●速読の練習 |
1.速く読むためには!
2.英文和訳するってどいうこと?
3.流暢な日本語に訳すのは翻訳家の仕事!
4.英語の語順に慣れよう!
5.速読の目標値
6.速読に役立つソフトウェア
漫然と読んでいては、読むスピードはけっして速くなりません。誰もが最初から速く走れるわけではありませんよね。速く走れるようになるためには速く走れるように訓練します。訓練のために試行錯誤を重ねながらたくさん走ります。そして、その訓練の中で、無駄な筋肉の動きをなくしていきます。速く読むのも同じです。速く読めるようになるためには、速く読めるように訓練していかなくてはなりません。そして、たくさん読まなければいけないのです。→【たくさん読む!】
日本語はスラスラ読めるのに、どうして英語はスラスラ読めないのか考えて見ましょう。1つは分からない単語や熟語があるからでしょう。では、分からない単語がなければ、スラスラと読めるのでしょうか? おそらく多くの人は『No !』でしょう。いくら簡単な英文でも、少し長くなってくるとスラスラとは読めないのではないでしょうか? 多くの日本人にとっては『返り読み』をしていることが、英文を読む速度を遅くしている大きな原因と言われています。→【語彙力を身に付ける!】 【返り読みをしない!】
ではなぜ、英文を読むときに『返り読み』をしてしまうのでしょうか? 日本人の英語学習者は、中学、高校と英語を学習する過程で、英文には必ずと言っていいほど対訳があり、英文和訳の試験問題があり、知らず知らずのうちに、【英文を理解すること】=【英文和訳すること】であると、思い込んでしまっています。英語を和訳する習慣を身に着けてしまっていると言ってもいいでしょう。英語と見れば反射的に和訳してしまうのです。「そんなこと当然だろう、でないと理解できないじゃないか!」と思うかもしれません。でも、ちょっとよく考えて見ましょう。
私たちが、英語の試験で和訳する過程というのは、まず英単語の意味を取って【単語レベルでの和訳】、次にその日本語の意味を日本語の文法に合うように並べ替えの作業【文章レベルの和訳】をします。これが『返り読み』の正体です。そして、その文章を日本人なら誰でも理解できるような流暢な日本語に微調整【翻訳家レベルの和訳】します。大まかに言うと、以上の3段階の作業を行っているわけです。
私たちは、この3段階の作業が、英文を理解するために必要な基本的な作業であるかのごとく教えられてきました。知らず知らずのうちに、そう刷り込まれてきたのです。もう一度整理しておきましょう。
英文和訳とは、大まかには3段階の作業を行っています。
しかし、いちいちこのような段階を踏んでいたのでは、日本語を読むように高速で読むことは到底不可能です。ではどうすればよいのでしょうか。
- (1)単語レベルでの和訳
- 英単語に相当する日本語を想起して意味を取る。
- (2)文章レベルでの和訳=『返り読み』
- 日本語の文法に沿って、並べ替えの作業を行う。これが『返り読み』の正体!。
- (3)翻訳家レベルでの和訳
- 日本人なら誰でも分かる日本語に微調整する。
英文をスラスラ読めるようになるためには、まずは、「流暢な日本語に訳す必要はない!」と自分に言い聞かせましょう。英語学習者のほとんどは、翻訳家や通訳を目指しているわけではないのですから、ぴったりの和訳を見つける必要などまったくありません。流暢な日本語訳を求められるのは、日本の中学や高校で英語の試験を受けたり、大学受験をする場合と、通訳や翻訳家を目指す場合だけです。
今や実用英語の能力試験とも評価される TOEIC や TOEFL の試験では、英文和訳などまったく不必要です。英文で情報が提供されたあと、英文で質問があって、選択肢が英文で提供されて、その中から正解を選ぶわけですから、和訳ができるかどうかはまったく関係ないのです。これは日本人に限らず、英語を母国語としないすべての英語学習者について共通に言える事ですが、英文を学習者の母国語に翻訳できる必要はないのです。そのような能力は、英語を実用的に運用できる能力とは別の能力なのです。 和訳できるかどうかは英語力だけのの問題ではありません。おおいに国語力が問題となってきます。
以上から、英文を理解するためには、少なくとも英文和訳の最終段階【(3)翻訳家レベルでの和訳】はまったく必要がないことが理解できましたか? これだけでも、英文を読む速度が速くなるはずです。
「理解すること」と「和訳すること」とは違います。【(3)翻訳家レベルでの和訳】が省略できるようになったら、次は、【(2)文章レベルでの和訳】=『返り読み』=「語順を入れ換えて、日本語の文法に沿った正しい日本文に和訳する」ことは止めましょう。英文の語順のままで理解していきましょう。
私たち日本人の頭は、正しい日本語の語順を守るように教育されています。語順が不自然だと、「どう不自然なのか、正しい語順はどうあるべきなのか」という修正プログラムが動き出します。正しい日本文を話したり、書いたりするときには必要ですが、英文を理解することが目的の場合には、正しい語順に訂正する必要はありません。英文の語順のまま理解すればよいのです。「語順を入れ換えて、日本語の文法に沿った正しい日本文にする」のは国語力であって、英語力ではありません。英文を理解するために国語力を動員するのは止めましょう。
Let's get used to English word order !
「さあ、慣れよう! 英語の 言葉の 順番に」
英文を読み通して、その中にどんなことが書いてあったのか思い出せれば、その文章は理解できたことにしましょう。日本人なら誰もが理解できる、日本語の文法に沿った正しい日本語にする必要はありません。
He gave me a present yesterday.
「彼ったらくれたのよ〜、私にね、プレゼント! 昨日ね。」
これで十分分かるじゃないですか。わざわざ「彼は、昨日私にプレゼントをくれました。」と、日本語に訳す必要はないのです。
英文を読むスピード(英文読解速度)は、1分間に読める単語数で表現されます。単位は wpm (words per minutes) です。 平均的ネイティブスピーカーの場合、 300wpm (USA Todayレベルの文章を読んだとき)と言われています。(下表は資料が古いですが参考にはなります。)
●ネイティブ・スピーカーのリーディング・スピード(黙読)
(Read better,Read faster;1965)wpm 評価 170-199
200-229
230-249
250-299
300-349
350-449
450-549
550-650[Very slow]
[Slow]
[Average]
[Above average]
[Medium fast]
[Fast]
[Very fast]
[Exceptionally fast]
私たち日本人の英語学習者は、ネイティブにかなうわけがありませんが、とりあえずの目標は
100wpm(母語話者小学校1年生レベル)としましょう。そして、これが達成できたら次の目標は高校生レベルで150wpm(音読速度以上)、さらには大学生レベルで200wpmを目標に頑張りましょう。
外国人向けの米国国営放送 Voice of America (VOA)のSpecial English のリーディング・スピードが100wpm、そして一般のアナウンサーのニュースのリーディング・スピードが150wpmと言われていますから、少なくともこれくらいの速度で読むことができなければ、一発勝負ともいえるリスニングは到底不可能と言えるでしょう。
速読の訓練をするには、まずは自分がどれくらいのスピードで読めるか測定してみる必要があります。ストップウォッチで時間を計測しながら、一定量の英文を80%程度理解できることを目標にできるだけ速く読みます。その英文の語数 W を計算します。読むのにかかった時間を S 秒とすると、あなたのリーディング・スピードは、
W×60÷S
で計算できます。
では、私が愛用している2つのソフトウェアを紹介しておきます。
ストップウォッチッチ Ver. 1.0(フリーソフト) 「カンタン操作」で非常に「軽い」ストップウォッチ
1.ダウンロード
2.インストール
解凍後、実行ファイルを起動してください。
3.使用方法
シングルクリックでスタート・ストップ。 ダブルクリックでクリア。
対応OS:Windows 95,98,ME,NT,2000,XP
Text Analyzer Ver. 0.4.1(フリーソフト) Homepage http://home4.highway.ne.jp/efu15/Txal.html テキストの簡単な解析を行います(英単語数等)
1.ダウンロード
2.インストール
解凍後、実行ファイルを起動してください。
- 3.使用方法
- ファイルを読み込むか、D&Dするか、コピー&ペーストするか、そのまま文章を入力してください。ウィンドウの下にある表示部分に情報が表示されます。
- 対応OS:Windows 95,98,ME,NT,2000,XP