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凡例〔 〕内は訳註


家族関係の登録等に関する法律案(代案)

議案番号 6512

提案年月日:2007年4月26日
提案者  :法制司法委員長

1.代案の提案経緯

(註1).2005年9月28日、ノ・フェチャン議員〔民主労働党所属〕ら14人から発議され、同年9月29日、わが委員会に回付された出生・婚姻・死亡等の申告および証明に関する法律案と、2005年12月28日、イ・ギョンス議員〔開かれたウリ党所属〕ら44人から発議され、同年12月30日、わが委員会に回付された身分関係の登録および証明に関する法律案、および2006年3月3日、政府が提出し、同年3月6日、わが委員会に回付された国籍および家族関係の登録に関する法律案を、第259回国会(臨時会)第9次法制司法委員会(2006年4月21日)にそれぞれ上程した後、提案説明と検討報告および大体討論〔一般討論〕を経て、それぞれ法案審査第1小委員会に回付する。

.法案審査第1小委員会は、以上3件の法律案を第261回国会(臨時会)第1次(2006年8月24日)、第261回国会(臨時会)(註2)第1次(2007年4月13日)および第6次(2007年4月24日)法案審査第1小委員会において深度ある審査をした結果、以上3件の法律案をそれぞれ廃棄し、委員会代案を提案することで合意する。

.わが委員会は、第267回国会(臨時会)第4次法制司法委員会(2007年4月26日)において法案審査第1小委員長の審査報告を聞き、法案審査第1小委員会が提案した代案をわが委員会案として受け入れ、以上3件の法律案を本会議に付議しないで、委員会案を提案することで議決する。

2.代案の提案理由

「民法」が改正(法律第7427号 2005年3月31日公布・施行)され、2008年1月1日から「民法」上、戸主制が廃止されるのに伴って、戸籍制度を代替する新しい家族関係登録制度をつくり、国民個々人別に出生・婚姻・死亡等の身分変動事項を電算情報処理組織によって記録・管理できるようにする一方、その登録情報を使用目的による多様な証明書形態で発給できるようにし、家族関係登録等の事務を国家事務化して大法院(註3)が管掌できるようにし、国籍変動事項がある場合、国籍業務の管掌機関である法務部長官が国籍変動者の登録基準地の市・区・邑・面長にこれを直接通報して家族関係登録簿に国民の国籍変動事項を正確に記載することができるようにするなど、国民の便宜を図るためのものである。

3.代案の主要内容

.家族関係登録事務の国家事務化(案第2条・第3条および第7条)

(1) 国民の各種家族法的身分変動事項を登録したり証明する家族関係登録事務(従前の戸籍事務)は、その法的性格が国家事務であるのに自治事務になっていて、地方自治団体が莫大な赤字を甘受しながら事務を担当するなどの問題点があった。

(2) 家族関係登録事務を国家事務にして大法院がその事務を管掌するが、その登録事務の処理に関する権限は、市・区・邑・面の長に委任して、事務処理に要する費用は国家が負担するようにする。

(3) この間、戸籍事務の監督をしていた大法院が主導的に家族関係登録事務を管掌することによって、業務遂行をする過程で国民の混乱を防止し、事務処理費用を国家負担することで地方財政にも助けになることと期待される。

.個人別家族関係登録簿の編制と電算情報処理組織による管理(案第9条・第10条および第11条)

(1) 戸主を基準に家(カ)単位で国民の家族関係を編制する戸籍制度は、個人の尊厳と両性平等の憲法理念に外れるという批判があった。

(2) 戸籍簿に代わり国民個人別に登録基準地によって家族関係登録簿を編制し、事務の電算化によって各種家族関係の取得・発生および変動事項の入力と処理および管理を電算情報処理組織に基づくようにする。

(3) 国民個々人別に家族関係事項が記録・公示されるのに伴って、戸主制廃止の趣旨および両性平等の原則を具現し、家(カ)を前提にした入籍・復籍・分家等の複雑な事務処理が改善されるなど、業務の効率性が大いに増大することと期待される。

.目的別の多様な証明書の発給および発給申請基準の明確化(案第14条および第15条)

(1) 戸籍制度は戸籍謄本というひとつの証明書に本人はもちろん家族全体の身分に関する事項がすべて記載されていて、その発給申請人も原則的に制限がなく、敏感な個人情報が不当に露出されるなどの問題点があった。

(2) 証明しようとする目的によって多様な証明書(家族関係証明、基本証明、婚姻関係証明、入養(註4)関係証明、親養子入養(註5)関係証明)を発給されるようにするが、証明書交付申請は原則的に本人または本人の配偶者・直系血族・兄弟姉妹のみが行うことができるようにし、親養子入養証明は親養子が成年になって申請する場合など限定的にのみ認めて発給要件をさらに強化する。

(3) 立証事項による多様な目的別証明書の発給により不必要な個人の家族関係情報の公開が最小化されることで、個人情報保護に大いに貢献することと期待される。

.「民法」改正に伴う具体的手続きの準備(案第67条ないし第71条および第100条)

(1) 「民法」が改正されて親養子制度、子の姓と(註6)の変更などが認められるのに伴って、それに伴う具体的な手続きを準備する必要がある。

(2) 親養子を入養しようとする者は親養子入養裁判の確定日から1か月以内に裁判所の謄本および確定証明書を添付して申告(註7)するようにし、婚姻中出生した子女が母の姓と本に従うことにした場合には、婚姻申告書にその内容を記載した後、父母の協議書を添付するようにし、子女の姓と本を変更しようとする者は、裁判確定日から1か月以内に裁判所の謄本および確定証明書を添付して申告するようにする。

(3) 「民法」の新設および改正条項に対する具体的手続きを準備することで、その施行に蹉跌〔つまずき〕がなくなることと期待される。

.現行「戸籍法」の一部不備点の改善(案第76条および第85条)

(1) 現行「戸籍法」は、家庭法院〔家庭裁判所〕の協議離婚意思確認がある場合にも離婚申告書に証人2人の連署が必要で、死亡申告人を親族および同居人などに限定することで独居老人などに対する死亡申告がうまくできないなどの問題点があった。

(2) 家庭法院の離婚意思確認書謄本を添付した場合には、証人2人の連署があるものと見なして離婚申告をすることができるようにし、死亡場所の洞長や統長または里長も死亡申告をすることができるようにする。

(3) 現行「戸籍法」運用過程で現われた一部不備点を改善することで、国民の便宜が大幅に増進されることと期待される。

.国籍変動事項の通報(案第93条ないし第98条)

(1) 国籍を取得したり喪失・離脱した者だとしても、戸籍官署にその事実を申告しない限り、戸籍簿にその変動事項が記載されなかったり、新戸籍が編制されない問題点があった。

(2) 国籍変動事項がある場合、国籍業務の管掌機関である法務部長官が国籍変動者の登録基準地の市・区・邑・面長にこれを直接通報して家族関係登録簿に国民の国籍変動による家族関係に関する事項を正確に記載することができるようにする。

(3) 国籍変動事項を国民申告制から管掌機関通報制に転換して国民の便宜を図る。

.家族関係登録情報の濫用者等に対する処罰強化(案第117条ないし第119条)

(1) 家族関係登録の電算情報資料は国民の敏感な個人情報が記録されていて、その資料が不正に使用された場合、個人の私生活侵害などの問題が発生する憂慮があり、家族関係に関する事項を偽って申告する場合、登録事務処理の真正性を確保しにくい問題点がある。

(2) 家族関係登録事務を処理する者が、法律で定める事由ではないほかの事由で登録電算情報資料を利用したり他人に提供した場合には、3年以下の懲役または1千万ウォン以下の罰金に処すようにし、偽って申告をした者は1年以下の懲役または300万ウォン以下の罰金に処することができるようにする。

(3) 偽りの申告者と他人情報濫用者を処罰できるようにすることで、登録情報が徹底管理され、個人情報保護も強化されることと期待される。

(2008-01-03 井上和彦・仮訳 訳文未定稿)


原典について

訳註

〔註1〕가,나,다,라,마,바,사....

「カ、ナ、タ、ラ、マ、パ、サ....」と読む。日本語の五十音「ア、イ、ウ、エ、オ....」や「イ、ロ、ハ、ニ、ホ、ヘ、ト....」に相当する。ここでは箇条書きの順番を示すのに使われている。

〔註2〕261回国会(臨時会):

法案審査第1小委員会の開催日から判断すると「第267回国会(臨時会)」の誤り。

〔註3〕大法院

日本の最高裁判所に相当する。現行の戸籍事務を管掌している。

〔註4〕入養

日本の養子縁組に相当する制度。

〔註5〕親養子入養

2005年3月31日公布の法律第7427号「民法 一部改正法律」によって新設された制度で、日本の特別養子縁組に相当する。「民法 一部改正法律案(代案)」の「3.代案の主要内容」の사項は、次のように説明している。

養親と養子を親生子〔嫡出子〕関係とみなして従前の親族関係を終了させ、養親との親族関係だけを認めて、養親の姓と本に従うようにする親養子制度を新設する(案第908条の2ないし第908条の8新設)。
〔註6〕

「本貫」のことで「ある一族の姓を初めて使いはじめた始祖の故郷」を指す(出典:延世大学校言語情報開発研究院『연세 한국어사전〔延世韓国語辞典〕』)。本と姓氏を組み合わせて「金海金氏(金海発祥の金氏)」などという。現行戸籍には本籍、戸主のほか、本も記載されている。

〔註7〕申告

届出のこと。「申告書」「申告人」は、それぞれ「届書」「届出人」の意。


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初版:2007年07月01日、最終更新日:2008年02月04日
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