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πの戯れへ ・・・ πのアルファベットを作ってみました!
円周率ものがたり
2004年2月8日〜4月3日作成、5月7日修正 柴田昭彦 作成 (記事の無断転載禁止)
2011年5月1日 NHK番組「頭がしびれるテレビ」(5月4日、22時放送)について
テーマは「神はπに何をかくしたのか」・・・円周率の意外な世界
金田康正先生を通じて、番組制作ディレクターから協力依頼があり、資料提供を行った。
2011年5月2日 岩波現代文庫「πの話」について
2011年5月4〜5日 Mike Keith の長文の記憶詩について(19b・20a・20bへの修正、23〜26の追加)
2011年5月9日 記憶詩(B1a)妻子肥後の国の出典について
2011年12月20日 近藤茂による円周率計算の世界記録更新(10兆桁)についての記事を追加
2013年8月9日 πの公式集の4項公式(no.70)の訂正について
2013年12月31日 π計算世界一リスト(人名情報)、πの公式集(最初の発見者情報)を修正
2014年1月23日 近藤茂による円周率計算の世界記録(12.1兆桁)を追加
2014年2月20日 「1.円周率の文献」「3.円周率の暗唱競争の歴史」を最新の内容に更新
2014年3月10日 一部修正
2014年5月8日 友寄英哲さんのこと(5月3日放映のテレビ出演について)
2014年10月5日 NHK総合テレビ「きわめびと」(10月3日放送)での原口さんの挑戦について
2014年10月5日・11日 円周率の暗唱の記録の追加・修正を実施
2016年1月1日 円周率計算の世界記録(2014年10月に13.3兆桁)について
2019年8月27日 円周率計算の世界記録(2016年11月に22.4兆桁、2019年1月に31.4兆桁)について
2020年5月31日 円周率の暗唱の記録(2015年の2件)の追加を実施(ギネス認定の暗唱記録は、7万30桁)
2020年6月23日 インターネットのリンク、紹介本の入手可・絶版についての修正
2021年12月4日 円周率計算の世界記録を追加(2020年50兆桁、2021年8月62.8兆桁)
2023年1月15日 円周率計算の世界記録を追加(100兆桁)、記憶詩の「5年の学習」の発行年月を追加
2023年1月22日 円周率の英語記憶詩(5c)を追加
1.円周率の文献
円周率について書かれた書物は数多い。次の雑誌は円周率をテーマにしており、この中のブックガイドが役に立つ。
(1)日本数学協会編集「数学文化」第1号(特集=円周率π)(日本評論社、2003年9月)絶版
筆者が大学生であった頃、円周率についてまとめた小冊子(自費出版、コピー版)に次の本がある。矢野健太郎先生
によって、「数学セミナー」1980年9月号のメモコアで、新刊書紹介のコーナー(104頁)に掲載された。
(2)柴田昭彦編『πの本』(私家本、1980年6月)(国立国会図書館所蔵)(大阪府立中央図書館蔵)
上の本は、円周率計算の世界記録で有名な金田先生の次の著作で紹介されている。
(3)金田康正『πのはなし』(東京図書、1991年)(1999年第9刷)絶版
金田先生の本の中で、筆者について紹介された内容は、次のとおりである。
・『πの本』に収められた「πをおぼえる歌」を7種類、引用して紹介。
・筆者が1982年に発見した次の円周率の公式(マチンの公式より収束が速いものの1つ)を紹介。
π/4=17arctan(1/22)+3arctan(1/172)−2arctan(1/682)−7arctan(1/5357)
・『πの本』の内容の一部を紹介(円周率の暗唱のことなど)。
・参考文献で、柴田昭彦「円周率1000万桁への歩み」(「数理科学」1982年3月、サイエンス社)を紹介。
金田康正先生とは、円周率の記録に関して、筆者と交流があったが、2020年2月11日に逝去された(70歳)。
円周率の公式の発見は、詩人の高野喜久雄氏との文通(1982〜3年頃)から生まれたもので、次の文献に詳しい。
(高野氏については、Wikipedia参照。1927年生まれ。高校の先生で詩人。長男の名前が明彦であることから、
筆者の名前<昭彦>によって親しみを持たれたと聞いている。HPも開設されていたが、2006年になくなられた。)
(4)高野喜久雄「πのarctangent relations を求めて」(bit,1983年4月、共立出版)
円周率についての基本的な文献は上記(1)にあるが、筆者のおすすめは(3)のほか、次の7冊である。
(5)平山諦『円周率の歴史』(改訂新版、大阪教育図書、1980年)絶版
この本の274頁で、筆者の『πの本』を紹介している。
文献(1)で上野氏は、26頁と101頁の両方で、この本の発行年を1970年と記している。
昭和55年発行なのに、なぜだろうか?同じ文献(1)の48頁には1980年と正しい年代になっているのに。
(6)ペートル・ベックマン著、田尾陽一・清水韶光訳『πの歴史』(蒼樹書房、1973年)(筑摩書房、2006年)・・・2020年入手可
(2006年4月10日、ちくま学芸文庫として、筑摩書房より再版された。蒼樹書房版の内容をもとに、
1974年の第三版による改訂を加えたもので、1974年以降の情報は一切、加えられていない。
文明批判を含んだ、毒舌の名著であり、それが本書の真骨頂というべきなのだろう。)
(原本:Petr Beckmann,A History of π,The Golem Press,2nd ed.,1971)・・・絶版
(St.Martin’s Press,3rd ed.,1976)・・・絶版
(Hippocrene Books; reprint版)・・・2020年入手可
(7)野崎昭弘『πの話』(岩波書店、1974年)(岩波現代文庫、2011年)・・・・2020年入手可
(「岩波科学の本」で好評だった名著が文庫化された。最近の計算についても付け加えられている。)
(8)デビッド・ブラットナー著、浅尾敦則訳『π[パイ]の神秘』(アーティストハウス、1999年)絶版
(原本:David Blatner,The joy of π,1997)・・・2020年入手可
(9)ジャン=ポール・ドゥラエ著、畑政義訳『π−魅惑の数』(朝倉書店、2001年)・・・2020年入手可
(10)L.Berggren,J.Borwein,P.Borwein/Pi:A Source Book(1st ed.,1997)絶版
(Springer-Verlag,2nd ed.,2000)絶版
(Springer-Verlag,3rd ed.,2004)・・・2020年入手可
(11)アルフレッド・S・ポザマンティエ、イングマル・レーマン著、松浦俊輔訳『不思議な数πの伝記』
(日経BP社、2005年)・・・2020年入手可
(原本:Alfred S.Posamentier,Ingmar Lehmann/A Biography of the World’s Most
Mysterious Number,Prometheus Books,Inc.,2004)・・・2020年入手可
(paperback、2006)・・・2020年入手可
上記の文献を読めば、円周率についての知識はほぼ、網羅できるのではないかと思う。
さらに、それらの文献に記された参考文献も参照されるとよいだろう。絶版のものは図書館で閲覧するとよい。
(「絶版」か「入手可」の情報は、2020年6月23日に更新した。絶版でも中古品で買える場合がある。)
(2014年2月20日、追加文献)
(12)竹之内脩・伊藤隆『π ―πの計算 アルキメデスから現代まで―』(共立出版、2007年)・・・2020年入手可
(13)上野健爾『円周率が歩んだ道』(岩波書店、岩波現代全書、2013年)・・・2020年入手可
(14)中村滋『円周率 歴史と数理』(共立出版、2013年)・・・2020年入手可・・・「あとがき」の文献一覧も参照されたい。
上野氏と中村氏の本は、マチンが円周率の公式をたくさん見つけていたことを紹介していて興味深い。
中村氏の本では、本サイト「円周率ものがたり」を好意的に紹介していただいている。
2.円周率の計算の歴史
円周率の計算の歴史については、上記の多くの文献に紹介されている。文献(3)『πのはなし』の78頁は筆者の
資料を活用している。過去の計算の歴史で一番よいものは、円周率10万桁計算で知られるレンチ博士が1960年
にまとめたもので、上記の文献の(10)に収められている。
筆者は計算の歴史の記録を目的として、レンチ博士と1980年から1981年にかけて文通をしたことがある。
当時のレンチ博士からの懇切丁寧な返信は今も筆者の手元にあり、大切に保存している。その成果を盛り込んだ、
円周率の計算の歴史の一部として、1982年に「π計算のリスト」をまとめたことがあるので参照されたい。
今から振り返れば、未熟なリストだが、これだけコレクションしたものも稀であろう。
なお、レンチ博士は、1911年10月13日生まれで、筆者が文通した時は、68〜69歳であろうか。その後、消息を
知る機会はなかったのだが、2010年2月27日に偶然見つけたWikipediaの情報で、丁度、1年前の2009年2月
27日に97歳で亡くなっていたことを知った。1年後の命日に初めて知ったのは、不思議な縁を感じる。
文献(3)『πのはなし』の78頁の表(π計算世界一リスト(1989年まで)参照)に続く、
1990年以降の円周率計算の進展は次のとおりである。
計算時間・πのarctangent公式集を含めた資料は、松元隆二氏や金田康正先生のHPも参照されたい。
1991年8月、チュドノフスキー兄弟、22億6000万桁(Homebrew computer)
1995年6月、高橋大介・金田康正、32億2122万桁(日立 S−3800/480)
1995年8月、高橋・金田、42億9496万桁(同上)
1995年10月、高橋・金田、64億4245万桁(同上)
1996年3月、チュドノフスキー兄弟、80億桁以上(Homebrew computer)
1997年4月、高橋・金田、171億7986万9184桁(日立 SR2201)
1997年5月、高橋・金田、343億5973万8327桁(同上)
1997年6月、高橋・金田、515億3960万桁(同上)
1999年5月、高橋・金田、687億1947万桁(日立 SR8000)
1999年9月、高橋・金田、2061億5843万桁(同上)
2002年11月、金田、1兆2411億桁(日立 SR8000/MPP)高野の公式(4項式No.3,1982年発見)を使用
円周率の多数桁計算が有する意義については、文献(1)に収められた、次のレポートを参照されたい。
・金田康正「計算機による円周率計算」(「数学文化」第1号、72〜83頁)
2009年8月17日、高橋(筑波大計算科学研究センター)、2兆5769億8037万桁
(T2K筑波システム)(29h05m+44h30m)
この7年ぶりの最新記録については、同日の新聞のネット記事などを参照されたい(「高橋大介 円周率」で検索)。
2002年当時の日立計算機の計算能力に比べて、今回の筑波のシステムは、その95倍の計算速度がある。
2009年12月31日、ファブリス・ベラール(フランス)、2兆6999億9999万桁(パソコン使用)(131日、検証時間を含む)
Fabrice Bellard
この驚異的な記録については、2010年1月12日に、近藤茂さんからのメールで知らされ,驚かされた。
2010年1月12日の各新聞に記事が掲載されている。
インターネットでは、「ファブリス・ベラール」で検索すると、記事を読むことができる。
ベラールのサイト「Pi Computation Record」に紹介があるので参照されたい。
2010年8月3日、近藤茂、アレクサンダー・J・イー(米)、5兆桁(パソコン使用)(90日+検証<66+64時間>)
Alexander J. Yee
2010年8月4日、近藤さんから、自作パソコンで、円周率5兆桁の計算(約90日)に成功したという連絡があった。
同年5月4日から計算開始し、8月3日に終了したという。 5 Trillion Digits of Pi
(※)昨今、スーパーコンピューターによるπ計算が大学で認められにくくなっているらしい。
従来、この種のπ計算が認められてきたのは、新規導入機の演算性能をテストし、信頼性を確立する側面が
あったからである。 そうなると、今後は、パソコンによる記録更新が主流になる可能性もありそうである。
2011年10月16日、近藤茂、アレクサンダー・J・イー(米)、10兆桁(パソコン使用)
(2010年10月10日に計算開始、371日間)10 Trillion Digits of Pi
2013年12月28日、近藤茂、アレクサンダー・J・イー(米)、12.1兆桁(パソコン使用)
(2013年9月25日に計算開始、94日間)
インターネット検索で、「円周率.jp」の「円周率計算記録→コンピュータ」のリストに12.1兆桁計算の記録があることが
わかった。Yee & Kondoによる 「12.1Trillion Digits of Pi 」の記事(英文)で詳細が公表されている。
(2014年1月23日、追加)
★2014年10月7日、匿名希望の人物("houkouonchi")、13.3兆桁(ワークステーション使用)(208日間)
Wikipediaの「円周率の歴史」の2014年の記述を参照されたい。 (2016年1月1日、追加)
★2019年8月27日、π計算の新記録を追加 (Wikipedia「円周率の歴史」 および y-cruncher (2019.8.20) より一部を引用)
2014年10月7日に、Sandon Nash Van Ness (Sandon Van Ness) (houkouonchi) が、208日をかけてワークステーションで
小数点以下13.3兆桁まで計算した、と発表(2014年10月8日公表)。この数カ月後にVan Nessは死去。
2020年1月29日 米国の Timothy Mullican (ティモシー・マリカン氏)は、303日かけて、パソコンで円周率を50兆桁まで計算した。
2021年8月16日、スイスのグラウビュンデン応用科学大学のデータサイエンス研究チームが、スーパーコンピューター1台を使って
円周率を62兆8318億5307万1796桁まで計算し、2019年の記録の2倍に更新したと公表された。
計算には108日9時間を要したという。
2022年6月9日、Googleの技術者、岩尾エマはるかが、Google Cloudで、チュドノフスキー級数を用いて、157日 23時間31分 7.6151秒かけて
100兆桁まで計算し、BBP公式で検証したと発表した。計算プログラムを実行する5ヶ月間、仮想マシンの不具合はなかったという。
百兆桁目までの10桁は、30952 95560 であった。
(「近藤さんのHP」には、次のように紹介されていた。2010年8月3日の記載。今は更新されて記載がない。)
円周率小数点以下5兆桁の計算に関して
Alexander J. Yeeさんの作成したソフトを用いて、私のパソコンで円周率小数点以下5兆桁の計算に成功いたしました。
検証計算は別の公式で行う方が確実ですが、最終桁付近の16進32桁を別公式で計算し一致している事で済ましています。
計算開始は2010年5月4日、終了は8月3日です。主計算に使用した公式はchudnovskyの公式で計算時間は約90日、
検証計算に使用した公式はPlouffe及びBellardの公式で、計算時間はそれぞれ66時間、64時間です。
2010年8月5日4時31分
3.141592……と続く円周率を、長野県飯田市の会社員近藤茂さん(54)らがパソコンで小数点以下5兆けたまで計算した。計算が正しければ、フランスのエンジニアが昨年末にパソコンで出した記録(約2兆7千億けた)を大幅に更新し、世界一になる。2兆けたの壁を初めて破った筑波大の研究まではスーパーコンピューターが主流だったが、長大な円周率計算もパソコンでできる時代になった。
計算には近藤さんのウィンドウズ・パソコンを使った。プログラムを作った米国のアレクサンダー・J・イーさんとメールをやりとりしながら、5月4日に計算を始め、3カ月後の今月3日に終了。フランスの計算のときに行われたように、検証のため最終けた付近の32けた(16進法)を別の公式で計算したところ一致した。
計算で大量のデータを記憶させるため、パソコンには通常の数十台分にあたる22テラバイトのハードディスクを搭載。演算速度などを決めるCPUはインテルの最高レベルのもの(3.33ギガヘルツ)を使った。パソコンの費用は百数十万円かかったが、市販製品でまかなえた。
近藤さんは高校生のとき、コンピューターによる円周率計算に興味を持ち、「未知のけた」をずっと追ってきた。「フランスでパソコンでも記録が出せるのを知って挑戦してみようと思った。今度は10兆けたに挑みたい」と話す。
スパコンで世界で初めて1兆けたの記録を作った金田康正・東京大教授は今回の計算について「別の公式で全けたをチェックしていない不完全さはある」としながらも、パソコンの性能が向上して「家庭用のパソコンを使って力ずくで長大な計算が行える時代になったのは確か」とみている。(松井潤)
【8月6日 AFP】日本人男性が米国の男性とチームを組み、円周率を小数点以下5兆けたまで計算した。計算が正しければ、
フランスのソフトウエアエンジニアが今年初めに打ち立てた約2兆7000億けたの世界記録を大幅に更新することになる。
この男性はシステムエンジニアの近藤茂(Shigeru Kondo)さん(54)。コンピューターサイエンスを学ぶ米国の学生、
アレクサンダー・イー(Alexander Yee)さんと、メールで連絡を取り合いながら計算を進めた。近藤さんがハードウエア担当、
イーさんがソフトウエア担当だったという。
近藤さんは、地元の電器店やインターネットで部品を調達してデスクトップパソコンを組み立て、20台の外付けハードディスク
も使用した。90日後に5兆けたに到達したという。
近藤さんはAFPによる電話取材に対し、世界記録だと確信していると語り、かかった金額は150万円くらいだと付け加えた。
1月初めには、パリ(Paris)のデジタルテレビ局でソフトウエアコンサルタントとして働くファブリス・ベラール(Fabrice Bellard)
さんが、従来のようなスーパーコンピューターではなく家庭用のデスクトップパソコンで、2兆6999億9999万けたの世界記録
を打ち立てている。
長野県飯田市の会社員近藤茂さん(56)が16日、自宅のパソコンで円周率を小数点以下10兆桁まで計算し、昨年8月に自ら立てたギネス世界記録の同5兆桁を更新した。
48テラバイトのハードディスク(HDD)を搭載した自作パソコンで、昨年10月に計算を開始。インターネットで知り合った米国の大学院生アレクサンダー・J・イーさん(23)の計算プログラムを利用し、二人三脚で約1年かけて新記録を達成した。
計算はHDDの故障や停電で約10回も中断し、2日間再開できないこともあった。東日本大震災の影響で計画停電がうわさされたときは自家発電を覚悟した。
パソコンの熱で40度近くに上昇する部屋で、妻幸子さん(54)は「洗濯物を室内に干すと早く乾いて助かったけど、電気代が月3万円もかかるのはつらかった」と苦笑いした。
「頭の片隅から円周率が離れない日は、もう終わった」とほっとした様子の近藤さん。ギネス申請手続きには千ユーロ(約11万円)かかるため、今回の記録をどうするか夫婦で相談中だ。倍の20兆桁に挑戦するつもりだが「少し休憩だな」と笑った。
[ 2011年10月16日 20:41 ]
『ギネス世界記録』によれば、円周率暗唱の世界記録は2005年11月20日に6万7890桁を暗唱した中国人、
呂超(西北農林科技大学大学院生)が記録したものである。[2][3]
2004年9月25日、原口證が8時間45分かけて円周率54,000桁の暗唱に成功し、従来の世界記録を更新した。
しかしながら、実際はより多くの桁を覚えていたため、2005年7月1日―7月2日に再挑戦し、83,431桁までの
暗唱に成功した。2006年10月3日午前9時―10月4日午前1時30分(16時間30分)の挑戦で円周率100,000桁
の暗唱に成功した。ギネス・ワールド・レコーズに申請中である。
(2)陜西省の大学院生、円周率暗唱のギネス新記録樹立 (「人民網日本語版」 2006年11月27日)
西北農林科技大学(陜西省)の大学院生・呂超さんは2005年11月19日〜20日、24時間4分をかけて、円周率の
小数点以下67890けたを暗唱した。日本の学生が1995年につくった42195けたのギネス記録を上回り、このほど
世界新記録と認定された。写真(略)は24日、「円周率暗唱」のギネス世界記録証明書を受け取った呂超さん(左)。
(3)名無しの愉しみ[sage]:2006/11/28(火)
円周率6万桁以上を暗唱、世界記録に輝いた「記憶の達人」―陜西省楊凌市
2006年11月24日、陜西(せんせい)省楊凌(ヤンリン)市西北農林科技大学の院生・呂超(ルーチャオ)さんが、
円周率暗唱のギネス世界記録を破り、学校から1万元(約13万円)の奨励金と、イギリスからのギネスの証明書を受け取った。
2005年11月19日の午後、ふんどしを身に着け気合を入れた呂さんは、円周率暗誦のギネス世界記録への挑戦を開始した。
24時間4分かかった苦しい闘いを終えた翌日の午後2時56分までに、呂さんは全く中断せずに小数点以下の6万7890桁まで暗誦し、日本人の作った4万2195桁の記録を更新した。
この記録は今年10月26日、イギリスのロンドンにあるギネス本部から世界記録として正式に認められたそうだ。
呂さんは2001年、西北農林科技大学の生命学院の応用化学科に入った。2005年には推薦で、生命学院の応用化学科大学院に入学した。
彼は記憶力が非常によく、数字の暗記がことさらに得意で、100桁の数字は10分で暗記できるという。
今回記録を破りはしたものの、呂さんはちょっと残念そうだ。なぜなら普段、彼はなんと9万桁まで暗唱ができるそうだから。
現在呂さんは、記憶力強化に関する本を製作中だそうだ。この本は挿絵も豊富な立派なもので、人々に記憶力を強化するための方法を紹介しているという。
(4)円周率暗誦世界一:しかしその意義は? 【コラム】 2006/11/30(木)
円周率の暗誦ギネス世界記録を陝西省の大学院生が創ったことに対して、その記録に意義があるのか疑問に感じている中国現地のブログより。
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先日、呂超氏にギネス世界記録証書が正式に発行された。今年24歳の彼は昨年11月、円周率を24時間04分間、間違うことなく暗誦し続け、小数点以下6万7890桁に到達、円周率暗誦のギネス記録を創った。彼が円周率の暗誦を始めたのは2004年、昨年の夏休みには毎日10時間以上を暗記に費やしたという。
ここまで記憶力が良いとは大変驚かされる。しかしこれは何の意義があるのだろうか。こんなにも多くの時間を費やし、この種の数字を暗記し、記録を創る、一体意義があるのだろうか。この労力を別のところに費やすのはどうだろう。
呂超氏が言うにはこの毎日十数時間の鍛錬で、髪の毛が沢山抜け落ちたそうだ。写真を見ると、確かに額がすでにかなり広くなっていた。彼はまだ24歳、このギネスの一枚の証書を除き、彼は他に得たものがあるのだろうか。
しかしながら日夜、小数点以下6万桁を超える法則性のない数字を暗記する、これは一種の奇跡であろう。また人類の記憶力の一つの奇跡であり、この記録はどうして体育競技の記録と同等に扱われないのか。劉翔はハードルで世界記録を更新したが、彼もまた大変な努力をした。私は彼の功績を誇りに思うし、その価値も感じる。しかし今回の知力の上での記録はどうしてこのように感じるのだろう。これはおそらくマジョリティとマイノリティ、人気のあるものとそうでないものという、人が造り出した錯覚のためだろう。
実際のところ、ギネスには耳で車を引っ張るなど、何の役にもたたないような奇妙な記録が沢山見られる。しかし裏を返して考えると、なぜ生活の上で効率や実益が必要とされるのか。どうして全てに意義が必要なのか。いわゆる「意義」の指すところは何なのか。
実は「生活」は意義のなさそうに見えることも含むのであり、そしてみな自身の生活を過ごしている、ただそれだけにすぎない。
(世界記録の更新について)・・・・・(2004年10月16日に追加)(2006年11月9日に追補)
後藤氏の記録は、このHPを開設した2004年(平成16年)4月当時でも破られていなかった。ところが、9月25日の
夜になって、円周率の暗唱の世界新記録というニュースが飛び込んできたのである。
世界記録を作ったのは、千葉県茂原市のボランティア、原口證(あきら)さん(58歳、1945年11月27日生れ)で、
円周率の数字列を語呂合わせで「物語」に翻訳することで記憶できたという。100桁単位で区切って、頭出しが
しやすいように工夫したという。原口さんはボランティアで、神経症に悩む人たちの相談相手をしているが、平常心を
保つことが大切な仕事で、円周率の暗唱と同じなのだという。
2004年9月25日(土)、原口さんの自宅のすぐ近くの市民会館(茂原市東部台文化会館)の会議室において、記録へ
の挑戦が行われた。妻と長男、立会人ら9人(このうち、記録確認係が3人、ギネス社に対して「不正なく記録挑戦しま
した」と伝える役割の証人が3人)と、カメラ3台の見守る中、午前9時に暗唱を開始した。
ギネス社による、円周率暗唱の公式ルールは次のとおりである。
・時間制限・・・10分を越える中断は認められない。
・言い直し・・・3回まで可。
3人の記録確認係は円周率の正確な数字が印字された紙で、暗唱の内容をチェックし、原口さんが間違えた時には、
「ミス!」と3人揃ってすかさず指摘し、原口さんが言い直す。考え込んでしまった時には、タイムキーパーがストップ
ウォッチを厳しくチェックして、10分を越えないかを確認する。順調に進み、3時間がたとうとする午後1時前には2万桁
を達成、少し休憩してから継続した午後1時15分、雑念が入ってしまい、「ミス!」と指摘されてしまう。言い直しても、
再び「ミス!」の声が。21663桁目で2桁分を飛ばしてしまっているのに気付かない。タイムキーパーが「10分です」と
伝え、失敗となってしまった。
3時間で2万桁暗唱したので、6時間あれば4万桁可能と判断して、ギネス記録の更新に向けて、再チャレンジを決断。
午後1時半に「3.14」からスタート。失敗がプラスに働き、順調に暗唱は進み、9年前の後藤さんの記録42195桁に
達したのは、午後8時10分ごろで、6時間40分が経過していた。参加者から拍手がわき起こりました。
そのまま快調に継続していくが、会場は午後9時までしか借りていない。スタッフが会場の人にかけあい、午後10時まで
借りることができたが、それ以上は無理とのことで、キリのよいところで打ち切ることになった。午後10時10分、新記録
54000桁を達成した時点で、会場の都合で終了とせざるを得なかった。目標としていた桁数は、今までに記憶できている
68700桁であったが、さらなる可能性を残したまま、やむをえず、54000桁で挑戦終了となった。
原口さんの円周率との出会いは電気メーカー社員だった1994年のこと。それ以来、物語の翻訳に没頭し、1997年に
は会社を退職、2002年の正月に世界記録への挑戦を決意し、2004年に58歳で今回の記録樹立に至ったのであった。
興味深いのは、17年前に4万桁の暗唱記録を樹立した友寄さん(当時54歳)が、同様に、電気メーカー社員であった
という共通点である。記憶力の衰えが生じるはずの50歳代での二人の記録達成には、本当に驚かされる。
振り返ってみると、友寄氏の記録保持期間はそれぞれ1ヶ月、9ヶ月、7年11ヶ月であり、計8年9ヶ月余りとなる。
一方、後藤氏の記録保持期間は9年7ヶ月余りとなる。円周率暗唱記録を10年以上保持できた人はいないのである!
原口さんの今回の記録はいったい何年後に破られるのだろうか? 今から楽しみである。
(原口さんの記録についての詳細は、HPの藤田成紀「円周率は波瀾万丈の物語だ」や、「一粒の種 円周率」などを
参照されたい。他にも多数のサイトで紹介されているが、共通のニュースソースから掲載したものが大部分である。)
(世界記録の再更新について)・・・・・(2005年7月2日に追加)
2005年(平成17年)7月2日(土)の産経新聞夕刊(9面)に次のような記事が掲載されていた。
円周率暗唱 世界記録 8万3431桁に
円周率暗唱の世界記録更新を目指していた千葉県茂原市の元会社員、原口證(あきら)さん(五九)は二日未明、八万
三千四百三十一桁(けた)に達して終了した。昨年九月に樹立した五万四千桁の記録を大幅に塗り替えた。
原口さんはいったんは失敗したが、再挑戦して一日午後八時ごろ世界記録を更新。その後も順調に暗唱し、大記録を達
成した。
原口さんは「失敗して楽になった。(記録については)酔狂な世界のことなので恐縮している。十万桁暗唱は応援がある
ならば、やる気が出るかもしれない」と笑顔を見せた。
原口さんのゴロ合わせの方法は次のように紹介されている。
この物語、北海道松前藩の武士の旅立ちから始まるとのこと。
「さあ安心得んと(3.1415)国元去った(926535)はかなきその身は(89793238)・・・」
(世界記録の再更新について)・・・・・(2005年7月4日に追加)
平成17年7月2日・3日のインターネット情報(毎日新聞・読売新聞・産経新聞・中日新聞・共同通信の記事)を参考に
まとめてみれば、記録更新の経過、その評価(筆者独自の分析)などは次の通りである。
前回、会場(市民会館)が深夜まで使用できなかったため、目標の6万8000桁に到達できず、くやしい思いをしたこと
から、自身の円周率暗唱世界記録の更新を目指す千葉県茂原市東部台の元会社員で心理カウンセラーの原口證(あきら)
さん(59)は、今回は千葉県木更津市の県立国際会議場「かずさアカデミアホール」(イベント施設)で、時間を気にしないで、
暗唱記録更新に挑戦することになった。
平成17年7月1日、午前9時、証明用ビデオカメラ3台を前にして、教育関係者など公証人の立ち会いのもと、同ホール
社員が2000桁ごとの用紙でチェックする形で、暗唱を開始した。正午過ぎに1万6000桁台に達したところで、数字が出て
こなくなって、いったん失敗してしまう。しかし、すぐに午後零時10分ごろから、もう一度最初から暗唱しなおし、午後8時ごろ、
5万4000桁に到達して、前回の記録を更新し、2日未明になって8万桁を突破し、記憶している限界の桁数を目指して暗唱を
続け、2日午前1時26分に8万3431桁に達して前人未踏の偉業を成し遂げて終了した。 原口さんは、途中、おなかがすいて
大変だったが、事前に準備した桁数はほぼ達成でき、満足だという。
1日午後零時10分から2日午前1時26分まで、所要13時間16分での記録達成であった。これは、1分間に約105桁ずつ
の割合で絶え間なく暗唱しつづけたことになり、前回のスピードが1分間に約104桁ずつであることを見れば、驚異的である。
過去の記録で、マハデバンは1分間に139桁で一番速いが、記録は3万桁余である。友寄氏は1分間にそれぞれ80桁、47
桁、38桁、と世界記録の桁数が増えるたびにペースダウンし、後藤氏でさえも1分間に75桁の暗唱スピードである。原口さん
の暗唱がいかに速いのかが良くわかる。
(世界記録保持者、原口 證さんの本について)・・・・・(2006年5月7〜8日に追加)
・原口 證『ぶっちぎり世界記録保持者の記憶術−円周率10万桁への挑戦』
(B&Tブックス、日刊工業新聞社、2006年)・・・絶版
上の本の中では、暗唱記録達成のドキュメントと「原口式記憶法」が紹介されている(2006年1月発行)。
筆者は、この本で初めて、日本テレビでの生中継による6万8000桁暗唱の記録(2004年12月)を知った。
(世界記録のさらなる更新について)・・・(2006年10月13日追加、11月3日追補)
(インターネット情報から、毎日・読売・産経新聞、その他の10月4日以降の記事を総合してまとめたもの)
円周率暗唱の世界記録を持つ千葉県茂原市東部台の心理カウンセラー、原口證(あきら)さん(60)が、
2006年(平成18年)10月4日未明、暗唱「10万桁(けた)」を達成し、自らの世界記録を更新した。
原口さんは3日午前9時、木更津市の県立国際会議場「かずさアカデミアホール」(イベント施設)で、円周率の数字
配列を日本語に語呂合わせする独特の方法で、暗唱を開始した。
妻の清子(せいこ)さん(57)や長男の理傭(りよう)さん(32)、3人の立会人やマスコミ各社が見守るなか、原口さん
は「何の気負いもない自然体です」と、リラックスした表情で円周率をそらんじ始めた。
地元の教育関係者や同ホール職員ら3人が、暗唱の公正さを確保する「公証人」として立ち会った。円周率を10万桁
まで印字したプリントが用意されて、間違いをチェックしていった。一枚に印字された数字は2000桁。数字をマーカーで
塗りつぶしていきながら、交代でチェックをおこなった。
数字を間違えると、立会人が鈴を鳴らし、間違えた数字まで戻って正しく言い直す。滑らかに数字が口をついて出るか
と思うと、ある場面では言葉に詰まり天井を仰ぐこともあった。
1〜2時間毎に10分未満の休憩をとった。食事はおにぎりをつまむ。コーヒーやお茶に手を伸ばし、トイレタイムもある。
そうして、落ち着いた様子で数字を唱え続け、自身が昨年7月に作った「8万3431桁」の記録を更新した。
半日以上が経過した4日未明には疲労もピークに達し、自らの体力との闘いに。声に詰まる回数も増え、時折天井を
見上げながら「よしっ!」と気合を入れ直して暗唱を続けた。はた目には数字との格闘だが、「無理をすると成功から遠
ざかる。数字を日本語の物語に置き換えて文章作りを楽しんでいるんです」と原口さんは言う。
4日午前0時55分現在で「9万7000桁」を突破した。
開始から約16時間半後の4日午前1時28分に10万桁目の「6」に到達すると、原口さんは両手を広げて万歳をして、
満面の笑みで「うれしい、うれしい」と言い、周囲からは拍手がわき起こった。妻の清子さんがプレゼントとして手渡した、
「π=円周率」「100000」の文字が入ったジョッキに入った、大好物のビールを飲み干し、「おいしい」と喜びをかみし
めた。こうして10万桁の暗唱記録を達成して、チャレンジを無事に終えた。
原口さんは「失敗しなくてよかった。最高にうれしい」「気楽にやったのがよかった」「常に自然体で臨め、苦しくもつらく
もなかった」「とくに感動はなかった。頭の中にある事を試しただけだが、10万桁達成には満足している」と、16時間28分
の挑戦を振り返って語った。
10万桁の大台到達について「一区切りがついた。今回でチャレンジはやめます」と挑戦の終結を宣言したが、会場で
見守り続けた妻の清子さんは「そうは言っても、またチャレンジするかもね」「毎晩ビールを飲んで、ほろ酔いで物語を
作って覚えている。お疲れ様でした」と話していた。
数字の記憶にかけては世界一の原口さんだが、挑戦前の報道陣の問いかけに清子さんの年齢を誤って1歳若く伝えて
いた。記録達成後は「1年のうち364日は覚えているのですが、たまたま1日だけ忘れてしまった」と頭をかき、清子さんは
「興味のあることしか覚えようとしないのね」と苦笑いしていた。
原口さんは一昨年(2004年)9月に「5万4000桁」を達成、昨年(2005年)7月には「8万3431桁」に成功、今回の
挑戦で更に記録を塗り替えた。昨年の記録に続き、今回の記録もギネスブックに申請する。
ギネスブックでの世界記録は、原口さんの記録以前は、1995年に当時の慶応大生が作った「4万2195桁」であった。
原口さんは宮城県生まれ。日立製作所などに30年以上、品質管理エンジニアとして勤務し、早期定年制度により、97年
に51歳で退社した。以降、人間考察、社会考察をライフワークにして現在に至る。記録更新について「10万という数字は
昨年の記録の延長線。私は決して天才ではなく、普通のおじさんです」と謙虚に話した。
原口さんの記憶術は羅列する数字を1000桁ずつ区切り、「359(そんごくう)」などと語呂合わせで物語として暗記する
独特の方法。今回の物語のテーマは「世界旅行」。北海道に住んでいる武士が全国各地を歩いているうちに円周率に関
するいろいろな人物や物件に出会い、10万桁にもなれば、朝鮮半島を通り過ぎてシルクロードまでたどりつくストーリーに
なっているという。
今回の暗唱のスピードは、所要16時間28分(=988分)で10万桁であるから、平均すると、1分間で約101桁という
ことになる。疲労がピークに達した段階でペースダウンしたことが影響して、昨年の記録のスピード(1分間で約105桁)
より遅くなったのだろうが、他の記録達成者に比べれば、依然として速いことに変わりはない。大したものである。
原口さんは「円周率を唱えると、心が休まる。僕にとっては、お経やコーラン、聖書のようなもの」と精神統一の手段として
大切なものだと話す。
これ以上、桁数を増やすことに関しては、今回でチャレンジは終了といい、「記録を超える人が出てくればうれしい」と原口
さんは淡々と語った。「記憶で学校の勉強が楽になることもある。突き詰めたい」とも言い、能力開発の方法としての「記憶」
に取り組み続ける意向を示した。
2010.06.16 | 原口證(はらぐちあきら)、自己の持つ世界記録更新達成しました! 円周率暗証(ママ)記憶世界一の原口證が、2010年6月16日に自己の持つ世界記録(100,000ケタ)から、101,031ケタに更新しました。64歳にしてiPadを利用しての挑戦、しかも丸一日かけての達成(101,031ケタ)です。心身の限界への挑戦でした。これも応援していただいた方々のおかげです。ありがとうございました。 |
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(2014年10月5日追記)
10月3日(金)の午後8::00〜43には、NHK総合テレビで、『きわめびと「記憶力」』の放送があり、驚異の記憶力を持つ2人、短時間記憶に優れた池田義博さん(47歳)と円周率10万桁暗記で知られる原口證(あきら)さん(68歳)が登場した。
「円周率の記憶 世界記録への挑戦」ということで、まず、九十九里浜での円周率の暗記の場面から始まり、ランダムアクセスの披露で、57332桁目は「0」、20425桁目は「4」と的中させる。2006年に10万桁を暗唱するが、暗唱ルールの勘違いにより、ギネス社に世界記録として認定されないという不運に遭う。円周率の暗記を始めたのは27年前(1987年)で、当時は大手メーカーの工場で品質管理の仕事をしていたが、ミリ単位の規格を全て暗記して、不良品は絶対出さないという仕事っぷり、しかし厳格過ぎるあまり、上司との対立が絶えず、会社での居場所を失ってしまう。妻にも完璧を求め、ビールが冷えていないなどと、いらいらをぶつける日々となってしまい、家族との関係も疎遠になる一方だった。そんなある日、41歳の時(1987年)に転機が訪れました。偶然「円周率4万桁暗唱の世界記録を日本人(1987年3月、54歳の友寄氏)が樹立したという記事」を目にした。これなら、自分の特技を生かせるかも知れないと思い、会社を早期退職し、円周率の暗記に没入していくのです。原口さんは、「自分の個性、自分の人格をぶつけるものを、盛り込んでいったものが円周率だった。ありがたいものに出会いました」という。ここから原口さんの「円周率きわめびとへの道」が始まる。
「円周率に人生を重ねる」・・・ふがいなかった人生、その再生への願いを円周率の数字に重ねた。「0」はラ行、「9」はカ行など、独自の語呂合わせのルール(原口式語呂合わせ表)の下に壮大な物語をつくりあげた。物語の始まりは、「さー安心得んと国元去った儚(はかな)きその身は」「散るのは易いが前向きさ」である。主人公は、脱藩して修行の旅に出る武士、会社をやめて円周率の世界に身を投じた自分を重ねたもの。桁数が進むにつれて、物語は奇想天外なものになった(16800桁)。やどかりになった原口さん夫婦も登場し、「ヤドカリ3年川の穴」「寒さ信じ酒燗もおつくりにて」、いつもだまって晩酌をしてくれた妻への感謝の思いが込められている。そして記念の77700桁では、会社をやめて初めてわかった何気ない幸せを重ね合わせた「ママ寝の子」「ぐっすり寝る晩 ハデな おならよ マジに臭いね」(苦笑)。こうして10年かけて作り上げた物語は、A4用紙100枚分、円周率10万桁にも及んだ。「物語を奇想天外にする」「想像の世界っていうのはそうですね」「遊園地なんですから、頭の遊園地を楽しむべきです」という。
妻の清子(せいこ)さんは、夫に代わり事務職の仕事を続け、家計を支えた。「妻への感謝の気持ちを形として残したい」と言う。原口さんは、人生をかけた大勝負として「円周率暗記の世界記録に挑む!」
円周率の世界記録(67890桁)が「二度と破られることはないだろう」と言われている理由としては、そのルールが難しいからである。「円周率 世界記録挑戦のルール」は「@15秒以内に次の数字を言うA休憩は1時間に5分B自分で間違いに気づいても、次の数字を言ったら戻れないC挑戦は何度でも可能」となっている。厳しいルールだが、挑戦は体力の続く限り何度でも可能である。何度でも挑戦できるので、これは「若い人のほうが有利」となっている。
9月6日、NHK大阪放送局にて、原口さんが世界記録に挑む日がやってきた。挑戦会場では、原口さんの自宅の一部を再現した場所が用意され、リラックスして臨める環境が整えられた。7台のカメラで撮影が行われて、不正がないかを確認する。数字を確認する証人が2人、監視員が1人、15秒ルールを確かめるタイムキーパーが3人で、計6人が立ち会い厳正なチェックを行う。妻の清子さんも別室で見守る。1回目は午後3時14分に開始したが、454桁目で2つの数字を飛ばしてしまい間違えてしまった。かなり緊張しているようだ。妻が「大丈夫かい」「がんばれ」と励ます。2回目は853桁、3回目は687桁で間違う。「こんな事繰り返してもだめ」「抜けるんですよ」とつぶやく。ここで、妻からのエネルギー補給の「清子さんお手製のおにぎり」を食べる。7回目の挑戦では、順調のようだったが、1892桁で間違う。「呼吸が整えられない」と弱音を吐く原口さんに妻が「楽しんでいこう」と声をかけ、「もっともです」と答える原口さん。妻は「夜は強いですから、起きてガンガンいく時間帯ですから」と言う。17回目の挑戦ではまさかの事態が発生。660桁で証人がベルを鳴らし「一桁抜けた」と言うが、「速いペースについていけなかった証人のミス」で、原口さんは間違えていなかったのだ。しかし責めるどころかミスした証人を気遣う原口さん。「これベスト」とベストを見せて「ベストフレンド」と言って、「ぼくのいないところでこのギャグつかってもらって結構ですよ」と、みんなの笑いを誘う原口さん。18回目の挑戦では、810桁で間違う。19回目は499桁で間違えた。開始から8時間が経過。20回目には525桁で間違う(11時57分)。夜の0時0分、撮影開始から8時間46分が経過し、疲労の限界と見た妻の清子さんが「やめてもいいんだよ」「お父さんが納得するなら」「ここまでやったから」と伝える。22回まで挑戦して、夜の0時46分、開始から9時間32分で世界記録への挑戦を終了とした。「ありがとうと共にすまない」と妻に伝える原口さん、「今後ともよろしく」という妻の清子さん。
ふりかえって、原口さんは「もう本当に頭が下がっておりまして未来も生まれ変わってもまた一緒になってくれと」と言い、「清子さんはどうですか」と聞かれて、妻の清子さんが「私ですか、今度は・・・別の人と結婚したいですね」と言い、原口さんが「納得です」とこたえていた。それにしても、妻の内助の功がなければ、円周率への挑戦はあり得なかったことだろう。
今回は記録なしという残念な結果となった。一番調子の良い場合でも2000桁を越えられなかった点については、よっぽど緊張していたのか、あるいはまた、68歳という年齢の限界なのだろうか? いずれにせよ、原口さんは、また、リベンジ(再挑戦)を考えることであろう。
4.円周率の記憶詩(日本語)
魅力的な数である「円周率」に出会うのは、大体、小学校5年生(10〜11歳)頃であろう。
筆者もこの時期(1970年頃)に「5年の学習」(学習研究社)の中で見つけた次のような記憶詩をよく覚えている。
思えば、この記憶詩が、円周率に魅せられるきっかけであったように思われる。 そして、学校の図書室にあった、
板倉聖宣編『ピタゴラスから電子計算機まで』(国土社、1964年)で、小数点以下82桁の円周率を得た。
(A)見ていいよ、イチゴ食うに向こうさいっぱ[イッパ](11桁)
(大野三郎「円の面積を三角形で解け」 (「5年の学習」25巻4号、1970年7月発行、国会図書館所蔵)
上の詩は、他の本で見ることはまったくないので、大野氏のオリジナルなのであろう。金田氏が紹介しているが、
これは筆者の『πの本』(「五年の学習」1970年7月号の「いっぱ」を意識的に「イッパ」に修正して掲載)から引用したものである。
さて、筆者は中1の頃(1972年頃)、級友にπの記憶を示して見せたことがある。
黒板に50桁を書き、それを見ないで、暗唱してみせたのである。
少年時代に暗唱して覚えた内容は後々まで、なかなか忘れないというのは本当で、あれから30年以上たつのに、
円周率は70桁ぐらいまでなら、今でも暗唱できる。丸暗記は、少年時代にインプットしてしまうのが一番だと思う。
インターネットを検索すると、小中学生の頃に、円周率の記憶に挑戦する人は多いようで、20〜100桁ぐらいを暗唱
できたというケースが報告されている(HP,【ザ】円周率の覚え方)。
筆者の『πの本』(1980年)の記事の中で最も好評であったのは「πの記憶法」であった。
文献(3)の金田康正『πのはなし』の中にも引用されているほどである。
なお、『πのはなし』の21頁で、7番の44桁の記憶詩に誤植がある。
すなわち、「長い句」は誤りで、「良い句」に訂正しないと正しい記憶詩にならない(下記のJ4)。
1980年当時は、出典を記録しておかなかったため、その後、手元の資料が散逸してしまい、 『πの本』に引用して
おきながら、1991年2月に、再び、出典の調査をしてみた時には、すでに、出典がわからなくなってしまっていた
記憶詩もある。ここでは、可能な限り、出典を明示したが、不明のものについて出典をご存知の方があれば、お知ら
せいただきたいと思う。少なくとも、1980年当時で入手できた文献に載っていたはずなのであるが・・・・。いずこ?
なお、同じ記憶詩については筆者の入手できたうちで最も古い文献だけを掲げた。原典はもっと遡る可能性がある。
おそらく、明治時代頃に考案されたものが伝えられてきているのだろう。
インターネットで提示されている記憶詩も、筆者の見つけた主なものはすべて収録した。用字の違いも微妙なもの
なので、あえて、同じ内容であっても、便宜上の分類をしながら、とりあげてみた。こういったものは、数多いが、
これだけの種類を収録したものはないだろうと思う。
(B1a)妻子肥後の国(6桁) (柴田昭彦編『πの本』1980年、に掲載しているが、当時、どんな文献から引用したのか
は、今ではわからなくなっている。2011年5月7日、インターネット検索で、原典は『ドン松五郎の生活』と判明した。
冒頭の部分だけの引用なので、『ドン松五郎の生活』以外の本であることは間違いないが、引用元は思い出せない。)
(B1b)妻子肥後(の)国(へ)向かう、産後益なく身ある山谷(で)死ぬに労しさんざん闇に泣く(30桁)
(井上ひさし『ドン松五郎の生活 (下)』新潮社、1975年、88〜89頁)
(「おれたちの挙兵」の章の後半で、眼鏡犬のシローが、ドン松五郎に語路合わせを自慢して聞かせる場面に出てくる。
「向かう」は「向こう(65)」、「益」は「ご利益」の「やく(89)」、「身ある」が「32」に相当するのは理解不能であるが、
「身に(32)ある」であろうか?、「山谷」は「さんや(38)」、「死ぬ」は「死む(46)」であり、無理な変換が見られる。
もしかすると、井上ひさしさんは、読者がちゃんと解読するかどうかを計算し、わざと間違えておいたのかもしれない。)
(B2)妻子イチゴ食うに老後産後は食うな 草に沢 城に虫 耳は差に泣く 小鬼は早う行くな 色草食う食う
みんな来い お小屋に置くなよ 櫛しごく兄さんを納屋入ろう 塩浪人は浪人を妬く 鍬浪人や お小夜は双子
左様にいいな オウム鳴く 歯に石は おや酷(むご)い(110桁) (HP、円周率πの覚え方)(「NAG−A」さん)
(C1a)才子異国に聟さ 子は苦なく身ふさわし(19桁)(金田一春彦『日本語』岩波新書、1957年、84頁)
(C1b)才子異国に聟さ 子は苦なく 身ふさはし 炉に蒸(む)し 耳病(やみ)に泣く(30桁)
(金田一春彦『日本語の特質』NHKブックス、1991年、56頁)
(C2)妻子異国に婿さん恐くなく(14桁) (HP,【ザ】円周率の覚え方、[138])
(C3)妻子異国に無効。産後役なく御文は読むに虫燦燦。闇に無く。号に和は良い区内。向くミク組名残惜し。(50桁)
(HP,【ザ】円周率の覚え方、[67])
(D1)さて人よ人 生くに無意味(9桁)(出典不明)
(D2)さあ人よ、ひどい国だ。老後見る公約なく、産婦さんは心労に老し、さんざん破産に泣く。(30桁)
(永見野良三という高校生の作。「数学セミナー」1976年9月号)
(高木茂男『奇蹟のパズル』ダイヤモンド社、1977年、166頁)
(D3)見て人世人行くに無意味異役な組に御社に虫耳闇に鳴く之には箸ひとつ食なと禄見苦く見ない人を嫌に
置くなよ食よ至極文を縄ひとむしり路地や路地を焼く悔やむにはお小夜や都合見よ二度と汝も泣く(100桁)
(金田康正『πのはなし』東京図書、1991年、21頁)(函館市・松村英麿さんによる記憶詩)
(E1)身一つ世一つ生く(る)に無意味(9桁)(一松信「円周率をめぐって」自然1962年2月号、44頁)
(一松信『解析学序説 上巻』裳華房、1962年3月、264頁)
(E2a)身一つ、世一つ、生くに無意味 曰く、無く、身文や読む(20桁)
(平山諦『円周率の歴史』中教出版、1955年、236頁) (明治時代の数学雑誌より、この記憶詩を引用)
(E2b)身一つ世一つ生く(る)に無意味 いわく泣く身ふみや読む(20桁)
(一松信『数のエッセイ』中央公論社、1972年、109頁)(ちくま学芸文庫、2007年、123頁)
(E2c)身一つ世一つ行くに無意味 曰く泣く身 文や読む。(20桁) (HP、円周率πの覚え方)(「カニの目」さん)
(E3a)身一つ世一つ生くに無意味 いわくなく 身ふみや読む 似ろよさんざんやみになく(30桁)
(『新数学事典』大阪書籍、1979年、907頁)
(E3b)身一つ世一つ生くに無意味、いわく無く、身ふみや読む、似ろよさんざん闇に啼く(30桁)(HP、ひえたろう)
(E4)身一つ世一つ生くに無意味。曰く泣く身に宮城(みやしろ)に虫さんざん。闇に泣く。(30桁)
(ペートル・ベックマン著、田尾陽一・清水韶光訳『πの歴史』蒼樹書房、1973年、222・237頁)
(E5a)身一つ世一つ生くに無意味 医薬無く御経(みふみ)や読む(20桁)
(岡田康彦『数学おもしろブック』文潮出版、1975年、120頁)
(E5b)身一つ世一つ生くに無意味違約無く身文や読む(20桁) (HP、佐伯修、円周率の覚え方)
(E6)身一つ世一つ獄に無意味(9桁)(須藤真樹『わかりやすい数のはなし』(日本実業出版社、1988年、38頁)
(E7)身一つ世一つ行くに無意味(9桁)(HP、故・若林一郎氏の著書より引用)
(E8)身一つ世人行くに無意味違約なく(柴田敏男「円周率」、『日本大百科全書3』小学館、1985年、748頁)
(E9)身一つ世一つ行くに無意味、曰く泣く身、文や読む。ダニ虫散散闇に泣く。御礼に早し行くな(39桁)
(HP,【ザ】円周率の覚え方、[80])
(E10)身一つ世一つ生くに無意味。曰く、泣く身に相応し。無二無視。耳は身に無く、今に吾は死。引くな広く咲く草。
無い日を岩に置くな。良くし、良い国様。名はヒロシ。(70桁)(HP,【ザ】円周率の覚え方、[152])
(F1)身一(ひとつ)よ、人のいづくに、婿見いつ、厄なく見つつ文(ふみ)やよむらん(20桁)
(平山諦『円周率の歴史』改訂新版、大阪教育図書、1980年、269頁)
(明治時代の数学雑誌より、この記憶詩を引用)
(F2)身1つよ人のいずこにむこ見えず役なく見つつ文や読む踏むよ密密闇に泣く(30桁)
(『チャート式数学T』数研、1990年頃、199頁)
(F3)身一つよ、人の何処に婿見いつ嫉く泣く・・・(14桁)
(丸岡秀子「円周率のこと」数学セミナー1982年2月号、94頁)
(F4)みひとつよ、ひとのいつくに むごみいつ、やくなくみつつ、ふみやよむ、ふむよみつみつ
やみになく(30桁)
(訳者の松浦氏が教わったものとして紹介している暗記法)
(ポザマンティエ、レーマン著、松浦俊輔訳『不思議な数πの伝記』日経BP社、2005年、130頁)
(G)淋し日斎(いつ)く踏む砂子(いさご)掃くな草に御社に虫 ささ闇に鳴く(30桁)
(野崎昭弘「特殊な数 黄金比、π、e」数理科学1977年4月号、40頁)
(野崎氏によれば、京都市の山木克己さんの教示によるもので、中学時代の校友会雑誌に掲載されていた
という。 数理科学には「山本克己」となっているが、本は誤植で、木が正しいとのことである。)
(H1)言いよい語句「風呂ゴミ何時焼く」泣く身によ(17桁)
(塩川新助『数学への勧誘T』(東京電機大学出版局、1966年、112頁)
(H2)みひよい極風呂 ゴミ小屋 くな草 踏み走ろ 踏むよ耳闇に鳴く 号令に早し・・・(36桁)
(HP、円周率πの覚え方)(「ゆき」さん)
( I )細腰 異国に婿、身強く泣く、御文や読むに、路用散々破産に泣く、郷には早よ行くな、色苦咲く喜憂(の)
身長(う)人を小屋に置くな、欲求 夜々酷に、身を悩(め)、忌む夜を無に食むに、お役悔やむ。不和を見、
夜半に孤見しに。人々なお労なく、家に居し我は、むごい身にや、文を録す。(118桁)
(円周率の覚え方(康兵衛/広島市)、数学セミナー1984年8月号、35頁)
(J1)産医師異国に向こう。(8桁) (野崎昭弘「計算機のはなし[」数理科学1964年2月号、59頁)
(J2a)産医師異国ニ向コー、産後厄無ク産婦御社ニ虫サンザン闇ニ鳴ク(30桁)
(M.ガードナー著、金沢 養訳『現代の娯楽数学』(白揚社、1960年、144頁)
(J2b)産医師異国に向こう、産後やくなく、産婦みやしろに、虫さんざん闇に鳴く。(30桁)
(一松信「円周率をめぐって」自然1962年2月号、44頁)
(J2c)産医師異国に向こう。産後厄なく、産婦御社に、虫散々闇に鳴く(30桁)
(金田一春彦『日本語 新版(上)』岩波新書、1988年、111頁)
(J2d)産医師異国に向こう産後厄無く産児宮代に虫散々闇に泣く(30桁)(HPで、発展形で紹介されたもの)
(J2e)三医師異国に向かう。産後、厄なく、産婦御社に。虫散々闇に鳴く。(30桁)
(HP、数学の小箱−円周率の思いで)
(「鳴く」のあとに続く語呂合わせの語句も載せているが、数字変換が難しいものなので省いた)
(J2f)産医師異国に向こう(向かう) 産後薬無く、産婦御社に、無視、散々。闇に泣く。(30桁)
(HP,【ザ】円周率の覚え方、[139])
(J3)産医師異国に向う、産後厄なく、産児御社(みやしろ)に、虫さんさん闇に鳴く頃(ごろ)にや(34桁)
(ガードナー著、高木茂男訳『数学ゲームT』講談社ブルーバックス、1974年、58頁)
(J4)産医師異国に向う、産後厄なく、産児御社に、虫さんざん闇に鳴く、号令に母、良い句ない労苦三苦(44桁)
(出典不明)
(J5a)産医師異国に向こう。産後やくなく、産婦みやしろに、虫さんざん闇になく、ご礼には早よいくな。(39桁)
(一松信『数のエッセイ』中央公論社、1972年、109頁)(ちくま学芸文庫、2007年、123頁)
(J5b)産医師異国に向う産後厄無く産婦御社に虫散々闇に鳴く後礼には早よ行くな(39桁)
(HP、佐伯修、円周率の覚え方)
(J5c)産医師異国に向こう産後薬無く産児みヤシロに虫散々ヤミに泣くご礼には早よ行くな(39桁)
(友寄英哲『「3秒集中」記憶術』光文社、カッパ・ブックス、1988年、225頁)
(J5d)産医師異国に向こう産後薬無く産児ミヤシロに虫散々闇に鳴くご礼には早よ行くな(39桁)
(友寄英哲「円周率暗誦に魅せられた半生」、『数学文化』第1号、2003年、7頁)
(J6a)産医師異国に向かう 産後厄無く 産婦御社に 虫散々闇に鳴く 御礼に早し行くな
(人)向く身汲々皆語一つなし(50桁) (HP、クリの部屋、πの覚え方【2】)
*小数点以下40桁目の「1」に相当する語句が脱落しているので、筆者が「人」を補った。
(J6b)産医師異国に向こう産後厄無く産婦みやしろに虫散々闇に鳴く御礼にははよ行くな
人むくみきゅうきゅう皆語一つなし(50桁) (HP、円周率πの覚え方)(「AsaPi!」さん)
(J7)産医師異国に向こう産後やくなく 産婦みやしろに 虫さんざん やみになく ご礼には早よいくな
ひとむくさんくく みなごいれ(50桁) (『新数学事典』大阪書籍、1979年、908頁)
(J8)産医師異国に向こう、産後役なく(14桁)
(須藤真樹『わかりやすい数のはなし』(日本実業出版社、1988年、1頁)
(J9)産医師異国に向こう、産後厄なく、み文や読むに、虫さんざん闇に鳴く。臭く草ない。十五夜に丸くなく苦しいよ。
(61桁) (HP、πのページ、暗記法)(ちゃまださん) *やや数字に戻しにくい部分がある。
(J10)産医師異国に向こう、産後厄なく、産婦みやしろに、虫さんざん闇に鳴く。
これに母酔い ここの菜 広く咲く草 菜ごと 小屋に置くな 良くし 四国に去れ 名はヒロシ(70桁)
(HP、πのページ、暗記法) (かつさん、中学生時代)
(HP,【ザ】円周率の覚え方、[49])
(J11)産医師異国に向こう産後厄無く産婦宮代に虫さんざん闇になく これには弥生も末の7日あけむつの頃
草の戸をくぐるに 皆いつかはと小屋に送る仲良くせしこの国去りなば 医務用務にやむ二親こそ悔やむに
やれみよや 不意の惨事とこそ世に言うなれむなしい(99桁)(HP、円周率πの覚え方)(「エイブ」さん)
(J12)産医師異国に向こう産後厄無く産婦み社に虫さんざん闇に鳴くころにや弥生も末の七日あけむつのころ
草の戸をくぐるに皆いつかはと小屋に送る仲良くせしこの国去りなば医務用務に病む二親こそ悔やむに
やれみよや不意の惨事とこそ世にいうなれ むなしくやしき不意の死は親にはむごい惨事にや文読む虫なれ
草葉よし労苦いとわぬ孝行や夫婦とみたり一つなり不意の惨事はいつかくるよと親はいう早よとは言うな
よい頃に弥生は末の七日行く都に行くとここまでも酷務をせしむににくらしや苦しい心をよく見つめ
お宮へ行くと(199桁まで)・・・・(中略)・・・・・・一句吐く(1000桁) (HP、πのページ、暗記法)
(HP、ようこそYOSHITA号へ、数楽どん話、1000桁のπの覚え方、作者:村松芳子、1999年頃の作)
(K1)産医師異国に向う。産後、薬(やく)なく、産に産婆四郎二郎死産。産婆さんに泣く。(30桁)
(一松信『数のエッセイ』中央公論社、1972年、109頁)(ちくま学芸文庫、2007年、124頁)
(K2a)産医師異国に向こう。産後薬なく産に産婆四郎二郎死産。産婆さんに泣く、ご礼には早よいくな。(39桁)
(野崎昭弘『πの話』(岩波書店、1974年、77頁)
(K2b)産医師異国に向こう 産後薬無く 産時産場 四郎二郎死産 産婆さんに泣く ご礼には早う行くな(39桁)
(HP,【ザ】円周率の覚え方、[9])
(K3)産医師異国に向こう。産後薬なく産児産婆城に虫さんざん闇に泣く。御礼には早よ行くな。人むくみ汲々。
皆語一つ無し。(50桁)(藤村幸三郎・田村三郎『数学歴史パズル』(講談社ブルーバックス、1985年、32頁)
(K4)産医師異国に向かう 産後薬無く 産に産婆四郎二郎死産 産婆さんに泣く 御礼に早し行くな
(人)向く身汲々皆語一つなし(50桁) (HP、クリの部屋、πの覚え方【2】)
*小数点以下40桁目の「1」に相当する語句が脱落しているので、筆者が「人」を補った。
(K5)産医師異国に向かう、産後薬無く、参じ産婆(18桁) (HPより)
(L)産医師異国に向かう産後 爆竹ゾーン 兄さん走る 二浪しさんざん破産に泣く これには芭蕉 一句ない
リュックサック君んち強盗 コンパニオン グッチ支給しよ 号泣兄さん 女は居留守 オムツ野郎に
アッパーキック 野郎つっぱれ 差し歯抜こう(90桁)(HP,【ザ】円周率の覚え方、[127])(某雑誌より)
(M1)3.14苺(いちご)の国で六時の午餐(ごさん)後、箸(はし)九本無くさん(15桁)
(デビッド・ブラットナー著、浅尾敦則訳『π[パイ]の神秘』アーティストハウス、1999年、118頁)
(M2)3.14苺食いに婿さんGo!吐くな臭兄さんは死ぬ〜(20桁) (HP、円周率πの覚え方)(「897 93 23」さん)
(M3)3.14イチゴの国のむごさ琥珀なく。ミニ鯖、四郎に無視された鯖3泊2日泣く。50になる母、養育費が無い。
むくみは救急、皆御一礼。「碁盤に霊来るなよ」「給与よこせ」「苦にされるな」ハイ無視。鸚鵡にハム、20焼く。
悔やむにや、近江のシャツ、ゴミ用にいいなと鸚鵡鳴く。(100桁)(HP、πのページ、暗記法)(KPさんの作)
(N1)3.1415926535 吐くな、草にさやしろ、日露よ、散々はちさんに泣く、ご(お)礼に蜂、はよ行くな(39桁)
(HP,【ザ】円周率の覚え方、[62])
(N2)3.1415926535 吐くナクサニさんは四郎次郎シーサーさん破産に泣く 小鬼 林 逝くな居ろQサンキュー
草 ナゴ今(50桁) (HP,【ザ】円周率の覚え方、[114])
(O1)三つ石いごく(動く)に六つ子三つ子はくな汲みに(16桁)(HP、円周率πの覚え方)(「わくわく」さん)
(O2)三つの意思。イチゴ国に 婿と巫女 儚く(ハカナク)。見に見は 白に虫。耳は身に無く 50人。
やっぱ死、逝く。ナイミクミクク サンナナゴ。十五夜に置くな四句(おとなしく?)。
獅子国に 竿習い無用。(皿洗い?)(71桁) (HP,【ザ】円周率の覚え方、[130])
(P)最初からイこう クンニで剥こう 三交半でくたばって泣く 三人さんは城に向かう 染みの見えるパンティー
三人並ぶとクラッ 「これには理由(ワケ)が」 と夜行く七色組 クンクン見てなめて
こりゃいける (49桁)
(HP、円周率πの覚え方)(「NAG−A」さん)
(Q)さあ、行こう。よい子の国の婿さん曰く、泣く身に桟橋、ロックに虫がさんざん闇に鳴く。号令には走っていくな。
一度にむくみ、苦が重なる。皆でゴウ、十五夜には、苦もなし、苦もよし。後の国見れなば、
一匹の虫は 魯迅にやろう。・・・(75桁)(HP、πの不思議、πの覚え方に挑戦)(宇留須健太さんの作)
次の文献にも、記憶詩が載っているが、他の本から再録したものである。
堀場氏の本は、文献(5)の平山『円周率の歴史』の内容をコンパクトにしたものである。
・藤田薫『長さを測る』(日科技連、1974年、30頁)絶版
・堀場芳数『円周率πの不思議』(講談社ブルーバックス、1989年、158頁)入手可
円周率の記憶詩について、2004年2月現在、インターネットに流れているもので、紹介している種類が多いのは、
次の3つのサイトであろう。「円周率の覚え方」の言葉で検索すると容易にアクセスできる。
<1>あっしーのぺーじ→πのページ→暗記法
<2>【ザ】円周率の覚え方
<3>円周率πの覚え方
このうち、<1>の「πのページ」には「桁数の伸び」もある。「暗記法」の中では、1000桁の記憶詩まで紹介されて
いる。これは、村松芳子氏が考案したもので、そのHP「ようこそYOSHITA号へ」の「数楽どん話」にも載っている。
上のリストの(J12)です。長いので、全文は、2つのHPを参照ください。
なお、記憶詩(D1)(J4)について、1980年以前の文献に掲載されている本をご存知の方は筆者までお知らせ
いただければ幸いです。 「日本の記憶詩」について、「公刊された文献」に掲載されていて「上記にないもの」は
お知らせください。
(その他、4と5の一覧にない記憶詩があれば、出典明示の上で、お知らせいただけるとありがたいです。)
円周率の記憶詩は、各地で創作されているが、ある程度意味をなし、実用に耐えるものでなければ、無秩序に生産
することは慎まねばならないように感じる。もちろん、遊戯として創作を楽しむ分には問題ないと思うけれども。
「πの部屋!」「PI WORLD OF JA0HXV」「π年表」「英語語源物語」などに、π計算の歴史、公式、数値データ、
プログラム、記憶詩、リンク集などがあり、「π」「PI」などの検索で、円周率ワールドを楽しむことができることだろう。
5.円周率の記憶詩(外国語)
外国語の場合、各単語の字数で、数字列をあらわす仕組みになっている。小数点以下32桁目に初めて
「0」が出てくるので、31桁以下のものが多い。それ以上の場合、「0」は字数10以上の単語で表すことになる。
収録されている文献は、筆者の知るうちで最も古いもの。日本の文献ではもっと古い時期の紹介があることだろう。
ただし、出典のわかっているものは明示しておいた。こういったコレクションで、原典を示したものは、あまり見当た
らないので、参考になるものと思う。外国の出典を示したもの以外は、古くから知られており、作者不明である。
<英語>
1a)Yes,I have a number.(3.1416)(吉岡修一郎『数学千一夜』青年書房、1941年) 掲載文献多数
1b)Yes,I know a number!(3.1416)(高木茂男『奇蹟のパズル』ダイヤモンド社、1977年、166頁)
1c)Yes,I have a radio.(4桁) (友寄英哲『「3秒集中」記憶術』光文社、カッパ・ブックス、1988年、225頁)
2)Sir,I have a story...(4桁)
(一松信『数のエッセイ』中央公論社、1972年、110頁)(ちくま学芸文庫、2007年、125頁)
3)I have a pencil.(1416) (HP,円周率πの覚え方)(「Nebel」さん)
4)How I wish I could calculate pi!(6桁) (『ライトハウス英和辞典』研究社、1984年、piの項)
(デビッド・ブラットナー著、浅尾敦則訳『π[パイ]の神秘』(アーティストハウス、1999年,115頁)
5a)May I have a large[small] container of coffee?(7桁)
(『ライトハウス英和辞典』研究社、1984年、coffeeの項)
(シャクンタラ・デビ『天才の新・数学教室』三笠書房、1980年)
5b)Can I have a small container of coffee?(7桁)(HP、クリの部屋、πの覚え方【1】)
5c)Can I have a dirty chocolate on Sunday?(7桁)(日曜に汚いチョコレート食べていい?)・・・著者の自作例の紹介
(日本お笑い数学協会『笑う数学 ルート4』株式会社KADOKAWA、2020年、72頁)
6)Can I find a trick recalling pi easily?(7桁)(HP、英語式円周率πの覚え方、イギリス)
7)Can I ride a horse? Certainly,of course.(7桁)(HP,円周率πの覚え方)(「hvnskid」さん)
8)Now,I wish I could recollect my number known and select.(10桁)
(塩川新助『数学への勧誘T』(東京電機大学出版局、1966年、112頁)
9)See I have a rhyme assisting,
My feeble brain,
its tasks oft-times resisting.
(12桁)(作者不明) (Scientific American,Mar.21,1914,USA)
※oft-timesは文献(8)によった。吉岡修一郎『数学千一夜』学生社、1967年、新装版1977年、には
sometimeとある。 また、Herman Charles Schepler:The Chronology of pi,Math.Mag.
vol.23,1950,p.280には、sometimesとあるが、字数が合わないので誤りである。
10a)How I wish I could recollect of circle round,
The exact relation Archimede unwound!
(13桁)(アーロン・ベイクスト著、金沢 養訳『レジャーを活かす数学パズル』白揚社、1961年、143頁)
10b)How I wish I could enumerate pi easily,since all these
horrible mnemonics prevent recalling any of pi’s sequence more simply.(20桁)
(ポザマンティエ、レーマン著、松浦俊輔訳『不思議な数πの伝記』日経BP社、2005年、125〜6頁)
(原本:A Biography of the World’s Most Mysterious Number,2004,p.124)
11a)How I want a drink,alcoholic of course,
after the heavy chapters involving quantum mechanics!
(14桁) (by Sir James Hopwood Jeans[1877-1946] in England)
(M.ガードナー著、金沢 養訳『現代の娯楽数学』(白揚社、1960年、143頁)
11b)How I want a drink,alcoholic of course,
after the heavy lectures involving quantum mechanics!
(14桁) (ペートル・ベックマン著、田尾陽一・清水韶光訳『πの歴史』蒼樹書房、1973年,117頁)
11c)How I like a drink,alcoholic of course,
after the heavy lectures involving quantum mechanics!
(14桁) (デビッド・ブラットナー著『π[パイ]の神秘』(アーティストハウス、1999年,115頁)
11d)How I want a drink,alcoholic of course,after the heavy
chapters[lectures] involving quantum mechanics.
(All of the geometry,Herr Planck,is fairly hard.) (23桁)
(友清理士『英語のニーモニック 〜円周率から歴史記号・イギリス王室まで 覚え歌大集合』
研究社、2001年、70頁)
11e)How I want a drink,alcoholic of course,
after the heavy lectures involving quantum mechanics.
and if the lectures were boring or tiring,
then any odd thinking was on quartic equations again. (31桁)
(ポザマンティエ、レーマン著、松浦俊輔訳『不思議な数πの伝記』日経BP社、2005年、125頁)
(原本:A Biography of the World’s Most Mysterious Number,2004,p.122−3)
11e)How I want a drink,alcoholic of course,
after the heavy chapters involving quantum mechanics.
One is,yes,adequate even enough to induce
some fun and pleasure for an instant,miserably brief. (31桁)
(ポザマンティエ、レーマン著、松浦俊輔訳『不思議な数πの伝記』日経BP社、2005年、126頁)
(原本:A Biography of the World’s Most Mysterious Number,2004,p.124)
12)Now I−even I−would celebrate,
In rhymes unapt the great
Immortal Syracusan,rivaled nevermore,
Who in his wondrous lore,
Passed on before,
Left men his guidance,
How to circles mensurate.
(30桁)(by Adam C.Orr of Chicago to The Literal Digest,January 20,1906,p.83)
(M.ガードナー著、金沢 養訳『現代の娯楽数学』(白揚社、1960年、143頁)
※Now I,even I,would celebrate,
In rhymes inapt,the great・・・
(A.C.Orr.(USA).Literary Digest,Vol.32.)
(Herman Charles Schepler:Chronology of pi,Math.Mag.vol.23,1950,p.280)
※Now I−even I,would celebrate,
In Rhymes unapt the great・・・
(by Adam C.Orn in Chicago)(Chicago Literary Digest,Jan.20,1906)
(シャクンタラ・デビ『天才の新・数学教室』三笠書房、1980年、214頁)
(デビの本では作者は「アダム・C・オルン」としているが、本当は上掲書のように「アダム・C・オール」である。)
13a)Sir! I send a rhyme excelling.
In sacred truth and rigid spelling;
Numerical sprites elucidate,
For me the lexicon’s dull weight.
If Nature gain,not you complain,
Tho’ Dr.Johnson fulminate.(30桁)
(平山諦『円周率の歴史』中教出版、1955年、233頁)
※『数学千一夜』『πの話』には、「8」を表す[lexicon’s]が[lesson’s]になっているが字数が合わない。
また、sprites が spiritsになっているが、『Le nomble π』など、洋書では、spritesである。
13b)Sir I send a rhyme excelling
in sacred truth and rigid spelling.
Numerical sprites elucidate
for me the lexicon’s dull[full] weight.
(If Nature gain
Not you[Who can] complain,
Tho’ Dr.Johnson fulminate.[?]) (30桁)
(友清理士『英語のニーモニック 〜円周率から歴史記号・イギリス王室まで 覚え歌大集合』
研究社、2001年、70−71頁)
14a)Now I know a spell unfailing,
An artful charm for tasks availing,
Intricate results entailing.
Not in too exacting mood,
(Poetry is pretty good.)
Try the talisman,
Let be adverse ingenuity.
(30桁) (平山諦『円周率の歴史』中教出版、1955年、233−4頁)
14b)Now I show a spell unfailing,
An artful charm for tasks availing,
Intricate results entailing.
Not in too exacting mood,
Poetry is pretty good.
Try the talisman,
Let be Adverse ingenuity.
(30桁) (Le nomble π,Le Petit Archimede,1980,p.274−5)
15)May I tell a story purposing to render clear the ratio circular perimeter-breadth,
revealing one of the problems most famous in modern days,
and the greatest man of science anciently known.
(31桁) (平山諦『円周率の歴史』中教出版、1955年、234頁)
16)Sir,I bear a rhyme excelling
In mystic force and magic spelling
Celestial sprites elucidate
All my own striving can’t relate.
Or locate they who can cogitate
And so finally terminate.Finis.(31桁)
(デビッド・ブラットナー著『π[パイ]の神秘』(アーティストハウス、1999年,115頁)
17)For a time I tried・・・・(214桁)・・・マイケル・キース作
(Michael Keith,J.Recreational Mathematics,vol.8(3),1975−6,p.226)
(Le nomble π,Le Petit Archimede,1980,p.276−7)
18)For a time I stood pondering on circle sizes.・・・(402桁)・・・(Michael Keith作)
(デビッド・ブラットナー著『π[パイ]の神秘』(アーティストハウス、1999年,124頁)訳文あり
(注)ピリオドは数字に対応させない。その他の句読点のたぐい ( ) , ! − = 《 》 などはすべて
数字の「0」に対応させる。10文字を超える単語は一度に2つの数字に対応させる。
(出典:Michael Keith, Circle Digits: A Self-Referential Story,
The Mathematical Intelligencer,vol.8,no.3,1986,pp.56−57.)
(文献10の Pi:A Source Book の59に収められている。)
19a)Pie、E. :Near a Raven・・・・(一部分の80桁)(Michael Keith作) (Pie以外は、19b)と同文)
(デビッド・ブラットナー著『π[パイ]の神秘』(アーティストハウス、1999年,116−7頁)
19b)Poe、E. :Near A Raven・・・(Michael Keith作) (HP、【ザ】円周率の覚え方、[145−148])
(739桁の全文はこちら→キースの記憶詩)(1995年)
(出典:Michael Keith, Pi Mnemonics and the Art of Constrained Writing)
(出典・・・WEB HOME OF Mike Keith)(Keithの3834桁・9999桁の記憶詩もある)
(文献10の Pi:A Source Book の69に収められている。)
20a)But a time I spent wandering in bloomy night;
Yon tower,tinkling chimewise,loftily opportune.
Out,up,and together came sudden to Sunday rite,
The one solemnly off to correct plenilune.
(30桁)(Joseph ShipleyのPlaying With Words掲載作品、1960年)(ジョセフ・シプリー作)
(ジャン=ポール・ドゥラエ著、畑政義訳『π−魅惑の数』朝倉書店、2001年、p.17−18)
20b)But a time I spent wandering in gloomy night;
Yon tower,tinkling chimewise,loftily opportune.
Out,up,and together came sudden to Sunday rite,
The one solemnly off to correct plenilune.
(30桁)(Michael Keithが、上掲のbloomyをgloomyに変形・改良)
(出典・・・WEB HOME OF Mike Keithの中のWriting in Pilish)
21) Why π! Stop,π!Weird anomalies do behave badly!
You,madly conjured,imperfect,strange,numerical,
Why do you maintain this facade?
In finite time you are barbaric!
You do wonders,mesmerize minds!
O,do elements numerous have a beautiful meaning−
A system isolating all mysteries,solutions for puzzles,chaos,a
O snafu apparent in O Universal Concept from believing lies?
That there,obstinate in you,O Strange Constant,
A Divine Sign O exists is unlikely unless
Is O revealed Something Brilliant,negating belief!
In formulas,O,you show yourself in Greek and math as a π
forever−−
O hidden wonders absconded,infinite,in a tiny constant,O,
sneakily,rather?
Never,I say!
(111桁)(Liz’s Pi Poems,Infinite Number Poems)(Musinngs of Mathematitian)
(Note:the number of letters in each word of this poem represents a digits
of pi,beginninng with 314. The sound O represents the digits 0.)
(HP)(http://members.aol.com/Loose Tooth/poem.html)
22) But I must a while endeavour to reckon right. (8桁) (endeavour:イギリス式のつづり)
(ポザマンティエ、レーマン著、松浦俊輔訳『不思議な数πの伝記』日経BP社、2005年、124頁)
(原本:A Biography of the World’s Most Mysterious Number,2004,p.122)
23) For a time I stood, relishing my autumn night.
Amy hated wordless nighttime walking intensely
and so had strutted home dourly.
"I'm rather cold," she had muttered, "and so…goodbye."
Welcoming night surrounded me; lukewarm droplets fell.
I continued walking. I passed gentlemen
and derelicts wandering the streets alone.
I considered their fortunes, my misfortune.
Reviewing various past incidents
(lost love, women discarded,
my old residences, careers, comrades)
I walked past mysterious alleys to
suddenly arrive at Blackwood's Bookshop.
Dignified bookworms searched stacks of inviting paperbacks.
And then, suddenly, my stare met hers.
"Um…I…I…"
"Quickly, sweetheart, softly! Outside!"
Strangely enjoying it, I went,
somewhat bewildered although surely happy.
I sat so silently as she approached.
Coming closer, then bending delicately alongside,
she tenderly said,
This strong, pronounced technique which style constrains
Shall delegate to me, now I believe,
An earth for loves unleashed like hurricanes;
Herewith I do innately this perceive.
"I…I…," I giddily said again, resembling an absolute fool.
I spluttered, "I'm awfully ridiculous.
I apologize for babbling again."
So I (a blithering idiot) spoke, while everybody stared.
"Hush, hush! Listen up! Go instantly home.
Remember important stuff:
Love, integrity, art, literature," she lectured.
I entreated softly, "Your name is…?"
Suddenly, silently, a driverless limousine stopped,
doors neatly marked "Muses Unlimited".
She was gone.
(217桁)(Michael Keithが2004年に作ったもの)(最初の1部分が17,18と共通するが別詩として扱った。)
(出典・・・WEB HOME OF Mike Keithの中のBemused)
24)Guil It's a play ! A farce involving Mr. Cheney, trees...and quail shooting
! Hilarious, totally hilarious !
Roz Uhh...no.
Guil Yes ! (以下略)
(769桁)(Michael Keithの記憶会話詩)
(出典・・・WEB HOME OF Mike Keithの中のThe π Play)(2006年)
25)One A Poem A Raven
Midnights so dreary, tired and weary,
Silently pondering volumes extolling all by-now obsolete
lore.
During my rather long nap - the weirdest tap!
An ominous vibrating sound disturbing my chamber's antedoor.
"This", I whispered quietly, "I
ignore". (著作権のため、以下略)
(3834桁)(Michael Keithの記憶詩)・・・第2位の長さの記憶詩
(出典・・・WEB HOME OF Mike Keithの中のCadaeic Cadenza)(1996年)
26)Now I fall, a tired suburbian in liquid under the trees,
Drifting alongside forests simmering red in the twilight over Europe.(以下、省略)
(9999桁)(Michael Keithの記憶詩)・・・世界最長の記憶詩
(出典・・・WEB HOME OF Mike Keithの中のNot A Wake)(2010年)
(全文掲載の著書:Not A Wake: A Dream Embodying π's Digits Fully For 10000 Decimals
by Mike Keith, illustrated by Diana Keith, 2010)
●文献(7)の野崎『πの話』には英独仏語の記憶詩が載っている。さらに、文献(8)『π[パイ]の神秘』には、オランダ
語、ギリシャ語、イタリア語、スペイン語、スウェーデン語の記憶詩まで加えられている。
『π−魅惑の数』や『不思議な数πの伝記』にも、多数の記憶詩が載せられており、興味深い。
◎Le nomble π(Le Petit Archimede,Supplement au Petit Archimede no.64−65,
Mai 1980,VAUDREY−LYON)入手不可
上の本にも仏英独語の記憶詩が掲載されているが、入手は困難だろう。この本は、筆者が、円周率の100万桁の
計算者であるフランスのジャン・ギユー氏に、1980年5月、100万桁の計算結果をプリントした400頁の本の寄贈を
受けた時に、ほぼ同時に発行され、翌6月にギユー氏から寄贈を受けた本であった。
小数点以下100万1桁〜100万1250桁目の数字列もこの本に収録されている。
ギユー氏から寄贈を受けた、400頁の100万桁の本(Guilloud et Bouyer:1,000,000 de Decimales de Pi)も、
Le nomble πも、筆者が国立国会図書館へ寄贈している。
π計算がパソコンで手軽にできるようになった現在、日本では、次の100万桁の本も安価で発行されている。
◎牧野貴樹『円周率1,000,000桁表』(暗黒通信団、1996年第1刷発行、2010年第3.1415刷発行)(本体314円)
<フランス語>
上5行の詩(35桁)(作者不明)・・・・Le nomble π,Le Petit Archimede(1980,p.273)
上4行の詩のうち、上4行分(30桁)・・・・矢野健太郎『数学への招待』(新潮文庫、1977、p.121)および
ベックマン、吉岡修一郎、一松信、平山諦、野崎昭弘等の本に訳文の掲載あり。『新数学事典』にも掲載。
(どれほど、この有用な数をその賢者に教えたく思うことか!
不滅のアルキメデス、芸術家、エンジニア。
君はどう判断する、誰が、この値をつかめるか?
私にとっては、あなたの問題にも似た利点がある)
(デビッド・ブラットナー著『π[パイ]の神秘』アーティストハウス、1999年,121頁)
(原本:David Blatner,The joy of π,1997; paper back edition,1999,p.118)
上5行の詩のうち、上4行分(30桁)
役に立つ数のことを、賢人たちに教えずにおられようか!
永遠のアルキメデス、芸術家にして技術家、
その数値を自分で見積もることのできる人。
あなたの問題は私にかけがえのない喜びを授けてくれたのだ。・・・
(ジャン=ポール・ドゥラエ著、畑政義訳『π−魅惑の数』p.16)
上5行の詩のうち、上4行分(30桁)
私は賢い人に役立つ数を教えるのがほんとに好き
不滅のアルキメデス、腕のいい職人
誰が君の評価に異を唱えられようか。
私にとっては君の問題も同じ値打ちがあった。
(Nouvelle Correspondence Mathematique[Brussels]5,no.5,1879年、p.449)
(ポザマンティエ、レーマン著、松浦俊輔訳『不思議な数πの伝記』日経BP社、2005年、129頁)
(原本:A Biography of the World’s Most Mysterious Number,2004,p.124)
下20行の詩(126桁)・・・Le nomble π,Le Petit Archimede(1980,p.273−4)
下20行の詩(126桁)
役に立つ数のことを、賢人たちに教えずにおられようか!輝かしいアルキメデス、芸術家にして技術家。
シュラクサイの街は今もあなたの栄光に包まれ、あなたの名は難解な学術書にしっかりと刻まれている!
古代ギリシャ時代にピタゴラスが発見したみごとな方法、堂々たる成果をもってしても、
まったく歯が立たなかった古来の不思議な問題。
ああ、円の正方形化! 古くから賢人たちを悩ませ続けた問題! 解決できない円。
あまりに長い間、ピタゴラスやその物まね師たちに挑戦し続けてきたのだ。
円で囲った平面図形の面積をいかに求めるか。円と面積が等しい三角形を構成するのか。
アルキメデスの新発見:正六角形を内接させよ。半径の関数として面積を測るのだ。
まだ隙間が残っている。辺の数を次々に2倍にせよ。だんだんと円に近づいている。
その極限は、ついに円。手に負えない難敵、しつこく悩ませてくれた円。
教授、その問題を熱心に教えてください!・・・
(ジャン=ポール・ドゥラエ著、畑政義訳『π−魅惑の数』p.16−17)
下20行の詩の最初の3行分のうち、3行目の変形版
(22桁)
私はほんとに教えるのが好き
賢い人に役立つ数を
偉大なアルキメデス、腕のいい職人
君のことは、シラクサ出身の人々が今も、その偉業をたたえる。
(ポザマンティエ、レーマン著、松浦俊輔訳『不思議な数πの伝記』日経BP社、2005年、129頁)
(原本:A Biography of the World’s Most Mysterious Number,2004,p.125)
<ブルターニュ方言(フランス北西)>
Piv a zebr a−walc’h dimerc’her? Ne lavaro netra,tud Breizh!(10桁)
(いつも水曜日にたらふく食べるのは誰だ? 彼女は何も応えないよ。ブルターニュ出身だから!)
※Leslie Sitet(レスリ・シテ)による。
(ジャン=ポール・ドゥラエ著、畑政義訳『π−魅惑の数』朝倉書店、2001年、p.18)
<ドイツ語>
Dir,・・・Morgenrot!(中段6行詩)(30桁)
Wie,・・・Sein!(下4行詩)(23桁)・・・3行目[Verselein]を[Verslehre]とする文献
(一松信「円周率をめぐって」自然1962年2月号、44頁)がある。
※ベックマン、吉岡修一郎、一松信、平山諦、野崎昭弘、ジャン=ポール・ドゥラエ等の本に訳文の掲載あり。
(Eugen Beutel,Die Quadratur des Kreises,1913;2.Aufl.Leipzig,1920,p.43)
Dir,o Held, ・・・ Morgenrot!(30桁)
汝、英雄にして、年を重ねた哲学者、大天才、
何万の人がたたえることか、
汝のように気高い精神を、また神のような精神を
永遠の中でさらに純粋なる精神が
夜明けの光の中にあるように
われらにほほえみかけるのを
(ポザマンティエ、レーマン著、松浦俊輔訳『不思議な数πの伝記』日経BP社、2005年、128〜9頁)
(原本:A Biography of the World’s Most Mysterious Number,2004,p.125)
Wie o!dies π ・・・ sein!(23桁)
ああなんとこのπは
かくも多くの人をこれほど悩ませる。
何と言っても若者よ、易しい詩をおぼえなさい。
だからこの詩もおぼえるがよい。
(ポザマンティエ、レーマン著、松浦俊輔訳『不思議な数πの伝記』日経BP社、2005年、128頁)
(原本:A Biography of the World’s Most Mysterious Number,2004,p.124−5)
<オランダ語>
Eva o lief,o zoete hartedief uw blauwe oogen zyn wreed bedrogen.(11桁)
(イブ、おお愛しい人、おお優しいあなたのその青い瞳は残酷なまでに欺かれている)
[ナイメーヘン(Nijmegen)大学の数学物理学部で人気の歌]
(デビッド・ブラットナー著『π[パイ]の神秘』アーティストハウス、1999年,120頁)
(原本:David Blatner,The joy of π,1997; paper back edition,1999,p.117)
Eva,o lief,o zoete hartedief uw blauwe oogen zyn wreed bedrogen.(11桁)
アイヴ、ああ愛しいひと、ああ甘くかわいいキミの青い目は惨くも騙されている。
(この歌は60年代に歌われていたが、考案した人の名はひっそりと忘れ去られた)
(ポザマンティエ、レーマン著、松浦俊輔訳『不思議な数πの伝記』日経BP社、2005年、126頁)
(原本:A Biography of the World’s Most Mysterious Number,2004,p.123)
<ギリシャ(ギリシア)語>
(22桁)
(幾何を考える偉大な神 直径から円周を決めようと 終わりのない数を作る
それはまったく、なんと、人間には けっしてわかりはしないのだ)
[Nikolaos Hatzidakis](ニコラオス・ハジダキス)
(デビッド・ブラットナー著『π[パイ]の神秘』アーティストハウス、1999年,126頁)
(原本:David Blatner,The joy of π,1997; paper back edition,1999,p.118)
いつも幾何学で仕事をなさる偉大なる神
円周の直径に対する比を決めるために
無限に続く数を作られた。
死すべき人間にはすべてを求めることは決してできぬ。
(ポザマンティエ、レーマン著、松浦俊輔訳『不思議な数πの伝記』日経BP社、2005年、126頁)
(原本:A Biography of the World’s Most Mysterious Number,2004,p.125)
<イタリア語>
Che n’ebbe d’utile Archimede da ustori vetri sua somma scoperta?(11桁)
(火つけ鏡の大発見でアルキメデスにはどんないいことが訪れる?)
[Isidoro Ferrante](イシドーロ・フェランテ)
(デビッド・ブラットナー著『π[パイ]の神秘』アーティストハウス、1999年,122頁)
(原本:David Blatner,The joy of π,1997; paper back edition,1999,p.119)
アルキメデスの燃焼鏡を発見したことにはどんな利益があるの?(イシドロ・フェルランテ)
(ポザマンティエ、レーマン著、松浦俊輔訳『不思議な数πの伝記』日経BP社、2005年、125頁)
(原本:A Biography of the World’s Most Mysterious Number,2004,p.126)
<スペイン語>
Con 1 palo y 5 ladrillos se pueden hacer mil cosas(10桁)
(1本の丸太とレンガが5個あればいろんなことができる)
(ジャン=ポール・ドゥラエ著、畑政義訳『π−魅惑の数』朝倉書店、2001年、p.18)
Sol y Luna y Mundo proclaman al Eterno Autor del Cosmo.(10桁)
(太陽と月と世界とが宇宙の不滅の作者を賞賛する)
[David Lantz](デビッド・ランツ)
(デビッド・ブラットナー著『π[パイ]の神秘』アーティストハウス、1999年,122頁)
(原本:David Blatner,The joy of π,1997; paper back edition,1999,p.119)
Sol y Luna y Ciero proclaman al Divino Autor del Cosmo.(10桁)
太陽と月と空は、自分が宇宙の造り主だとたたえる。
(ポザマンティエ、レーマン著、松浦俊輔訳『不思議な数πの伝記』日経BP社、2005年、127頁)
(原本:A Biography of the World’s Most Mysterious Number,2004,p.127)
(31桁)
私はπの文句にして賢者の巧妙な理性
美しい数の列を私は厳かに語る。
私のよく整えられた特異な法則で。
大きな世界がついに限られる。
あたりまえの完全な系にいたる。(コロンビアの詩人、R・ニエト・パリス R.Nieto Paris)
(V.E.Caro,Los Numeros[Bogota:Editorial Minerva,1937],p.159.)
(ポザマンティエ、レーマン著、松浦俊輔訳『不思議な数πの伝記』日経BP社、2005年、127〜8頁)
(原本:A Biography of the World’s Most Mysterious Number,2004,p.127)
<スウェーデン語>
(30桁)
(なんてこと、今やπはちっぽけなもの
学校では生徒みんなが勉強させられる
計算機の助けを借りて算数を
そしてテーブルの上には悲しい未来。
いやだ、ぼくらはかわりにばかばかしい詩を読むぞ!)
[Frank Wikstroem] (注:人名の綴りの中の「oe」は、「oの上に・・」の字)
(フランク・ウィクシュトロム)
(デビッド・ブラットナー著『π[パイ]の神秘』アーティストハウス、1999年,122頁)
(原本:David Blatner,The joy of π,1997; paper back edition,1999,p.119)
ああなんてこと。πはもうたいしたことなくなった。
学校では生徒に算数を電卓で習わせるし
だからπの表も悲しい定め。
いやいや、そんなことよりおばかな詩を読もう(フランク・ウィクストレーム)
(ポザマンティエ、レーマン著、松浦俊輔訳『不思議な数πの伝記』日経BP社、2005年、127頁)
(原本:A Biography of the World’s Most Mysterious Number,2004,p.127)
<アルバニア語>
Kur e shoh e mesoj sigurisht.(5桁) (それを見れば、確実におぼえられる。)
(ロバート・ネミシ Robert Nesimi)
(ポザマンティエ、レーマン著、松浦俊輔訳『不思議な数πの伝記』日経BP社、2005年、125頁)
(原本:A Biography of the World’s Most Mysterious Number,2004,p.123)
<シンデベレ語(ジンバブエの公用語)> (Sindebele,Zimbabwe)
Nxa u fika e khaya uzojabula na y’nkosi ujesu qobo.(9桁)(最後は四捨五入値)
(天国へ行くと、イエス様とともに喜ぶことになる。)
(ジンバブエ大学数学講師プレシャス・シバンダ Dr.Precious Sibanda)
(ポザマンティエ、レーマン著、松浦俊輔訳『不思議な数πの伝記』日経BP社、2005年、126〜7頁)
(原本:A Biography of the World’s Most Mysterious Number,2004,p.126)
<チショナ語(ジンバブエの公用語)> (ChiShona,Zimbabwe)
Iye ‘P’ naye ‘I’ ndivo vadikanwi.‘Pi’achava mwana.(8桁)
(PとIは恋人どうし。πは頭のいい子ども。)
(ジンバブエ大学数学講師マーティン・ムゴチ Martin Mugochi)
(ポザマンティエ、レーマン著、松浦俊輔訳『不思議な数πの伝記』日経BP社、2005年、128頁)
(原本:A Biography of the World’s Most Mysterious Number,2004,p.123)
<ブルガリア語>
Kak e leko i bqrzo iz(ch)islimo pi,kogato znae(sh) kak.(9桁)(日本版:kakが脱落)
(やり方がわかればπはどれほど簡単にすぐ検算できることか。)(chも、shも、ブルガリア語では1字表記)
(ポザマンティエ、レーマン著、松浦俊輔訳『不思議な数πの伝記』日経BP社、2005年、129〜130頁)
(原本:A Biography of the World’s Most Mysterious Number,2004,p.123)
<ポーランド語>
Kto v mgle i slote
vagarovac ma ochote, (日本語版2行目で、orhoteに誤植されている。)
chyba ten ktory
ogniscie zakochany,
odziany vytwornie,
gna do nog bogdanki
pasc kornie.(20桁)
(雨で靄っている日に学校へ小走りに行きたくなる奴は、たぶん恋で頭がいかれて、
すてきな服を着て、愛する人の足下に倒れ込む奴じゃないか。)
(ポザマンティエ、レーマン著、松浦俊輔訳『不思議な数πの伝記』日経BP社、2005年、130頁)
(原本:A Biography of the World’s Most Mysterious Number,2004,p.126)
<ポルトガル語>
Sou o medo e temor constante do menino vadio.(8桁)
(わたしはいつも、怠惰な男の子のことが恐い。)
(ポザマンティエ、レーマン著、松浦俊輔訳『不思議な数πの伝記』日経BP社、2005年、130頁)
(原本:A Biography of the World’s Most Mysterious Number,2004,p.126)
<ルーマニア語>
Asa e bine a scrie renumitul si utilul numar.(8桁)
(あの有名で役に立つ数はこうやって書くんだ。)
(ポザマンティエ、レーマン著、松浦俊輔訳『不思議な数πの伝記』日経BP社、2005年、130頁)
(原本:A Biography of the World’s Most Mysterious Number,2004,p.126)
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