これからの例会  二大作家の傑作短編を、朗読の名手二人が江戸情緒たっぷりにお届けします

 第453回12月例会 劇団民藝公演 「篠田三郎・樫山文枝 文学の夕べ」

作ーー藤沢周平
    山本周五郎
演出ー丹野郁弓
出演ー篠田三郎
    樫山文枝


樫山文枝

東京都生まれ、「アンネの日記」アンネ・フランク約でデビュー。NHK朝の連続テレビ小説「おはなはん」でお茶の間の人気を博す。「海霧」で紀伊國屋演劇賞個人賞。舞台を中心に映画、テレビ、ナレーションなど幅広く活躍している。最近の舞台は、「集金旅行」、「モデレート・ソプラノ」など。この9月に東京上演の「ローズのジレンマ」で篠田三郎と共演する。


篠田三郎

東京都生まれ。1965年大映映画のニューフィスに合格。主な映画出演作に「金閣寺」、「遠き落日」、「山桜」など、初舞台は76年の「恋ちりめん」。主な舞台出演作に「枯れすすき」、「細雪」、「喝采」、日本の面影」等、劇団民藝公演では、「八月の鯨」、「SOETSU」、「ある八重子物語」がある。この9月に東京で上演の「ローズのジレンマ」で樫山文枝と共演する。
夜の辛夷 (こぶし)      作ー山本周五郎


女の独り身で子供を育てるために岡場所に身を落としたお滝は、凶状もちが逃げ込めば、岡っ引きに密告して礼金を得、客には年を偽って稼ぐため、朋輩に罵られている。

ある十二月の寒い晩、お滝は岡場所になど来る気質とは違った元吉という職人風の客をとった。おかしなことに男は「寝床を二つ取ってくれ」という。この男はもう二度と来ることはないだろうとお滝は思ったのだが、元吉はまたやってきた……。


山桜            作ー藤沢周平


海坂藩の下級武士の娘・野江は、前の夫に病気で先立たれ、磯村庄左衛門と再婚した。叔母の墓参りの帰りに、磯村家よりも前に縁談の申し込みがあった剣術の名手・手塚弥一郎と偶然出会う。野江が手塚との縁談を断ったのは、剣術使いは怖い人だとの思い込みがあったからだった。

しかし、実際に話してみると、手塚は正反対の心の優しい男だった。その日から野江は手塚のことを意識するようになる。山桜が満開の頃であった……。