観 光 編

3日目前半

<文責:女王様1号>


◆ 雨が降ってもサンライズツアー (T_T) ◆
 本日は朝4時半に起床、5時にロビー集合でアンコールワット・サンライズツアー。しかし、女王様たちが身支度をしていると、ホテルに向かう途中のガイド氏から電話が入った。
 「今朝は雨が降っていて朝日は見えないと思いますが、どうしますか?」
 がーん。慌てて窓の外を見てみると、暗いのではっきりしないが、どうも地面が濡れているようだ。 本来の予定どおり、これが昨日の朝だったら翌日に延期して再チャレンジということもできたのだが、今日はカンボジア最終日。 どうせもう起きちゃったしね、ということでサンライズツアーを雨天決行することになり、悲しい気持ちで荷物に折り畳みカサを入れるのだった。
 外に出てみると小雨がパラついている程度なのだが、空一面に雲が重く垂れ込めて晴れる気配皆無。 この頃はちょうど雨期が終わる時期だというので大丈夫かと思っていたのだが、実は雨期が終わった直後の数日だけしとしと雨が降るらしく、まさにその数日に引っかかってしまったようなのだ。 むしろ雨期の方が夕方に?スコールがガッと降るだけらしい。 そういうことはオプショナルツアーを申し込む時に言ってくれい!(言うわけないか。) ちなみに朝日・夕日が見えやすいのは2月・3月頃だそう。 早朝&曇天のアンコールワット

 昨日とは違うルートで再びアンコールワットへ。シェムリアップの道路には街灯というものがナイので、辺りは真っ暗。 そしてアンコールワットも特にライトアップされたりはしていないので、参道も真っ暗。そーいえば昨日見た時、参道の両側はお濠で、参道の縁は崩れてて、欄干は全部壊れちゃっててなかったなー、などとイヤなことを思い出しつつ、お濠に落ちないようガイドさんの後に従う。 懐中電灯を持って行くと安心でしょう。
 雨を避けるため、回廊の手前の門の下で待機。こんな日に「サンライズツアー」に来る物好きは女王様たちくらいかと思っていたが、やはりスケジュール変更できなかったのか、結構たくさんの人々が門の下にひしめき合っていた。
 相変わらず小雨は降り続いていたが、それでも6時を過ぎる頃になると何となく空が明るんできた。 薄明かりの中に黒々とした姿を見せるアンコールワットもそれなりに趣はある。でもやっぱり、これでアンコールワットの背後から朝日が昇ってきていれば…という、やりばのない不完全燃焼感は否めない。
 ほとんど夜が明けたところでもうちょっと回廊の方に近づき、写真を撮って雨天サンライズツアーは終了。 余談ながら、この後1号と2号はアンコールワットの絵ハガキセットを共同購入してジャンケンで1枚ずつ取り合ったのだが、最後まで残ったのは「なぜこんな絵ハガキを作成する?!」と思わずにはいられない、まるでこの朝の女王様たちのような「カサをさした観光客と雨のアンコールワット」の写真でした。

◆ 東洋の女王様 meets 東洋のモナリザ ◆
 ホテルに戻って朝食後、アンコール遺跡群の中でもちょっと遠くにあるバンテアイスレイに向かう。 ほとんど崩れかけたいくつかの遺跡や、数年前までポル・ポト派の拠点だったという山を遠望しながらクルマで1時間。 途中、かなり簡素な造りの橋を渡ったりもする。外国人はバイクタクシー(単なるバイクの2人乗り、どちらもヘルメットなし)や自転車で爆走している人が多い。 デヴァター像

 参道を通って細かな彫刻の施されたいくつかの門をくぐると、開けた空間にいくつもの祠堂が建てられている。 建物は赤色砂岩と紅土で造られているそうで、赤茶色っぽい。
 この遺跡のウリは、祠堂の壁に彫られたデヴァター(女神)像。「東洋のモナリザ」と呼ばれているものだ。 1ヶしかないのかと思っていたが、アンコールワットのアプサラ像と同様、1つ1つ異なるデヴァターがあちこちの祠堂に彫られている。 しかもガイドブックの写真で見ている時はもっと大きな気がしていたのだが、実物は高さ1mもないくらいで意外と小さい。 これは近くに寄って見なければ!
 だが今春から保護のため祠堂の周りにロープが張られて近づけないのだ。複数の祠堂をまとめて囲ってしまっているので、祠堂と祠堂の間の通路にはまったく入れない状態。 せめて祠堂を1つずつ囲んでくれればいいのだが。 仕方ないのでロープの周囲をぐるっと回りつつ、できる限りのズームで写真を撮る。

 そんなわけで、どこがどう「モナリザ」なのかは今ひとつわからずじまい。 多分、「謎めいた微笑」というような意味なのだとは思うが…。スタイルの方は結構ダイナマイトバディ系だった。

◆ アンコールトムの京唄子? ◆
象のテラス上部  バンテアイスレイからアンコールトムへ直行。裏門に相当する方向から入って、まずはライ王のテラス象のテラスを軽く見物。 ライ王のテラスは全面レリーフの壁と壁の間が通路になっており、そこを通ってぐるぐると歩く。象のテラスは王の閲兵台だったそうで、壁面の象のレリーフと上部の象の鼻型柱(左写真)がポイント。
 テラスの上に立つとアンコールトム内のいろいろな遺跡が見渡せるが、ガイド氏は「あっちの遺跡は何もレリーフが残っていないので見てもしょうがないです」と一刀両断していた。 どうも彼の考える「良い遺跡」の判断基準はレリーフの有無らしい。 バイヨンの四面仏塔

 さらに先に進んで、フランス政府がただ今修復中のバプーオンという寺院の遺跡をちょっと見学してから、アンコールトムの中心に位置するバイヨンへ。 中央本殿を真ん中に、それをぐるっと囲む仏塔の各側面には慈悲のホホエミを浮かべる観世音菩薩が彫られている(右写真)。
 アンコール遺跡のレリーフは、ここの観世音菩薩もアンコールワットのアプサラやバンテアイスレイのデヴァターも、やはりカンボジア人顔(特に小鼻の広がり方とか)。 ところが、9号が観世音菩薩像の1つを見て意外な発見を。
バイヨンの京唄子 「京唄子に似ている…」(左写真)
 これには全員納得。厚ぼったい唇が原因か?とも思うが、すべての観世音菩薩が京唄子に似ているわけでもない。 「中央本殿の柱と柱の間から覗くと観世音菩薩像が3面並んで見えるポイント」というのがあって、その1番右奥の1体が京唄子。 要チェック! そういえば、女王様たちはバイヨンの入口で昨日一蓮托生だったA氏と偶然再会したのだが、これも京唄子、じゃなくて観音サマのお導き?(しかし向こうは見学を終えて出てきたところだったので、写真を撮っただけであっさり別れたけど。) ワニに喰われる~

 その後は、バイヨンの第一回廊を見学。アンコールトムを建造したジャヤヴァルマン7世の行列や、その時代の風俗が彫られている。 チェスをする人とか闘鶏とかいろいろあるのだが、川で船から落ちた人間をワニがバックリくわえているシーン(右写真)には思わず笑ってしまう。 アヤシイ目元
 行軍のレリーフには、オールバックで耳たぶの大きなカンボジア人兵士の他に、結髪糸目の中国人傭兵部隊が描かれており、現代まで続くカンボジアへの中国人の進出ぶりの起源を窺わせる。 2号は行軍の中にいる象の目元のアヤシサ(左写真)がツボだったようだ。

 最後はアンコールトムの入口である南大門を逆走して外へ。門から続く道の両側は、神々と悪魔が蛇の胴体を綱代わりに綱引きをしたという「乳海撹拌」をモチーフにした欄干が残っている。 片側に神々、片側に悪魔が整列し、先頭から最後尾までつながっている蛇の胴体がちょうど手すりになっているという構造で面白いのだが、いつものことながら全然写真に入る大きさではなかった。

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