40年続いたレコードコンサート
文化不毛の地といわれる名古屋で40年間続いたレコードコンサートがあった。
終戦後の混乱の中で戦災孤児や戦後復興にまい進する人たちを音楽で励まして
あげたい、という気持ちから、あるレコード店主が始めたコンサートだった。
このレコード店主の名は小池弘道さんといい、名古屋市生まれ。
「つらいときも悲しいときも音楽が人を救ってくれる」これが彼の信念だった。
1947年(昭和22年)のクリスマス、ヨハン・シュトラウスの「皇帝円舞曲」が
戦争の傷跡も生々しい名古屋の街に流れた。
これが、このコンサートの記念すべき第一回目で、
レコードは進駐軍の少尉に頼み込んで借りたものだった。
彼はこのコンサートをいつまでも続けたかった。
しかし、自分が食べるだけでも精一杯の時代、レコードを手に入れる
こともままならない。 彼は世界中の音楽家に協力を呼びかけた。
まもなく、バーンスタイン、トスカニーニなど20世紀を代表する音楽家から直接、
最新盤のレコードが送られてきた。
その後、音楽家の間でその噂が広がり「ナゴヤのコイケ」にレコードを送れと
世界中の作曲家、演奏家から最新のレコードが送られてくるようになった。
昭和34年に名古屋市中区新栄に出した店には一緒に送られてきた写真や手紙
なども飾られていた。 このようにしてレコードコンサートは小池さんが病気
勝ちになった1987年まで続いた。
1999年(平成11年)秋に体調を崩し入院。 しかし自分の寿命を悟ったのか
病院で家族に「フォーレのレクイエムが聴きたい」と頼んだという。
「おじいちゃん、何を言っとりゃあすか、こんなとこで音楽なんか聴けるわけ
ないがね。 早いとこ良うなって家でゆっくり聴きゃあいいがね」
家族の励ましも空しく2000年3月20日帰らぬ人となった。 享年90歳。
私はこのコンサートに第374回から通い第466回までのプログラムが
手元にある。 このプログラムの表紙の写真も音楽家から直接送られた
写真や、音楽家と一緒に写した写真で飾られていた。
第466回のプログラム、ピアノの巨匠ルービンシュタインと小池氏
この日のメイン曲目はショパンのピアノ協奏曲第2番だった。
足しげく通ったから。
私と音楽
思えば高校のキャンプで木曽駒高原に行ったときたまたまかけていた
FM放送で流れた、ドヴォルザークの交響曲第9番「新世界より」と
遠く御嶽山に沈む夕日とがあまりにも感動的でそれ以来音楽を聴き
続けています。
この曲にはもうひとつ思い出があります。
小学校6年生のとき放送部に入ってましたが
最終下校の音楽がこの曲の第二楽章でした。
いわゆる「家路」の旋律の部分だけを流すように先生に
言われていたが、その後に続く美しい旋律を聴きたいため
先生の言うことを無視して最後まで流して何回か叱られました。
高校のキャンプから帰ったあと中学校のときの
英語の先生が音楽愛好家だったことを思い出し
さっそく連絡を取りこの曲のレコードをお持ちかどうか聞いた
ところ、持っているとのお返事。 さっそくカセットに入れてもらい
毎日聴きました。 ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮
ベルリンフィルハーモニーの演奏で1964年の録音盤でした。
このテープまだ持っています。
まだ、幼稚園に入る前、家にマーチのレコードがあって、その中の
「美中の美」という曲のトリオの部分が気に入って
何度か聞かせてもらった記憶がある。
音楽の授業でレコード鑑賞を楽しみにしていた人も多いのでは
ないかと思いますが、私もそうでした。 よく、シューベルトの
「魔王」をもう一度聴きたいというがいますよね。
中山晋平が代用教員だったころ、教室のオルガンを弾くと
暴れん坊の児童もいたずらを止めて音楽に聞き入ったことから
音楽の素晴らしさを発見したということです。
特集 モーツァルト生誕250年
2006年はモーツァルト生誕250年の記念すべき年だ。
モーツァルトの音楽に対する考えを綴ってみた。
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特集 最近購入したCD
最近は購入枚数が減りましたが年間50枚ほどCDを購入しています。
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特集 ムーロムの小径
ロシア民謡はかつて日本でも一大ブームを起こしたことがあった。
哀愁を帯びたメロディーが日本人の感性にあったのだろう。
このムーロムの小径はダークダックスの結成50周年記念アルバムで
”本邦初公開”として発表された曲で美しい旋律で悲しい恋を歌った曲である。
選曲にあたっては今一度ロシア民謡を見直そうという決意から
ロシアの音楽家、ネクラーソフ氏に依頼してダークダックスに
合った曲ということで選曲されたものである。
このCDによってこの曲は全国的に知られるようになったのだが
今をさる50年以上も前にこの曲に接していた日本人がいた。
彼の名は田部春雄さんといい終戦間もない頃、タタール共和国で
現地の若い女性兵士から教えてもらったものだという。
ロシア語の歌詞とともに持ち帰ったこの曲を会合やパーティーで
まだ誰も知らないロシア民謡として何度か歌ったそうである
その後、この曲はご自身の手で採譜され永久に残ることになった。
なおこの曲との出会いやロシア大使館にまで足を運んで
ロシア民謡であることを確認したというエピソードを
田部さんが記述しています。 メロディを聴くこともできます。
このメロディについては音楽教室講師、須佐卓郎さんの
ご尽力によるものとのことです。 海外に赴いたとき現地の音楽に
接した日本人は多くいたと思いますが曲がこのような形で現存する
数少ない例ではないかと思います。
また豊富なロシア語の知識を生かして良く聴くロシア民謡の
歌詞の検証も興味をひきます。
特選HP 感動のムールンの小道余話はここから
また須佐卓郎さんのホームページ名曲玉手箱はここから
ロシア語から見た題名の検証
この曲をロシア語では”По Муромской Дорожке”のように
表記するそうです。 パ ムーランスカィ ダローシュケと読むわけですが、
ロシア語ではアクセントがあるところの”O”を”ア”と発音することから
ムーラムあるいはムーランが正しいことになります。 これについては
田部さんのHP中でも記述されています。
ただ、このHPではCDに記載されているムーロムを採用しております。
ロシア語でロシア民謡を歌ってみよう。
特集 ダークダックスのCD
結成50周年を迎え、ますます根強い人気を持つ彼らのCDを紹介します。
現在、私が持っているダークダックスのCD。
彼らの最新アルバム、アダージォ。
これまでの音楽生活の集大成であるとともに
さらなる活躍を目指して選曲がなされている。
1曲目の「アダージォ」は老いらくの恋を歌ったものである。
さらに、これまでの音楽生活を振り返ってロシア民謡をもう一度
見直そうということで、ロシアの音楽家、ネクラーソフ氏に依頼して
ダークダックスに合ったロシア民謡ということで4曲選曲されている。
メルダック MECP−3001 好評発売中。
おすすめ音楽
とくに季節にふさわしいということではなく、思いつきや好みで
選んだ曲の説明をしています。
おすすめ音楽クラシック編はこちらから
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現在活躍中の演奏家、楽団
レコードで聴く音楽も素晴らしいものですが、やはり音楽の醍醐味は
生の演奏にあると思います。 現在活躍中の音楽家や楽団の情報を
調査して掲載します。
1.名古屋パストラーレ合奏団
1980年愛知県立芸大器楽専攻科のOBを中心に結成。
当初より一流の先生のきびしい指導を経て、1981年より
定期演奏会を開催し、すでに18回を数えているそうです。
その記録によりますと演奏レパートリーも多岐にわたり
特に第12回のときは全曲バッハ、それもぜひブランデン
ブルグ協奏曲をという長年のメンバーの夢を実現した
コンサートだったそうです。
さらに親子で楽しむコンサートのような気軽なコンサートも積極的に開催。
クラシック音楽を身近なものにしてくれています。
この室内楽団の詳しい情報はホームページで見ることができます。
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