【廃墟マニヤ File014】
D二海堡(千葉県)
(その2)
D二海堡のある場所は千葉県になるのですが、そこへ渡る船は神奈川県から出ていました。早朝、とある駅を降り、ほんの少し先にある船着き場へ。
この船に乗ってD二海堡に渡ります。釣り船は朝が早くてかないません。私以外はすべて釣り客のようです。乗船時間はおよそ30分。しかし東京湾へ出入りする大型船がひっきりなしに行き交う航路を斜めに横切るようにして進むため、引き波で相当揺れます。
この日はそこそこ風も強く、波しぶきが滝のように窓を伝い、その隙間から入り込んだ海水が座席と私の股間(というか尻ですが……)を濡らしてくれました。
船の揺れでリバース寸前という頃、ようやく見えてきました!
巨大なコンクリートの塊に目を奪われます。
ちなみにこのD二海堡は、外周約1km、平均幅65m、面積約41,300平方mという大きさで、形はブーメラン型をしています。
備砲は、クルップ式27センチカノン砲×2、スナイダーカネー式隠顕砲架27センチカノン砲×4、15センチカノン砲×8(興味がない人には呪文かなにかのようですね)だったそうです。
ちなみに隠顕砲架というのは、使用しないときには格納しておけるタイプの砲で、敵に砲の性能を悟られないようにするための構造です。
ようやく上陸! 揺れない大地(小地ですかね?)はやっぱりいいですね。
この島の中央部・最高所にあるのは、ドイツ・クルップ社製27センチカノン砲2門の砲塔(弾薬庫)跡だそうです。
ちなみに後に見えるのは、おそらく現役のレーダービーコン(まあ、灯台設備ですね)と思われます。でも、もしかするとただの無線設備かも……。
この写真の扉のことかは不明ですが、以前訪れた人から、昔は中に入ることができて、螺旋状の階段で地下3階まで行くことができたという話を聞きました(D一海堡ではまだ入れる所が残っているようです)。
最高所に残る監視哨。被写体として魅力的なのか、時々写真でみかけますね。
太平洋戦争時に造られた監視哨というのは、おそらくこれのことでしょう。レンガの組み方が他と違っているみたいですし……(丸く組むため違ってしまっただけかもしれませんが)。
これは海上保安庁の施設という話(細かいことをいえば灯台も海上保安庁の施設ですよね)。最初は給油施設かと思ったのですが、配置が変だし、どうも高熱で錆びた気配が濃厚なので、きっと消火訓練用の施設でしょう。
(続く)
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