旧制第一高等学校寮歌解説
旅順陷落歌 |
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1、北、窮髪の風寒く 蒼茫遠き 五嶽 見よ老鐵の山崩れ 黄金山頭日の御旗 2、闇、九霄の雲拂い 霜の劒に照り 今渤海の波静か 旅順灣頭日の御旗 |
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「大空涵す」の譜 |
語句の説明・解釈
(旅順の戦) 明治37年8月から5ヶ月間にわたって戦われた日露戦争最大の激戦。バルチック艦隊の来航前にロシアの海軍基地のあった旅順(現中国遼東半島南端、大連市の一部)を陥落させるため、乃木希典率いる第3軍は、3回にわたって旅順要塞(司令官ステッセル)を総攻撃し、要塞背後 の203高地を占領した後、これを攻略した。日本軍の損害は約6万人。
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語句 | 箇所 | 説明・解釈 |
窮髪 | 1番歌詞 | (「髪」は草木の意)北方のはての不毛の地。 |
五嶽 | 1番歌詞 | 1番歌詞) 五つの名山。泰山(東嶽)・華山(西嶽)・衡山(南嶽)・恒山(北嶽)・嵩山(中嶽)。ここでは、 中国全土という意味。 |
老鐵の山 | 1番歌詞 | 日露戦争の時のロシア軍要塞。難攻不落といわれ、日本軍は攻略に苦労した。旅順西南の山(466m)、日露戦争の「兵どもが夢の跡」というところか、露軍兵舎・弾薬庫・砲台跡などが今も残る。観光地として、日式(日本式)の老鉄山温泉としても人気が高い。 |
黄金山頭 | 1番歌詞 | 旅順口にあったロシア要塞黄金山砲台のこと。広瀬中佐が戦死した日本海軍旅順口閉塞戦隊に容赦なく砲撃を浴びせた。今もその跡地には、露軍旅順要塞重砲台連隊の砲台・兵舎等が残る。旅順背後(旧市街から北西2.2km)の203高地とは異なる。 「激戦の上、攻略した203高地のことと思われる。」(一高同窓会「一高寮歌解説書」) |
九霄 | 2番歌詞 | 天の最も高いところ。九天。「霄」とは空、天のこと。 |
六合 | 2番歌詞 | 天地と四方。宇宙全体。 |