法律用語あれこれ 
3 善意と悪意(ぜんいとあくい)
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善意(ぜんい)と悪意(あくい)

 事実や意思をあらかじめ知っていたのが「悪意」で、知らなかったのが「善意」です。
 ゲームのルールを知っていて引っかけるのが「悪意」、ルールを知らずに相手の手にハマるのが「善意」といったらわかりやすいでしょうか。
 善意と悪意には良い悪いの判断が絡みますが、民法ではあらかじめ知っていたか否かが問題にされるだけです。
 これは専門化・複雑化している現代社会では、部外者(第三者)が「知らないこともありうる」のを容認し、知らなかった第三者を救済する考えです。
 むろん、当事者間で知っていた・知らないを問うことは問題外です。
 当事者間には相手に確かめる注意義務があるからです。
 わからなければ相手(当事者)に確かめるのが当然です。
 そういう注意をせず、相手の言いなりあるいは他人の受け売りで、自分に都合の良い解釈をしたツケ(ミス)まで民法は救済しません。


 【補足】知っていたかどうかの判定はむずかしい
 
 民法第94条2項は「虚偽の意思表示の無効は、善意の第三者に対抗できない」、また、第96条3項は「詐欺による意思表示の取消しは、善意の第三者に対抗できない」とあります。
 対抗できないというのは反論できないことです。
 とはいえ、第三者が当事者の片方と通謀(グルになって)した場合は本当に知らなかったといえるでしょうか。心理状態の証明や反論はむずかしいものです。
 不動産登記は「対抗力」はありますが、「公信力」を持たないとされています。登記されているからといって真実の所有者とは限らないわけです。
 「知りうる状態にあっても」真実とは限らない現実があります。
 それを元に、「知らないこと」を主張する第三者がいても拒めないのではないでしょうか。
 これから先は民事訴訟法の範囲になるので立ち入りません。

 【補記】

 1なじめない用語は22民法用語(1)総則をごらんください。

 2無効と取消し8は別に触れています。

 3当事者と第三者の一覧表は32「人と人がかかわる形態」に掲載しています。

 4意思表示については39「意思表示のパターン」や40「追認を含めた意思表示」をごらんください。

 5対抗要件は42「権利義務の成立と第三者への対抗」や53「登記できる権利と第三者」をごらんください。

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