三位一体学習法とは? |
●なぜ三位一体学習法が必要か? |
ここで言う三位とは、英語のリーディング、リスニング、そしてボキャビルのことです。
リーディングはリーディング、リスニングはリスニング、ボキャビルはボキャビルと別々に学習するのは効率が悪いとは思いませんか? 多くの日本人の英語学習者は、「リーディングは学生時代にたくさんやったし、もうやりたくない!」と考えて、リスニングのための教材を購入したり、ボキャビルのための単語集を購入したりしているのではないでしょうか?
リーディングに適した教材は、比較的簡単に見つけることができます。なぜなら、学習者がどれくらいのリーディング・スピードの能力があるかとは無関係に、個人の語彙力と、どのような分野に興味があるかだけで選択できるからです。リーディング・スピードは、学習者によってさまざまですが、リスニングと違って自分で調節することができます。
ところが、リスニングとなると、自分に適した教材というのはなかなか見つけにくいものです。リスニングの場合、リーディングと異なり自分で自由にスピードをコントロールするということが困難だからです。内容的にも興味が持てて、語彙レベルも自分にあっていて、しかも自分の理解スピードに合った教材を選ばなくてはならないわけですから、なかなか自分のレベルに合った教材を見つけるのは難しいのです。
また、ボキャビルについては、さまざまな種類のCD付単語集が店頭に並んでいます。どれを取っても、「非常に効率よく英単語をモノにできる!」と謳っています。しかし、無味乾燥な単語集を1冊でも最後までやり通せるだけの持久力のある人がどれだけいるのでしょうか? 疑問です。
それに、そもそも日本語ペラペラのあなたは、小学生や中学生のころに日本語の単語集を作って日本語を覚えましたか? そんなことをして日本語を習得した日本人はいないでしょう!? 日本語をたくさん読む中で、いろんな単語を覚えて行ったはずです。たくさん読めば、頻回に出てくる単語ほどしっかり記憶に入り、めったに出てこない単語は覚えなくてすむわけです。
英単語集で、ボキャビルを行おうとすると、重要な単語(ふつうは、単語集の始めの方に書いてある)
も重要度の低い単語も、同じ活字の大きさで、同じ紙面を使って、一度だけ出現するわけです。なんて効率が悪いんでしょうか? もちろん、単語集を全面的に否定するわけではありません。ある程度の語彙力が付くまでは、単語集を使うのも良いと思います。しかし、いつまでも単語集でボキャビルを行うのはかえって効率が悪いのだということを理解してください。
英語のボキャビルも、日本語と同じようにリーディングを中心に行っていくのが、結局はいちばん効率がよいのです。ということは、リーディングとボッキャビルは、別々に行う必要はありません。同時に行ったほうがよいということになります。
そう考えてくると、せっかくリーディング、ボキャビルに利用した英文をリスニングに利用しない手はありません。そのまま自分のリスニング・スピードに合わせた耳を鍛える教材にしたてあげてしまえば良いのです。このような考えから生まれたのが、三位一体学習法です。
●教材は何を使うのが良いか? |
リーディングを習慣化するためには、ニュースが最適です。短編で読みきりが可能だからです。リーディング・スピードや語彙力が付いていないのに、いきなり長編に挑戦しても、三日坊主になるのが落ちです。まずは短編のニュース英語から始めましょう。ただ、ニュース英語といっても英字新聞ではありません。インターネットで手に入る英語のニュースを教材にしましょう。なんといっても無料ですから。
ニュースの中でも、国内のニュースを英文で書いたものが、リーディングの教材に適していると思います。もちろん、海外のニュースでも興味を持って読めるものなら何でも構わないと思いますが、とくに「国内ニュース」を推薦するのには理由があります。
- 1.日常的である
- 日常生活から切り離された話題ではない。普通に生活していれば、国内のニュースは自然と、テレビやラジオから情報が入ってくる。海外ニュースは、多くの英語学習者にとっては日常生活とは関係がない。
- 2.国内の出来事だから理解しやすい
- 文化的背景や社会システムが異なるために内容が理解しづらいということが少ない。海外ニュースの場合には、そういった点で、理解の妨げとなることがしばしばである。
- 3.対応する日本語の記事がある
- もしも内容的に理解しづらい部分があっても、国内ニュースであれば、日本語で書かれた記事をインターネットで検索して読むことができるし、新聞で同様の記事を確認することもできるので、海外ニュースに比べると、対訳とまではいかなくても相対応する日本語の記事を読めば「ほぼ全理解」が可能である。
●具体的な手順はどうするのか? |
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