いよいよ旅も最終日。8時過ぎにやってきた混載の送迎バスにてひとまずシンカフェへ。
そこからツアー毎に集合がかかって出発していくのだが、半日クチトンネルツアーは最も近場で時間も短いためか、出発は9時半頃でほとんど1番最後だった。
予約の紙と引き替えに乗り込んだのは50人乗りくらいの大型バスで、冷房も完備。参加者は全部で20人ほどで、日本人は3女王様の他には途中爆睡していた2人組の若い女性のみ。どちらかといえば欧米人の一人か二人旅客が多い。
韓国人おばちゃん3人組が車内で大声でしゃべり倒しているのを見て、「は~、おばちゃんは万国共通だよ」と思うと同時に、将来の自分たちの姿を見せられたような気になる女王様たち。 (^^;

ガイドさんはベトナム人中年男性。元中学教師だったそうで、かなり流暢な英語を話す。
イコール3女王様のヒアリング力では彼の解説すべてを理解することはとうてい無理なのだった。
ホーチミン市内はクルマよりもオートバイが多くてスムーズに走行できないため、意外に時間がかかる。
そのうち郊外に達すると田園風景が広がり始め、水牛なども見受けられた。途中、道ばたでライスペーパーを天日干ししている(右写真、走行中の車内から撮影したためブレブレ)集落などを通り過ぎて、出発から1時間半くらいでクチトンネルに到着した。

まずは小部屋に連れて行かれ、地図と模型を使いながらガイドさんがクチトンネルについてあれこれ説明。
その後、3女王様と同じくらいの歴史を持つ(?)、雑音混じりの白黒フィルムが上映される。
ベトナム戦争当時のベトコンの活躍を記録したもので、トンネル内の様子や、米兵を倒して表彰される若いベトナム女性などが映されていた。
それが終わると元ベトコンの現地ガイド氏と合流し、屋外の展示へ。林の中の小道を通り、下に鉄串が植え込まれた回転式落とし穴(左写真)、米軍の爆撃によって生じたクレーター跡、塹壕などを見てまわる。
地下の隠れ場所があるところでは、ベトコンガイド氏が入口を隠しているフタを外して小さな穴から中に潜る様子を実演(右写真)。
スーパースリムなベトナム人ならではという感じ。ツアー参加者もチャレンジできるのだが、中へ入ることはできても自力で身体を持ち上げて外に出ることができなそうだったので、3女王様は見物のみ。
デカイ欧米人男性が無理矢理身体を斜めにして入ったりしていた。
米軍が放置していった戦車(左写真)のところで記念撮影した後、ベトコンゲリラの考案した落とし穴や仕掛けをまとめて展示してあるところも見学。
回転式の落とし穴を踏み抜くとフタの裏側にセットされている刃物で膝下が三枚下ろしにされる「レッグスライサー」や、米兵がドアを無理矢理開けると留めている糸が切れて釘の突き出た板がぶら~んと戸口を直撃する仕掛けなどの単純明快さ&エゲツなさにゲリラ魂を見る。

そしていよいよ本日のメインイベント、トンネル潜入。戦争中に実際に使用されていたトンネルを観光用に倍のサイズに掘り広げたということで、小柄な3女王様なら四つん這いにはならずにしゃがんだままの体勢で進める程度の高さ(右写真)。
幅も思ったほど狭くはない。が、ところどころに豆電球(?)が灯っているだけなので、とにかく暗い。
そのため、急にカーブしているところや天井が低くなっているところが見えず、結局頭や肩をしょっちゅうぶつけてしまう。
女王様1号はこんなこともあろうかとマグライトを持参していたのだが、取り出し損ねた。どのみち、片手に普通のカメラ、もう片手にデジカメを持っていたので、どうにもならなかった気もするが。懐中電灯があると本当は心強いハズ。
トンネルの長さは50mと言っていたが、実際には前がつかえて停止したりするので、もっと長く感じる。
両手を着いてちょっと滑り降りなければならないような急な下りが1ヶ所あり、それがおそらく最大の難所。
途中に脱出口が3ヶ所あり、そこから出ていってしまう人も結構多かったようだ。でなければ、韓国人おばちゃんズや、3女王様よりはるかに巨大な欧米人男性があまり汚れていなかった理由が見つからない。
なんだかんだで所要時間は5~10分くらい。距離の割には蒸し暑さと不自然な体勢で消耗する。
そして壁に接触した箇所が赤土で汚れてしまっているのだが、トンネル内の湿度が高いためか、手で払った程度では全然落ちない。
「汚れてもいい服装で」とガイドブック等に書かれているのは伊達や酔狂ではなかった。よって、
- 本当に汚れてもいい服装で行く。帽子やカバン類も車内に置いていく方が良い。
- クチトンネルから戻ってホテルの部屋を利用できる状態にしておく。女王様たちは最終日だったが、チェックアウト時間を延長しておいたので帰ってからシャワーを浴びることができ助かった。
- 上記に加え、最終日の場合、赤土まみれの服装で日本に帰るのはちょっと…ということで、替えの服を確保しておく。
などをアドバイスいたします。

全員がトンネルから脱出すると、地下に掘られた食堂で一休み。
お茶と蒸したタロイモ(左写真、塩をつけて食べる)を味わうことができる。タロイモは乾燥イモのような味と食感で、別に不味いわけではないが、こればかりずっと食べるのはキビシイ。
煙によって食堂の場所を上空から見つけられないよう、かまどからつながる煙突は食堂からだいぶ離れた場所まで掘られていた。
最後は当時のゲリラの服装を再現したかなり不気味なマネキン2体(右写真)を前に、ツアーガイド氏が「私と現地ガイド氏はかつては敵同士だったが今は友人だ」といった内容の挨拶をして、全行程終了。
駐車場に戻る途中にみやげもの売店もあるが、特にここでなければ買えないというようなものは見あたらなかった。
冷房の効いたバスに座ってミネラルウォーターを一気飲みし、後はホーチミン市内に着くまで爆睡。
途中スコールが降り出してきたが、女王様たちはプラス$1でホテルまでの送迎付きにしていたためノープロブレム。
楽&安いので、シンカフェから遠いホテルに泊まっている場合は送迎付きにしておくのがオススメ。
ホテルには午後2時過ぎに帰着。赤土まみれになったから…というわけだけでもないが、ホテル前の路上で販売されているTシャツをまとめて値切り買いした。
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