その1,ヘッドをおろす その2,ヘッド分解と洗浄 その3,部品の洗浄,整備など その4,ヘッド組み立て その5,ヘッド搭載とその他作業 |
2006年2月11 (土) 去年ぐらいから気になっているエンジンの異音, タンクの塗装をお願いしている間に ヘッドおろしのメンテナンスをすることにした.カムギヤから異音が出ているのでは,というのが自分の見立て. すでにタンクは外れているのでエアクリーナ,キャブ,ヘッドの上の点火コイル,サーモスタットケースなどを ごっそりはずす.気温が低いのでゴム部品が固いので損傷させないように注意. と思ったらキャブとエンジンの間のインシュレータが固くて少し動くだけで全然外れない. ヘッドと4連キャブの連結用フレームの間にメガネレンチを入れてこじって,やっと外した. |
|
はずした部品はこんなにたくさん. 一番前にあるのはラジエターの熱風を防ぐ遮熱板,ゴムで出来ている. さらにエキゾーストパイプをはずしたところで約2時間.お昼ごはんにする. |
|
食後にヘッドカバーを外す.ボルトを緩めたが動かない,プラハンを忘れたので叩く手段が無い.
ヘッドパッキンは取り替えるつもりで用意してあるので一番大きいマイナスドライバをパッキン部分に差し込んで
こじって外す.本来やってはいけない方法. ヘッドカバーを外すのは約6年ぶり.オイルの色の茶色が昔より濃くなっている. |
|
カムギヤ部分のアップ. カムホルダは左右2気筒ずつ一体になっている構造. 左側のクランクのカバーを外してクランクを回しカムギヤに書かれているマークを目印に 1番気筒を上死点に合わせる.カムホルダのボルトを緩めて行く. 前側のExはフレームがあるのでTレンチが使いにくいのでソケットレンチの早回し工具で緩める. 外側〜内側に順に緩めると少しリフトしているバルブのスプリングに押し上げられてカムホルダが外れる. |
|
外したカムとカムホルダを並べてみる.チェーン駆動で無いので外すのはえらく簡単. | |
カムの山の部分を良く見るとだいぶ磨耗している.本来軸方向に平らであるはずなのだが,
曲面になっている.山で無い部分は平らなので,タペットクリアランスを確認すると
問題が無いはずだ. 今回は面倒くさいので分解前のクリアランス測定はパス. ロッカーアームのがたつきを触感で見たところはほとんど問題なさそうだ. なので,ロッカーアームも全数交換することにした.値が張りそう. |
|
カムホルダのジャーナル側.磨耗やかじりもなさそう.
ジャーナル中央にオイル通路を設けてあり,潤滑には気を使っている設計だ. この部分がだめなら新しいヘッドを買うしかなくなる. |
|
カムを外したヘッド側. ロッカーアームのスリッパ面やバルブスプリングが見える.ヘッドを外すのは カムギヤの脇にある14mm頭のナットや外側に見える袋ナット,10mm頭のM6ボルトなど計16箇所を外す. 全部緩めるとヘッドがガタガタ動く.まずは成功だ.ゆっくり引き上げようとしたら ヘッド前側のラジエタステイが引っかかるので取り外して再トライ. しかし,ラジエタファンのモーターにヘッドが引っかかる.ラジエタとウォーターポンプ間のホースを ポンプ側で外してラジエタをフリーにしてやる. |
|
ラジエタ側で外さないのは,やわらかいラジエタをこじりたくないので. 引っかかるものがなくなったのをチェックしてヘッドを真上に引き上げる.とピストンが顔を見せる. 初めて見る自分のバイクのピストンの頭部. 写真は表面のカーボンを少しこすり落とした状態.あまり固くないカーボンが付着していた. 今回,ヘッドを外す前にプラグを取っちゃったので,プラグの穴を通してほこりを落としてしまったのが失敗. |
|
4番シリンダのスリーブの状況.リングが摺動しない部分のカーボン付着があるがシリンダ内側はきれいなもんだ.
指で触っても傷なんて無い. 汚れはスコッチブライト,という台所用のナイロンたわしにオイルやCRCを吹き付けながら磨いてやる. 汚れが落ちたらウェスで拭き取る,の作業を繰り返す. ウォータージャケットに汚れを落としちゃったのでシリンダの水パイプを外して水を流しながら掃除すれば良さそう. ヘッドをおろす作業は意外と簡単だった. |
|
ヘッド側. 写真は2番気筒.ピストン同様にカーボン堆積とガスケット面へのガスケットのゴムが剥がれたものの付着. こちらもスコッチブライトと真鍮ワイヤブラシでごしごし. |
|
外したカムギヤ.クランクに当たる側(小さいギヤ)がセラシギヤになっている.大きいギヤは普通の一枚もの.
カムシャフトもセラシギヤになっている. 思うに,クランクの回転変動をクランク側のギヤで吸収,カムシャフトの回転変動はカムのギヤで吸収,というコンセプトだろう. 全体的にオイルの茶色い成分が付着している. ちなみに歯数を今回数えてみた. カムギヤトレインの小さいギヤが54枚.大きい方が72枚.カムギヤは48枚.ということはクランクが24枚. うーむ,全部偶数だ.クランクとギヤ間の距離の制約などあるが,どういうコンセプトなんだろう? このあと,バルブスプリング外し,洗浄と進んでいく予定.時間はあるのでゆっくり. 本日の作業時間,午前2時間,午後は汚れ落とし,片付け含めて3時間の作業. |