全に猫派になりました。
この3年間で捨て猫は4匹拾ってきましたが、2匹は死んでしまいました。
 猫を飼うたびにクライアントが増えるので
最近では験担ぎの意味も兼ねて、猫を飼う(買う)ようになりました。
そして、先日とうとう5匹目のペルシャがやってきました。
ペルシャに関してはコレクターの域に達していて、
黒、三毛、チンチラシルバー、チンチラゴールデン(こいつが新入りです)
白のオッドアイ(左右の目の色が違う非常に珍しい猫です)と、5匹になりました。
捨て猫と合わせて、今、7匹の猫と3匹の犬が同居しています。
 猫から多くを学んでいます。

朝日新聞 生活欄 ひととき より

「子猫の教え 」   東京都墨田区 大平京子さん 主婦 34歳

 今朝も、ブヒブヒ、フンフンという色気のない鼻息で目が覚めた。
 鼻息の正体は、我が家の猫エマス。日の出とともに目覚め、
目覚めと同時に空腹を訴える。
 人間の時間割りに慣れさせようと、私もたぬき寝入りで応戦するが、
ブヒーッブヒーッと次第に激しさを増す鼻息がおかしくて、笑いながら起きてしまう。
そして、ブヒでもブウでも、息をしてくれていてよかったと思う。
 生後まもなく、我が家の駐車場でぐったりしているところを夫が見つけた。
腹膜炎とインフルエンザを併発していた。
そのせいで、エマスは片目が見えない。
足りない視力を嗅覚で補いたいが、後遺症で鼻も悪い。
 だから必死で息をする。走り回るとゼイゼイいうし、寝ているときはいびきをかく。
猫は鼻がつまると食欲不振になるというが、エマスはへこたれない。
ブヒブヒやかましくご飯をかぎながら、ぺろりと平らげる。
小さな体がすべて食べることに集中しているのが分かる。
 エマスのおかげで、私たち家族は「ながら食べ」をやめ、食事を楽しむようになった。
ひそかに漂う花の香りや、どこかの夕げのにおいを味わいながら、
深く息をすることも覚えた。
 生後4ヶ月の子猫が、私たちに精いっぱい生きるすべを、日々教えてくれている。



23. 視点を変える  その3  ( 2005年10月 9日 )

満足すると、そこから成長はないと考えている人が多いようです。
その一方で、こんな考え方も可能です。
「私たちはその瞬間瞬間でベストの選択をしてきました。
だから今の私たちはベストに違いない」
もちろん今の知恵を持って、結果論で振り返り、後悔することは出来ます。
あのとき、こうしておけば良かった、ああしておけば良かったと。
今の自分に満足して、いったん完了してから
更に上を目指すという生き方もあるはずです。
「比較」や「焦り」をエネルギー源にする生き方とは、全く逆の生き方です。
「あるもの」「すでに手にしているもの」「恵まれているもの」にも目を向けて下さい。
私たちは十分に豊かです。

8回も手術をしてまぐれのようにここまで生きてきたからこそ、
自分の中に降り積もった言葉がある。
今は、「生きてやってる」というような投げやりな時間を過ごす人が多い気がする。
物があふれすぎていて、当たり前に存在するものには目が向かない。
でも、目の前にあることから変えないと、何も起こらない。  
― シンガー・ソングライター 平松愛理さんのメッセージ ―

朝日新聞 天声人語より       

 今年も食欲の秋が巡って来た。
思えば、今から60年前の終戦前後は、多くの人が食糧難に苦しんでいた。
本紙・声欄に寄せられた投稿を編んだ新刊『庶民たちの終戦』にも
戦後の様々な出来事とともに、ひもじかった日々がつづられている。
 国民学校の4年生だった渡辺マツ代さんは、群馬・高崎から
父の出身地の妙義山のふもとへ、祖父や姉妹と疎開していた。
いつも腹が減っていて、沢ガニやカエルが貴重なごちそうだった。
 ある夜、隣に寝ていたはずの祖父の姿が見えなくなった。
やがて戸板に乗せられて帰ってくる。裏山のがけから落ちて死んだらしい。
冷たくなった祖父の右手に親指大の小さなサツマイモが握られていた。
「孫たちに食べさせたいと思ったのでしょうか」
 占領軍の残飯捨て場に、鍋を手にした女性たちが群がっていた。
当時17歳だった金武聖子さんは、情けなくて歯ぎしりしたという。
「子供に分け与えていたのだろう。今なら母親の愛と強さなのだと、
しみじみ感じることができる」 
 水澤間津男さんは、家に猫が迷い込んできた時のことを書いている。
飼う余裕はなかったが、よくネズミを捕るので置くことにした。
ある日、猫が牛肉の塊をくわえて来て、どこかに行ってしまう。
結局、一宿一飯の恩義を感じた猫が持ってきたのだからと、
家族でありがたく頂戴(ちょうだい)する。
「猫の獲物を『ネコババ』する衣食足らざる時代の、
思い出とも言えるミミッチイ話である」
 今この国では、食品のざっと3割弱が、残飯となって捨てられている。



22. コミュニケーションの実態 その5 ( 2005年10月 3日 )

 塾の生徒(中学生と高校生)を見ていて気づくことがあります。
彼ら・彼女たちは携帯とメールで四六時中つながっているように見えます。
なのに、「孤独」、「寂しい」、「人間不信」、「誰も分かってくれない」
「ひとりぼっち」など、ずいぶんと哀しい表現を頻繁に使います。
私たちの身の回りのコミュニケーション環境を見ていると
「話し手」はいくらでもいるのに「聞き手」が一人もいないことに気づきます。
もちろん「聞いているふりをしている人」や「聞いている気になっている人」は
いくらでもいますが、本当に聞いている人は、ほとんどいません。
みんなが聞きたいように聞いています。
生徒たちの会話、家庭内の会話も、会社の会議だって同じです。
そして、みんなが一斉に「居場所がない」と言います。

山梨日日新聞  「風林火山」

 電話ボックスの中で少女が受話器を握りしめている。
そんな一枚の絵から、さまざまな記憶が膨らんでゆく。
 今年の望月春江賞に選ばれた中込末子さん(駿台甲府高三年)の作品
「電話ボックス」を見て、作家・川上弘美さんの「電話ボックスで泣いた夜」
というエッセーを思い出した。
 自宅では恋人と長電話しにくい。硬貨を握り、わざわざ服を着替えて家を出る。
切ないけれど豊かな時間。おそらく十代のころの記憶だろう。
 街角に公衆電話を探し、使用中なら並び、後ろに待つ人がいれば、
それも気にしながらの通話。相手が不在なら、しばらくしてかけ直す。
電話ボックスは、こうした面倒な手順をまとっていたからこそ、
伝わらないもどかしさとともに、話せる喜びも格別で、怒りの用件も恋の言葉も
ひと呼吸おいて冷静になれた。
 公衆電話の数は二十年前より半減し、代わって携帯電話の契約数が
八千万台を突破した。時間も場所も問わずに相手につながる携帯電話だが、
手軽な分、会話が軽くなった気がするのは思い過ごしだろうか。
 電車や公共の場でもしゃべり続ける人たちの会話を聞くと、
IT機器としての機能拡大とは別に、もっと「ケータイ」を豊かに
使いこなせないものか、と思う。密度の濃い、素朴な言葉が、もっとあっていい。
電話ボックスの中の息づかいを懐かしく思い出し、
手のひらの上の小さな機器を見つめてみる。



21. 聞くこと ( 2005年 9月25日 )

人の話を「聞くこと」ほど難しいことはありません。
でも、「聞くこと」の効果は絶大です。
SYPプログラムのタイムマネージメントのポイントは、「効率」から「効果」へ。
特に人間関係では「効率」よりも「効果」に焦点を当てて下さい。
「コーチが聞くための10の方法」の一つ「区別をつける」の復習です。
「効率」と「効果」の違いは何ですか?

電話の中の子どもたち   山梨日日新聞

「問われる家庭での対話」  安達倭雅子さん(電話相談員)

 電話をかけてくる小学校低学年の子どもたちの声は、
いかにも屈託なさそうに聞こえる。
「歩道橋のところで猫が死んでたよ」
「きょう、算数のテスト百点を取ったよ。うれしかったよ」
「ねえ、聞いてよ。街でどこかのおじさんに『クソガキ』ってどなられた。くやしくて」
「跳び箱、跳べました。報告します」
「うちの学校の女の先生にメロンパンっていうあだ名の先生がいるのよ」
 こんな声を聞き重ねていてふと考える。
どうしてこんな声が電話相談に入ってくるのだろうか。
なぜこの声が家庭のだんらんの中で受け止められないのだろうか。
こんな話は電話相談員が聞くより、実生活を共にする人、
たとえば両親が聞いた方がよほど生き生き受け止められるはずだ。
 メロンパン先生の話だって、あだ名をつけられた先生を知っている両親なら
妙に納得して、子どもたちのあだ名をつけるセンスに感服させられることもあり得る。
 死んでしまった猫の話も、どこの歩道橋なのか分からない電話相談員より、
生活圏内の出来事として聞ける人との対話の方が、
どんなにかリアリティーがあるだろうかと考えてしまう。
 今、私たち家庭は子どもたちと向き合う時、効率よく良い子を育てようと思うあまりに、
子どもの話を、ためになりそうな場合は受け入れるけど、
そうでないと思われる場合は切り捨てる、
あるいは、どんな話も、ためになる話に塗り替えてしまっているのではないか。
 たとえば、「歩道橋のところで猫が死んでた」は
「猫のことより、宿題は済んだの?」になり、
「メロンパン先生」は「先生にあだ名をつける暇があったら勉強しなさい」のようにだ。
「きょう、算数のテスト百点」も「すばらしい。よかったね」ではなく、
「ほらね。やればできるのよ。この前は油断してたからだめだったのよ」
になるとすれば、子どもたちはがっかりして、
そのうちに家庭では口を閉ざすことにならないだろうか。
 子どもたちの言語能力の低下がいわれて久しい。
子どもの言語力を支えて育てる源が、家庭での対話の質と量にあると思うのだが。



20. コミュニケーションの実態 その4 ( 2005年 9月19日 )

言葉は大事ですが、言葉以外のノンバーバルメッセージも大事です。
集合研修でもお伝えしていますが、コミュニケーションのコツの一つは
『言葉はシンプル』に。(長く伝えれば、多く伝えれば良いというものではない)
それと野党は、否定語を使いすぎたように感じます。
あれでは、自民党の批判ではなく宣伝になってしまいます。
今回の選挙で小泉さんは、言語、非言語の両面で
意識的に、かなり磨きをかけてきたように感じました。

「小泉語は強かった」    朝日新聞 CM天気図 天野祐吉

「政治の世界で歴史的ななだれを起こしたのは、書かれた言葉の力ではない。
それは語られる言葉の魔力だけだ」と言った政治家がいる。ヒトラーだ。
 小泉さんがヒトラーだなんて言うつもりはないが、こんどの選挙で
小泉新党(じゃない自民党)が大勝した原因も、それにつきるんじゃないか、
とぼくは思っている。テレビの街頭演説でも、小泉さんには文字に書かれた
原稿を読んでいる感じがない。それにくらべると、ほかの党の党首たちは、
しゃべっている言葉がほとんど書き言葉である。
 もちろん原稿を棒読みしているようなヘボ役者はいない。
が、まず書いた原稿があり、それを暗記してしゃべっているという印象が、
どうしてもつきまとう。ヒトラーの仮説に従えば、
それだけでもう勝負がついているようなものだ。
 それにしてもこの異常な小泉人気は、いままでの政治家たちの言葉が
いかに書き言葉(それも空疎な)的であったかを証明している。
言葉が聞こえてこない政治家たちへの人びとの欲求不満が、
小泉人気をいやが上にもあおったと言っていいんじゃないだろうか。
 以前にも、話し言葉の魔力で人気を得た首相はいる。田中角栄さんである。
が、小泉さんと角栄さんの違いは、角栄さんの言葉の魅力が村芝居的な
それだったのにくらべて、小泉さんの言葉の魅力は町芝居のそれだ。
そのことが、都市の無党派層にまで、小泉さんが広い人気を集め得た原因だと思う。
 テレビのCMでも、自民党と他党との間には、そんな『言葉』の違いがあった。
書き言葉的な言葉で自民党を批判する野党と、話し言葉の魔力を使っている小泉さん。
小泉語の魔力は、「破壊」と言わずに「ぶっこわす」と言うようなところに、
いちばんはっきり現れている。
「改革を止めるな!」という広告的スローガンを、呪文のように繰り返すのも、
小泉語の特徴である。呪文の効果という面から言えば、問題は改革の中身ではない。
そのひびきをしつこく繰り返すことである。
 大敗した民主党が、次の選挙でこそ政権交代を現実のものにしようと思うなら、
硬直した野党語で小泉さんを批判してもはじまらない。
小泉語を『ぶっこわす!』言葉を見つけることだ。
貧しい言葉で豊かな明日を語るくらい、人びとをシラケさせるものはない。 



19. 今を大切に     ( 2005年 9月11日 )

20年後には、実際にしたことよりも、しなかったことを後悔することになるだろう。
                                  ( マーク ・ トゥエイン )

大切なものは、失ってから気づくことが多いように感じます。
健康は、その最たる例と言えるでしょう。
特に人間関係においては、そのときにしか出来ないことがたくさんあります。
時期を逃すと取り返しのつかなくなることが、人間関係には起こり得ます。
手遅れになる前に、実行に移して下さい。
大切な人を突然亡くした経験のある方は、特に実感できることだと思います。
テキストの25、26ページをもう一度、読み直して下さい。

朝日新聞 生活欄 ひととき より

「神様がくれた時間 」   埼玉県上尾市 山下明子さん 主婦 48歳

 昨年10月、母が子宮がんの手術のために入院した。
1人で留守番する80歳の父が心配で、私は1ヶ月、函館の実家に行っていた。
思えば、大学のときから両親と離れて暮らしている私は、
これほど長く父と一緒にいるのは30年ぶりのこと。
父は一人娘の滞在をとても喜んでくれた。
 久々の娘の手料理には「おいしい」の連発。
買い物に行こうとすると、「おれが荷物を持ってやる」と同行する。
父との喫茶店も、たぶん生まれて初めての経験だったと思う。
いつも父はニコニコしていた。
 しかし、母が退院して2ヶ月ほどたった今年1月末、父は脳梗塞で倒れ、入院した。
あんなに元気だった父が、今はほとんど寝たきりの状態だ。
私が行っても、喜ぶことも、笑うこともない。
 あの1ヶ月は、神様がくれた父への親孝行の時間だったのだろうか。
買い物をしたお店を見るたび、喫茶店の前を通るたび、
父の元気な声が聞こえてきそうな気がする。
「今度はお母さんと3人で来ようね」父が何度も口にした言葉だ。
本当にその日を望んでいたのだと思う。
父は私に気を遣っていたのかもしれないが、とても楽しそうだった。
父のあの笑顔と、その言葉は忘れられない。
 神様、もう少し、私に親孝行する時間の続きをくれますか。



18. 視点を変える  その2  ( 2005年 9月 4日 )

私たちは「あるもの」ではなく「ないもの」に焦点を当てがちです。
意識的に「あるもの」に焦点を当てると、違うものが見えてくるはずです。
私たちは「おとぎの国」に住んでいます。
以前、新聞でおもちゃを買ってもらえなかったからという理由で
自殺した子供の記事を目にしたとき、いたたまれない気分になりました。
ちょっと視点を変えれば、身の回りに小さな幸せはゴロゴロ転がっているはずです。
「レナードの朝」という映画の中で、主人公のレナードが、担当医に
「普通に暮らし、普通に生きていることの素晴らしさ」を熱弁するシーンがあり、
そのメッセージを聞いたときに鳥肌が立った記憶があります。
「レナードの朝」は、『気づき』の多い映画です。おすすめです!

朝日新聞 生活欄 ひととき より

「洗濯物の風景 」   熊本市 中島美智代さん 無職 49歳

 洗濯物を畳むときほど、家族を感じるときはない。
一枚畳んでは「これはお兄ちゃんので、これはタケちゃんの」と分けると、
家族の数だけ洗濯物の山ができる。
末っ子のタケちゃんがその山をポンポンとたたいて歩く。
15年前の我が家の風景だ。子供たちはすでに独立した。
 子供たちが部活動をしていた頃は、7キロ用洗濯機はフル回転だった。
今は、ふたを開けると洗濯機のふちに衣類が張り付く程度。
大人の洗濯物は、クリーニングに出すものが多く、下着がほとんどで物足りない。
 家庭を持ったばかりの頃、近くに住む母に、
「袖口や襟は、洗濯機に入れる前にせっけんでもみ洗いするのよ」と、
口やかましく言われた。
でも、育児に忙しく、ものぐさな私は、「はいはい」と口ばかりで、
袖口用洗剤というのを塗るのが精いっぱいだった。
 そんな母が亡くなって5年、いつしか私も下洗いをするようになった。
洗い上がりの違いを見て、やめられなくなったからだ。
気が付くと私は、この言葉を口にしていたころの母の年齢になっている。
 母の他界後、私は父と同居を始めた。
メンバーも変わり、洗濯物の数も変わったが、家族の営みは力強く続く。
近い将来、また、小さな洗濯物を畳む日が来るのが楽しみだ。
洗濯物は、私を元気づける。



17. コミュニケーションの実態  その3  ( 2005年 8月28日 )

集合研修で紹介するあの数字には数々の教訓、ヒント、真実が隠れています。
現実のコミュニケーションだけでなく、ドラマや映画を見ていても
私たちは非言語から多くのメッセージを受け取ることができます。
もちろん、その一方で、相手も私たちの非言語メッセージを受け取っています。
そして、たいていの場合、これらの作業は無意識下で行われています。

経営者を始め管理職の方々などリーダーシップを発揮している人や
トップセールスマンなど、目覚ましい成果を上げている人たちにインタビューをすると、
成功者の多くは「人は理屈ではなく、感情で動く」と、おっしゃいます。

朝日新聞 「天声人語」より

「郵政民営化」はおれの信念だ。殺されてもいい」
「民営化に反対することは、手足を縛って泳げというようなものだ」
今回の衆議院解散劇で、小泉首相の言葉は、たんかを切るようだ。
 それが人の心を高ぶらせるのか、世論の支持率が上がっている。
「生死を問わずつかまえろ」「やつらをいぶり出せ」
ブッシュ大統領も西部劇を思わせるような表現で、
同時多発テロ直後の米国人の心をつかんだ。
 昨今の政治では、説得の論法よりも、感情に訴える短い言葉が人を動かす。
「かつて、政治家の演説は、わざわざ演説会場まで聞きに行くものだった。
政治家は論理とレトリックに工夫を凝らした」
故ケネディ大統領のスピーチライターだったソレンセン元補佐官に、
そんな話を聞いたことがある。
 テレビ時代の政治家は、視聴者がチャンネルを切り替える前に、
刺激的な言葉を投げつけねばならない。
首相の解散会見の視聴率は時を追うに従ってうなぎ登りだった。
 名演説というと、「人民の人民による人民のための政治」
というリンカーン大統領のゲティズバーク演説を思い出す。
あれは国有墓地の奉献式で追加的に行われたあいさつだった。
メーンの演説は、雄弁で名高いハーバード大元総長が2時間も行った。
リンカーンはわずか3分間で、写真班がレンズの焦点を合わせているうちに終わった。
 それでもリンカーンの言葉が残ったのは、その崇高な理念にもよるが、
何よりも彼が米国の分裂を防ぎ、奴隷を解放したからだろう。
小泉首相の言葉を、歴史はどう記憶するするだろうか。



16. プラスの刺激    ( 2005年 8月21日 )

依存体質の人たちが集まると、コミュニケーションを通じて
彼らはマイナスの刺激を受けていきます。
比較、焦り、嫉妬、敵意、誹謗中傷、足の引っぱり合い‥‥。
一方で、主体者が集まると、彼らはプラスの刺激を受けていきます。
SYPシステムが提供するワークショップ形式の研修、
特にチームワーク研修では、後者の現象が顕著に現れます。
参加者は数ヶ月間のプログラムの中で、数々の体験を通じて、
多くの「成果」、「変化」、「気づき」を手にしていきます。
また、私たちスタッフも集合研修と個人セッションを通じて、
参加者全体の意識とモチベーションが飛躍的に向上しているのを感じます。

朝日新聞 生活欄 ひととき より

「ひまわり娘の瞳 」   静岡県三島市 武士貞子さん 幼稚園教諭 54歳

 先月下旬、漢字検定5級の合格通知が来た。
中学1年生程度の内容だったが、自信がない答えばかりで
情けない思いをしていただけに、うれしかった。
 受験前、受けるかどうか迷っていた私に、
夫は「ダメもとでやってみれば」と笑った。
「このー!よし、やってやる」と意欲がわいた。
 試験当日、会場で昔の教え子に会った。彼女ももう小学6年生。
ずっと車いすの生活だが、いつも明るく前向きで、まん丸の大きな瞳は輝いていた。
付き添っている母親も同じだった。
その日も昔と変わらずに、にこにこ明るい母子の姿があった。
 周りは小中学生がほとんど。
彼女に「先生、何級を受けるの?」と聞かれたときは恥ずかしかったが、
「学ぶ意欲に年齢はない」と自分に言い聞かせた。
 合格通知を受け、彼女も受かったのか気になった。
何回も受話器を取ったが、「もし落ちていたら」と
かけられずにいたところに、向こうから電話があった。
「先生、受かったんです。今度は4級を受けてみようと思います」
弾んだ声が受話器から跳ね返ってくる。ひまわりのような顔が目に浮かんだ。
 次に進むのはやめようと思っていたのに、彼女につられて「じゃあ、私も」
夏ばてして弱っていた心に、ひまわり娘から元気をもらった。
10月の受験に備え、問題集を買ってきた。 



15. 愛情が不足すると‥‥‥    ( 2005年 8月14日 )

ペットですら愛情が足りないと異常行動にでるようです。
それが人間の子供だったら‥‥‥。
今回は子供たちの大好きな「うんこネタ」です。
大人は「うんこネタ」は、嫌いですか?
お盆の時期です。
ご家族で「愛」について分かち合ってみてはいかがですか?
三谷さんのエッセーは、愛にあふれていて個人的に大好きです。

朝日新聞     三谷幸喜の「ありふれた生活」  

試練で深まるペットへの愛

 映画撮影の日々が続いている。
夜、帰宅すると、まず翌日の撮影するシーンを台本でチェック。
そして深夜は脚本家に戻って原稿書き。いっぱいいっぱいである。
 妻は舞台が続いていて、毎日劇場へ通っている。
夫婦ともども忙しいというのは、珍しいことだ。
今までは、たまたまだったが、どちらかがハードな時は、
もう一方は緩やかなスケジュールだった。
 割りを食っているのが、我が家の動物たち。
ちょっとボケが入っている最年長のおとっつあん(猫)は、結構自由にやっているが、
他の三匹はここのところ、見るからに元気がない。
 人と暮らす動物たちにとって、飼い主とのコミュニケーションは
生きる上で欠かせないものだ。餌が、植木にとっての肥料だとすれば、
飼い主の愛情は、水のようなもの。毎日与えてあげなければ、いずれは枯れてしまう。
 家にいる時間が短いので、一緒にいられる時は、
出来るだけ彼らと遊ぶようにしている。それでも動物たちには足りないらしい。
クールに見えて実は一番の甘えん坊のオシマンベ(猫)は、食欲がなくなり、
最近よく残すようになった。ホイ(猫)は、僕が帰宅するとすぐ飛びついてきて、
腰を下ろす度に膝の上に乗ってくる。
むさぼるように僕から愛を吸収していくホイ。
 とび(犬)は、朝の散歩は僕と妻が交代で務めているが、
夜はペットシッターさんにお願いしている。
あんまり遊んであげられないので、愛情表現を、いけないと分かっていても、
お菓子をあげることで代用してしまう。お陰でとびは日に日に太っている。
 ある日、とびの顔が猛烈にウンチ臭い時があった。
顔を舐められた時、口の回りがやたら臭かった。
何かの病気ではないかと心配になった。
妻と二人でとびの口のまわりを何度も嗅いでみる。確かに口臭がきつくなっている。
とはいえ、元気は元気だし、臭いは時間が経つと消えたので、そのままにしておいた。
数日後、また突然ウンチ臭くなった。妻が嫌な推理を働かせた。
「これ、ひょっとしてウンチ食べてるんじゃない?」
 老猫のおとっつあんは、最近よくトイレ以外の場所でウンチをする。
お爺ちゃんだから仕方がないと諦めていたのだが、そういえばこのところ
あまり廊下でそれを見かけることがない。
ボケが治ったのかと思っていたのだが、何ととびが食べていたとは!
 そして遂に決定的瞬間を目撃。
おとっつあんの後を執拗に追ったとびは、彼が排便するや否や、
まるで熱々の焼き芋を食べるように、それをハフっと口に入れた。
 慌ててとびを捕まえ、無理矢理口を開けさせる。既に飲み込んだ後だった。
それがどんなにいけないことか、僕はとびに懇々と説明してやった。
今まで一度もなかったことだ。これも飼い主がいないストレスのせいなのか。
 なんだか無性にいじらしくなって、思わずとびを抱きしめてやった。
そして頬擦り。ウンチ臭さが愛おしかった。
 動物たちにとっての試練の夏は、まだまだ続く。



14. 「 も の 」 よ り 「 思 い 出 」     ( 2005年 8月 7日 )

人間関係に限定すると(特に親子関係では)ある時期を逃してしまうと
取り返しがつかなくなってしまうことが多いように感じます。
失われた時を取り戻すことは、非常に難しいけれど、不可能ではないようです。

朝日新聞 生活欄 ひととき より

「父との遠足 」   長野県駒ヶ根市 岩波美伸さん 主婦 42歳

 父と二人で日帰り遠足に行ってきた。行き先は愛知万博だ。
 二人だけで遊びに行くのは何十年ぶりだろうか。
七十歳を超した父から「生きているうちで最後の万博になるから」という誘いを受けた。
夫も仕事の調整がつく週末は混雑しそうなので、急きょ平日に二人で行くことにした。
 母が亡くなり、父は木曽の実家で十年以上も一人暮らしをしている。
離れて暮らす娘としては、いつも気にかかっている。
しかし、今回の私は、すっかり子供の頃に戻ったかのように、
父との「お出かけ」をワクワク心待ちにして準備した。
 父が疲れないで楽しめる範囲で無理のない計画を立て、
水分補給の水筒も二本持ち、タオルと絆創膏も持参した。
夜のうちに実家に行き、翌朝6時台の電車で出発。
会場の人は多かったが、当日は暑くもなく、計画通り無事に一日で回ってこられた。
 私にとっては万博へ行ったことよりも、
父と二人で楽しく出かけてこられた喜びの方が大きかった。
ショーや展示物を見てあれこれ言いながら、その興奮を父と共有した。
思えば、進学先の大学のキャンパスに初めて二人で訪れて以来だ。
 実家に戻って土産物を分けながら、ご機嫌でビールを飲む父を見て、
とても嬉しく、少しは親孝行できたかなと思った。



13. 魔 法 の 小 石    ( 2005年 8月 1日 )

夏風邪をこじらしてしまい、一日遅れの更新です。
以前、塾の生徒に配っていた文章です。

子供たちは夏休みに入りました。
お父さん、お母さんは、子供たちと接する時間が増えると思います。
子供に「なぜ勉強をしなくてはいけないの?」と訊かれたら、どう答えますか?

魔法の小石    ジョン・ウェイン・シュラッター      「心のチキンスープ」より

「なぜ、こんなつまらないことを勉強しなくちゃいけないんですか?」
 私が教壇に立っていたあいだ、生徒はあらゆる不平や疑問を投げかけてきた。
なかでも、この質問ほど繰り返し耳にした言葉はない。
 この質問に、私は次の物語をお話しすることで答えたいと思う。

 ある晩、遊牧民の群れが夜を過ごすための支度をしていると、
突然あたりが厳かな光に包まれました。
聖なる方がともにおられるのを人々は感じました。
大きな期待を胸に、天の声が下るのを待ちました。
何かとても大切なお告げがあるのだろう、と思ったからです。 
ついに、声が聞こえてきました。
「できるだけたくさんの小石を拾いなさい。
その小石を袋に入れ、一日旅をするがよい。
明日の夜になって、お前たちは喜び、また悲しむであろう」
 聖なる方がその場を去ると、人々は失望と怒りを口にしました。
大いなる宇宙の真理について啓示が下ることを期待していたからでした。
富と健康が授けられ、人生の目的が解き明かされると思ったのです。
ところが与えられたのは、小石を拾うというつまらない、
彼らにとってはわけのわからない作業だけでした。
 しかし、人々はぶつぶつ言いながら、いくつかの小石を拾って袋に入れました。
聖なる方の神々しさが、まだあたりに残っていたからでした。
 人々は一日旅をし、夜になりました。
野営を張りながら小石のことを思いだし、袋から取り出してみました。
すると、どの小石もひとつ残らずダイアモンドになっていたではありませんか!
 人々は小石がダイアモンドに変わったことを喜び、
もっと小石を拾ってこなかったことを悲しみました。

 この伝説の教えを地でいった例として、
私がまだ教師に就いて間もないころに出会った一人の教え子の話をご紹介しよう。
仮に彼をアランと呼ぶことにする。
 アランは中学二年生。主専攻は「問題を起こすこと」、
副専攻は「停学処分」といった男子生徒だ。
不良になることを勉強しに来ていたようなもので、
ついに「窃盗」という修士号を取ろうとしていた。
 そのころ、私は生徒たちに名言を毎朝、暗唱させていた。
出席をとるとき、生徒の名前に続けて誰かの言葉の前半を言う。
出席とみなしてもらうためには、生徒は後半を続けて言わなくてはいけないのだ。
「アリス・アダムス ― 『努力し続けている限り‥‥‥‥』」
「はい、『失敗はない』です、先生」といった具合である。
 こうして教え子たちは、その学年の終わりまでに名言を百五十は暗唱した。
「一直線に目標だけを見なさい。障害が目に入らないように」
「皮肉屋とは、すべてのものの値段を知っていてもその価値を知らない人のことをいう」
そして、「思うなら信じなさい。信じるなら実践しなさい」などだ。
 アランほど、朝のこのお決まりの時間をいやがった生徒はいなかった。
それは彼が放校処分を受ける日まで変わらなかった。
それから五年間、アランの消息を耳にすることはなかった。
 ところが、ある日、アランが電話をくれた。
現在この近くのある大学で特別コースを受講しており、
仮釈放期間を終えたばかりだという。
 彼は少年院に入れられた後も問題を起こしていたため、
鑑別所に送られたと話してくれた。
ついには、そんな自分に嫌気がさして、カミソリで手首を切ったそうだ。
「ねえ、先生、そうやって自分の命の灯が消えかかっていくのを感じながら
横たわっていたときです。いきなり、あのばかばかしい文句が頭に浮かんできたんです。
先生がいつか二十回もおれに書かせたやつですよ。
『努力している限り、失敗はない』こいつの意味が突然わかったんです。
おれが生きているかぎり、おれの人生は失敗じゃない。
でも、もし自分で命を絶ってしまったら、失敗そのものになっちゃうじゃないか。
そう思ったんです。
それでおれは残りの力を振り絞り、助けを呼んだ。新しい人生を始めたんですよ」

 彼があの名言を学んでいたころ、それは小石にすぎなかった。
しかし、ぎりぎりの状況に追いつめられ何かの導きを必要としたとき、
それはダイアモンドに変わったのだ。
 だから、私はこうアドバイスしたい。できるだけたくさんの小石を拾いなさい。
ダイアモンドのように輝く未来が約束されるのだから。



12. 「 結 果 」 と 「 過 程 」  ( 2005年 7月24日 )

SYPプログラムのキーワードは、他にもあります。
B「結果」と「過程(プロセス)」、C肯定的な意図  

今回は山口良治さんのインタビュー記事を紹介します。
あのスクールウォーズのモデルになった方です。
特に最終段落にこのキーワードが多く含まれています。
(肯定的な意図に関しては、全文を通じて、直接は見えませんが‥‥)

おやじのせなか  「期待」励みに苦しさ越えた  山口良治   朝日新聞より

 実家は農家だった。農作業をしていた父は真っ黒に日焼けしていた。
76歳で死んだが、かくしゃくとしていた。
 中学生の時に「期待されるような人間になれ」と言われた。
長男の私に母や自分が期待していることを伝えたかったのだろう。
それからは、「自分は何ができるのか」ということを意識するようになった。
苦しいときは「期待されているんだ」と思うと頑張れた。
「子供に期待のかけすぎは良くない」というが、励みになることもある。
それをどう伝えるかが大切だ。
 中学時代は野球一筋。当時の夢はプロ野球選手になることだった。
野球が強い高校に進学したかったが、父は猛反対。
長男に農家を継いで欲しかったのだと思う。結局、野球部がない農林高校へ進学。
でも、そこでラグビーに出会えた。人生わからない。
 体育教師を目指し、東京の大学に進学。父は反対しなかった。
地元に戻って教師になることを期待していた。
当時は東京へ進学するだけでも大変な時代。田畑を売って学費を工面してくれた。
 ラグビーについて、父とあまり話をした記憶はない。
指導者となった私にはいつも「子供にケガさせたらいかんぞ」と言っていた。
そのお陰か、私の教え子には一生残るような大けがをした子がいない。
私にとって大きな誇りになっている。
 伏見工が初めて全国制覇した時の決勝戦。試合前に宿舎から父に電話した。
どうしても声が聞きたかった。「日本一になってくるわ」と言いながら父の声を聞くと、
なぜか涙が込み上げてきた。父は「試合前から泣いてどうするんや」
試合前は必ず近所の八幡さんで必勝祈願をしてくれていたことを後で知った。
 父は今のおやじには失われがちな「強さ」を持っていたと思う。
強いというのは「優しさ」があるということ。
子供が問題を起こすまでには必ず「過程」がある。
どんな時も子供をありのままに受け止めるように心掛けてきた。
私も知らず知らずのうちに、父のような「おやじ」を目指していたのかも知れない。



11. 「 反 応 」 と 「 選 択 」  その1  ( 2005年 7月18日 )

SYPプログラムのキーワードは、@「目的」と「手段」、そしてA「反応」と「選択」です。
私たちが提供する研修のすべてが、このキーワードのもとに展開されています。
今回は「反応」と「選択」に関する記事を紹介します。

朝日新聞  窓  論説委員室から  「ロンドンの地下鉄」

 ロンドンの地下鉄に乗ると、甘ったるい香水が鼻に付く。
学生時代の日々をあの街で送った私には、それが妙になつかしく、
匂いをかぐたびに、またロンドンに来たのだと思う。
 世界最古の地下鉄は、「チューブ」が愛称であることからも分かるように、
車両は小さく狭苦しい。だから、そのぶん香りも強烈に感じるのだろう。
あれほど密集した空間で爆弾が炸裂したのかと思うと、胸がつぶれる思いがする。
 「何か災難に襲われた場合、イギリス人は本能的にまず打てる手を打って、
感情的反応はなるべく後に伸ばすのだ。したがってイギリス人は危機に強い」
 英国の作家E・M・フォースターが「イギリス国民性覚書」にそう書いたのは
約80年前だが、その特性は今回も遺憾なく発揮されているようだ。
同時多発テロの当日、ロンドンっ子は、お互いに励まし合いながら、
黙々と徒歩で帰宅した。年配の世代は第2次世界大戦中にドイツの猛烈な
空爆をしのいだ歴史を思い起こしている。
 気になるのは、もうひとつの同時多発テロ「9・11」の経験だ。
あのとき米国はいったん世界の同情を集めたものの、その後は
単独行動主義に陥り、最後はイラクとの戦争にまで突っ走った。
フォースター流に言えば、打てる手を打つよりも、感情の方が
猪突猛進してしまったということだろうか。
英国には、その愚を繰り返してほしくない。                三浦俊章



10. チームワーク研修 その3 ( 2005年 7月10日 )

二人がいて二人とも同じ意見なら、一人はいなくてもいい人間だ。(デール・カーネギー)

ブレーン・ストーミングの醍醐味は、お互いが妥協することではなく、
相互得を実現する斬新な第三案を見つけ出すことだと思います。

研修を通じて感じていることがあります。
@少数意見の中に真実が隠れていることがある。
A組織の中ではまだ影響力のない人(組織に染まっていない人)の
 発言の中に思いもよらぬ斬新なアイデアが含まれていることがある。

「CM裁判」    朝日新聞 CM天気図 天野祐吉

 質問です。
 どこかの戦場で、少年が銃を持って海を見ているCMがありました。
「NO BORDER」という日清カップヌードルのシリーズです。
あれについて、あなたは次のAとBのどっちの意見に賛成ですか。
A あんないたいけな少年に銃を持たせるのは、いったいどういうつもりか。
戦争を美化しているようにもとれるし、テレビを見ている小さな子どもたちへの
影響も考えよ。不謹慎というか、不見識というか、作り手の良識を疑う。
B あんな幼い少年が銃を持たなければならない、あるいは持たされる現実が
いまの世界にはある。それをこのCMは直視している。目をそらしていない。
平和への切実な思いが、海を見ている少年の姿から伝わってくるようだ。
作り手の勇気に拍手を送りたい。
 もう一つ質問です。
 大滝秀治さんが隣家のおばさんと垣根ごしにやり合う、水性キンチョールのCMが
ありましたね。「うちは空気を汚さない水性キンチョールを使っている」という大滝さんに
「キレイゴト言うな、じじい!」とやり返す、あれです。
あのCMについて、あなたは次のAとBのどっちの意見に賛成ですか。
A くだらない。不愉快だ。先日、奈良県で起きた隣人同士のトラブルを思い出させる。
隣人同士がいがみ合う社会を面白がるとは、どういう神経か。作り手の良識を疑う。
B 面白い。痛快だ。キレイゴトですまそうとするCMやいまどきの世の中を
笑いで批評している。こういう批評というのは、不快スレスレのところで成り立つもので、
作り手の力量に拍手したい。
 ありがとう。二つの質問とも、AとBのどっちが正解かということはありません。
人それぞれ、人生いろいろ、どうにでも受けとる自由があるから、表現というのは面白い。
いや、私はAでもBでもなくCだ、と別の意見があってもいいのです。
 ただ、そういう意見を出し合って論じ合うのはいいことですが、この二つのCMとも、
Aの意見を持つ人が広告主に文句をつけたことで、放送中止になってしまったようです。
 やめなくてもいいと、ぼくは思うのですが、「消費者は王様」ですから、
やはり広告主としてはこわいんですね。たしかに王様には権力がある。あっていい。
が、権力が暴力になっては困ると思いませんか。



9. チームワーク研修 その2 ( 2005年 7月 3日 )

不公平感は著しく私たちのモチベーションを下げます。
真面目にやっている人、一生懸命な人、まっとうな人が、
バカを見たり、損をしたりする組織は極めて不健全です。

日本経済新聞   「春秋」より

 仕事のご褒美にもらうエサの質が、
仲間より低いことを知ったアオマキザルは、
もらったエサを投げ出して、不公平に抗議する。
利益の最大化をはかるなら、くれるというものは何でも、
とりあえずはもらっておく手だが、まず情が働く。
 チンパンジーで同じ実験をすると、つき合いの長い仲間との報酬格差は
許容するのに、あまり親交のない個体との不公平には敏感に反応する。
取引の原点では、合理性より情動がものをいうのか……。
日経サイエンス7月号で米国・エモリー大学のドゥ・ヴァール教授が説く
「動物たちの行動経済学」は暗示的だ。
 野生のチンパンジーは集団で狩りをする。
最後に獲物を手にするのは一頭のみ。しかし、ウィナー・テイクス・オールではない。
勝者は自律的に仲間におすそ分けをする。それも狩りに参加した協力者のみに。
協力への報酬である。毛づくろいなどの恩恵を受けたら、
ちゃんと覚えていて「恩返し」で食物を配る。
 不公平への怒り、親しきものへの寛容、協力への感謝、恩返し。
彼らの経済行動からみえてくるのは、分配のルールというより、
倫理の原型かもしれない。それにしても、不公平への反発か優遇への羨望か、
きのうまで喜んで受け取っていたエサを、無価値なもののごとく拒絶する激しさ。
嫉妬の源泉は大きく深い。   



8. チームワーク研修 その1 ( 2005年 6月26日 )

SYPシステムでは、研修の最終段階にチームワーク研修を提案していますが
最近、チームワーク研修の需要が急激に増えているのを感じます。

研修を実施していて感じるのは、
@ リーダーが、多くの異なった視点を持つこと
A 部外者の客観的な視点からのフィードバックを受け入れられる柔軟性を持つこと
この2点の重要性です。

こころの健康学 集団の健康 

多様な考え方の尊重が大事          日本経済新聞より

 集団の排他性という考え方は個人の心の健康のためだけでなく、
集団が健康でいられるためにも大切だ。
 集団の健康というと不思議な感じがするかもしれない。
集団が健康というのは全体として十分に機能できているときのことをいう。
集団には集団の考え方がある。同じ考えを持つ人たちが集まり共通目標に向かって
頑張ることで大きな成果があがることはよくある。
そのときはみんなの思いが同じだけに、力が集まって大きな力にとなる。
 しかし、注意しないと他のことが見えなくなる危険がある。
所属している人が同じ方向を向いているだけに、
他の可能性が目に入らなくなって、とんでもない失敗をすることがある。
 それが社会的なレベルで起きたのがバブルの時期だ。
日本経済が傾くことなどないという過信ともいえる状態は、
今から考えると行き過ぎだったと分かるが、
そのときには、そのような疑問を持つ人は少なかった。
そのようにみんなが同じ方向を向いて走っていると、
変化に対する備えが乏しくなる。問題が大きくなって初めて気づくことになる。
 こうした弊害は企業でも同じようにみられる。
企業の不祥事は少なくないが、こうしたことは同じ考えを持った役員ばかり集まったり、
ワンマンといわれるトップの考えですべてが決まったりしている会社で起こりやすい。
役員に社外の人を加えるのは同じ考えに固まるのを避けるためだ。
 同じことは家庭でも起こる。子供の行動に問題があるとき、
家庭がある一つの価値観に縛られていて、
そこになじめないで疎外感や孤独感を感じていることがある。
多様な考えが許されることが、集団の心の健康を維持するために重要だ。



7. まず自分から ( 2005年 6月19日 )

SYPシステムは、「人(他人)や環境を変えるためのスキル」ではなく
「自分を変えるためのスキル」を提供しています。
今回は研修の最後にお配りしている「まず自分から」の原文を紹介します。
仮定法って、こんなときに使うんですね。 しびれました。
「高校の英文法で、こんな例文に触れていれば
私の英語に対する関心も変わっていたかもしれません(仮定法過去完了)」

Start with Yourself

The following words were written on the tomb of an Anglican Bishop (1100 A.D.)
in the Crypts of Westminster Abbey:

“When I was young and free and my imagination had no limits,
I dreamed of changing the world.
As I grew older and wiser, I discovered the world would not change,
so I shortened my sights somewhat and decided to change only my country.

But it, too, seemed immovable.

As I grew into my twilight years, in one last desperate attempt,
I settled for changing only my family, those closest to me,
but alas, they would have none of it.

And now as I lie on my deathbed, I suddenly realize:
If I had only changed myself first,
then by example I would have changed my family.

From their inspiration and encouragement,
I would then have been able to better my country
and, who knows, I may have even changed the world.”    Anonymous


(内田の訳)
 
若くて自由で想像力も果てしなかった頃、
私は世界を変えることを夢みていた。
年をとって賢くなるにつれ、世界は変わらないことを知った。
そこで少し視野を狭め、自分の国だけを変えることにした。
だが、国も動きそうになかった。
人生の黄昏にさしかかり、最後の力を振り絞り
最も身近な私の家族だけでも変えることにした。
ところが、ああ、誰も変わりはしなかった。
そして、死の床に就いた今、私はやっと悟ったのだ
まず自分自身を変えていれば、家族に影響を与え、
(間接的に)家族を変えることができたのではないかと。
その結果、家族に励まされ、支えられて、
自分の国をより良くすることができたかもしれなかったのだ。
もしかしたら、世界さえ変えることができたかもしれなかった。



6. コミュニケーションの実態 その2 ( 2005年 6月12日 )


前回に引き続き、コミュニケーションの実態に焦点を当てていきます。
言葉は重要ですが、言葉以外のメッセージにも敏感になることが重要です。
ドラマやCMなど、私たちの周りにはコミュニケーションの場を
客観的に見ることのできるチャンスがたくさんあります。

「おいしいことば」    朝日新聞 CM天気図 天野祐吉

本当に嬉しいときとか悲しいとき、ぼくらは「嬉しい」とか「悲しい」とは言わない。
そのかわり、「嬉しい」ということば以上に嬉しい顔をする。
「悲しい」ということばより、ずっと悲しい表情になる。
「嬉しい」とか「悲しい」とか言っているうちは、それほど嬉しくも悲しくもないのだ。
 「おいしい」も同じである。本当においしいと感じたときは、「おいしい」なんて言わない。
それは、ことば以上に顔が語っている。
こんな「ことばをこえたことば」くらい素直で正直なことばはない。
 が、いまのテレビには、「おいしい」ということばがあふれている。
話題のレストランや評判のラーメン店を紹介するような食べ物番組が、
この国では異常に多いように思うけれど、そこでは「おいしい!」が
日々連発され、いまや「おいしい」ということば自体がボロボロになって、
ちっともおいしくなくなってしまった。
さすがに気がひけるのか、「食感がたまらない」とか「すごくジューシーです」とか、
ヘンな日本語に置きかえている人もいるけれど、
しょせんはそれも「おいしい」のバリエーションに過ぎない。
 番組ではないが、CMにも、「おいしい」はあふれている。
だからこそ、青汁を飲む八名信夫さんの「まずい!」が逆説的に生きることにも
なるわけだが、「おいしい」を言わずにおいしさを表現する工夫が、
もっといろいろあってもいいんじゃないだろうか。
 そんななかで、見ていていつも感心するというか、こっちまで食欲をそそられるのは
ノリさん(木梨憲武)の食べっぷりだ。「Cook Do」(味の素)のCMのなかで、
彼が思いきり口をあけて中華料理を食べるときの目の輝きには、
「おいしい」なんてことばがまっ青になるくらいおいしさ感があふれている。
顔じゅうが口になるような迫力で食べて、しかもちっとも下品にならないところがいいし、
この人は食べることがシンソコ好きなんだなあと、リクツ抜きに感心させられてしまうのだ。
 「おいしい」に限らない。こういう「ことばをこえたことば」を大切にしていないと、
ことばはどんどんやせてしまい、スジだけになってしまう。
で、ことばの向こうにある大切なものを聞きとることのできない
「想像貧乏」がやたらにふえてしまうことにもなる。
お金の貧乏もいやだが、想像力の貧乏はもっと悲しい。



5. コミュニケーションの実態 その1 ( 2005年 6月 5日 )


今回は、非言語コミュニケーションに関する研究のパイオニアである
アルバート・メラビアンの名著「サイレント・メッセージ」の前書きを紹介します。
コミュニケーションが上手な人、プレゼンテーションが上手な人、
効果的なリーダーシップを発揮している人などなど。
彼らに共通するものは何でしょうか?

 伝統的に言葉を重要視するアメリカ文化が、
意思伝達のプロセスに重要な意味を持ちながら無視されていた、
非言語(ノンバーバル)の役割に気づき始めた。
言葉と異なり、人間の行為や行動は感情から
切り離せられないという点で、非言語の役割は特に重要である。
なぜならば、人は意識する、しないに関係なく、
非言語の情報で物事を判断してしまうからである。
毎日の生活や友達付き合い、仕事の上での人間関係などが
うまくいっているかどうかなどは、言葉よりもノンバーバルで判断することが多い。
そのときの気分や顔の表情、姿勢、動作、ジェスチャーなどは
言葉以上の意味を持つことがある。
発せられた言葉とノンバーバルが一致しない場合、
人は往々にして言葉を信用しない。むしろ行動を判断の基準とする。

 意思伝達におけるノンバーバルの重要性を理解している人は、
社会において成功するだろう。
人の上に立つ人は言うに及ばず、演技を必要とする職業、
説得を必要とする職業には特に大切である。
職業でなくとも、友人関係において
自分の気持ちを相手に正確に伝えることは、
ノンバーバルの理解なくしては至難の業である。
その証拠に、常に何らかの誤解をし、友人関係を冷たくしてしまい、
孤独に一人で生きていかなければならない人もいる。
人間関係におけるノンバーバルに敏感になれば、
友人関係や社会生活全般にその効果が現れるだろう。


前回のクイズの答えは、「不法滞在者」です。



4. 視点を変える  その1  ( 2005年 5月29日 )

SYPプログラムでは視点を変えることをテーマの一つにしています。
今回は、クイズ形式でお届けします。
なぜ、配達人は「助けてくれ」と意思表示をしなかったのか?
配達人の視点を、読み進めている途中で共有できましたか?
「○○○○○」の中の答えは次回に発表します。

  「狭い箱」の悲哀

 この街には欠かせないエレベーターと出前配達人。
大都会の住と食を支えるこの二つは密接にかかわる。
今月初め、ブロンクス地区のビルに
出前を届けた35歳の中国人配達人が姿を消した。
駅のそばに立つ38階建てのツインタワーの外に
配達用の自転車を止めてあり、周辺で何かが起きたのは明らかだった。
過去に中国人の配達人が殺された事件があり、ニューヨーク市警は捜査を始めた。
 扉を壊された住人もいたというから、入念な捜索だったようだ。
彼が見つかったのは80時間後。3階と4階の間のエレベーターの中だった。
 動いていないエレベーターを、なぜ疑わないのか。
警察の広報担当は「以前から運転停止していたと聞いていた」と話す。
ビルの警備員は「警報ボタンが鳴るのに、なぜ押さなかったのか」といぶかる。
配達人は助けを求めて叫んだというが、英語はほとんどできなかったらしい。
 報道によれば、救出後、彼は再び姿を消した。
彼は別の意味で街に欠くことのできない人たちの仲間だった。○○○○○だ。
当局が取り締まりを強めても、街の生活を底辺で支える彼らは、50万人にも膨れている。
見つけてほしいけど、見つかりたくない。
狭い箱の中の心境は、想像に難くない。
                      
                      朝日新聞 特派員メモ ニューヨーク 江木慎吾 



3. 「 ペーシング 」  その2  ( 2005年 5月22日 )

前回の「一緒に取り組む」に関して、企業研修の個人セッション中に
ある受講者から以下のような成果を聞きました。

田村さん(仮名)は、課長職、残業続きの毎日で、家には寝に帰るだけの状態です。
田村さんには、三人の娘さんがいます。小学校四年生、高校一年生、高校三年生です。
ある日曜日の午後、「家族との時間を持つこと」が個人目標の一つだった田村さんは
奥さんと小四の娘さんを誘って、三人で庭でバレーボールをすることになりました。
上の二人のお姉ちゃんも、たまたま自宅にいたので、とりあえず声をかけてみたところ、
田村さんの予想に反して、二人とも喜んで参加してきたそうです。
家族五人でのトス回しは、とても盛り上がり、3人の娘さんは
「キャーキャー」言いながら大はしゃぎしていたそうです。
文字通り、あっと言う間に二時間が過ぎました。
その日の夕食は、バレーボールの話で盛り上がり、
その後も、朝食や夕食の時に、家族全員がそろうと、
娘三人は、あの日の、バレーボールの話で持ちきりです。
「本当に楽しかったね」「また、やろうね」「今度は、百回つづけようね」

田村さんは、振り返りました。
「今まで、一年に一回、自分を犠牲にしてまで家族サービスをしてきました。
時間とお金をかけ、旅行をすることが、家族にとって一番なのだと信じていたんです。
でも、お金も時間もかけずに、こんなにみんなが楽しめて、しかも一体感と充実感を感じ
こんなに大切な『思い出』として残ることがあるんですね。驚きました」

思いがけず、ある休日の午後、大好きなお父さんと一緒にバレーボールができたこと、
三人の娘さんにとっては、どんなに嬉しかったことでしょう。
きっと、人間関係の「預け入れ」は、こうして「コツコツ」がキーワードなのですね。



2. 「 ペーシング 」  その1  ( 2005年 5月15日 )

個人セッションの中で、家庭内のコミュニケーションを扱う場合に、
私は「一緒に何かに取り組みましょう」とリクエストすることが多いです。
例 娘と洗車 息子とキャッチボール 奥さんと一緒にウォーキング など
「同じ体験」をすることは、ラポール形成に効果的です。
これは、同じ目線、同じ体験が「同じ」という感覚を強く創り出すからだと思います。
SYP研修を受けた方どうしが仲良くなれるのも、この効果かも知れません。

2005年4月11日(月)朝日新聞 生活欄 ひととき より

「少し早い職場体験」     千葉県我孫子市 筒井登茂子さん

 勤務先の幼稚園が、歩いて5分ほどの場所に引っ越すことになった。
小さな幼稚園なので、業者に頼まず、身内だけの作業となった。
少しでもお役に立てばと思い、高校一年の息子と中学一年の娘にも手伝ってもらった。
息子は幼稚園時代からの同級生にも声をかけ、力仕事に精を出した。
 元気のいいあいさつ、周りの先生方への気配り、
仕事の合間に見せる友達とのまだ幼さを残す遊び……。
家庭では見られない息子を見ることができた。
 この一年、受験なのに、のんびりしている息子に、
なかなかいいところを見つける余裕がなかった。
息子も私の帰りが遅いと不機嫌な顔をし、
自分の不安をわかってくれないと訴えたものだった。
 こうして同じ職場で働いてみると、一日の疲れも理解でき、
家に帰ってからもいたわりあうことができた。
疲れてうたた寝をしていると、「今日はお母さん、疲れているから」と、
帰ってきた夫の夕食を温めてくれた。
子ども二人が台所に立っている姿を見たときの嬉しさは、
今までの子育ての苦労をねぎらってもらったような感じだった。
 高校生活が始まったばかりの息子には、
今回の引っ越しは心に残るちょっと早い職場体験だったと思う。
 私にも我が子を見直す新しい春になった。



1. SYPプログラムの 『 目的 』 を思い出して下さい。 ( 2005年 5月 8日 )
  
SYPシステムは、長期ビジョンに基づき、幹部社員の育成に特化しています。
@コミュニケーション研修 → Aリーダーシップ研修 → Bチームワーク研修
以上の3本柱の研修を軸に、オプションとしてEAP研修なども提供しています。
それぞれの研修に、明確な『意図』と『目的』が存在しますが
私たちが提供する全ての研修に、ある一つの上位目的が存在します。
研修の最後に紹介している『あれ』です。
SYPプログラムの究極の『目的』を思い出して下さい。

2004年10月3日(日) 朝日新聞 より

地球くらぶ 科学と「バラ色の未来」 池田晶子

 医療技術の進歩にも、目覚ましいものがある。
 かつてなら死ぬしかなかった病気も死ななくてすむようになってきている。
この事実からも端的に分かるように、医療の進歩の原動力は、死への恐怖である。
人間は死を恐れ、死を避けようとして、技術をここまで進歩させてきた。
 このこと自体は、我々にとって、おそらくは幸福なことである。
しかし、どうなのだろう。
とりあえずの死は回避されても、死への恐怖そのものは少しも解消されていない。
恐怖を抱きつつ生きているという我々の人生のありようは、少しも変わっていないのである。
死に直面することを先延ばしし、考えることを避けてきた結果、
我々は、人生にとって実は命よりも大事なことを、取り逃がしてはいないだろうか。
 あるいは欲望の問題もそうである。
受精卵に手を加え、好みの子供を作り出すなど、そんな子供を大事に感じるものだろうか。
このような欲望の満足は、はたして人生の幸福だろうか。
 科学技術と人間の幸福について、私は考える。
全能の科学技術をもってすれば、人類の未来はバラ色のように思えるが、
実は案外そうでもない。
科学の進歩に見合っただけの精神の進歩を、我々は経ていないからである。
死を恐れ、欲望に流れ、人生の意味を知ろうともしない我々の精神は、
全く進歩していないからである。
このギャップは、これからますます大きくなる。
さてさて――――。(文筆家)