あらすじ明治24年5月11日朝、来日中のロシア皇太子ニコライが大津で警護の巡査津田三蔵に襲われる。世にゆう「大津 |
実はこの松方内閣は元老伊藤博文が影で糸引く傀儡政権であった、首相松方は、長州と薩摩の持ち回りであった首相の座を、薩摩出身の高官が皆死んだことで棚からぼた餅式に手にした男。内相西郷は兄隆盛の七光りが唯一のたより。青木もたまたま留学経験だけで外相に選ばれたのである。黒幕伊藤博文にはおあつらいむきの、いわば二流三流の政治家たちの内閣だったのである。だからこそ松方にとってこのピンチは千載一遇のチャンスでもあった。 |
箱根で休暇中の伊藤博文を交えずに、自分達だけでこの事件を見事乗り切れば、三流の汚名をそそぐことができるのだ。しかし、無い知恵を絞って次々と絞り出されれる「その場しのぎの対応策」は、打つ手打つ手が面白いようにはずれていき、事態はますます混乱の深みにはまっていく。冷徹なまでに日本の政治に命をかける伊藤博文と、気のいいばかりでどうしても一流になれきれない三流政治家松下正義とその仲間たちの生き方の違い。男たちのチャレンジ・ストーリーの顛末は? |