メキシコシティ歴史地区
1日目は夜7時過ぎにホテルに到着したところで解散となって、比較的のんびりと長旅の疲れを癒すことができた。翌2日目は9時前に出発。
バスで「歴史地区」と呼ばれるエリアへ。右上写真はその途中で車窓から見たベニート・ファレス記念碑。
ベニート・ファレスはインディヘナ出身のメキシコ大統領で、「メキシコで最も尊敬されている大統領」だそうです(19世紀後半の人物)。
左上写真も車窓から撮ったもので、ベジャス・アルテス宮殿という建物。 「宮殿」という名称だけれど、ガイドブックによればクラシックコンサートやオペラの劇場として使用されているらしい。
その他には、外壁が青色の模様のタイルで覆われている「タイルの家」という建物などもあった。
そうこうするうちに、中央に巨大な国旗が翻るソカロ広場(右中写真)に到着してバスから下車。 この国旗、普段はあまり風がなくてもっとダラっとしているそうですが(現地ガイドさん談)、うまく翻った瞬間の写真を撮るのは難しい~。
広場ではブックフェアか何かが開催されるようで、たくさんの移動式書架が搬入されているところでした。
周辺の建物の壁には、9月16日の独立記念日の飾り付けが(もう半月以上経っているのに (^^;)残っていたり。この後、ソカロ広場に面して建っている国立宮殿を見学したのですが、それは次にまとめるとして、それ以外の下車観光ポイントを先にご紹介。
まずはテンプロ・マヨール(左中写真)。メキシコシティの街中にいきなりばばーんと出現する中央神殿の遺跡です。
メキシコシティはもともと湖上に浮かんだアステカ帝国の首都だったのが、16世紀にスペインに征服されたときに破壊され、湖ごと埋め立てられてしまったので、今もこの辺りの地下にはたくさんの遺跡が埋まっているそう (カテドラル前の地面が一部ガラス張りになっていて、地下の遺跡が見えるようになっていた)。
テンプロ・マヨール内の通路を歩き回って近くから見たり、敷地内の博物館(以前日本で開催されたアステカ文明展にここの所蔵品が出ていた)を見学したりもしたかったのだが、残念ながらツアーでは道路から全体を眺めるのみで終了。 遠目からだとあまり詳しいところはわからず…。右下写真は、やはりソカロ広場に面して建っているメトロポリタン・カテドラル。 ラテンアメリカ最大級の教会ということで、正面から見るとそれほどでもないが、中に入るとかなりの奥行き。
でもちょうどミサか何かの最中で、あまり前の方まで見に行くことはできなかった。あちこち修復中だったし。右手の方にあるパイプオルガンは17世紀のものだとか。最後に、左下写真はオマケの独立記念塔。歴史地区ではなくレフォルマ通り沿いにあるのを、夕方ホテルに戻る前に車窓から撮影。 レフォルマ通りには、サークル状になっている交差点ごとに、他にもいろいろな記念像が建てられている(コロンブスの像とか)。
これは独立100周年を記念して作られた(1910年)塔で、内部は独立運動の英雄たちの霊廟になっているらしい。 てっぺんに金色の天使像があるところがちょっとベルリンの戦勝記念塔っぽい?
国立宮殿
国立宮殿(右写真)には大統領執務室があるため、入場時と退場時にセキュリティチェックあり。 周囲には銃を持った兵士もいるが、我々のような「いかにも観光客」な人々に対する警戒はユルい。
独立記念日にはこのバルコニーに大統領が立って、「ドローレスの叫び(独立宣言)」の再現をするそうです。建物の中の正面階段には一面に(左右の壁も使っているから正しくは三面?)ディエゴ・リベラ作の巨大壁画「メキシコの歴史」が描かれていて大迫力(下写真)。
この画像は複数の写真を合成して、さらに見やすいように明るさなどを調整したものなので、実物を見るとまたちょっと感じが違うかもしれないが、とにかく細かい! メキシコ独立に至るまでの歴史的事件がこれでもかこれでもかと描き込まれています。
中央下部に描かれているのは「蛇をくわえてサボテンにとまったワシ」。 これは、そういうワシを見つけたところが約束の地であるという神のお告げに従って都を築いたというアステカの神話に基づいていて、国旗にも描かれている図柄。2階の回廊には他にもいろいろとアステカ時代の風景や文化を描いた壁画が飾られていて興味深い。 神殿として機能していた当時のテンプロ・マヨールが湖上にそびえていたり、市場で人間の生腕(!)が売買されていたり(カミサマへの捧げ物用)、征服者であるコルテスが青黒い顔色のブタ面に描かれていたり(笑)。
グアダルーペ寺院
テオティワカン遺跡へ向かう途中、メキシコシティからクルマで30分くらいの郊外にある寺院。「グアダルーペ聖母の奇蹟」で、メキシコでは非常に有名。 どういう話かというと… 1531年12月9日、先住民ディエゴの前に褐色の肌の聖母が出現し、「司祭の元に行き、この地に教会堂を建てなさい」と言ったが、司祭はディエゴの話を信じない。 するとディエゴの前に再び聖母が現れて、奇蹟の証拠として(12月には咲かない)バラの花を渡した。 ディエゴがそのバラをマントに包んで再度司祭の元に行き、マントを広げてみると、なんとそのマントに聖母の絵が浮かび上がった!
というわけで、この地に建立されたのがグアダルーペ寺院なのでした。「褐色の肌」の聖母が「先住民」の前に姿を現した、というのが肝らしい。
右写真はこの奇蹟エピソードを再現した像。ちゃんと周囲にはバラが。左上写真右側の旧聖堂が地盤沈下で傾いてきたため、新たに建設されたのが左側の水色屋根の新聖堂。なんかやたらと現代的な建築だ。収容人数2万人とか。
そして新聖堂の中央祭壇には奇蹟のマント(ホンモノ)が祀られていて、地下の動く歩道から鉄格子越しに見上げる形で見物できます。それが左下写真だ!……。「どう見ても描いてるだろー!」とか思っても言っちゃダメ、「奇蹟」なんだから (^^;。
日本人がちょこっと見学してみたところで、ぶっちゃけ有り難みは伝わってきませんが、メキシコシティ以外の土地でもこの聖母のグッズが売られていたり、とにかくメキシコ国内では熱烈に支持されているようです。
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