旧制第一高等学校寮歌解説

青島陷落歌

 

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「都の空に」の譜
1、寒燈夜は暗うして   文字忍辱(にんにく)の血に泣きぬ
  覇者絶東に建國の  三千年の火の歴史

2、窓下の桐葉風立ちて 秋宵夢は醒め易く
  二十餘年の嘗胆の  男子(をのこ)の悲涙苦かりき

6、ああ山東の一角に   今日しも立ちぬ常勝旗
  將士聲なく降りては   不落も遂に人の名ぞ




語句の説明・解釈

大正3年8月 7日 イギリス、日本の対独戦参加を要請
8月 23日 ドイツに宣戦布告、日本、第一次世界大戦に参戦
11月 7日 日本軍、青島占領
11月 10日 一高では、青島陥落を祝し臨時休業。祝賀式。

  (青島占領)         
 第一次世界大戦における日本によるドイツの青島要塞の占領。青島は山東半島南岸、膠州湾 の入口に開けた都市で、1897年(明治30年)ドイツが占領、翌年租借地となる。日本軍は、大正3年9月2日第18師団を主力に作戦を開始し、11月7日に占領。大正11年のワシントン会議の結果、中国に返還され日本軍は撤退した。
           
語句 箇所 説明・解釈
忍辱 1番歌詞 恥をしのぶこと。仏教用語で、侮辱・苦難を堪え忍んで、怒ったり恨んだりしないこと。   
二十餘年の嘗胆の 2番歌詞 明治28年4月、極東進出を狙うロシアがドイツ、フランスに働きかけ、三国共同で日本の遼東半島領有は<極東永久ノ平和ニ対シ障害ヲ与フル>として放棄を要求した三国干渉の恨みをいう。二十餘年は日清戦争開始から起算した凡その数字であろう。
*三国干渉から青島陥落(1895年4月から1914年11月)までは19年7月足らずである。
            

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