翌朝遅めの朝食を終えて荷造りをしていていると、いきなりのコール。フロントからたどたどしい日本語で「もう車が待っている」という。
まだ9時である。「昨日9時半と聞いたが…」と日本語&英語で食い下がってみたが通じない。ダッシュで仕度をして階下へ向かう。
A氏とともに車に乗り込み空港へ。昨夜も驚いたがとにかく道路がめちゃくちゃ。バイク、自転車入り混じって目が回りそうである。
空港に着くと同乗していた係員の指示でチェックイン。窓口の女性は仕事もそぞろにベトナム語で会話している(にゃーにゃー言うよね、とは1号の弁)。
スーツケースをベルトコンベアに載せる役の男性係員が、なぜかバスケットボールのユニフォーム姿なのに唖然。
クレームタグは5人分まとめてA氏のチケットに張り付けられたため、5人は一蓮托生の仲に。
そんなこんなでチェックインが終わり、気づくと連れてきてくれた係員はいつの間にか消えていた。はて???
上で待っているのだろうか。とにかく手荷物チェックを済ませてイミグレのある階上へ。しかしそこには出国税を払うカウンターがあるだけ。
パスポートを返してくれそうな人など、どこにもいない。出国税$12は事情が事情なので払う必要はないハズだが、
説明しても聞く耳を持つ様子などなく、一度空港外に出たのだからとにかく払えの一点張り。
出口のところには「払わない者通るべからず」ってな感じで担当官が頑張っている。
ベトナム航空が欠航したせいで心ならずも足止めされたんであって、なぜ出国税を我々が払わなきゃならんのか?
女王様たちの怒り爆発。それに何より、パスポートを返してもらわないと出国できない。ピ~ンチ!
係官らしき人が現れるのを5人で待ってみるが、そんな気配は全くなし。A氏を先頭に再度出国税カウンターで交渉を試みるが、結局チェックインカウンターで相談しろとのことであった。
階下へぞろぞろ戻ってみると、我々が手続きしたカウンターは長い列になっており、とても話ができる状況ではない。
A氏は案内所などのいろんな人に話しかけているが、話は通じていない様子。
ここで、トラブルシューティングの原則。「責任者をつかまえろ!」
フロアをじぃっと見渡して、トランシーバーを持ち周囲に指示を出している、ベトナム人にはまれな長身の男性を発見(背が高いので目に付いたという気も)。
3号が文法無視した英語で事情説明開始。1号が後を受けて説明。彼は「わかった」というとすぐに部下(若者)を呼んで我々に付き添うよう命じた。
1号が出国税を払う必要があるか?と尋ねるとはっきり「必要ない」と答えた。
そうこなくっちゃ。
再度出国税カウンタへ。しかし、やはり払えと言われているらしく、付き添いくんと税担当者の間でもめている。
税金っていずこの国でも払わせることに執念燃やすなぁ。付き添いくんは電話を借りてえんえん話をしている。
何とか話がついたらしく、出国税をパスしてイミグレ前へ。この間の距離は約3m。いったい何十分かかったやら。付き添いくんは、担当がもうすぐ来るのでしばらくここで待つようにと言い、去っていった。
しかし、なかなかそれらしき人は現れず、また振り出しに戻ったらどうしようかと不安になる。
やがてやる気のなさそーな係員が登場。パスポートを取りに行くと言って、イミグレの反対側にある事務室へ消えた。
しかしこの待ち時間もやたら長く、壊れはじめた女王様は「今ごろ、偽造しているんじゃないの?」と失礼な一言。
輪ゴムでまとめた5人分のパスポートを持って戻ってきた彼は、イミグレに我々を誘導。
全員が通過したのを見届けると「義務は果たした」とばかりに黙ってすたすたと去っていくのであった。
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