今日もなぜかカンボジア料理ではなく中華料理店で昼食を済ませ、午後。ガイド氏の強いプッシュにより、当初の予定にはまったく入っていなかったトンレサップ湖ボートクルーズ $25に行くことになった。
東南アジア最大の湖で、水上生活者がいるらしい。朝方は雨が降っていたからボートに屋根がないのなら行くまいと思っていたのだが、屋根はついていると言うし、すっかり雨もやんだし、その後で市内のマーケットで買い物する時間もあると言うので、とりあえず…といった気分での消極的参加。
トンレサップ湖はシェムリアップからクルマで30分強。到着するとガイド氏がボート屋と交渉し、女王様たちは幌のついたモーターボートに乗船。
中はプラスチック製の椅子が並べられていて、8人くらいが乗れる。
ところどころに浮かぶホテイアオイの固まりの間を縫って進んでいくと、水上生活者の集落が見えてきた。
それほど大きくない船の上に家が載せられていて、勝手に動かないよう一応杭に固定されている。
ガイド氏の話によれば、乾期になるとモーターボートに牽引してもらってもっと沖の方へ移動するらしい。
住んでいる人々は、普段の移動には手漕ぎの平べったい木の船を使っているようだった。自転車という感覚なのか?
集落には学校や病院もある。待機している救急車(「車」ではないが)はもちろんモーターボート。
なぜかやたらと動物を飼っているみやげもの屋船もあった。大きな鳥が何羽かいて、ガイド氏は「ペリカンだ」と言うのだが、あんなに目つきの悪いペリカンはいない。
どう見てもハゲコウ。店のおばちゃんが親切にも籠の中から大蛇を出そうとしてくれたので、女王様たちは丁重にお断りした。
集落の中を一回りし終わると、ボートはぐんぐん沖の方へ。見渡す限り水面しか見えないところで停まる。
広さを聞いてみたところ、乾期で琵琶湖の4倍、雨期は12倍になるとのことで、そうすると雨期が終わった直後のこの時は相当な広さになっていたハズ。
この頃からボートのエンジンのかかりが悪くなり、そのたびにガイド氏が「では泳いで帰りましょう」とお約束ギャグをかましていた。
岸までの帰り道は風景の単調さにすっかり落ちかかっていたが、風向きの関係か結構な水しぶきがかかり始め、上げてあった幌をおろす。幸い泳ぐハメにもならず、岸に無事到着。所要約1時間。
しかし途中から全員が口に出さずに思っていたことだが、このツアーには行かなくてよかった。水上生活者の集落も、もっと水上マーケット風なものを想像していたのだが、湖が広すぎるのが良くないのか(?)、そういう活気のあるところではなかった。
たとえレリーフはなくても、タ・プロムにでも連れていってもらった方が意義があったと思われる。
トンレサップ湖も一見の価値がないわけではないが(微妙な表現)、1時間もかけて見るものでもない。
いや、それ以前に1人$25も払って見るものではないぞ、絶対!
思えば、帰り道で1号の後ろの席に座っていたガイド氏は口笛を吹いてご機嫌だった。女王様一行が払った計$100のうち、少なく見積もっても$80は彼のポケットに入っていること請け合い。
今頃は彼の指にもう1つキンキラ指輪が増えている気がしてならない。
やはり、ガイドが妙にプッシュするツアーへの参加は要注意である。
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