〜コ メ ン ト〜
陸奥の恐山、越中の立山と共に日本三大霊山の一つとされ、人は死んだら
「まさに」こういうところに行くんだろうなぁ〜とリアルに感じる川原毛地獄。
この草木も生えず、岩盤がむき出しで、所々から湯けむりが立ってはいる
ものの、全生命活動が完全に途絶えてしまったかのような荒れ果てた、
まるであの世のような景観の川原毛地獄から歩くこと約1時間にして
たどり着くのがこの川原毛大湯滝である。この滝はその名の通り「湯の滝」
である。つまり滝の上流に温泉の源泉が湧き出ていて、それが川の水と
交わることにより、入浴に適した湯の川となっているものが、さらに奇跡的に
湯の滝となって流れ落ちているものである。滝そのものは2つの流れに
なって落ちているものが、最終的に一つの滝壺へと集約されていくのだが、
向かって左側の滝が屈折している部分にはちょうど大人2人が入れる
くらいの深さ1m弱の天然の湯船となっていて、絶えず湯の滝が注ぎ
込まれている。また滝壺も大人5〜6人が入れるような広さがあり、
まさに「地獄に仏」とはこのことと思いきや、この湯滝は日本有数の
強酸性の温泉であるため、眼に入ってしまったり、擦り傷があったり
すると、それこそ地獄の苦しみを味わうことになるので注意が
必要である。いずれにしても日本屈指の秘湯中の秘湯にして、
秘瀑中の秘瀑であるといえるだろう。そう…、川原毛地獄の先には
天国があるのである。尚、この川原毛地獄を経由せずに川原毛
大湯滝にショートカットすることができる道もあるが、ぜひ一度は
川原毛地獄から川原毛大湯滝まで歩いてほしいものである。
ちなみに川原毛地獄から川原毛大湯滝までの道は延々と下り坂で
あるため、必然的に帰りは延々と上り坂となり、やはり地獄の苦しみを
味わうことになるのはいうまでもない。
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