診療内容

診療内容

ホーム > 診療内容(初診受付・一般歯科) > 高齢者歯科
高齢者歯科
【高齢者特有の疾患】
イメージ画像
  • 舌痛症
  • 口腔乾燥症
  • 入れ歯での悩み
  • 飲み込みにくい、むせる、食べるのがつらい、時間がかかる等 に対して対応致します。
    診療は訪問・送迎両方可能です。


【舌痛症・ドライマウス】

-舌痛症の主な症状-
  • 舌の先や縁に「ヒリヒリ」「ピリピリ」した痛みや灼熱感、あるいは、しびれるような感覚が長期間(数週間から半年以上)続く。「やけどをしたような痛み」「歯がこすれるような痛み」「舌のしびれ」などの感覚がある。
  • 舌、歯、口腔を検査しても舌の痛みやしびれの原因となるような腫れや炎症などは見つからない。血液検査でも特に異常値は認められない。 三叉神経痛や舌咽神経痛の電撃痛とは異なる痛みである。
  • 食事中や何かに熱中している間は舌の痛みやしびれを感じないことが多い。むしろ一息つくなど一人でじっとしている時に痛みが強くなることが多い。ガムや飴玉などを口に入れておくと少し痛みがまぎれることがある。
-舌痛症のその他の特徴-
  • 40〜60歳前後の中高年の女性に多い。
  • 真面目で几帳面な性格の人が多い。
  • 舌癌では?と心配になることが多い。
  • 銀歯や入れ歯の等の歯科治療の後に発症することもしばしばある。
  • 舌の痛みやしびれは我慢できないほどではないが、一日中気になり、舌に神経が集中している感じである。
    口の中が痛いので、イライラしたり、他のことをやる気がそがれたりする場合もある。
  • 午前中よりも、夕方から夜にかけて舌の痛みやしびれが増悪する。
  • 食事や会話には支障が無いことが多いが、食べ終わった後や長電話の後に舌の痛みやしびれが悪化することが多い。
  • 痛む部位が移動することがある。唇や口蓋(上アゴ)までピリピリ痛むこともある。
  • 口内炎の軟膏をつけたり、痛み止めやビタミン剤を飲んでも一向によくならない。
  • 歯科で何度も歯の先などを研磨しても舌にこすれる感じがとれない。
  • 口の中が乾いたり、「ザラザラした感じ」や味覚の変化(おいしくない、本来の味がしない)をしばしば伴う。
  • 不眠、肩こりや頭痛など自律神経症状を伴うことが多い。
  • CTやMRIでは特に脳の病変は認められない。
  • なお、うつ病など精神疾患を合併しておられる方は非常にまれです。
-舌痛症の原因(メカニズム)-

舌痛症の原因は未だ十分に解明されていません。見た目でパッと分かる異常がないので、痛みの原因は往々にして精神的な問題だと思われてしまう傾向があります。確かに以前は「心因性」の痛みではないかと考えられていましたが、近年では「神経痛」に近い病気で、痛みを伝達し知覚する神経回路に障害が生じているためだと考えられるようになってきました。
現在舌痛症は精神的な病気ではないと考えられています。

では、舌に潰瘍など器質的な原因が無いのに、なぜ舌の痛みを感じるのでしょう?この病気では口腔の痛みの感覚神経が「回線の混線」を起こしていると考えられるのです。すなわち痛まなくてもいい時に、痛みの神経回路が勝手にパチパチと電気信号を発している状態が起こっていると考えています。睡眠不足、体調不良や疲労などによって、この電気信号の活動が影響を受けるため、症状に波があると考えると説明がつきます。

-舌痛症の治療方法-

消炎鎮痛剤(痛み止め)や口内炎の軟膏などは効果ありません。
では、どのような治療方法が有効なのでしょうか? 現在、最も有効な治療法は抗うつ薬を中心とした薬物療法です。
心の病やうつ病と診断して抗うつ薬を処方するのではなく、舌の慢性疼痛を治すために鎮痛効果を期待して、抗うつ薬が必要なのです。 抗うつ薬を服用すると、理想的に治療が進展していけば3〜4週間後には痛みは7割方改善していきます。

  効果が十分に得られたらそのまま数か月は薬を続けて再発・再燃を防ぎます。症状に波は多少残りますが、徐々に落ち着きますので心配は要りません。 しかしながら、鎮痛効果には、個人差があります。その患者さんごとに脳内で起こっている「回路の混線状態」が微妙に異なるようで、残念ながら「この薬で全員が治る」というところまでは治療法が確立されていません。

-ドライマウスとは-

現在ドライマウス人口は800万人と推定されています。口腔乾燥症ともいわれ口の中や喉の渇きを主訴とする症状が現れます。眼に現れる乾燥症の「ドライアイ」同様徐々に注目され始めています。ドライマウスの人口が増加している背景には現代人に多い主にストレスや不規則な食生活や薬物の副作用が原因であることがわかっています。

軽度では主に口の中のネバネバ感、虫歯、歯垢や舌苔の増加、それに伴った口臭も現れます。重度になり唾液分泌量が低下し、口腔内の乾きが進行すると、強い口臭、舌表面がひび割れ、割れた舌の痛みいわゆる「舌痛症」で食事がとれない摂食障害、会話時におしゃべりしづらいなどの発音障害も現れます。場合によっては不眠をおこすことにもなります。

さらに自己免疫の異常(自己免疫疾患)によるものをシェーグレン症候群といい全身に様々な障害を引き起こすことがあり注意が必要です。

-原因と治療方法-

  •   1)原因
    • 食生活
      現代の食生活では唾液を十分に出さなくても飲み込めるようなファーストフードや食事が主流になっています。このため唾液の分泌が従来よりも少なくなり、口の中の潤いが足りず、口が渇く、舌がひび割れて痛い、などの症状があります。
    • 精神的ストレス、緊張
      ストレスがかかったり緊張をすると交感神経が刺激され、唾液の分泌が抑制されます。あまり緊張しないよう楽しくゆとりある生活を心がけてみてください。気分転換をしましょう。
    • 薬物
      抗鬱剤(抗うつ剤)、鎮痛剤、抗パーキンソン剤、降圧剤などの多くの薬物の副作用として唾液分泌の低下があり、薬の量を減らすなど担当医と相談して下さい。
    • 年齢によるもの
      年齢とともに口や顎の筋力の低下や萎縮がおこり唾液の分泌量が低下します。
      70歳以上で男性16%、女性25%の量的低下。
      80歳では老人性萎縮により25%の低下。
    • 口で呼吸する(口呼吸)
      鼻炎などの鼻疾患や癖などで口で呼吸をすれば唾液は蒸発してしまい、口が渇く原因となります。鼻疾患の治療や癖を治しましょう。
    • その他病気など
      浮腫、脱水症、糖尿病、シェーグレン症候群、放射線によるもの、骨髄移植
  • 2)治療法

    スポーツ飲料や水を携帯して、こまめに飲みます。クラッカー・クッキーやトーストといった乾燥状食物や炭酸、柑橘類、カフェインの入った飲料の摂取もさけます。

    キシリトールのキャンディーやガム、レモン、梅干しなどを噛んで唾液を出すようにします。室内の空気が乾燥している冬季には、湿潤器や噴霧器を使います。
    一日に2〜3回および就寝前に少量の植物油を塗るのもよいでしょう。

    この他、口腔湿潤剤として「オーラルバランス」、「オーラルウエット」があります。口内を洗浄・殺菌して口臭を除去する目的で「マウスウォッシュ」という名称で多数の製品が市販されております。これらを口内に塗布すると、口腔内の乾燥を防ぎドライマウスの症状が軽くなります。
    人工唾液「サリベート」(製造元・販売 帝人株式会社)を一日3〜4回を使用することがあります。

  • 3)食生活

    現代の食生活はファーストフードや噛まなくても飲み込める食事が多くなっています。噛まないことで筋肉が衰え唾液の量も減少します。普段の食生活をファーストフードからよく噛み咀嚼するスローフードへと見直しましょう。

PAGETOP