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滝の名前 七ツ釜滝
滝の写真
所 在 地 三重県大台町大杉谷地内
滝へのアクセス 車を停めてから6時間20分で到着。
滝との密着度 観瀑台より遠望する。
滝を見た時
の感激度
☆☆☆☆

〜コ メ ン ト〜

七ツ釜滝。日本の滝百選の一つ。日本三大渓谷の一つと

される日本有数の秘境である大杉谷にある滝で、滝に

たどり着くまでに6時間20分と日本の滝百選の中で最も

時間の要した難攻滝である。私は三重県側の第三発電所

登山口から入山したが、過去に死亡事故が多発している

という警告の看板が何度も何度も何度も出てくるコースで、

事実、登山道を歩き始めるとすぐに鎖場が登場するなど、

いきなりビビらされ七ツ釜滝までの長い長い行程を想うと

否が応でも気が引き締まり、緊張感と胸の鼓動の高まりを

抑えることができなかったコースである。しかしながら、

2004年の水害で大打撃を受け、通行止めとなっていた

登山道が7年間の封印から満を持して開通しただけ

あって、道中はきちんと整備が行き届いていて、少しでも

危ないと思われる箇所には何らかの対策が施されて

いるなど、誤解を恐れずにいえば、集中力を切らす

ことなく、気を抜かずに進みさえすればまず問題のない

登山道で、日本三大渓谷である大杉谷を横目に

しながら進む飽きることのないとても楽しいコース

だった。(但し、確かに落ちたらまず助からないよなぁ〜

という高度感がある道がずっと続き、平らで開けた

ところは皆無に等しく、吊り橋も10本くらいあるので高い

とこが苦手な人にはかなりツラいかも知れない…)

また道中には千尋滝、ニコニコ滝という百選を軽く

超越するクラスの滝や無数の無名滝もあり、滝好きには

本当にたまらない渓谷である。尚、大杉谷は日本でも

有数の多雨地帯であり、私が訪ねた時も3日間で450ミリの

雨が大杉谷に降った後(実は当日も天気予報がハズレ、

雨が降ったり止んだり…、かと思うと天気が良くなったりの

繰り返しだった)であり、宮川(七ツ釜滝の下流の川)は

大増水をしていた。道中は千尋滝までは比較的楽な

コースを進むが、千尋滝を過ぎると一気に難易度が増し、

アップダウンも厳しくなった。千尋滝、ニコニコ滝と

百選を完全に超越している超ド級の滝を観た後で、

さらに進む道中はとても長く感じ、正直、七ツ釜滝は

大したことないんじゃないだろうか…との疑念を払拭

できずにいた。しかし、そんなことを考えながらも

やはり美しい大杉谷渓谷を横目にしながら進む道中は

本当に楽しい!無名滝も所々にある!そして天に向かって

そびえ立つようなとんでもない断崖絶壁とこれまでには

ない深い深い谷に出た。(いわゆる平等ー)そしてその

深い深い谷にはつい最近作られたであろう吊り橋が

架けられていた。橋の基礎部分には2012年3月竣工との

プレートがあった。本当につい最近だ。(私が訪ねたのは

5月4日)実は以前この谷に架かっていた吊り橋が

流されたことにより、大杉谷は7年余りの長期間に

渡る封印を余儀なくされたのである。私はこうして再度

橋を架け、登山道を整備してくれたすべての方々に

感謝の気持ちを抱きながら、その吊り橋をさらに進んだ。

しかしながら、とんでもない深い深い谷である。そういえば

昔は高所恐怖症だったが、滝巡りをしているうちにいつの

間にかにすっかり払拭している自分がいた。その後さらに

1時間ほど歩いてようやく桃の木山小屋に到着。そのまま

休むことなく一気に七ツ釜滝へと向かう。桃の木山小屋

より先はさらに渓谷が深く、登山道はより高い場所に

作られていた。谷底(宮川)まではざっと7、80m以上は

あるだろうか…。ここから落ちたら間違いなく命はないだろう。

ふと、雨が降っているのに雨が当たらないことを不思議に

思った私は、この登山道が宮川の両岸にそびえ立つ

断崖絶壁をくり貫いて作られていて、半分トンネル

みたいな構造になっていることに気が付いた。冷静に

なって考えるとこんな『とんでもない道』はやはり同じ

日本三大渓谷とされる黒部渓谷の写真か何かでしか

見たことがない。一体どうやってこんな所に道を作ったの

だろうかと思うと同時に今自分は本当にとんでもない

場所を歩いているんだと胸が高鳴っているのがわかった。

そしてついに七ツ釜滝の観瀑台に到着。そこには事前に

考えていたよりも遥かに大きな七ツ釜滝がとんでもない

圧倒的な水量の豪瀑となって流れ落ちていた。

ぶっ飛んだ。まさか日本の滝百選の一番最後に

訪ねた滝で今まで私が観てきた滝の概念を根底から

覆すかのような衝撃を受けてしまうとは…。それはさっき

あれほど感動した千尋滝もこれ(大増水した七ツ釜滝)に

比べたら小さい滝だったよなぁ〜と思ってしまったほどの

衝撃であった。但し、悲しいかな…、観瀑台から七ツ釜滝

まではあまりにも遠く離れすぎている。これだけ大きな

滝にも関わらず、誰のどんな写真や動画を見てもその

大きさや迫力が伝わってこないのは観瀑台からでは

あまりにも滝が遠くにあるからだろう。出来ることなら

あの豪瀑を間近で観てみたかった…。


※ちなみに私が目にした七ツ釜滝は3日間雨が

降り続いた後の大増水バージョンであるため、

まるで参考にならないと思った方が間違いありません。

但し、想像以上に大きい滝であることは間違い

ないと思われます。


〜行程〜

行き→第三発電所登山口4時38分発→千尋滝6時58分着

→シシ淵8時29分着→ニコニコ滝8時56分着→

平等ー9時28分着→桃の木山小屋10時32分着→

七ツ釜滝11時00分着

帰り→七ツ釜滝12時00発→桃の木山小屋12時37分着

→平等ー13時31分着→ニコニコ滝13時51分着→

シシ淵14時27分着→千尋滝16時00分着

→第三発電所登山口18時58分着

ちゃ

佐竹