温泉開発と環境問題
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需要があるから開発する面と開発するから需要が生まれる面が温泉の開発にもつきまとう。人気に火がつくと新規参入をめざして開発競争が始まり、今まで人も寄りつかなかった場所が華やぎ、乱開発により思わぬ自然破壊を引き起こすのもこれまでの歴史である。利用者にとって良いことが環境破壊につながるのも忘れてはならないだろう。
温泉開発に伴う環境破壊は次のようなものがある。
(1)地下の水資源バランスを崩す
●大量の汲み上げによる地盤低下
●温泉水の枯渇
(2)他の地域に被害を及ぼす
●近隣の温泉の温度低下
●廃水による下流の汚染
*酸性湯の大量流失による土壌汚染
(3)客を呼び寄せるための整備がマイナス作用
●道路整備に伴う自然破壊
●客の集中による風紀の乱れ
以上については細々とふれない。せっかくの楽しみに文句をつけるのも不粋だ。わたしが言いたいことは、
●今まで通用していたことも量が急増すると破壊につながりやすい
●一度壊れた自然は元に戻せない
●回復させる費用は破壊した費用の何十倍もかかる
●安易な対策は派生する問題を生む
という過去の環境破壊の教訓を思い出すだけである。長い目で利用していくスタンスが欠ければ環境破壊を引き起こすというにすぎない。
【追記】
温泉についてはこの程度しかわたしには思いつかない。でも、日本の近現代の歴史を振り返ると明治時代の足尾鉱山の鉱毒事件、昭和時代の四日市・水俣・阿賀川の公害事件、東京湾汚染などを思い出す。それは天災でなく人災だった。
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