空港からはまずシェムリアップ市内の中華料理店に連れて行かれ、貸し切り状態で昼食。
その後ホテル・ノコールプノンにチェックインしてひと休みし、午後3時にアンコールワット観光に出発した。
カンボジアの現地ガイド氏は中国系カンボジア人。日本語は今ひとつ頼りないが、よく聞くとさりげなく自慢話をかましていることが多かった(例:シェムリアップで1番優秀な高校を卒業して10人しか合格できない日本語学校に入った、日本に留学中の妹が日本語弁論大会で優勝した、etc.)。20代半ばの若さにもかかわらず、日本ではある種のオヤジしかしないようなキンキラ指輪をしていたのも特徴。

アンコールワットはホテルからクルマで30分ほど。シェムリアップの道路は一応舗装されているのだが、舗装自体がガタガタ。
途中で200mくらいだけ日本政府が舗装した(電波少年は関係ナイ)箇所があり、そこは平らなのでクルマに乗っていてもわかる。
雨期の直後なので、道ばたが水浸しになっているところも多かった。
アンコールワット手前にゲートがあり、ここで写真を貼り付けたチケットを作成するので日本から写真を持ってくるように言われていた。
が、いざというときになって写真を携帯していないことに気付く3号&9号。 (^^; しかしご安心あれ。
ガイドブックには「シェムリアップには簡単に写真を現像できるようなところはない」と書かれていたが、状況は日進月歩、今ではこの場でポラロイド撮影してくれるのだ。
しかも無料。こうして無事に3日間有効$40のチケットを手に入れ、いよいよアンコールワットに突入。

縁が崩れかけている参道(片側をフランス、片側を上智大学が修復中)を進んで門をくぐると、そびえ立つ塔がどーんと目に入ってくる。
参道正面からでは5本ある塔が重なって3本しか見えないのだが、参道をちょっとはずれて池のほとりに立つと、斜め位置からすべての塔が見え、しかもそれが「逆さアンコールワット」として池に映り込んで見える(右写真)のでオススメ。
アンコールワットは5本の塔を中心に、3重の回廊が囲んでいる構造。ガイド氏の後について、まずは壁のレリーフが有名な第一回廊を見て回る。
「マハーバーラタ」「ラーマーヤナ」といった叙事詩モノや、ヒンドゥーの天地創造神話「乳海撹拌」、アンコールワットを12世紀に建造した王様スーリヤヴァルマン2世(左写真)の業績などが、壁一面にこまごまと彫られている。
しかし…レリーフは確かに素晴らしいのだが、この回廊は風が吹き抜けない造りなのでとにかく蒸し暑い!
第一回廊を一周し終わる頃には汗だくでちょっとモーロー気味。
第二回廊にはレリーフなどはなく、ところどころに仏像が置かれているだけなので省略し、5本の塔を結ぶ第三回廊へ。
ここではガイド氏の引率はなく、時間を決めて自由見学ということになる。しかし、女王様たちの前に立ちはだかるのは恐ろしく急な石段。
心象的にはかなり垂直に近い。しかも手すりナシ。高所恐怖症の3号は固まりかけていた。両手でしっかり石段をホールドしつつ、心を無にして黙々と登るべし、登るべし!
いざ登ってしまえば見晴らしも良く、ついにここまで来た!という達成感にハイテンションになって回廊のあちこちを巡る1号と2号。
3号と9号が早めに下に降りても、回廊に安置されている仏像に線香をあげたり、なんとか中央塔を写真に収めようとチャレンジしたり(距離が近すぎてムリ)、1つ1つ異なるアプサラ(天女)のレリーフ(右写真)の中で出来の良さそうなものを探したり、と時間いっぱいまで第三回廊をエンジョイ(?)するのだった。
かろうじて手すりのある下り側の階段を降り、17世紀にここへやってきた森本右近太夫という日本人の落書き(墨で書いてあるのでもうほとんど読めない)をちょっと眺めてからアンコールワットを後にする。
本来ならこの後、プノン・バケンという小山に登ってアンコールワット夕日観賞となるのだが…。
「今日は西の方向に雲があるので多分夕日は見えないと思いますが、どうしますか?」とガイド氏。
確かに西の空には広い範囲で雲がかかっている。予定変更で明日の朝にサンライズツアーに行くことになったし、アプラサダンスショーに行く前にひと風呂浴びたいしね、というわけで、昨日からのドタバタと今日の暑さですっかりカラータイマーが点滅していた体力と根性のない女王様たちは、夕日観賞を取りやめてホテルに戻ることにした。
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