※ただいま工事中、随時更新していく予定です。

BabeLの世界 

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ソレイユ

ハザード

東方三国同盟 

 

―――― 魔術圏ソレイユ

瘴気から空気中に溶け出す特殊なエネルギー”魔力”の存在をいち早く発見し、その利用方法を確立させ、自国の文化へと発展させた国である。
元となったのはフランスやイギリスなどの北欧であり、”魔力”の使用方法も自国の歴史を参考にしたため、イメージはファンタジーなどによく出てくる魔法の国のそれに近い。
移動手段が空飛ぶ箒であったり、番犬代わりにゴーレムを飼っていたりする世界だ。
人々は日常的に魔術を使用して生活している。
そのせいか家電製品などの発達は20世紀レベルで止まっており、オカルティックな思想が強い。

魔術とは個人の使用する技術である。
例えるなら音楽の演奏に似ている。
上手く使用するために必要なのは知識と努力、そして何よりも天性の才能が必要となる。
そのため名のある魔術士は名門となり、やがては氏族単位で”貴族”と呼ばれる独自の魔術技能体系を持つようになる。
才能は遺伝するのだ。
一般人と”貴族”との魔術レベルの差は歴然で一時は力による主従関係まで発生しそうになったほどである。
一般人の反乱や数々の内乱を経て、貴族が秘伝としていた魔術の一部を一般公開し、現在では一応の差別はなくなった。
しかし一部の貴族が議会を立て、そこで政権を動かすという政治体制は未だに残ったままである。
差別問題は完全に消えたわけではない。

現代は国立魔術学院が設置されており、どんな身分の人間でも魔術を広く深く学ぶことができる。
義務教育過程もあり国民全てが入学可能だが、逆にいえば国民以外は入学不可能である。
国民以外、もしくは国籍のない者が魔術を学びたい場合、魔術士が開いている私塾に行く必要がある。
この私塾は国籍を問わないことのほか、教師の家系の魔術、つまり学院では教わることの出来ない専門魔術を学ぶことも出来る。
そのため、そういった塾は途轍もなく授業料が高い。金も才能も無い人間は何も出来ない。
そこでもまた『差』がでてくるわけだ。したがってこの国の国民は格差意識が強い。

ソレイユ文化としては、魔術具アーティファクトと呼ばれる生活に便利な魔術の詰め込まれたアイテムを製造し、使用することが他国と比べて生活面で最も違う部分である。
勝手にゴミを出してくれるゴミ箱や勝手に動く雑巾などは魔術を学んだ者であれば一般人にでも作成可能で、魔術生物ゴーレムもまた魔術具アーティファクトの一種である。
他にも様々な魔術具アーティファクトが生活の軸になっており、空飛ぶ箒などはすでに移動手段の主軸である。

しかし地面に道路がないわけではなく、もちろん車や飛行機も存在する。
電柱などは排除された景観豊かな都市は先進的でもあり、どこか古臭い。
ビル街では魔術具を世界的に販売する企業が経済を生み出し、また学術区では魔術を極めるべく日夜優秀な学徒たちが叡智を深めている。
また、近代技術と魔法技術を総合した軍隊はあらゆる戦術・戦略が可能といわれている。
魔術園ソレイユ。
それは魔術と現代科学の融合した魔科学都市である。

現在では魔術薬ポーションの開発が盛んであり、面白い薬が開発されたというが……

≫『戦力考察』

ソレイユ画像

地名

No.1
 首都ソレイユ
 
 魔法と科学が同時に発展した典型例たる大都市。『智徳による栄光有る発展』を謳っており、学校施設が多く芸術の振興も盛んである。
しかし科学の発展はこの首都以外では、それほどでもない。
ここでは毎日新たな魔術が生み出されていると言われ、それらは国立魔術学院を通して国中に公開されている。
有名貴族の邸宅なども多くあり、それらの運営する研究所も多い。
しかし貴族の研究所は魔術を公開することがないため、そこで何をやっているのかは分からない、当然一般には受けが悪い。
また、『月光』と『ロードオブアビス』の本拠地もここに在り、この地で賞金首が歩こうものならすぐに彼らのカモとなるだろう。
年に一度、その年最も優秀な魔術を作った者を表象する式典があり、多くの学生はそこを目指している。
ソレイユは各国に比べ比較的過去の遺跡が多く残っている地域であり、その遺跡から九十九の鍵を発見することが多い。
集めた鍵は国軍が地下基地内で信じられないぐらい厳重に管理している。
安易に忍び込もうとすれば先ず命は、……いや、魂すら消されるかもしれない。九十九の鍵の奪い合いは水面下で熾烈を極めているのだ。
No.2
 ルア

 ソレイユの辺境にはよく見られる類の小さな村落。昔は町だったが過疎化が進み、今はすっかり村レベルにまで。
朽ちた建築物なども多く、ゴーストタウンのようになっている所も多い。『魔法使い(ギスル)』の一人、カレル・チャペック(※)の故郷でもあり、村の郊外には彼の屋敷がある。
ルアの周辺地区は、ソレイユでも瘴気の濃い地域であり、生息する異貌も強いものが多い。それがこの村の過疎化の原因でもあるのだが、腕試しにとやってくるハンターはゼロではなく、また訳ありの人間がこの地域に逃げてくることも多い。
また、ソレイユの政府の目も届きづらいこの地では、ラクナスとの密貿易や違法な実験を行う研究施設などがいくつも存在する。
そういった人間達がこの村を拠点や休憩地点、補給地点など、様々に利用するためにこの村は小規模ながらも成り立っている。村の周囲の廃墟には、お天道様に顔向けできないような連中が大勢居を構えているとか。
その上異貌の危険もあるため、村の治安はあまりよろしくない。が、大きな問題になる前にカレルとその『子供達』の手で解決される。カレルはこの村とその周辺地域の事実上の統治者であり、何でも屋なのである。
   ※人名館『ソレイユ』の項を参照
No.3
 レティア 
 
 国立魔術学院、学院長ロゼの出身都市。
そのため、この都市では学院の影響力が非常に強く、時には市長の意向よりも学院の意見が優先されることも多々ある。
しかし、この街はただ学院の強権によって支配されているだけの街ではない。この街は学院長ロゼの理想、『自由な魔術、学問としての魔学』を実践するためのモデル都市なのである。
学院よりも入学の条件を緩められた魔術の専門学校や、魔学に関する書物を集めた魔法図書館など、多くの人々がより自由に魔術を学べる環境が今も整備されつつある。
また、国外にも望むならば分け隔てなく魔法の技術を伝えようと、この街は他国からの留学生も多数招いている。地理的要因とラクナスの科学至上主義の強さから、留学生はハザード出身者が多い。
この行為は学院、というよりロゼの独断行動に近く、政界との関係を悪化させた大きな要因の一つでもある。
No.4
 リーゼスガーテン

 ソレイユの辺境に位置するわりには比較的規模が大きく、未だに貴族が強権を握っている旧い都市。別名、「魔術師の箱庭」(ただし、大っぴらに口にする者は居ない)。
町で実権を握っているのはリーゼスヴァロン家。一族の嗜好で、町並みは高層建築の少ない旧時代的なものとなっている。また、この町の魔術学院はリーゼスヴァロン家の人間が講師を勤める半都市立校で、首都圏の国立魔術学院などと比べると、学べることがやや制限されている感がある。学費も実は少し高い。
その他、様々な面でリーゼスヴァロン家が幅を利かせており、ほとんど彼らによって支配されているに等しい。リーゼスヴァロン家に対して犯罪行為を行った者は彼らによって公開処刑されることすらある。
しかし町周辺には異貌が多数出没し、これらの迎撃・都市防衛はリーゼスヴァロン家が先頭に立って行っているため、市民のほとんどは身の安全と引き換えに多少の圧政には耐えようという考えで日々の暮らしを送っている。
No.5 
 ラべスタ 


 一説にはこの地の特産であるラベンダーの美しい香りから、この名がついたとされる。
山脈に挟まれる形の町となっており、訪れる者は極めて少ない農業国である。
この地の土地の大部分を所有し、事実上治めているのがベスティエ家である。
一族伝承の魔術が「美味しいハーブティを作る魔術」であり、温厚な風土が伝わってくる。
この付近には芸術の街と呼ばれるジールや、地中に存在する採掘都市ギブロと言う国がある。
観光客や別荘はジールに流れて行くのだが、この地の暮らしは決して悪くない。
ただ青い空と、のどかな山々、そこで汗を流して働く人々。
現代の人間が忘れて久しい何かをこの地の人々は脈々と守り続けているのだ。
それらを含め、この北部を纏めているのがジェラルディーン家である。

No.6
 アンジェ=クローク 


 リーゼスガーテンと同等の古い歴史を持つ、辺境の小都市。
町並みや政治体制も同都市のそれを、そのまま規模だけ小さくしたような街である。

だが近年、新しい領主が着任したのをきっかけに大きな改革が始まっている。
新領主エリファス(※)は若いながらも賢人議会に参加する賢者の一人であり、数々の輝かしい逸話を持つ、卓越した魔術師でもある。
彼はそれまでにあった数々の貴族の特権を廃止し、市民の地位向上のための政策を矢継ぎ早に打ち出している。
さらに街路の整備を初めとした街そのものの改革にも着手し、彼が領主になってからほんの数年で、街の様子は外見、内実ともに一変したと言っていいだろう。

…ただし、それは良くも悪くも、である。寧ろ負の側面が強かったとも言える。
確かに、市民の生活水準はおおむね向上した。だがあまりに急ぎ足だった改革は、多くの人々の反発を生んだ。
特権を失った貴族のみならず、街路整備のために住居を移動させられた市民の一部にも抗議するものはいる。

さらには領主の改革をきっかけに、それまで市民が貴族に対して溜め込んでいた不満が一気に溢れ始めている。
市民の中には「貴族制度の完全廃止」「市民全ての参政権の要求」などを主張する活動家達が続出している。
その中には貴族を「血筋ばかり誇る無能な者」として過剰に蔑む逆差別主義者や「貴族ではなく、真に力のある者が選ばれた地位に就くべきである」と力による格差社会を訴える者すら存在する。
抗議活動とそれを鎮圧する警察の諍いは、時に暴動にすら発展し、その混乱がよからぬ者達を引き寄せ、街の治安悪化を更に加速させる悪循環ができつつある。
領主エリファスはこの現状を理解していながらも改革の手を緩めることなく、逆により一層の苛烈さをもって街に変化をもたらし続けている。

「病んだ天使(アンジェ)は劇薬を盛られた。病が癒えるのが早いか、力尽きて死するのが早いか」
この街の現状を憂う者達は、口々に(声を潜めて)こう言うという。
   ※人名館『ソレイユ』の項を参照

No.7 
 ミラ 


 ソレイユでは6番目の人口を誇り、辺境ながら大きな存在感を持つ都である。
領主である公爵ダグラス(※)は『覇道の賢者』と呼ばれ、賢人会議への議席を持っている。
この都市は”雲上の魔都”と呼ばれている。
その由来は2つある。
ひとつは、雲を足元にする内周ケイム山脈の中腹に存在すること。
元々高所に暮らす部族であったミラの人々は、人類が戦争を繰り返すたびに防衛目的でより高所に暮らすようになっていった。
そしてやがて、外周と内周の二対の脈が重なる巨大山脈、ケイムの内側にまで至ることになったのである。
外周の険しい山脈と、内周との間を流れる瘴気の川に囲まれたそこは天然の要塞、……いや、天然の魔界と言えよう。
ふたつ目は、薬草が豊富なこと。
高濃度の瘴気によって変異した高山植物は薬の類の材料となるのである。
それも妙薬・霊薬と呼ばれる特殊な薬のだ。
例えば「服従薬」はかなり話題になった。他人から意思を奪い、機械のように使役するこの霊薬は違法になった今も秘密裏に超高額の取引がされているという。
ミラでは麻薬スレスレの薬品や、一億tiaを超える秘薬などが生産されているのである。

これが”雲上の魔都”と呼ばれる所以である。
切り立った崖をくり貫いて作られた民家もまたミラの特徴で、人々は箒を使いながら優雅に舞い暮らしているという。。
かつてこの地には悪神が封印されていたという伝説もあるが、今の人々はお祈りよりも薬作りに大忙しといったところだ。
因みに大型の空港を持っており、料金も安いためハブ空港都市という側面もある。
   ※人名館『ソレイユ』の項を参照

 ケイム山脈


 ミラを中心にして扇状に内周と外周を2列で囲む巨大な山脈である。
新期造山帯であるためその形状は非常に険しく、その標高は4000m(内周は3000m)にものぼる。ミラは内周ケイムの内側、標高2000m程に存在する。
新期造山帯とは活火山を始めとする造山活動の激しい山脈のことで(日本やアルプス山脈がこれに当たる)、地下資源や温泉などが豊富である。
もっとも、それらの恩恵に預かるためには谷間に流れる「瘴気の川」をなんとかしなくてはならないのだが。
この付近の動植物は非常に危険で、もし何かの間違いで入るようなことがあったなら、草の根一本までもが自分の命を狙っていると考えるべきである。
林檎を食べようとして逆に林檎に食われたなど、ここではよくある話だからだ。
ミラの人々はあえてこの川を放置することで国防力としているのである。
因みにその水は最高級のLLが抽出できるため、これも高値がつく。
瘴気の川の源流には深い”亀裂”が存在し、かつては邪神と呼ばれるほどの異貌も存在したようだが。現在はそういったボスのようなものは確認されていない。今は、まだ。

 雲の王国


 かつてソレイユは「空中移動要塞」を作るという計画を打ち出し、雲上に大地を作る魔術を開発した。
それは圧倒的質量で制空権を確保し、空中から大地を制圧するという物騒かつ理想的な計画であった。
その計画によって実際に雲の上に大地を作ったまでは良かったのだが。
あまりにもそれは、ノロマすぎた。
空中から相手の都市を制圧しうるだけ巨大にすると相手の攻撃をまるで避けられず、小さくては戦力にならない。
どうやっても理想的な速度が出せないと分かった政府は失望し、多大な赤字だけ抱えてその大地を放置した。それが雲の王国と呼ばれるものである。
しかし幸いかな、空中に住みたいと思う人間は多かった。
現在ではその王国自体を民間企業が買い取り、その日当たりの良さを活かした発電と農業が盛んな住みよい町に生まれ変わっている。
噂を聞きつけたハザードの翼人たちが亡命の果てに永住権を獲得したという歴史もある。
だが人類は空に住み始めて初めて知ることになる、空にも”亀裂”は存在するのだと。

 夢の王国
 ソレイユの歴史上にその名を残す大魔術士に、オズワルドという人物がいる。ソレイユでは『魔法使いオズ』として絵本にも登場する有名な人物である。
彼が何故有名なのかというと、人々に夢を残したからだ。
戦争の直後、その傷跡に苦しむ人々に対して彼は数々の魔術遺産を残し、ほんの少しずつだが人々を幸せにしていった。
その遺産のひとつが夢の王国である。
とんでもなく最低な夢を見た翌日に、運が良ければその王国は現れる。
寝入る寸前に老人の微笑む声が小さく聞こえたならば夢の王国が現れた証である。
その王国の姿は人によって違う。
ある人はその国で世紀の大魔術を発見し、ある人はその国で死んだ祖父と話したという。
共通しているのは、昨晩の悪夢が嘘のように清々しく目覚められること。
ソレイユ国内にいれば一生に一度くらいの確立で見れるものだと言われているが、満たされている人間が見ることはない。
絵本では悪夢に苦しんでいる子供の枕にオズが微笑みながら魔法をかけている。
最近になって分かったことだが、これはオズワルドが真理共有界バテン・カイトスと呼ばれる精神世界に施した”魔法”であるらしい。
真理共有界 バテン・カイトス とはいわゆる「心の中の世界」といわれているが、ソレイユでもまだ詳しく分かっていないレベルの話である。

その他

 国立魔術学院
 (組織)

 4年制の最高位魔術学校であり、同時にソレイユ国内全ての魔術を総括する機関である。別名『ソレイユの天才製造工場』。
ソレイユで発表された魔術は全てこの機関に記録され、ここから国内へと公開される。
魔術に関しての規制はここで判断し、発行される。
そのためソレイユでは大統領とここの学院長ロゼは同等の地位を持つものとして扱われている。
禁断の秘術・宝具等も大量に保管されているため、常に相当量の兵力を駐在させており、魔術関連の警察機関としても機能している。魔術の悪用を見張り、通報があれば『懲罰隊』と呼ばれる魔術士部隊が事件を解決しに行く。
因みに九十九の鍵はここではなくソレイユの国軍が管理している。

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