観 光 編

1日目

<文責:女王様3号&2号>


◆ いきなりの欠航 ◆
 完徹状態でよれよれの3号が7:00ちょうどに羽田空港に着くと、女王様1号が待っていた。9号&2号と合流し、自己紹介もそこそこに(9号と3号は初対面)チェックインを済ませる。 ベトナムアドバイザーM氏へのお土産(本人の希望により日本の雑誌類)を仕入れてから搭乗口へ向かうと、手荷物検査は大混雑であった。 (警備そのものは厳しいという感じではなかったが…)

 関空に到着し国際線にチェックイン。11:30発ベトナム航空便は搭乗が10分早まると伝えられる。 高い空港使用料(\2,650、プリペイドカードのようなものを買ってゲートを通る仕組み)にブツブツ言いつつ、早々に搭乗ゲートへ向かう。
 ベトナム航空機を撮影する他の3人をよそに、3号は落ちかかっていた。そろそろ搭乗開始か?と思われたその時、悪夢のアナウンスが入る。
機体整備不良により、ホーチミン行きベトナム航空は欠航します。14:30発JAL便に全て振り替えとなります」
な、なんだってぇ!? 旅でトラブルが起きると「私たちの旅らしくなってきたわ」とほくそ笑む(負け惜しみ)女王様たちだが、「いきなり私たちの旅らしさ全開!」とは…。とほほ。

 JALに振り替えられるとはいえ、心配事は乗り継ぎ。カンボジアへ初日中に着きたいがために、この朝早い便を予約していたのだ。 ホーチミン→シェムリアップ間は1日3便。我々は最終便に乗る予定だから、3時間の遅れは致命的。 他にもホーチミンで乗り継ぎを予定している人が多いらしく、人々は係員のいるゲートへ殺到。
 お詫びの缶入り飲み物が準備される一方、係員は「乗り継ぎがどうなるかは、現地に着いてみないとわからない」と繰り返す。
 やけ気味で免税店で買い物スパークした後、退屈しのぎに欠航の原因を推測してみる。 機体不良?

  1. 本当に機体がおかしい
  2. 乗客が少なく、損益分岐点に達しないから
  3. この前のフライトで誰かが機内に白い粉を撒いた
 さてこの中に正解はあるのか?
(右写真はついに飛ぶことなく牽引されて去っていったベトナム航空機)

 家族に連絡をとったり、掲示板に書き込んだり、ベトナムアドバイザーのM氏にメールを送ったりして時間をつぶす。 やがて、メコンツアーより幹事の1号に連絡が入った。今日中の乗り継ぎはやはり難しいらしく、ホーチミンでトランジットとなり、ベトナム航空がホテルを手配してくれるとのこと。
 12時をすぎても機内には入れず(当初、昼食は機内食をサーブするとアナウンスされていた)、結局1時前に1000円相当の昼食券が配られ、1つしかない軽食処でえんえん待たされながらホットドッグ&ビール(やけ酒)などを食すことになった。 (計4千円分の券を余すことなく使い切り、貧乏性の本領発揮)
 そしてようやくJALに搭乗。フライトは順調で、3時間遅れでようやくホーチミンへ降り立った。

◆ パスポート没収 ◆
 到着してまず感じたのは、蒸し暑さ。南国へ来たという感じがする。ゲートの待合所では、「ハノイ行き」のプラカードを持った人が乗継客を待っていた。 国内線でもあり間に合うらしい。
 さて我々はどうすりゃいいのか? 何の案内も出ていないし、担当らしき人もいない。カンボジアへ乗継予定だったのは我々だけだったのか? しかしこの扱いはひどい。仮にも女王様一行なのに。とりあえずカウンタで聞いてみたところ、入国書類をくれ、記入して待つようにと言われた。
入国書類控え  しばらくして担当らしき人が現れ、書類をチェック。彼に連れられて入国手続きを済ませると、パスポートを渡すように言われる。 手放すことに抵抗はあるが、トランジットの時にパスポートを預けさせられるという話を読んだことがあるし、有無をいわさぬ口調なのでしぶしぶ従う。 身分を証明するものは、「TRANSIT」の印が押された入国書類の控えの黄色い紙一枚となってしまった。 (左写真)

 荷物を受け取ると、そこには別の係員が待っていた。シェムリアップへ行く予定だった同世代の男性(以下A氏)、ダナンに行く予定だった70才前後の女性(英語・仏語・タイ語が話せる超パワフル若作りナニワのおばちゃん系)、そして我々の計6名が車に乗せられる。 おばちゃん情報によれば、欠航理由はランディングギアがゆがんでいたため(?)だと言われたそうだが…。
 ほどなく着いたのはファーストホテル(一流ホテルということではなく、そういう名前)。 フロント脇に韓国料理の店がある。連れてきた人は、明朝9:30に迎えに来ると言い残して去っていった。

 室内にはあちこちボロい所があり、ちょっとわびしい雰囲気。4人でホテルがどこにあるか、ガイドブックやパンフレットから推察しようとするが、空港近辺は地図に載っていない。 結局、2号&9号は市内に出ることにし、1号と完徹あけの3号はホテルに残ることにした。

◆ いきなりの買い物スパーク ◆
 ベトナム2度目の9号は、前回の旅の残金として、いささかベトナム通貨の手持ちがあったが、念のためホテルのフロントで$100一気にベトナム・ドンに両替し($1=15,000ドン。悪くない両替率だった。)、ホテル近くにいたタクシーに2号とともに乗り込んだ。

 2号にとって、初めてのホーチミンは噂に違わぬバイクの洪水。 南国の生暖かい埃っぽい空気と、バイクの無数のライトに照らされた夜、タクシーのメーターを(だまされないように)にらみながら、異国に来たのだなあ。。。と実感していた。 9号はベトナムドン札を数えるのに余念がない。
 すると突然、隣を走るバイクのお兄ちゃんにタクシーの窓をコンコンと叩かれた。お金を出していたからだろうと思うけど、ちょっとびびった。

 結局、目的地まで時間は20分ほど、料金は5万ドン弱(約450円)。宿泊ホテルがかなり空港の近く=市街地から遠いということがわかった。
 まずは「ZAKKA」というアオザイやワンピースのオーダーメードで有名な服飾雑貨の店へ入った。
 9号は以前もこの店でワンピースをオーダーしているので、慣れた様子で見本の服をチェック。2号も、ぼんやりしつつ一緒にチェック。 ここで9号は、光沢のある深い赤地に小さな白い花模様(?)がある布地で、シンプルラインのワンピースをオーダーした。
 料金を払いつつ、日本人店員にベトナム航空キャンセルの話をしたら、「ああ、ベトナム航空はよくやるんですよ。 乗客が少ないと、機体不良と言ってすぐキャンセルするんです。」との話。
 薄々そうではないかと疑ってはいたが、やっぱりそうだったのかー!! 確かに、ベトナム航空予定の人が全員JALに移ったわけだが、まだ満席ではなかった。  「白い粉がまかれた」云々の心配はなかったようだが、テロ事件のせいで旅行客が激減した結果の損益分岐点割れだから、我々が初日にカンボジアまで行けなかったのもテロの影響と言えなくもない。

 ZAKKAを出て、パスター通りからレロイ通りに出る角を曲がったすぐの小さな店に飾ってあるワンピースが目についた。 値段を聞くと$28だと言う。安い。ZAKKAの半額以下だ。ということで、早速試着。安さに目がくらみ、2号は衝動的に注文した。

 2人ともワンピースを注文して高揚しつつ、更に3軒ほど先の店にも入ってみた。この店「Cuppicino」は小綺麗でお洒落な服飾雑貨店。 シルクのショールやビーズ刺繍のスカートがステキで、9号は思わずいろいろ買いそうになっていたが、初日ということで、ショール一つで我慢、我慢。
 道路の向かいに国営百貨店を発見したので、バイクがひっきりなしに通る車道を勇気を出して横断し、ビールや水を買った。 ふと気づけば、時間は既に9時。大概の店は閉店だし、お腹も空いたし、大きなホテルの前に止まっていたタクシーを拾ってファーストホテルに戻った。

次へ


[TOP] [食事編] [買い物編] [ホテル編] [番外編] [準備編]

海外旅行記一覧へ
旅好き3女王様の小帝国トップへ