乗 り 物 編 |
今回利用した航空会社はエア・インディア。スチュワーデスさんは赤系のサリーを身にまとっており、機内から早くもインド
気分を高めてくれる。(男性乗務員や日本人スチュワーデスは普通の服装だった。)
離陸前に救命胴衣の着用方法ビデオ上映&乗務員による着用デモが行われるが、なぜかこのデモをするのがスチュワーデスではなく
全員男性。浅黒い肌にヒゲをたくわえたインド人男性がニコリともせずに救命胴衣を着ける様はかなりコワイ。(ビデオ内では
女性が着用している。)
機内食を配られる際に「CHICKEN or FISH」という選択肢だったのでチキンにしたら「チキンカレー」
だった。のっけからインドモード発動、という感じであなどれない。チキンカレーだけでなく野菜カレーも一緒に入っており、
そちらの方が辛いし何かキツイ香りのする食材が使われていた。ちなみにフィッシュは普通の照り焼きだった。
機内食の前に配られる豆系のスナックが美味しかった。機内ではアルコール類もちゃんとあります。
インドツアーにたいてい組み込まれている列車移動。(お高いツアーでは国内線に乗るようですが…) 我々も2度経験
しました。
まず最初は2日目の晩にデリー駅から乗ったベナレス行きの夜行列車。ホームは非常に長く(列車が20両編成くらいある)、
薄暗く、行き交う人で混雑している。我々が乗る車両は3段寝台車。各車両の乗降口に誰が何番の席であるかが英語と
ヒンディー語で書かれた紙が張り出されているので、それで自分の席番号を確認してから乗り込む。
3段寝台車の内部は、通路をはさんで片側が向かい合わせの3段寝台×2の6人用コンパートメント(といってもドアや
カーテンはない)。もう片側が2段寝台になっている。3段寝台の中段は最初は壁に収納されており、寝るときに引き出す
仕組み。車内ではしょっちゅうお菓子売りやチャイ売りが来るのだが、それに混じって枕・シーツ・毛布を配る人もやって
くるので、この人から寝具一式をゲットします。(一等車だったので無料。)
さて11時頃になってそろそろ寝よう…と中段に横たわろうとした女王様1号は愕然。中段、むちゃくちゃ天井が低い…。
小柄な女王様1号でも座ると完全に頭がつかえてしまう。上段・下段も狭いことは狭いが中段の比ではない。通路側から登って中段で
寝る体勢に持って行くには匍匐前進するしかありません。 (^^; これに比べれば2段寝台の方はもう天国。もし個人旅行で
寝台車を予約するなら、一に2段寝台、二に3段寝台の下段、三に3段寝台の上段です。ちなみに寝台の幅の方も寝返りが
うてないレベル。
消灯時間になると本当に真っ暗なので、懐中電灯があると便利。エアコンで寒いかも…と言われていたのですが、暑かった。
(席の場所によってかなり違いがあったようだ。) 一言で言えば「暗いよ狭いよ暑いよ~!」という感じでした。翌朝
7時頃になると電気がつきます。
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↑ムガールサライ駅の女王様1号。 | ↑3段寝台上段から2段寝台側を撮影。 |
ベナレスからアグラへの移動で乗ったのは2段寝台車。3段寝台車では6人用コンパートメントだった側が2段寝台×2の 4人用コンパートメントになっており、通路に面する側にはカーテンあり。要するに、3段寝台車よりも高級なのです。
寝台車なので昼間から寝るもよし。(やはり寝具を配る人が来る) お弁当の注文を取りに来る人もいて、我々のガイドさんは それを注文して食べていた。我々の冷めたボックスランチより美味しそう…。
夜行列車では見る機会のなかった車窓風景ですが、昼間見てもほとんど一面田圃・畑・草地で、駅周辺にならないと人家にお目に かからない。第一、窓が二重ガラスになっていて、その外側の方のガラスはヒビっぽい模様が入っている上に汚れているので、あまり よく外が見えなかった。 (^^;
車内アナウンスは皆無(だったと思う。ヒアリングできなくて印象に残ってないだけかもしれないが…)。我々の列車はたぶん急行 だったのでそれほど停車はしなかったが、たま~に途中駅に止まった。女王様1号は外に出なかったが、お調子者のしもべたちはいつ 発車するかとおっかなびっくりながら途中駅に降り立ってみたりしていた。もっとも発車してしばらくはゆっくり走っているので、 ホームから飛び乗ることも不可能ではないかも。(しもべたちの結論:「それが通だ!」???) やめた方がいいと思うけど ねぇ。
デリーの街中で度々見かけた「交通ルールを守りましょう」という看板。だがデリーはさすがにインドの首都、交通ルールは守られて いるほうです。ベナレスに着いて駅からホテルまで向かう間にまず思ったこと…「ここには『何車線』という概念はない」。 本当は片側1車線ずつなのだと思われるのですが、対向車が来ない間は一方通行2車線状態に。更に路肩が広い箇所では 3車線状態に。前のクルマを追い抜くときにはクラクションを鳴らしまくる。(そうやって気づかせないと危険らしい。)
原則として速度の速いクルマに優先権がある模様。座っているだけの我々は冷や冷やモノだったが、かなり無茶な運転をみんなが している割にはそれほどぶつかったりはしていなかった。合流地点などでも(デリーはイギリス支配下にあった影響でラウンドアバウト が多い)双方向から来るクルマが共にスピードをゆるめずに突っ込んでくるのだが、最後の最後にはたいていなんとかなって いる。それでも高速道路(日本の高速道路とは別物、ラクダ車もいるし (^^;)ではしばしば横転しているトラックを 目撃。
インドのクルマといえば、国産車「アンバサダー」が有名ですが、最近では日本車・韓国車の値下げ競争が激化しているとか。 ツアーは基本的にはマイクロバスで移動しますが、ベナレスだけはアンバサダー2台に分乗しました。2台ともフロントガラスのところ にヒンズー教の神様をかたどった飾りものを置いていたのですが、暗くなると電飾が点滅する仕様になっており、面白かった。インドで 流行っているのかも。
流行っているといえば、トラックはサイドに「目」や白い聖牛の親子の絵を描くのが定番。インドのデコトラ。 (^^) でもみんな大体同じ図柄なのでオリジナリティはない。デコトラはまあ普通と言えば普通なのだが、笑ったのがデリーの市内を走るバス。ペイントはないけれど、カラーモールで フロントガラス上部を飾るのが流行らしいのだ!デコバス…?日本で公共のバスがカラーモールつけて走っていたら相当 ヘンだと思うのだが。ちなみにバスは運転席横のドアも乗客用のドアも開けっ放しで走っていることが多かった。開け閉めが 面倒なのか、壊れているのかはナゾ。ドア開けっ放しでも中は結構満員なので見ている方がコワイ。海外で公共乗り物に乗るのが好きな 女王様1号だが、あのバスはできればパスしたい。そういえばベナレスで見かけたローカル列車もドア開けっ放しで走っていた。 (我々が乗ったような急行はちゃんと閉めていた…けど走行中でも手動で開閉可能 (^^;)
その反面、バスの窓ガラスの外側には鉄格子がついていたが、あれは中の乗客ではなく窓ガラス自体を守るためではないか…という 気がする。
インドらしい乗り物としてはオート力車(バイクで人力車を引っ張る)やサイクル力車(自転車で人力車を引っ張る) がありますが、これらには乗りませんでした。見るからにボラれそう。例え交渉してみても、相場を知らない限りはボラれることでしょう。 ガイドさんが一緒にいる時に値段交渉してもらうのが安全確実かも。乗り物…とはちょっと違いますが、インドで意外に思ったのはエジプトよりも街中にラクダが多いこと。エジプトで見た ラクダはほとんど観光用で業務用(荷運び用)にはロバが使われていましたが、インドではラクダが業務用で荷車を引っ張っており、 象が観光用動物でした。(タージ・マハル近くでは、観光用のラクダ車も見かけたが)
観光用の象の最たるものがアンベール城の象のタクシー。詳しい話は観光編に 譲りますが、アンベール城への曲がりくねった坂道を象の行列が行き交う様は非日常の極地。インドにいることを実感します。一般常識 として「インド象はアフリカ象より小さい」と教えられてきましたが、インド象だってやっぱり大きい。だって象だもん。 (^^) 象乗り場はちょっとした高さの階段の上に作られています。
最初「象のタクシー」と聞いたときは象が街中を流しているのかと思ったが、インドといえどもそこまでシュールではなかった。 ちょっと残念。(?)